大量保有報告書の怪(続編)

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お盆シーズンなので、「ある日、あなたが知らないうちに最高懲役5年の罪を犯していたら〜」、という「怪談」の続きですが。
株式というのは「有限責任」ということもあり、売買した場合ならともかく、「ただ株式を持っているだけ」で重罪になる可能性があるなんてことは普通は考えもしないはず。
もちろん、ブルドックの買収防衛策でなくて自己株式の買付けなどであっても、自分の「株券等保有割合」が変動して、大量保有報告書や変更報告書を提出する必要が発生する可能性はあるわけですが、今回は「株式が4分割されるのと同じで最終的に保有割合に大きな変動はないはず」だったのと、5%をはるかに下回る株主ばっかりだったところが、なかなか難易度の高いところだったかと。


 
bull_tairyo_hoyu.jpg
さて、8日の記事のあと、8月9日の株式発行で、またまた保有割合が元に戻って、各社さん変更報告書を提出されてます。また、養命酒製造さん、福岡銀行さんも、それぞれ新たに大量保有報告書を提出。ただ、有価証券報告書にある大株主10者のうち、まだ興和株式會社さんとブルドック持株会は大量保有報告書も提出されてらっしゃいません。
大量保有報告書を提出する必要があるのはどこまでか?
新株発行前の発行済株式等総数を「T」、株主がもともと保有していた株式数を「x」とすると、新株予約権の発行で大量保有報告書を提出しなければならない5%を超えるケースは、
bull_tairyo_hoyu2.jpg
これを解いて、x=T/77=Tの1.2987%。
今年3月末の大量保有報告書で、表示されているもっとも少ない10番目の株主で間組さんの1.88%ですので、大量保有報告書に出ていない株主でも、報告義務があるとみなされる株主はいらっしゃるのかも知れません。
しかし、上記の分子分母の定義は難しいですね。
村上ファンドのように、転換社債等を購入して株式に転換して議決権比率を上げる場合もあるので、発行企業へのワーニングとしては、分母はその人が転換・行使して株式を取得する可能性がある小さめの部分にしておくほうがいいわけですが、通常のように潜在株式が発行済み株式のせいぜい10%程度ということでなく、今回のように、発行済株式の何倍もの潜在株式が一時的にでも存在するケースというのは、そもそもあまり想定してないわけですからね。
(ではまた。)

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2 thoughts on “大量保有報告書の怪(続編)

  1. この分子分母の話、確かに定義が難しいところです。刑事手続きとしては、普通にただ所持していただけの株主さんの場合、微罪処分もしくはそれ以下ということになるのでしょう。が、ご指摘のように、必ずそうしてもらえるとは限らないじゃないか!?というところにミソがある訳で。

  2. (遅レス、すみません。)
    コメントありがとうございます。
    上位の株主さんはほぼすべて提出されたようなので、(提出期限に間に合わなかったのはともかく)、まったく提出しない、というのはちとまずい雰囲気にはなってきたかと思います。
    (ではまた。)