いらない会社の処分法

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本日東証二部に上場した株式会社クリード(http://www.creed.co.jp/)が、日経朝刊29面の下のほうに(簡易)合併の公告を出しています。
最近、グループ会社の再編で合併する公告は珍しくないのですが、今回の公告がちょっと面白いのはその合併する会社の数。

当社(甲)は、平成16年3月23日開催の取締役会において平成16年6月1日を合併期日として、乙、丙、丁、戊、己、庚、申及び壬と合併することを決議し、平成16年3月23日に合併契約書を締結いたしました。(以下略)

ということで、つまり9社が同時に合併するわけです。(”甲”とか”乙”とかは普通ですが、”申”及び”壬”とかって、なかなか見かけませんよね。)
クリードの15年5月期の有価証券報告書
http://www.creed.co.jp/ir_jpn/whatsnew/S42.pdf
6ページ「関係会社の状況」によると、同社の連結子会社は25社、うち有限会社が14社(うち資本金300万円が13社)。
今回合併する子会社は8社。うち、資本金3000万円の株式会社が1社あるほかは、後の7社すべて資本金300万円の有限会社です。
これらの有限会社は、恐らく不動産のプリンシパルインベストメント用の「器(vehicle)」だったもので、不動産を売却した利益を「匿名組合契約」などで本体に吸い上げた後の(失礼な表現かもしれませんが)「抜け殻」というか「ポンカス」のペーパーカンパニーなのではないかと思われます。
前出の有価証券報告書の連結財務諸表の注記では、「1.連結の範囲に関する事項」で、

「なお、前連結会計年度において連結子会社でありました(有)○○・・・(計5社社名略)は、当連結会計年度に持分を処分したことにより子会社で無くなったため、連結の範囲から除外しております。」

(32ページ)
と書いてあり、(おそらくこれも「抜け殻」となったペーパーカンパニーの出資を誰かに引き取ってもらって)連結対象からはずしたものだと思われます。ただし、結局、その持分を受け取った人は、ペーパーカンパニーであっても帳簿を付けたり住民税の均等割額など払ったりでコストもかかりますし、まともに解散・清算手続きを踏むと、何度も登記をしたり裁判所に届け出たり公告をしたりと、事務手続きもたまったもんではありません。
また、従来は「額面の50円化(大昔)」「事後設立回避」「会社設立コスト・資金がいらない」等に利用するメリットがあったペーパーカンパニーも、昨今は「額面株式の廃止」「1円会社の登場」「事後設立の価格等証明で裁判所の検査役の選任が不要に」などで、価値が低下気味で、将来再転売できる可能性も低くなってきました。
平成9年商法改正で簡易合併(商法413条ノ3)の規定が導入され、合併に際して発行する株式が、発行済株式総数の5%以下の場合には、合併手続きが非常に簡単になりましたので、不要になった会社で(簿外負債等のリスクの無い)「得体の知れている」会社については、売却したり清算したりするより、(簡易)合併しちゃう方が事務手続きもはるかに簡単、ということで、今回は簡易合併を用いたものではないでしょうか。
(以上、私のjust推測ですので、ご注意ください。)
(本日はこれにて。)

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