企業買収防衛策(総会対策、なんとかなりそう、かと)

経済産業省のメルマガで、
企業価値研究会「論点公開」〜公正な企業社会のルール形成に向けた提案〜
http://www.meti.go.jp/press/20050422005/050422ronten.pdf
がupされたというのを見て読み始めていたら、すでに47thさんが、パブコメのススメシリーズを開始されております。

ちなみに、私も最終報告書125頁で滑り込みセーフという感じでThanks List入りしています。残念ながら、私の indirect & non-public の辛口コメントは余り反映されていませんが・・・

と、このシリーズで、報告書に対する厳しいツッコミを拝見できるのではないかと思いますので:-)、私の方はへたなことを申し上げるのはやめときまして。
−−−
買収防衛策の要件として総会の承認が必須になるかのような報道については、

これに関する新聞報道・・・これはなんなんでしょうね?
買収防衛策導入、「総会で承認」を推奨・経産省研究会 (NIKKEI NET)
企業防衛策:株主総会での承認の重要性指摘 経産省研究会 (毎日新聞)

磯崎さんも指摘されているとおり、3月の骨子の段階では�第三者チェック型、�客観的解除要件設定型、�株主総会授権型の3つは選択的要件とされていましたし、(直接委員の一人に確認したのですが)最終報告書でもこの関係は変わっていないはずです。
まあ、よく読んでみると若干そういう誤解を招く表現も見られるのですが、とても上記の新聞記事のように総会の承認が必須であるかのようには読めません。

いったい、どこからこういう話になったのか、しかも、日経と毎日が両方ともこうした書き方をしているのには、本当に首をひねらざるを得ません
直接記者が報告書全文を読んで書いたわけではないんでしょうから、誰かかがそういったのだと思うんですが・・・情報源が同じということなんですかねぇ・・・

とのことです。
総会ご担当者のみなさま、胸をなで下ろしていただければ。
(追記:8:15)
スキームによっては、総会で何かしなくちゃいけないこともありますので、念のため。
(ではでは。)
(追記:2005/6/21)
企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の公表について
企業価値研究会「企業価値報告書」の公表について
2005年5月27日 経済産業省・法務省
http://www.meti.go.jp/press/20050527005/20050527005.html

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デューデリジェンス士の都市伝説が広がる前に

先日、「一級デューデリジェンス士過去問題例」というエントリーを書いたら、
「そんな資格があったんですね、知りませんでした。」
「何月に試験があるんですか?」
「解答編は出さないんですか?」
等の複数のお問い合わせをいただきました。
えーと・・・。
選択肢に、「あんたとはもうやってられまへんわ」とか書いておいたので、当然、ジョークだとおわかりいただけたかと思ったのですが、結構ちゃんと読んでくれてそうな方まで何人も誤解されていたので、「こりゃヤバいかも」と思い、念のためちゃんと申し上げておきます。
そんな資格は実在しませんので、よろしくお願いいたします。
もし、「一級デューデリジェンス士って知ってるかよ?」とか、知り合いにトリビアを自慢してしまった方がいらっしゃいましたら、深くお詫び申し上げます。<(_ _)>
「デューデリなんて形だけだろ?」という人が結構いらっしゃったので、
「説明責任が厳しく問われるようになってきた今、そうでも無くなってきているのではないか、
某「事実上決まっている投資」については、当然、デューデリを有名無実にする圧力がかかる可能性がありますが、特に、デューデリに関わるプロフェッショナルな職業の方々は、ちゃんと仕事せざるを得ないんじゃないか、
と思う一方で、
強制法規や規則で厳重に縛られている領域でもないので、やる人によってはいいかげんにやられてしまう、(つまり、「デューデリをしました」という情報だけでは、どの程度のクオリティでデューデリが行われたのかが、外部からは必ずしも判断できない。)、
というようなところをいろいろ考えていただきたかったということであります。
よろしくお願いいたします。

