インボイスの株式分割(第3回)

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一昨日昨日に続いて、本日もインボイスの一連のファイナンスについて勉強させてもらいます。
5月24日
株式の分割(無償交付)および新株予約権行使価額調整に関するお知らせ

http://www.invoice.ne.jp/pdf/9448_20040524-4.pdf
発表日:5月24日(月曜日)
権利付最終売買日:6月23日(水曜日)
権利確定日:6 月30 日(水曜日)
効力発生日: 8 月19 日(木曜日)
配当起算日:4 月1日(木曜日)
ちなみに、ご案内の通り、株式分割の場合、権利確定日(6 月30 日)の5営業日前が権利付の最終売買日となります。ですから、この場合、6 月30 日(水曜日)が権利確定日なら、この分割の権利を受けるためには6月23日(水曜日)までに株を買わないといけません。
また、分割した新株が売買できるようになるまでには、通常約2ヶ月の期間が必要です。
お気づきかと思いますが、インボイスの株式分割の特徴は、平成15年11月に行った「21分割」とか、この平成16年6月の「11分割」のように、「1」だけ端数が付く点。
10分割などのキリのいい数字の方が気持ちがいいのに、と思われるかも知れませんが、11分割だと、1株券を持っている人に10株券1枚を割り当てればいいので、株券の印刷費が安くつく頭のいい方法かも知れません。
一般の株式分割比率の傾向はどうなのか?
11分割はめずらしいと思い、一般の株式分割の傾向はどうなのかと思って、新聞の公告を一つ一つひろって、統計を作ってみました。
(公告画像ファイル出所:日経IRデータファイル
昨年9月から直近までのデータを拾っています。上記サイトに掲載があるもののうち、未公開会社、外国会社を除いて全部で345件。ほぼ1日に1回の割合で分割が行われていることになります。
日経IRに収録されてない分割や分類違い、直近でまだ掲載されてないもの、上場廃止で掲載されてない会社の分割などがあるかも知れません。(データ精査してないので、よろしくお願いいたします。)
image002.gif
上記のように、分割比率で最も回数が多いのが2分割。ついで、3分割、5分割、1.1分割、1.2分割などが多くなっています。
1.1とか1.2とかは配当代わりの株式の無償交付的な意味合いが強いのかもしれませんし、2〜5くらいまでのものは流動性の改善や株主数の増加を意図したもの、6を超えるものは、分割をきっかけに何か財務的なアクションを起こそうという意図が見え隠れするものが多いのではないかと思います。
また単元株制度を採用していない1株単位で売買できる銘柄と、単元株制度を採用しているところでも、分割後の端株の出方などを考えて、比率に影響があるかも知れません。(今回、未調査。)
逆に、ケースが少ないものは、今回のインボイスの分割(11分割)の他は以下の通り。
1000分割:ニューディール(株)
これは、同時に1000株を1単元としているので流動性としては同じです。
ただし、一般には大きな比率の分割の場合、新株が売買できるようになるまでの約2ヶ月、流動性が極端に下がりますし、また親株の価値が大きく下がり、信用取引の担保にする代用証券等としての価値も新株が到着するまでは大きく下がるなど、いろいろ影響が出ます。
このニューディールの例では、子株の追加発行ではなく、親株券自体を提出させて完全入れ替えしてます。
200分割:松下電工インフォメーションシステムズ(株)
これも、同時に100株を1単元としているので、実質は2分割です。
100分割:ご存じ(株)ライブドア
やはり、ライブドアのが実質的にはこの1年でもっとも大きな分割だったわけですね。
15分割:(株)メガネスーパー
6分割:データベース・コミュニケーションズ(株)
3.1分割:ビービーネット(株)
なぜ3.1なのかちょっとナゾですね。3にすれば端株が出ないんですけどね。
2.5分割:(株)ビック東海
1.4分割:(株)音通
1.4分割が1社だけというのはちょっと意外な気もしますが、1.3でなければキリのいい1.5にしちゃう、ということでしょうか。
1.25分割:(株)ライトオン
唯一、小数点以下2桁の分割。
1単元100株なので、4の倍数の単元をもっていれば単元未満の端数は出ませんが・・・。
株式分割は増えているのか?
公告月毎の株式分割件数(ピンク)と分割比率の平均(紺色)のトレンドは下の図のとおり。
(分割比率の平均は、100分割以上の事例は除いて修正しています。)
image004.gif
これを見ると、2月3月の決算期シーズンの出っ張りを除けば、なんとなく右上がりのトレンドが見て取れるのではないかと思います。
やはり、分割は増えつつあるわけですね。
(ご参考まで。)

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