設立コストのナゼ?シリーズその2:銀行の払込金保管証明書のコスト

先日の「会社設立時の定款認証と”利権の構造”」 での、「公証人さんに定款認証してもらう意味ってあるのかしらん?」という疑問には、いろいろ反響をいただきました。ありがとうございました。
もう一つ、設立時のコストで銀行に「払込金保管証明書」というのを書いてもらわないといけないというのも、(金のない起業家にとっては)痛いコストの一つ。
たいてい、払込額の2.5/1000(0.25%)程度なので、1000万円だと2.5万円くらいですが、キャッシュで払い込まれているので証明のリスクもないのに、なぜ金額比例の従量料金なんだろう?という気もします。また一応審査が必要でコストがかかるのもわかりますが、そもそも、Yahoo!BBがタダでADSLモデムを配る時代には、「新しく取引を開始して”お客さん”になるのに、なんで逆にお金取られるんだろう?」という気もしますね。
(Yahoo!BBの感覚の方がおかしい?ま、そうかも知れませんが。)
ただし、この銀行の保管証明は、確認会社(いわゆる「1円起業」)では免除されています。
参照:新事業創出促進法第十条の十(新株の発行等における払込みの証明の特例)
やはり、銀行の不利益になる法改正はできても、公証人さんの不利益になる法改正は(「特例」であっても)難しいんでしょうね。法務省のかたも自分たちの「センパイ」の首を締める法改正を進めたら、センパイからお叱りを受けるんでしょうか?
公証人さん仕事は定款認証だけでなく、遺言その他の公正証書を作ったり、という仕事もありますので収入のうちどのくらいが定款認証に関わる収入なのか存じませんが、9万円のうち印紙代を除いた5万円が公証人さんの収入になるとして、1日に一回程度、定款認証がある法務局でも、年間約200件、1000万円。
年収が1000万円変わってきたらちょっとイタいかも知れません。
(ではまた。)

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ゲームボーイのネットワーク外部性(その後)

先日、子供にゲームボーイ

ゲームボーイアドバンスSP

を買い与えたわけですが。
親としては、子供があまりゲームにはまって、「オタク」「引きこもり」化するのを恐れて、今までそういうものは買わない方針だったのですが、想定したのと全く逆で、出不精だった子供が、購入してからというもの毎日のように友達の家や近所の地区センターに遊びに行くようになったので非常に驚いてます。
「携帯できる」「(近距離でのみ)通信できる」というところがポイントなんでしょうね。
今や、こういうゲーム機が、昔で言うところのベーゴマやメンコに相当するようになっていたというわけです。(つまり、持ってないと友達と遊べない。)
普通のおもちゃなら、「よそはよそ、ウチはウチだよ」と突っぱねることも可能ですが、こうも強力にネットワークへ組み込む力が働くモノについては、単純にそうとばかりも言ってられません。
(「他の子はみんな、RFCベースのメールプロトコルを使ってるんだよー」、「うちはうち独自のプロトコルがあるからそれで我慢しなさい」というのが無理っぽいのと、ある意味同じで。
メーカーの思うツボではありますが・・・。)
親としては、子供を取り巻く環境変化に気づくのがやや遅かったかも知れません。
こんな「おいしいプラットフォーム」を他社が見逃すはずもなく、ソニーさんも「PSP」を12月12日に発売されるようです。

 PSP 「プレイステーション・ポータブル」

ご参考:
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0411/26/news023.html
親の悩みは続きます・・・。
(ではまた。)