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電車の中にて

●その1
本日送られてきた日経ビジネスを読んでたら、隊長が登場しててびっくり。
著者に聞く(99ページ)
けなす技術
山本 一郎 (著)

(SPA!に出てても驚かないのに日経ビジネスに出てると驚くのはなんででしょ。)
ちなみに、本書を拝読して、「けなす技術」とは換言すると「ガバナンスの技術」ということなのかな、と愚考いたしました。
●その2
目の前のにあるForbes6月号の中吊り広告のトップ見出し。
「毒薬条項を定款に盛り込め!」(笑)
(これも売れそー。)
ではまた。

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企業買収防衛策(今から総会に間に合うのか?)

本日日経一面トップの見出しが、「買収防衛策、株主総会承認求める」となっていて、
経営者の保身を防ぐための条件、
1.社外独立取締役等による第三者チェック方式
2.買収防衛策解除条件の明示型方式
3.株主総会の了承を得る方式
の3つのうち、3番目の株主総会の了承を得る方式が「最も合理的」と書かれています。
経済産業省:企業価値研究会の論点公開骨子の公表について
http://www.meti.go.jp/press/20050307004/20050307004.html
という3月公表の資料を見る限りでは、この3つは「OR条件」で、どれか一つを満たせばOKと読めるのですが、最終報告書では「株主総会の承認を受けるべき」という方向なんでしょうか。報告書、本日公表とのことですが、まだ経済産業省のホームページにはアップされてない模様。
いきなり「総会の了承が必要」と言われても、上場企業のご担当の方々は(リアクション芸人風に)「おいおいおい!」って感じじゃないでしょうか。今年今から6月の総会に具体的なスキーム案までかけて了承を求めるとすると、スケジュール的にかなりキツイですよね。
すでに「ひな形」があればいいですが、今出て来ているスキームは、どれも、「株主に平等か」「解毒されてしまうのではないか」といった観点から考えて「イマイチ」というのが専門家の方々の評価のようですし。(ニレコさんも、批判の強かった「ニレコ方式」をやめて信託方式に移行するという記事が本日載ってました。)
導入コンサルに数千万円のフィーを提示されている企業さんもいらっしゃる、とか。
(1年待てば、スキームも出尽くして、ほとんどタダになると思うんですが〜。)
こんな記事が日経1面トップになったら、コンサルされてる方は、ますます儲かっちゃいそうですね。
「今からでも間に合う、6月総会に向けた買収防衛策導入のすべて!」
とかいうセミナーをやったら、30万円くらいの単価にしても200社くらい集まりそう。(笑)
(ではまた。)

