ホリエモンは「いったいどうすればよかった」のか

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KAT-TUNがついにCDデビュー
5年間もCDデビューさせない、ってのは、「究極のディザーティーザー広告」でしょうか。
#♪ギリギリでいつも生きていたいから〜
#(→ livin’ on the edge)
−−−
さて、報道によると、ホリエモンは取り調べに対し、「取引については専門家にも聞いて適法だという意見をもらって」おり、「僕はいったいどうすればよかったっていうんですか」と供述しているとのこと。
恐らく、取引について専門家の意見を聞いたというのは、
「投資事業組合を作ってそこに株式交換で自社株を持たせ、株式分割で株価が上昇した後にそれを売却した金額50億円以上を売上として計上してもいいですか?」
という「全貌」を説明してOKをもらったということではなく、
「株式分割するのは相場操縦にあたりますか?」
「ファイナンス事業を営む会社が、投資事業組合の株の売却額を売上げに立てるのは違法ですか?」
「当社が出資する投資事業組合の持ち株に自社株が混じっていたら、その売却益は資本剰余金としなければならないでしょうか?」
といった個別の質問をして、「それだけでは必ずしも違法とか不適正と言うことはできないですね」という答えをもらった、ということじゃないかと思います。
部分部分を見せられればそういう意見にもなるかも知れませんが、全部あわせて全体像を見せたら、たいていの専門家は「さすがに、そりゃまずい」と言ったと思うんですよね。
また、そういった(個別の)専門家の意見書の束を見せられて、「・・・というわけで、リスクがないわけじゃないですが、このスキームでいきたいと思います」と言われたときに、堀江元社長が、「それは会計上、売上げでなくネット額を資本剰余金として計上すべきだろう?」という判断が出来たかというと、これも微妙なところではないかと思います。
というわけで、ホリエモンが「やるべきだったこと」は、「個別の事項をどう判断するか」ということではなく、社長として「会社全体をトータルで考えて適正、適法かどうかをモニタリングするしくみ」を構築することだったんじゃないでしょうか。
社外取締役、社外監査役、監査法人、内部監査部門といったところに、適切な情報がガラス張りで流れるしくみが構築できていれば、結果としてライブドアは(時価総額8000億円になったかどうかはともかく)、はるかに「幸せな道」を歩めたんじゃないかなとつくづく思う今日この頃。
(ではまた。)

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6 thoughts on “ホリエモンは「いったいどうすればよかった」のか

  1. >「さすがに、そりゃまずい」
    ・そんなにまずいですかネ
     ”粉飾”ですかネ?
     ”犯罪行為”ですかネ?
     利益は利益として計上しないと
     税当局はうるさいですけどネ
    >どうすりゃよかったか
     やっぱり”でっち奉公”に出て
     他人の飯を食んでみるのが必要
     だったんでしょうネ

  2. 必要に迫られて今頃『人間を幸福にしない日本というシステム』を読んでおりまして、
    そこに「検察が正義の味方なわきゃねーだろーが」とひつこく書かれてます。
    それで何度もホリエモンのことを考えましたです。

  3. 補習所でも非常に重めのthemeとしてその辺りが組み込まれていたりします。
    「誰かが気づいて止めなくては」
    という意味で内部統制絡みの講義では大抵触れていきますね。

  4. 本題と関係なくて恐縮ですが・・・。
    「究極のディザー広告」って、正しくは「ティーザー(teaser)」ですよね。情報を小出しにして「じらす」という意味でしょうから。日本では誤用されるケースが非常に多く、マスコミも例外ではないです。

  5. そうでしたか。ディザーで英単語を探したんですが、ぴったりの意味が無いのでどうなんだろう、と思っておりました。
    どうもありがとうございます。

  6. 全体像を考えることが大切ということですね。このような思考力は、経験の蓄積によるところが大きいので、年長者の意見を聞くところが大切だなと思います。民主党の騒動もホリエモンと共通していると思う今日この頃です。