ネット・エコノミー解体新書 第9回「YouTube/HDDビデオの時代に日本のテレビ局は生き残れるか?」

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日経BPさんのサイトで書いている、「ネット・エコノミー解体新書」の第9回、「YouTube/HDDビデオの時代に日本のテレビ局は生き残れるか?」がアップされました。
http://www.nikkeibp.co.jp/netmarketing/column/economy/061214_jtv/
私、特に放送業界の専門家というわけでもないんですが、ライブドアのニッポン放送買収以来、テレビやラジオに出演させていただいて、テレビ局の仕事の仕方、コーポレート・ガバナンスなど(の感覚の、他の業界とのあまりの違い)を見聞きさせていただき、また、ネットの広告市場については仕事上関係も深いので、今後、テレビとネットの広告の関係がどう変化していくのか、ということには非常に興味を持ってきまして。
・・・ということで、恐れ多くも、日本のテレビ業界について、主に財務的な観点から分析させていただいてます。
一般向けの原稿なので、専門の方にはイマイチ食い足りないかとは思いますが、日本のテレビ局各局の規模や収益性というのは、(勢いの違いはなんとなく感じていても)、意外に一般には出回っていないのではないかと思いますし、ましてや、海外のメディア・コングロマリットと、規模・収益性にどの程度の差があるのかというのがピンと来る方は少ないかと思います。
私も、一覧で数字を並べてみて、あらためて、「なるほどねえ」という感じでして。
今後のマーケティングや放送業界を考える際に、何かのご参考になれば幸いです。
(ではまた。)

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9 thoughts on “ネット・エコノミー解体新書 第9回「YouTube/HDDビデオの時代に日本のテレビ局は生き残れるか?」

  1. 続・アイカーン氏、タイム・ワーナー再編案の詳細を発表

    先日のエントリの末尾にも追記として加えておきましたが、Icahn氏が投資銀行Lazardに依頼して作成した再編案について、一応、読み込みました。(#残念な…

  2. ヤフーと給与水準を比較するというのは
    どうなんでしょうか?
    ヤフーは逆に安すぎるような気がするんですよ。
    転職時に給料を大幅に値切られたり、
    入社後成果を挙げてもぜんぜん給料上がらないことでは
    有名な会社ですし。
    IT業界は成功している会社でも安月給でこきつかうだけ、
    というイメージになるだけだったりして。

  3. 資料保管庫・管理人さん、トラックバックどうもです。
    tkさん、コメントありがとうございます。
    >ヤフーは逆に安すぎるような気がするんですよ。
    同じく「情報を配信する事業」として、もっとも時価総額が大きい会社、ということで、比較させていただきました。
    ヤフーさんがネット系上場会社の中で安いか、というと、EDINETの「従業員の状況」で各社の給与水準をご覧いただければおわかりのとおり、逆に高めだと思います。
    (ただ、ストックオプションによるキャピタルゲインはこの中には含まれていないと思いますので、それを含めると、もっと高くなるのは確実ですが。)
    一方で、テレビ局は「ぜひ勤めたい」という人はネット系よりさらに多いはずなので、需給バランスからすると、もっとずっと低い給料でも人は集まるはず。
    労働分配率が高めだというのは間違いないところだと思います。

  4. 初めまして、いつも楽しく読ませて頂いております。
    今回の日経BPの記事も興味深く拝見させて頂きましたが、少し気になる点がありました。
    視聴率とCMスキップに関する話です。
    http://homepage2.nifty.com/yama-a/tv_rating05.htm
    こちらは現在某放送局に勤務されてる方のコラムです。
    簡単にまとめると「広告料にはリアルタイム視聴分しか入ってないよ、録画分は効果不明のおまけだよ」という事だそうです。
    とはいえ、効果不明で無料の「おまけ」が効果測定され、結果目減りしたらしいという話を聞いて広告を取りやめる広告主がいないとも限らないので「関係ない!」と断言は出来ませんけど(^^;