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会社設立時の定款認証と「利権の構造」

前から思ってるのですが、会社設立時に定款を公証人に認証してもらう意義ってどこにあるのでしょうか?法律(商167条、有5条�)で決まっているからと言えばそれまでですが、経済活性化のために「1円起業」とか言っている時代に、印紙代(4万円)と認証手数料(5万円)で9万円も取られるわけです。
人的会社の合名会社や合資会社では定款認証の規定はないので、もともと何か学術的な意味があったのかも知れませんが・・・。
普通の会社であれば(つまり、設立時に現物出資するとか、設立時から優先株を発行するとかややこしいことをしなければ)、定款の内容は市販の書式集や文房具屋で売ってる設立セットを使うなり、司法書士さんに作ってもらうなりしてもらってるわけで、内容は基本的に問題ないはずです。
(それでも、公証人さんは、「英文では○○, Inc.と称する」というのを「表示する」に直したり、「当会社の営業年度は、毎年4月1日から3月31日までの年1期とし」というのの「3月31日」の前に「翌年」(今年のわけないじゃん)を入れろとか、細かい指摘はしていただくわけですが、でも誤字脱字のある定款で、ちゃんと設立されている会社はよくあるので、チェックが完璧というわけでもない・・・。)
公証人に認証してもらったら法務局はフリーパスで通るというわけではなく、そちらでも不備があったら登記できないわけで、チェック機能としてもカブってますね。
どなたに伺っても「定款認証をしないと理論上コレコレの問題点がある」という答でなく、「公証人は法務省OBの”利権”だから誰も手が出せないんじゃないですか?」というわかりやすい答しか返ってきません。(こういうこと書くと、検察の取り調べを受けたりするのかな?)
「会社法の現代化」を検討されている委員の方や1円起業をプッシュしている経済産業省さんですら、そこだけは踏み込めないとしたら、まったく「現代」の姿とは思えません。
「現代化」というなら、法務省のホームページから、会社本店の住所予定地や名称、目的、決算期などをインプットするだけで、類似商号や目的の適格性をチェックしてくれて、定款のpdfファイルが自動作成され、法務局に持って行ったら即登記可・・・くらいのことは考えてもいいんじゃないかと思いますが。
「1円起業」制度の導入の成果で、「起業の価格(?)弾力性」があることは既に証明済み。これから事業を始めようという目をキラキラ輝かせた金のない若者から公証人役場が9万円もむしり取ることはないと思うんですよね。
定款認証コストがいらなくなったら、ますます起業は活性化すると思います。
(ではまた。)

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ドラゴンクエストVIII

ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君

ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君

ただいまAmazonより到着。
ちょっと仕事もたてこんでおりますので、本日以降、当面 blogへの書き込みがとぎれがちになるかも知れませんが・・・・・・ご容赦ください。<(_ _)>
(ではまた。)

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三の酉、他

本日午前中は、ホテル・ニュー○ャ○○跡地の某ビルで打ち合わせ。

bo_building.jpg
(プライバシー保護のため画像に処理を施しております。<(_ _)>)

前から一度聞いてみたかったあの質問をぶつけてみました。
「もしかして出ませんか?」
「出ます。」
その方と同じ部署の方が深夜、残業をしていたところ、廊下側のガラスの斜めにしたブラインドから、廊下を歩いていく足が見えたので、「まだ誰か残業しているのかな?」と思い、すぐに廊下に出たが、そこには誰もいなかった、とか。
はたまた、電気が急に消えたり、とか。
(ご冥福をお祈りいたします。)
本日夜は、商売繁盛祈願のため、三の酉に出かけて熊手(昨年より一回り大きいやつ)を買ってきました。

3notori(s).jpg

景気が回復しているせいか、昨年が小雨だったせいか、去年よりかなり活気があった気がします。
(本日は、これにて。)