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ページビューのカミングアウトをしてみる

渡辺 聡さん経由→梅田さん経由→で、日本の主要ブログのトラフィックの推定をされている「デジモノに埋もれる日々」の記事を発見。
分析、どうもありがとうございます。
ただ、梅田さんもおっしゃるようにisologueが月間150万ページビュー(pv)というのはちょっと多いですね。
梅田さんは、isologueが月間12万pvくらいだったとき(昨年10月くらい)のことを引用していただいてますが、その後スルスルとpvが増え、3月は「ホリエモン効果」で108万pv。4月はちょっと落ち着きましたが、それでもコンスタントに平日3万pv超、休日2万pv超(来訪者数はその1/3くらい)のペースでご来訪いただいており、今月は月間で85万pv程度になりそうです。
ブログ別、Alexaの利用者比率のイメージは?
デジモノさんはAlexaのデータを元に推計されています。
isologueを見てる方って、IT系のブログの来訪者よりもAlexaのツールバーをインストールしている人の比率が低いと想像してましたが、推定が多めに出るということは、算定のベースとされているネタフルさんより実はAlexa利用者比率が高いんでしょうか?
リアルでお会いするisologue読者の方々は、年齢層が高めの、経営者や投資・証券関係者の方々が多いので、「そこそこのITリテラシーはあるがAlexaのツールバーを入れるほどではない」という読者層を勝手に想定させていただいていたんですが。実は、読者全体では(若手の?)ネットのリテラシーの高い方々が多いんでしょうか?
トップページからの訪問比率が高まる
最初に来訪するページの統計を見ると、昨年3月に始めたころはブログのトップ(www.tez.com/blog/)が全体の30%くらいだったのが、この比率がだんだん高まり、今月は全体の75%の方がブログトップから来訪していただきました。
ブログの「ストック」がだんだん貯まってくると、検索エンジンや、その他のページのリンクから当方の個別の記事に直接飛んで来る比率が増えるかと思いきや、全く逆でしたね。
(ちなみに、私はほとんど、追記(extend)=「続きを読む (continue reading)」を使ってないので、見かけを膨らませようと考えれば、そのワンクリックでpvは1.5倍くらいになるかも。って、膨らませる予定、ないですが。)
「はてなアンテナ」(http://a.hatena.ne.jp/)での私のページの登録者数も現在わずか368人です。RSSリーダーで見てらっしゃる方も、そんなには多くはないでしょうし・・・。(ちなみに、RSSフィードメーターのランキングではここのところだいたい34位。)
1日1万人以上の訪問者の方々は、どうやって来て頂いているんでしょうか。
(シンプルに、トップページをブックマークして来ていただいてる?)
法務・会計系のブログの「モール」化
ここ数ヶ月で、法律や会計関係のブログがすごく増えた印象があります。
前述のとおり、今まではそうした情報は「厚くて高い本」にしか載っておらず、ネットを探してもそれほどいい情報が見つからなかったのが、そうした領域のブログがいくつもできてくると、法律や会計について「ブログを巡回する」という今まで存在しなかった習慣が形成されて、新しい需要が掘り起こされた・・・のかも知れません。
つまり、「相互作用」でパイ全体が大きくなったかも知れませんね。
適度なコミュニケーション量は?
梅田さんは、

1日10,000PVを超えるようになると雑音が多くなってくるような気もしないではない。(中略)
そんなこんなを色々と考えあわせると、500-3,000PV/日あたりが、Blogを書いていて、けっこう楽しいいいゾーンなんじゃないかな、と思ったりする。そのくらいだと、読みたいと意図して訪ねてくれる人がほとんどで、それ以上になると、背景を知らずに何かの拍子に飛び込んでくる感じの人が増えてくる。

