ビジネスマンのための書籍スキャン入門ー既に始まっている電子出版

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(TIPSの追記あり:2010/05/24 9:19、13:18)
(スキャンと著作権法の追記あり:2010/05/24 10:00)
(著作権法の解釈について追記:2010/05/26)

 

書籍や雑誌をスキャンして「電子」化する方法について、ツイッター等でのお問い合わせが多いので、ブログの記事としてまとめさせていただいきました。

 

 

■なぜ今、スキャンなのか?

先日書いた「アゴラ」の記事でも、日本の出版物が全面的に電子化される気配がほとんど感じられないので、しびれを切らして自分で書籍のスキャンをはじめたということについて述べました。

 

現状では(特に日本では)、こうした書籍のコンテンツデータをどういう形式で保存したり、その複製をどうコントロールするかという規格は、まだ定まっていないし、今後も当面、定まらないだろう。

読者は、紙の本であれば本棚に並べるだけでよかった。
ところが、電子出版においてこうした多数の規格が乱立すると、読者としては、書籍のコンテンツを一元的に管理することが難しくなるし、家のパソコンで読んでいた本を、iPhoneや会社のパソコンでは見づらいといったことが、あちらこちらで発生することになるに違いない。

私は、現在出版されているようなすべての本の中から好きな本を選んでiPadなどで読める時代は当面来ないだろうと見切りをつけて、スキャンされた本の pdfをiPadやパソコンで読むことにした。
これなら、DRMもかかっていないし、自宅では読めるがオフィスでは読めないといったこともない。

(中略)

私は、規格やプラットフォームの競争のドタバタが落ち着いて、使い勝手のいい規格が定まるまで、当面、この「使い勝手のいい電子書籍」でiPadを楽しむことにした。

 

池田さんの記事で知ったのですが、この自分でスキャンして書籍を電子化することは、「自炊」と呼ばれているそうです。

もうすぐアップルのiPadも発売されますので、いつも読みたい本や雑誌をたくさん持ち歩いて、好きな時に好きなだけ読める体制を作っておくというのは、いいんじゃないかと思います。
(もちろん、iPadでなくても、パソコンでも読めます。)

 

■私が使用している機器

私が購入したスキャナは、これ(Mac用)

 

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Windowsの方用のは下記だそうです。(もちろん、どちらか一つでOK。)

 

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そしてもう一つ忘れてならないのは、断裁機。

ネットのみなさんの評判を聞くと、下記の断裁機が「自炊」用のデファクトスタンダード的存在になっているようです。

 

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スキャナーが約4万円、断裁機が約3万円で計7万円ほどの出費ですが、後述のように、情報管理をする秘書コストや書籍が場所を取らない賃料節約コストに換算すると、たぶん、1千万円単位の金額的価値がある商品ではないかと思います。

 

この記事をお読みのみなさんもおそらくそうだと思いますし、私もこれを購入した1週間前までは
「スキャンなんてコピー取りと同様、結構面倒くさくて大変な仕事なんじゃないか」
と思っていたのですが、やってみると、すごい技術革新が起こっていて、非常にスムースだということがわかりました。

例えば、みなさんも、レンタルビデオ屋で借りて来たCDをiTunesにコピーする作業が「大変」とは思わないと思います。
書籍のスキャンもそれとほぼ同じくらいの手間でできてしまうわけです。

むしろ、あまりにサクサクとスキャンが進むのが気持ちよくって、一日中スキャンばかりしまくってしまう「スキャン猿」という症例も見受けられますので、ハマりすぎにご用心であります。

 

■技術革新:超音波センサーとLEDカットライン表示

どのような技術革新といいますかというと。

一つは、スキャナーScanSnapの「超音波センサー」という機能。

スキャンのやり方は、背表紙を切りとった書籍や雑誌をスキャナに入れて、ぽんとスイッチを押すだけ。
実際、紙が2枚同時に送られたりジャムったりということはゼロではないのですが、この超音波センサーによって、「紙が2枚同時に読み取られてしまって気付かない」ということが皆無なんです。

ですから、大事なデータを読み取らずに消失させてしまった、といったことはありません。

 

もう一つのテクノロジは、プラスの断裁機には、実際に刃が当たる「カットライン」がLEDの赤い光で表示されること。これでヘンな場所を切ってしまうということもありません。

ロックをはずさないと刃が降りないようになっているので、昔の刃がむき出しの断裁機と違って、怖いこともないです。

切れ味もすばらしい。
「サクっ」と小気味良く背表紙が切り落とせますし、断裁面はシルクのようになめらかな手触りです。
背表紙はつながってますし、紙の粉的なものも出ません