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ヨン様とネットワークコミュニティ

ヨン様が本日来日して、ヨン様公式コミュニティも盛り上がっているようです。うちの奥さんも、最近は一日の大半、ヨン様コミュニティに張り付いている模様。
折しも、NIFTYで「空前の“韓流”ブームあなたの好きな韓流スターは?」というネット・アンケートがあり、ヨン様、ビョン様のファンがコミュニティで投票を呼びかけて、すごい接戦になってます。
CAOXGH4F.png
(本日、19時45分ごろの中間集計結果)
私はあんまりこうした「バーチカルな」コミュニティは見たことなかったんですが(今もほとんど見てませんが)、奥さんから聞くところによると、(2chとかを見慣れた目には)、かなり「礼儀正しい」コミュニティの様子。
本日も、成田には史上最多の見学者が訪れたそうですが、事前にコミュニティで「ヨンジュンssiのじゃまにならないように行儀良くしましょう」(本当のヨン様ファンは、あまりヨン様のことをヨン様とは呼ばないとのこと)と呼びかけたのが効いたのか、(年齢層が高いせいか)、実際にかなり行儀良かった模様。
また、新潟の長岡市妙見町の土砂崩れで車ごと土砂にとじこめられた皆川貴子さん(ご冥福をお祈りいたします)も、ペ・ヨンジュン氏のファンだったそうで、まだ救出が続いている時に、いとこの方から「生きているようにみなさん祈ってください」と呼びかけがあり、それに暖かいレスが数百も続くとか、
耳の不自由な方から「(ペ・ヨンジュン氏)の声はどんな声なのかしら?」という書き込みがあると、それに美しい表現でヨン様の声を表現したレスが続くなど、「電車男」も真っ青な感動のドラマがいろいろあるようです。
「こちらでのウワサでは、ヨン様は春の訪日時と同じ○ュー○ー○○に泊まるらしい」等、韓国の方が情報提供をしてくれて、(良く存じませんが、文法が似ているだけに日韓自動翻訳ソフトってかなり精度がいいんじゃないかと思われるので)、おそらく自動翻訳ソフトで翻訳したであろう(ちょっと日本語にしては変わった表現の)投稿が多くあり、日韓の国際的なコミュニケーションが成立しているところも特徴。
直訳的表現も、「なるほど韓国ではこういう表現をするのか」と、奥さんのハングルの勉強になっているようです。(知らぬ間に、かなりボキャブラリーが増えて、ヒアリングもできるようになったりしてます。)
(本日はこれにて。)

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インボイスの役員は新株予約権を行使する?

インボイスさんでは、社長をはじめ役員の方々にも持株に応じて新株予約権が付与されたわけですが、ふと思ったのですが、みなさん、この新株予約権をどういう風に行使されるのでしょうか?
有価証券報告書によると、今年3月末の持株比率は以下の通り。(住所省略。)
invoice_kabunushi.jpg
3月末ですから、2月にMerrill Lynch Internationalが引き受けた転換社債はすべて転換後の持株比率。木村社長が17.53%お持ちでした。
この後、
6月2日「株券等の大量保有報告(5%ルール)に関するお知らせとお詫び」
6月4日「株券等の大量保有報告(5%ルール)に関するお知らせ」
と、相次いで、木村社長の持株を機関投資家に売却し、持株比率は14.04%まで低下しています。6月4日のリリースには、

このたびの売却代金(@118 千円x1 万株=11 億8 千万円)と前回売却代金(@110 千円x1 万株=11 億円)は、本年9 月末に株主としての木村育生に付与される予定のストックオプション行使の原資とさせていただく予定でおります。

とありますので、行使される予定ということですね。
新株予約権の付与対象8,193,339株の約14%として約100万株ですから、全部行使すると、だいたい250億円の資金が必要ということになります。
1株あたり約11万円ですが、その後11分割してますので、今の株価に換算すると1株約1万円で売却したわけですが、税金もかかるわけですし、ストックオプションでの新株の取得には結局1株22,300円かかることになっちゃったわけですから、売却で得た資金を全部行使に使っちゃうとすると、単純に考えれば損です。

弊社は、平素よりIR活動に注力しており、HP等を通じ、個人投資家向けに積極的に情報を配信することを励行するとともに、社長自ら、機関投資家を訪問し、弊社のビジネスモデル、資本政策等について、理解を深めていただくべく、再三にわたりご説明の機会を頂戴しております。
このたび、その活動が認められてか、同時期に、年金運用などを手がける大手本邦系数社より、弊社株式を相当数保有したいという有難いお申し出を頂き、ついては、市場に影響を与えない方法で、ある程度の株数を用意して欲しい旨、強いご要請をいただきました。
これを受け、弊社の株式を既に大量に保有されている方々へ、売却のご意向を確認させていただきましたが、こちらも有難いことに、皆様より継続して保有いただけるとの回答を得、外部からの株式の調達はきわめて困難であることを認識いたしました。
しかしながら、折角のお申し出を頂いておきながら、信義則上不意にすることもできず、お申し出の株数には到底満たないものの、一部でもご用意させていただくことが、弊社の誠意との判断の下に、誠に遺憾ながら、弊社社長保有分よりお譲りすることとした次第でございます。