  5. lispさん、コメントありがとうございます。
    日経BPのコメント欄にも書き込んだのですが(現時点でまだ未表示)、BCGの御立氏のコラム
    http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20061121/114152/?P=1
    のように、完全にオンデマンドでテレビが見られる時代になれば、CMを見る人が激減するのは素直に考えれば当然のお話。
    ギョーカイの方々は、「視聴率」を基準に考えてらっしゃるので、現時点での断面だけを考えれば、確かに録画分は「外書き」なのでしょうけど、視聴率がリアルタイム視聴の分だけという定義だとすると、(実際に番組を見る人は変わらなくても)「視聴率」全体が今後低下していく可能性が考えられる、ということではないかと思います。
    つまり、確かに「視聴率あたりの単価」は下がらないかも知れないですが、テレビ局全体の売上が安泰だ、という理屈には、まったくならないんじゃないでしょうか。
    通常の競争にさらされている産業の人たちは、こうしたテクノロジーの変化のネガティブな影響に対しては敏感に反応して、そのための対策を講じると思うんですが・・・テレビ界の方々は、あまり気にされてないんですかね??
    (個人的には、視聴率調査の機械が設置された、全国で千程度の家庭の方々は、「ビデオで取ったものはカウントされない」ということを知らされていれば、HDDビデオで録画してそれを見る方が便利でも、そういう行動を取るのを遠慮するような気もしますが・・・このへんは、よくわからないところであります。)

  6. 電通さんの資料(「DVR普及がテレビ視聴に与える影響について」の第三項「エグゼクティブ・サマリー」中)に、『日本の視聴率調査は米・英とは異なりライブ視聴時間のみを集計対象としている』との記述が見られます(今回初めて知りました)が、それに関連して。
    物心ついたころからHDDレコーダーが「デフォルトで存在」している私の子供(未就学児)には、もはや「生放送」という概念(?)がありません。「観たいテレビ番組は基本的に『いつもそこにある』もの」と思っているようです(さすがに成長するに従い、「ハードディスクから消した番組は観られなくなる」と気づき、『これは消さないで』と言うことも増えてきましたが)。
    この子供(ら)がいわゆる「購買ターゲット」に含まれるまで、あと10年程度かかるはずですが、それまでに「ライブ視聴時間のみを集計対象としている」というような基準自体もしくはビジネスの手法を改めておかないと、たいへんなことになってしまうのでは・・・と感じるのは私だけでしょうか。

  7. お返事頂きありがとうございます。
    すいません、私の前提が間違っていました。紹介して頂いたコラムを見て驚きました。
    1週間分の番組を全てタイムシフト視聴出来るとは…。
    我が家のHDDレコーダーが古いんですね、VHSの様な使い方を想定していました。
    確かに、坂和敏さんの仰るようにリアルタイム視聴率はどんどん落ちるでしょうし、磯崎さんの仰るように、そもそものTVメディア自体の広告価値(リアルタイム+タイムシフトでCMを見せる能力)自体の減少も見込まれますね。
    他にも個人的な話ですが、NHKスペシャルなどのレンタルに出ない番組の録画忘れによるDVD購入費もかなり減ります(笑)
    そういえば、微妙に関連する話かと思うのですが、最近はTVは見ないけどYouTubeで話題のCMは見るという人もいるようですね。
    CMも、それ自体に人を引きつける程のコンテンツ価値がなければ視聴すらしてもらえない時代がそこまで迫ってきているのでしょうか。
    http://www.youtube.com/watch?v=S2wZ5bvlBcI
    これ位面白ければ確かに積極的に見に行きますが…(笑)

  8. やっぱりお金持ちになるには
    情報配信企業なんかで働いちゃだめで、
    公認会計士になりましょう、って
    感じでしょうかねえ。
    しがないIT企業に勤める身として、
    業界を代表する企業には
    もうちょっと給料を高くしてもらって、
    それこそTV局からどんどんヤフーに
    転職してくるようになるくらいじゃないと
    なにも変わらないような気がします。

  9. 誤解があるといけませんが、少なくとも日本の公認会計士業界の給与は、テレビ局ほどには高くないと思いますよ。
    先日も、数千人の某大手監査法人のパートナーの方々と話をしていたら、「年収2000万円超えるパートナーって、数えるほど・・・だよなあ?」「そだね」と話していたので、若手の給与との加重平均を考えると、とてもじゃないですが、テレビ局のように平均で1400万円といった水準じゃないと思います。
    ポイントは「どういう競争構造にあるか」であって、適度な競争が働いている産業や領域は、平均給与水準がそんなに上がるわけはないわけで。
    特に、ITは、国境の垣根が意味をなさないことが多いので、インドや中国の何億人と競争しなければならないことしかやってない人は、今後、オフショアリング等の影響で、ますます給与は下がるでしょう。
    「”自分”が、他人ができない何をやるか」が重要であって、「”業界”ごと給与水準が上がったらいいなあ」、という発想は、今後ますますムリが出てくると思います。
    (ではまた。)