Mac版についていた名刺管理ソフト「Card Minder」もすばらしい!
今までは、事務所に戻って来て、名刺交換した名刺が10枚くらいあると、「後で整理しよう」と置いておくだけで、結局、たまりにたまるだけになっていたのですが、 今は、帰って来て、名刺の束をScanSnapに入れてポンとボタンを押すだけで、ジャケットをハンガーにかける間に、名刺が読み取られてます。

しかも高い精度で、社名、氏名、住所などをOCRで読み取って文字データにしてくれます。
もちろん、デザインが凝った名刺などは、 読み取れていないものもありますが、ズボラな私でさえ、氏名と会社名だけはちょちょっと修正してます。

名刺裏表の画像も保存されていますので、電話やメールアドレスなどは、後から必要があれば画像を見ればいいわけで、全部をしゃかりきにデータにする必要もありません。

 

■どのくらいの時間で読み取れるか?

このスキャナは、両面同時に読み取りますので、人間が紙を裏返したりする必要は全く無いのは言うまでもありません。セットしてボタンをぽん、です。

文庫本1冊だと、だいたい、ボタンをぽんと押して2〜3分後には読み取り完了してます。

 

■紙質・判型と読み取りやすさ

概ね、文庫本などの普通の紙質で、判型が小さいほど、ほとんど途中でひっかかることなく読み取れます。
名刺や文庫本、新書判の本、B5サイズ程度の雑誌(商事法務など)や書籍などは、ほとんど途中で引っかかりません。

ヤバいのが、「ツルツルの紙」で「A4サイズ」のものです。

例えば「週刊ダイヤモンド」はネット上の「自炊」者の方々には非常に評判が悪いですし、会計関係だと「旬刊経理情報」のようにツルツルでカラー刷りの雑誌は、最初は何度もジャムってイライラしました。

ツイッターでいろいろな方々に教えていただいたノウハウとしては、

裁断→1枚毎にバラす→揃え直してセット→他の雑誌等を重しとしてスキャンする紙の上に置く→スキャン ツルツルだと摩擦力が低いので、ローラーが送れない様です。荷重を掛けて、摩擦力を上げてるだけ
@knowthyself さん

などがありますが、私は、「重しの本を載せる」「金属で静電気を逃がす」「スキャナ紙送りを水平に」等試したけど、ダメでした。

@touchnさんに教えていただいた、「アコーディオンのように(紙を扇形に)広げてバサバサ空気を送り込む」というのをやってから、10枚くらいづつ読み込む、というのがエラー率を下げる気がします。

昨日届いた旬刊経理情報のスキャンは、途中で1回ひっかかっただけですんなり行きました。

 

■ファイル名の付け方

みなさんは紙の雑誌を書棚の元のところに戻すのはお得意でしょうか?
私は全然あきまへん。

それに、薄い雑誌だと、背表紙もないので、どこに何があるかさっぱりわからんわけです。
(下の写真ご参照)

 

201005231942.jpg
商事法務の背表紙

 

例えば商事法務では紙のバインダも用意していただいているようですが、これを注文したり、年月日順に整理するのも、すごく手間がかかります。

ところが、パソコンの中にファイルとして保存すれば、検索も一発、しかも、毎日、書棚いくつもの本や雑誌を持ち歩けることになります。

私のファイルは、雑誌の場合、

雑誌名+八桁の年月日+(a、b、c)_任意の文字列.pdf

といった名前をつけています。 

ScanSnapのデフォルトは年月日時分秒といったファイル名なのですが、それだけでは中身がなんだかわかりづらい。「雑誌名+年月日」をつけておけば、それだけでその雑誌は時系列にきれいに並ぶわけです。
もう「書棚への戻し忘れ」も「へんな場所にしまっちゃって全部探さないとどこに行ったかわからない」といったこともない

「任意の文字列」のところには、「別冊」とか「IFRS特集号」等、中身の参考になる文字列をつけておきます。

もう一工夫としては「雑誌名+八桁の年月日」の後に「a、b、c」というのを振っています。
雑誌本編の他に「別冊」や「付録」がついている場合があるので、これを年月日の後に振っておくと、本号、別冊1、別冊2という順番に自動的にならんでくれるわけです。

 

■できあがりの様子

結果として、下記のような「書棚」ができました。

201005231842.jpg
画像表示した場合 (旬刊経理情報、画像は縮小)

 

201005231846.jpg
画像表示した場合(商事法務、画像は縮小)

 

201005231848.jpg

ファイル名+表紙(画像は縮小)

 

201005231843.jpg
ファイル名表示(画像は縮小)

 

■どのくらいの容量になるか

データは文庫本や薄い雑誌なら、1冊20MBくらい。
厚い雑誌やカラーだと、40MBとか60MBくらいの容量になるようです。

 

■ネットをどう活用している?