ということではありますが、「自分の身銭をはたいてまで」機関投資家に保有してもらおう、という理由はちょっとナゾですね。(分割前ですので、ストックオプションの行使価格が上がるとは思っていなかった、ということも無いと思いますし。)
「社長なのにストックオプションを全く行使しないというわけにもいかない」ので、シブシブ、その行使のための原資を作った、ということでしょうか?
(ではまた。)

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買収防衛の観点から見たインボイスの新株予約権

以前にも書いたとおり、インボイスは、今や発行済株式の9割を超える潜在株式(新株予約権)を発行しているわけです。
この新株予約権は取引所では売買できないわけですが、これがこっそり買い集められて、気が付くと大量の新株予約権が特定の者に密かに押さえられてしまっていた、というような危険は無いのでしょうか?

公開買付規制の観点からは?
証券取引法は、第二章の二「公開買付に関する開示」第一節(第27条の2〜第27条の22の4)で、「発行者以外の者による株券等の公開買付け」について定めています。
ここでは、

第二十七条の二

有価証券報告書を提出しなければならない会社が発行者である株券、新株予約権付社債券その他の有価証券で政令で定めるもの(以下この章及び第二十七条の三十の十一(第四項を除く。)において「株券等」という。)の当該株券等の発行者である会社以外の者による取引所有価証券市場外における買付け等(株券等の買付けその他の有償の譲受けをいい、これに類するものとして政令で定めるものを含む。以下この節において同じ。)は、公開買付けによらなければならない。(以下略)

とあり、証券取引法施行令第六条では、

第六条

法第二十七条の二第一項 に規定する有価証券で政令で定めるものは、次に掲げる有価証券(商法第二百十一条ノ二第四項 に規定する種類の株式(第十四条の五の二において「議決権のない株式」という。)に係る株券その他の内閣府令で定めるものを除く。以下この節において「株券等」という。)とする。

一  株券、新株引受権証書、新株予約権証券及び新株予約権付社債券

二  外国法人の発行する証券又は証書で前号に掲げる有価証券の性質を有するもの

三  法第二条第一項第十号の三 に掲げる有価証券で、前二号に掲げる有価証券に係る権利を表示するもの

となってますので、新株予約権証券であっても所定の公開買付の手続きを踏まないといけないわけで、原則として大量に「こっそり」は買い集められないわけです。

公開買付規制の例外
ただし、証券取引法第二十七条の二第一項第四号では、公開買付規制の例外として、

第二十七条の二

四  著しく少数の者から株券等の買付け等を行うものとして政令で定める場合における株券等の買付け等(当該株券等の買付け等を行う者及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が三分の一を超えない場合に限る。)

というケースをあげています。同施行令では、

(公開買付けの適用除外となる買付け等)

第七条

4 法第二十七条の二第一項第四号 に規定する政令で定める場合は、株券等の買付け等を行う相手方の人数と、当該買付け等を行う日前六十日間に、取引所有価証券市場外において行つた当該株券等の発行者である会社の発行する株券等の買付け等(同項第一号 及び第二号 並びに次項第二号及び第三号に掲げる買付け等を除く。)の相手方(内閣府令で定めるものを除く。)の人数との合計が十名以下である場合とする。

ということで、約2ヶ月で10人以内の大株主から買い付けていく場合には、33%までは公開買付の対象外になるわけです。
株券等所有割合が33%というのは潜在株式が入っている場合どういうことかというのは、証券取引法第二十七条の二第8項に、