と書いてらっしゃって、渡辺聡さんも「・・・という感覚値は深く頷けるところがある。レスポンスがありつつ、かつ上手い具合のコミュニケーションがバランスされる数値と言える。」と同意されてます。
isologueの場合、もうちょっと高めのトラフィックでも大丈夫な気がします。
(梅田さんや渡辺さんに比べて私が鈍感なだけかも。)
実際ちょっとしんどいなと思ったのは、「ホリエモン騒動」で1日4万pvを超した時くらい。ただ、これも単にページビューというより、リンク元の問題かも知れません。リンク元が2ch等の掲示板だったりした日は、突然来て、脊髄反射レスを書き込んで去っていく人が多い気がしました。今月に入ったら、そういったことはほとんど発生してません。
isologueの読者の方々は、よく言えばお上品というか、人数の割に書き込みが少ないのではないでしょうか。以前、「ネットは新聞を殺すのかblog」で湯川さんが、「このブログはコメント欄、トラックバック欄がお勧めです」と(謙遜して)書いてらっしゃいましたが、
当ブログも、記事を書く労力と、コメントやトラックバックで勉強させてもらったり、いろんな方とお知り合いになれたりといったメリットが等しくなる「臨界点」を超えた気がします。2〜3ヶ月前、1日1万pv前後くらいの時から。
一方向に情報が流れるメディアというより、読者の方のコメントに別の読者の方が回答していただいてひとりでに解決したりするような「ちょっとしたコミュニティ」っぽさも出て来たので、「pvが増えればそれに比例して辛さが増す」というもんではないかも。
ブログのテーマ別の「大変さ」加減
テーマにもよるんでしょうね。
例えばIT系の情報は基本がオープンなので競争も厳しく、へたな事を書こうもんならウルサ型の方からすぐ突っ込まれるわけですが、経営、会計、法律、ファイナンスといった世界は、今までネットでの情報交換があまり存在しない世界だったので、意外にみなさん、新鮮に感じていただいている模様。
さらなる技術の進化はあるか
ブログは、情報の発信者と受け手との間に流れる情報の量が「非対称」(asymmetric)なところがいいですね。
90年代後半からメーリングリスト(ML)をいくつかやっていたのですが、MLだと、そこそこのクオリティの話をしようとすると、だいたい参加メンバー400人が上限値でした。MLオーナーと参加者が完全に「対称」なので、それ以上になると、初歩的な質問等の「ノイズ」が多くなり、レベルの高い方々はunsubscribeして辞めていき、結局、400人くらいで均衡する、というような。
これに対してブログは、本文が「主」という感じが出るので、多少、コメント欄で暴れていただいても、全体の雰囲気への影響は、MLよりははるかに少ないかと。
つまり、メーリングリストというツールしかなかったときには400人のコミュニティしか形成しえなかったものが、ブログというツールの登場で月間10万人くらいにリーチしても空中分解しないで済むようになったわけです。
極限まで非対称性が強い「テレビ」というメディアだと、各系列とも月間で1億人前後の人にリーチしてるわけです。
私は1億人にリーチしようなんて大それた野望はないですが(笑)、「ブログ」というツールのマネジメント機能が今後さらに進化していくと、100万人くらいにリーチしても双方向性を”楽しみながら”運営できるという可能性も十分考えられるんじゃないでしょうか。
(追記)
実際、一番時間がかかっているのはスパムの除去だったりするので、認証(認証無し、ふんわり、からガチガチまで)を簡単に使い分けられるようになれば、「コミュニティマネジメント」のコストは大幅に削減されるんじゃないでしょうか。
(ところで、TypeKeyって普及してるんスかね?)
(ではまた。)