「蔵書」をデバイス間でリンクさせるのに、アップルのMobile Meを使うか、Dropbox(ビデオ[英語]付き)を使うか、いろいろ研究中です。

iPhone側では、pdfをDropbox等からダウンロードして電波が無くても読める「GoodReader (large pdf reader)」を使い始めてます。
@yomasaruさん、ご教示ありがとうございました。)

 

■「電子化」の効用

こうしてスキャナにより電子化を進めていくと、以下のような効用があります。

 

省スペース、整理整頓

秘書が何人もいるような人はともかく、私はズボラなので、机の上は雑誌等の山で「地表」が見えない状態になってましたし、書棚もいいかげんに本がならんでいる感じでした。

しかし、スキャンし始めてからは、あら机の上がきれいなこと!

昨年末に丸の内から神宮前にオフィスを移したのも、もう書籍を置くスペースが無くなって、大きな本棚が置けるところが必要だったからなのですが、今後は、本や書類は減ることはあっても、もう増えません
長期的には都心の高い賃料の節約になる、ということであります。

 

眼を通す

みなさんは定期購読している雑誌や、人様からいただいた書籍を全部読まれてますか?

私はズボラなので、「後で読もう」と思って机の上にポンと置いたきり、そのまま「造山活動」によって、地層の奥深く消えて行く、ということが、しばしば発生していました。

スキャンすると、ページの重複等をチェックしようと、できあがったpdfに一通り目を通しますので、「あの雑誌にあんなことが書いてあったなー」といったことが、わずかながらでも記憶に残ります。

まったく眼を通していなかった雑誌は、絶対、後から活用するのは不可能です。

pdfは単なる画像ではなく、「OCR」機能で、文字を認識させ、後から検索できるようにすることも可能なのですが、そこまでやる必要もないだろうということで、私はやっていません。

まずは自分で「どこに何があったなー」ということが記憶の片隅に残すことが大切ではないかと思います。
「確かあそこにあった」という記憶が無ければ、検索する気も起きないはずですから。

 

速読できる

「紙の本の方が読みやすい」という方も多いかも知れませんが、私は、パソコンのディスプレイでずっと仕事をしているので、画面の方が読みやすいです。

実際、紙の本をめくっていただくとおわかりになると思いますが、実は結構、2ページを一度にめくっちゃったりもしますし、実際、本の位置も微妙に動く。紙面は曲面を描いていますから、影もできます。結果として意外に目が疲れます。

また、本は下を向いて読むと思いますが、画面だと背筋を伸ばしたまま、大型の画面にページを大写しできるわけです。
(iMacのディスプレイはきれいですよー。)

ページを送ってもページの位置は全くずれません。
画面は完全にフラットなので、へんな影もできないし、焦点もピッタリ合います。
また、ページをめくるのも失敗はありません。
同じカーソルを押せば必ずめくれますし、何より1秒間に何ページという高速のページ送りができます

紙だと、ページをめくる間に、前のページが垂直になって、また水平になるので、字が見えなくなる時間がはさまるわけですが、ディスプレイだと瞬時に次のページに切り替わるわけです。

私、過去に何回か「速読法」といった本を読んだのですが、残念なことに全く身に付くことはありませんでした。

カーソルを1秒感覚くらいで押して行けば、1冊の本につき数分で、全体に眼を通してどんなことが書いてあるかがわかるでしょう。 

結果として、自然に速読的なことができてしまうわけです

 

200%とかに拡大できるので、目が弱いおじいちゃんやおばあちゃんにも読みやすいはずです。

 

どこでも持ち歩ける

書棚に入れた専門書や雑誌などを、いつもノートパソコンやiPadに入れて持ち歩けるようになります。

 

■紙供養(心のケア)を忘れずに 🙂

届いたばかりの新しい書籍や雑誌の背表紙を断裁機で「さくっ」と切り取りとり、スキャンしたらすぐ捨ててしまうというのは、「モノ」を大事にする人ほど、申し訳ない気持ちがこみ上げて来るかも知れません。

しかし、前述のとおり、賃料コストを引き下げ、情報の有効活用を図るには、この方法が一番合理的なのです。

恐らく、実際にやってみると、背表紙を「さくっ」と切り取る感触が快感になって、他にスキャンするものが無いか探しまわる人も続出すると思います。

しかし、捨ててしまう紙がもったいないことは確かです。
合理性だけでは気持ちが納得できないという人は、犠牲になった紙に対して、合掌して成仏を祈ったり紙供養をするのもいいかも知れません。:-)

 

また、「電子化に消極的な出版社のせいだ」と他人に責任を転嫁するのも、人によっては有効かも(笑)。

 

みなさんは、一休さんがボロい袈裟を来てお経をあげにいったら追い返されたので、豪華な袈裟を金持ちに投げつけて帰ってしまった、という話をご存知ですよね?