8  第一項の「株券等所有割合」とは、次に掲げる割合をいう。

一  株券等の買付け等を行う者にあつては、内閣府令で定めるところにより、当該買付け等の後におけるその者の所有に係る当該株券等(その所有の態様その他の事情を勘案して内閣府令で定めるものを除く。以下この項において同じ。)に係る議決権の数(株券については内閣府令で定めるところにより計算した株式に係る議決権の数を、その他のものについては内閣府令で定めるところにより換算した株式に係る議決権の数をいう。以下この項において同じ。)の合計を、当該会社の総株主の議決権に当該買付け等の後におけるその者の所有に係る当該株券等(株券その他政令で定める有価証券を除く。)に係る議決権の数を加算した数で除して得た割合

二  前項の特別関係者(同項第二号に掲げる者で当該会社が発行者である株券等の買付け等を行うものを除く。)にあつては、内閣府令で定めるところにより、その者の所有に係る当該株券等に係る議決権の数の合計を、当該会社の総株主の議決権にその者の所有に係る当該株券等(株券その他政令で定める有価証券を除く。)に係る議決権の数を加算した数で除して得た割合

とあり、さらに「発行者である会社以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令」において、

(株券等の所有割合の計算)

第六条  法第二十七条の二第八項 に規定する株券等所有割合は、次に掲げる方法で計算することとする。

一  株券等の買付け等を行う者にあっては、買付け等の後におけるその者の所有に係る当該株券等(次条に掲げるものを除く。以下この項において同じ。)に係る議決権の数を、当該株券等の発行者である会社の総株主の議決権の数に当該買付け等の後におけるその者の所有に係る当該株券等(株券及び令第九条の二 に定める有価証券を除く。)に係る議決権の数及びその者の特別関係者の所有に係る当該株券等(株券及び令第九条の二 に定める有価証券を除く。)に係る議決権の数を加算した数で除す方法

二  特別関係者(法第二十七条の二第七項第二号 に掲げる者で当該会社の発行する株券等の買付け等を行うものを除く。)にあっては、その者の所有に係る当該株券等に係る議決権の数を、当該会社の総株主の議決権の数にその者の所有に係る当該株券等(株券及び令第九条の二 に定める有価証券を除く。)に係る議決権の数及び当該買付け等の後における当該買付け等を行う者の所有に係る当該株券等(株券及び令第九条の二 に定める有価証券を除く。)に係る議決権の数を加算した数で除す方法

(議決権の数の計算等)

第八条  法第二十七条の二第八項第一号 に規定する内閣府令で定めるところにより計算した株式に係る議決権の数は、株式に係る議決権の数とする。

2  法第二十七条の二第八項第一号 に規定する内閣府令で定めるところにより換算した株式に係る議決権の数は、次に掲げる方法により換算した数とする。 (中略)

二  新株予約権証券については、新株予約権の目的である株式に係る議決権の数とする方法

・・・となってますので、買い付ける者が、目的とする株式数B株分の新株予約権を保有している(単純化のため株式は持ってないとして)とし、発行済株式数がAとすると、株券等所有割合は、
B/(A+B)
で計算されるわけです。
これが1/3になるということは、
B/(A+B)=1/3
→B=(1/3)A+(1/3)B
→B=((1/3)/(2/3))A
→B=0.5A
ということで、現在の発行済株式数の半分(行使したら33%)に相当する新株予約権証券は、公開買付によらずに買い集められる、ということになるんではないかと思います。
ただし、「密かに」買い集められるか?という点についてはどうかというと・・・・

大量保有規制の観点からは?
証券取引法は、第二章の三で「株券等の大量保有の状況に関する開示」(第二十七条の二十三—第二十七条の三十)について定めています。
第二十七条の二十三では、