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1級デューデリジェンス士過去問題例

(平成16年度試験より。)  (ご注意:ジョークです。)
あなたの勤務する監査法人は、公開会社A社からデューデリジェンスの仕事を引き受けることになりました。公開会社A社は別の公開会社B社に対して第三者割当増資による巨額の投資を検討しています。以下の問1、問2を読んで設問に答えなさい。
問1.A社の担当者は、あなたに対して、「この投資を行うことは事実上もう決定しているので、デューデリジェンスも適当に形だけやっていただければ結構ですよ。」と伝えたとします。この場合、デューデリジェンス作業の責任者である専門家として、あなたはどのような態度を取ることが望ましいですか。下記の選択肢の中から最も適切と考えられるものを選びなさい。
(1) デューデリジェンスの場合、証券取引法や商法に定められた監査とは異なり、任意の調査(レビュー)であるので、基本的にクライアントが求めるレベルの調査を行えばよい。
(2) 今回のような公開会社が行う巨額の投資の場合、後でA社の取締役が代表訴訟された場合等に報告書が証拠として提出される場合もあるので、クライアントの意向に関わりなく、監査法人として専門家の注意義務を果たしたと言える水準の調査を行う。
(3) A社担当者の希望する調査の範囲が、B社への投資を決定するためには不足していると考えられる場合には、A社担当者に、「この範囲では取締役が注意義務違反を問われる可能性がある」旨を告げ、調査範囲の修正を促す。
(4) クライアントの希望とは関係なく、監査法人が通常行う項目についての調査を実行する。
問2.あなたは、調査結果を仮にまとめたドラフト版のレポートをA社担当者に提示して最終報告書の打ち合わせをしています。専門家であれば調査の課程で通常なら発見できるであろう いくつかの事項について、A社の担当者から、「これらの事項が記載されていると、当社はB社に投資をできなくなってしまうので、最終報告書からはこれらの部分は削除してほしい。」と依頼があったとします。この場合、責任者のあなたは、どのような態度を取ることが望ましいですか。下記の選択肢の中から最も適切なものを選びなさい。
(1) 監査法人が専門家としての注意義務違反に問われる可能性があるため削除はできない旨を告げて、最終報告書に当該事項の記載を行う。
(2) 監査法人とA社との関係が悪化する可能性に配慮し、最終報告書には記載しない。
(3) A社の代表者または契約書に記載された相手方担当者に口頭で当該内容について十分説明を行って、それを監査法人内のみで使用する議事録またはワーキングペーパーに記載するにとどめ、最終報告書には当該事項を記載しない。
(4) 「あんたとはもうやってられまへんわ」と言って、デューデリジェンスの担当を辞す。
あなたの勤務する法律事務所は、この公開会社A社からデューデリジェンスの仕事を引き受けることになりました。以下の問3を読んで設問に答えなさい。
問3.あなたの報告書および監査法人が出した報告書には、深刻なB社の法的・財務的問題点が記載されており、普通に考えればB社に対する投資は行うべきでないことが明らかであったとします。これにも関わらず、A社代表者は、B社に対する投資を進めようとしています。
デューデリジェンスを指揮した弁護士であるあなたは、A社代表者に対してどのようなアドバイスをしますか。最も適切なものを選択しなさい。
(1) 取締役の注意義務または忠実義務違反があったとして訴訟されて負ける可能性もあることをA社代表者に説明し、B社に対する投資に強硬に反対する。
(2) 取締役の注意義務または忠実義務違反として訴訟されて負ける可能性もあることを一通り説明して、あとはA社の決定に任せる。
(3) 訴訟になったときに備え、B社に対する投資が合理的であった旨の内部検討資料をA社とともに準備する。
(4) 「あんたとはもうやってられまへんわ」と言って、A社の担当を辞す。

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LegalXML

XBRL(会計版XML)関係者の某氏にご教授いただきましたが、「オープンな法体系(SF小説風)」に登場させた「法律版のXML」、すでに実在するようですね。
LegalXML
http://www.legalxml.org/
失礼いたしました。>LegalXML関係者様
「XBRLほどには盛り上がっていない感じ」、という話もありますが、確かにWebを拝見しても、あまりアウトプットが載っていないようにも見えます。
単純に考えて、法律の分野をXML化するというのは、会計分野をXML化するよりも相当複雑な(気が遠くなる作業が必要な)気がします。
「SF小説風」の中では、「『法律上の概念』と『言語による表現』のレイヤーが切り離され」「クリック一発で日本語にもフランス語にも韓国語にも表示されるようになった。」とカンタンに書いてみましたが、
それぞれの国の法律は(会計以上に)それぞれの国で固有の概念を持っているはずで、それを言語に依存しないメタな概念として抽出できるかというと・・・実際には非常に難しそうな気もします。
「ざけんじゃねー!」「そんな簡単に行くなら苦労せんわい!」と激怒された方がいらっしゃいましたら、ご容赦ください。あくまで「SF小説風」でございますので・・・(汗)
(ではまた。)

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和解案、正式発表されましたね

(追記18:11)、(追記あり19:07)
ライブドアとフジテレビの和解案が正式発表されました。
適時開示のプレスリリースのリンクを掲げておきます。
コメントは・・・あまりないですが、ライブドアさん、交渉がうまいなー、という感じですね。
もうちょっとフジテレビさんに有利な条件での着地もあったんじゃないかと思いますけど、これ以上、ライブドアさんを追いつめないのはじっくり考えると正解かも知れません。
(ただ、フジテレビの株主や、ニッポン放送の前回のTOBに応じてくれた株主や、その株主の株主が納得するかどうかは別のお話。)
産活法の現金対価の株式交換は、47thさん大当たり〜、です。
(追記:19:07)
某記者の方に教えていただいてなるほどと思いましたが、リリースにある下記の一文は非常に趣深い一文ですね。