第二十七条の二十三

株券、新株予約権付社債券その他の政令で定める有価証券(以下この項において「株券関連有価証券」という。)で証券取引所に上場されているもの(流通状況がこれに準ずるものとして政令で定める株券関連有価証券を含む。)の発行者である会社が発行者(内閣府令で定める有価証券については、内閣府令で定める者。第二十七条の三十第二項を除き、以下この章及び第二十七条の三十の十一第四項において同じ。)である対象有価証券(当該対象有価証券に係るオプション(当該オプションの行使により当該行使をした者が当該オプションに係る対象有価証券の売買において買主としての地位を取得するものに限る。)を表示する第二条第一項第十号の二に掲げる有価証券その他の当該対象有価証券に係る権利を表示するものとして政令で定めるものを含む。以下この章及び第二十七条の三十の十一第四項において「株券等」という。)の保有者で当該株券等に係るその株券等保有割合が百分の五を超えるもの(以下この章において「大量保有者」という。)は、内閣府令で定めるところにより、株券等保有割合に関する事項、取得資金に関する事項、保有の目的その他の内閣府令で定める事項を記載した報告書(以下「大量保有報告書」という。)を大量保有者となつた日から五日(日曜日その他政令で定める休日の日数は、算入しない。第二十七条の二十五第一項において同じ。)以内に、内閣総理大臣に提出しなければならない。(中略)

2  前項の「対象有価証券」とは、株券、新株予約権付社債券その他の有価証券のうち政令で定めるものをいう。

(株券関連有価証券の範囲)

第十四条の四  法第二十七条の二十三第一項 に規定する株券、新株予約権付社債券その他の政令で定める有価証券は、次に掲げる有価証券とする。

一  株券、新株引受権証書、新株予約権証券及び新株予約権付社債券 (以下略)

とありますが、対象となる会社(発行者)は公開企業(≠有価証券報告書発行企業)ですが、よーく読むと、「対象有価証券」というのは、取引所で取引されている証券とは書いておらず、新株予約権証券も入ってますので、これを5%以上取得した場合には、「大量保有報告書」を提出しないといけないことになります。
つまり、新株予約権でも、「こっそり」大量に買い集めるということはできないわけですね。
「売却スキーム」は公開買付の手続きを踏まないでよかったのか?
インボイスさんが今回提供された「売却スキーム」では、インボイスがいったん株主からまとめて新株予約権を買い取り、それを一括して入札した証券会社に売却する、という方法を取ってました。
invoice_so_kaitori.jpg
今回、この売却スキームを実行したときには、インボイスさんは特に、公開買付についての公告等も行っていませんでしたが、それってアリでしょうか?
実は、証券取引法では、「発行者である会社による上場株券等の公開買付け」は、前述の、「発行者以外の者による株券等の公開買付け」とは別(「第二節」)になってます。

第二十七条の二十二の二

上場株券等の当該上場株券等の発行者である会社による取引所有価証券市場外における買付け等のうち、次に掲げるものに該当するものについては、公開買付けによらなければならない。ただし、取引所有価証券市場における有価証券の売買等に準ずるものとして政令で定める取引による買付け等については、この限りでない。

一  商法第二百十条第一項 の規定による買付け(同条第二項第二号 に掲げる事項につき決議を受けたものを除く。)

一の二  商法第二百十一条ノ三第一項 の規定による買付け(同項第一号 に掲げる場合を除く。)

二  商法第二百十三条第一項 の規定による株式の消却又は償還株式の消却のための買付け等のうち、多数の者が当該買付け等に関する事項(当該買付け等に係る上場株券等の買付け等の申込み又は売付け等の申込みの勧誘を行う旨の文言が含まれるものに限る。次号において同じ。)を知り得る状態に置かれる方法により行われる買付け等として政令で定めるもの

三  上場株券等の発行者が外国会社である買付け等のうち、多数の者が当該買付け等に関する事項を知り得る状態に置かれる方法により行われる買付け等として政令で定めるもの

ここで、「上場株券等」というのは、証券取引法第二十四条の六で定義されてまして、

証券取引法第二十四条の六

証券取引所に上場されている株券、流通状況が証券取引所に上場されている株券に準ずるものとして政令で定める株券その他政令で定める有価証券(以下略)

のことですが、証券取引法施行令で、

(公開買付けの適用範囲)

第十四条の三の二  法第二十七条の二十二の二第一項 に規定する政令で定める取引は、店頭売買有価証券市場における店頭売買有価証券の取引とする。(以下略)

となっていて、結局、今回の新株予約権証券は、株券でもないですし上場もされていないので、「発行者」であるインボイスが買う場合には、公開買付には該当しない、ということですね。
自己株式を買う場合には商法上も証券取引法上も結構規制が厳しいのに、新株予約権は比較的自由に買い付けられるわけです。
これを、インボイスをすっとばして、証券会社が直接買い付けるスキームにすると、(まったく同じことをやってるのに)公開買付になってしまうわけです。
(なんかちょっとヘンな気もしますが、またしてもよく考えられてらっしゃいますね。)
(ではまた。)

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インボイス、新株予約権行使請求書が来ました

インボイスの売却スキームで売却をしなかったので、新株予約権行使請求書(兼新株予約権証券発行請求書)」というものが郵送されてきました。(新株予約権申込書とか、売却スキームとか、紙がいろいろ出てきて「なんやよーわからん」という方も多いかと思いますが、、)
invoice_koshi1(s).JPG
売却しなかったら、いきなり新株予約権証書が送られてくるなんてこともないだろうし、どうするのかしらん?と思っていたら、新株予約権の行使(お金を払い込んで株券の発行)を依頼をするための紙を送ってこられたわけです。
直接行使を請求する以外に、新株予約権証書を送ってもらうという選択肢もあります。
裏面には、新株予約権証券発行請求欄という欄があって、ここに署名捺印して送ると、(今度こそ「ホンモノ」の)新株予約権証券を送ってもらえるというわけです。
invoice_koshi2B.JPG
行使→株券売却までのタイムラグ
気になっていた、株券を売却できるまでの時間ですが、同封されていた説明書には、「最短で8営業日(約2週間)後に、株券をお届けの住所へ配達記録郵便にてご送付させていただきます。」とあります。
ということは、郵送して先方に届くまでと、株券が手元に届いて証券会社に受け入れして売却可能となるまでのタイムラグを考えると、だいたい、3週間(!)程度は時間がかかると見ておいた方がよさそうですね。
つまり、行使価格(行使手数料込み)で1株22,300円を株価がちょっと越したからといって、お金を振り込んで行使しちゃうと、3週間の間にまた株価が22,300円を割れたら損しちゃうわけで、よほど株価が上がらないと行使するのはちょっとコワい。
とすると、行使が始まる株価というのは、いくらくらいになるんでしょうか?
30,000円(3割増し)くらい?
発行済み株式の9割超も潜在株式がジャブジャブにあるわけで、理屈としては行使価格22,300円が天井になるとも考えられますので、そこまで上がりますかね?
逆にそこまで上がらないと行使による希薄化が発生しないとなれば株式分割で子株が流通するまでの間に株価が上がるように、短期的に3万円くらいまでは株価が上がるのかも知れませんね。
(続く)

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ゲームボーイの「ネットワーク外部性」

ゲームボーイ、

ゲームボーイアドバンスSP

ついに買わされました。
お兄ちゃんの誕生日に買い与えたところ、案の定というか、兄弟で血みどろの取り合いバトルになり、兄が弟に「今までお年玉を貯めたお金を半分づつ出し合って、(弟の分も)買わない?」という和解案を提示。最近のソフトは、通信アダプターとかが付いていて最大5人まで通信で対戦できるので、これで兄弟対戦も可能となるわけです。(規格は何でしょ?bluetoothかな?)
もちろん、ゲームボーイ本体だけでなく、同じソフトも買わないと通信できないという恐ろしい仕組みになってます。近所の子供も既にだいたい持ってますので、今後、当面は近隣バトルも繰り広げられることでしょう。
私、かれこれ20年ほど前に、「野村のファミコントレード」というのをやろうと思って初めてゲーム機を買ったのですが、ゲームはほとんどやりません。(20年間に、スーパーマリオと、ドラクエの�と�、リッジレーサー、ぼくのなつやすみ、他、5つくらいメジャーなのをやったくらい。)
20年前のファミコンと同じ解像度のゲームが、こんな小さい機械でできるようになってるので、びっくり。
また、大量の広告につられて親も、これ、

ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君

を予約しちゃいました。
(昔は2等身だったのに、8等身でしかも立体で動いてるー、と思って、これまたびっくり。)
(ではまた。)

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