証券取引法に基づく諸手続を経て、フジテレビはライブドアが実施する第三者割当増資を引き受ける予定です。基本合意された第三者割当の内容は下記の通りですが、払込期日までに実施されるフジテレビによるライブドアのデューディリジェンスの結果によっては、当該内容は変更または本資本参加は中止される可能性があります。

これだけの出資をするわけなので、当然、デューデリはちゃんとやらんといけませんわね。
フジテレビさんがどこまでどんなデューデリをするか、ですが。(微笑)
(ではまた。)
●ニッポン放送分
親会社の異動に関するお知らせ
フジテレビによるニッポン放送の完全子会社化に関する基本合意のお知らせ
●フジテレビ分
基本合意のお知らせ
フジテレビによるニッポン放送の完全子会社化に関する基本合意のお知らせ
ニッポン放送子会社化に関するお知らせ
●ライブドア分
株式会社ライブドア・パートナーズの株式譲渡に関するお知らせ
基本合意のお知らせ
第三者割当による新株式発行に関するお知らせ
■産業活力再生特別措置法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H11/H11HO131.html

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オープンな法体系(SF小説風)

みなさんから、契約書を著作権で保護する必要があるかどうかについて、いろいろご意見をいただきました。
以前より「オープンな法体系」というものについていろいろ思考(妄想)しておりまして、それをSF小説風に書くとこんな感じになるかな、ということでまとめてみました。
半日で書きあげて、あまり「ハードな考証」をしたわけでもないので、ツッコミどころ満載かと思いますが、ご興味のある方は、ご笑覧いただければ幸いです。
(以下、登場人物・団体等は実在のものとは関係ありません。)

−−−

2035年2月15日。
昨日、大きなディールをクローズさせたボクは、江ノ島を遠くに望む高台にある鎌倉の自宅で博士論文を書いている。
テーマは「21世紀における電子法学発展の歴史とOLI仕様の変遷」。
2007年にシリコンバレーで発案されたXMLによる法律文書の体系、「OLI」(Open Legal Interface)が、どのように実務界で発展し、経済と産業に影響を与えてきたか、という内容である。

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契約書の著作権(その2)

昨日のエントリにいただいたコメントを総合すると、どうも日本では契約書の著作権については(法的にあるか無いかはともかく)「無い」という前提でうまく回ってきたけど、米国では「(弁護士事務所等に)ある」ということで確立してるということのようですね。
確かに、よくある表現の一枚ぺらのNDA(守秘義務契約)の契約書の内容がほとんど同じだったからといって「著作権の侵害だ!」とか騒がれても困りますが、一方で、(例えば)厚さ10cm以上もあるような延べ何百時間もかけて詰められたストラクチャードファイナンスの契約書が、別の会社で固有名詞以外一言一句同じにコピーされても法的に保護されませんよというのでは、ちょっと作った人に申し分けなさすぎる気がします。
日本ではそもそも、5年くらい前までは例えばベンチャーキャピタルさん等がベンチャー企業に投資するときにも、契約書は最大手クラスでも「1枚」とか、大抵は「いやー、面倒なので(締結しなくて)結構ですよ」てなことをおっしゃったりしてました。明らかに法的保護を必要とするような「労作」は、証券化など「狭い世界」で使われるだけだったので、t.ikawaさんおっしゃる「職人の仁義」的ガバナンスが成立してたのかも知れません。(k2bzさんおっしゃるとおり、今後どうなるか、というのはありますね。)
《ぬえ》さんがおっしゃるように、ISDA (International Swap and Derivatives Association, Inc.) では、原則複製禁止、ただし契約締結目的であれば正本を一部購入すれば複製可、ということになってるようですね。
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新デリバティブ・ドキュメンテーション—デリバティブ取引の契約書実務
植木 雅広 (著)
(の4ページあたりにも書いてありました。)
(ではまた。)

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