そうです。
書籍や雑誌でも、重要なのは「入れ物」ではなく「中身」なのです。

 

先日の記事でもご紹介しましたが、私は、これからは紙の書籍や雑誌は、「本」や「雑誌」ではなく、

紙プロトコル

と呼ぶことにしました。

「紙」は情報を伝えるための通信手段の一種、と考える、ということです。

 

■追記:その他TIPS(追記)

 

トラブルの場合、無理に続けない

ほとんどの場合問題なく読み取れるのですが、ツルツルの紙などは、何度やり直しても同じ場所で紙づまりすることとかが多いです。

このため、一度ひっかかったら、その最後の一枚を読み込んで、一度、ファイルに保存する。
(「1.pdf」等と名前をつけておきます。)
そして続きを読み込む(以下「2.pdf」「3」等と名前をつけておきます。)
こうする方がうまくいく気がします。

最後にスキャンした「n.pdf」を読み込みます。付属しているアドビの「Acrobat」に「ファイルを結合」というメニューがありますので、表示されるファイル名一覧に、後にスキャンした方から順に結合するファイルをドラグアンドドロップしていくと、1、2、3・・と順番にファイルが並びます。

そして結合を行って、自分で決めた規約にしたがって正式なファイル名を付けて保存します。

 

表紙

単行本の表紙は、表表紙から背表紙、裏表紙とビローンとつながってますよね?

最初は本と同じサイズに切り取ってスキャンしていたのですが(pdfの表紙がアイコンとして表示されるので、美しいことは美しい)、スキャンしておけば、後で切り取ったり、ページを入れ替えたりは簡単にできますので(といっても私はズボラなので一生やらないと思いますが)、
最近は表表紙から裏表紙見返りまで「つながった」まま、ベローンと読み込んでいます。
(ものによっては長過ぎるので、見返りを切り取ってスキャンしています。)

 

ノリに注意

背表紙を厚めに切り取った場合でも、最初と最後のページが表紙・裏表紙と背表紙のノリでくっついていることが多いです。
(ホチキス止めの雑誌はそういうことはありません。)

「ぐしゃぐしゃぐしゃ」と紙づまりになりますので、よく確認しましょう。

 

縦か横か

A5以下の小型の版型の場合、横にして読み込んだ方が早いです。(あたりまえ)
当然、ノリがついている背表紙と反対側を下に向けた方が、トラブりません。

 

スキャナ読み取り部の清掃

スキャナの右上のボタンをつまんで開けると、スキャナ読み取り部(表用・裏用)のガラス面が見えます。
ときどき背表紙のノリがここにこびりついて筋になっていることがありますが、そのままにしておくと、スキャン結果に筋のノイズが入ってしまうだけでなく、引っかかりが多くなる気がします。

時々、ここをふいてきれいにしてあげてます。

 

紙の端から何mm位のところで切ればいいか?

私は、背表紙のノリが残らない程度になるべく切り取り幅を少なくするように切っています。
穴があいててバインダに綴じるようになっている雑誌などは、その穴の中心で切るようにしてます。
(もしかしたら、穴を全部切り取るようにしたほうが、ひっかかりが少ないかも知れません。)

 

■スキャンと著作権法(追記)

「他人がスキャンしたファイルをもらってきた場合はともかく、自分で購入して自分でスキャンして自分だけで使うののどこが悪い?」と思われる方は多いと思いますが、

まず、スキャンという行為自体は、紙からハードディスク等への複製にあたるようです。
(著作権法がご専門の 島並良@shimanamiryo 先生のツイートご参照。)

しかし、著作権法では、「私的使用目的のための複製(私的複製)」については複製OKということになっています。(第30条)
さらにしかし、「業務用」で使う場合には、私的複製の対象外というのが通説になっているようです。

もちろん、法律書を1冊だけ買ってオフィスの30人くらいがそれをスキャンしたpdfを複製して使う、となると、出版社に損害が発生するのは明確なように思えますので、それはあまりよろしくないんでしょうね。

しかし、主に1人がその書籍や雑誌を使うために購入したようなものを、自分でスキャンして自分で使う場合、それまで私的複製の対象外とするのはどうなの(「出版社、別に損してないじゃん」)という気がするかと思います。

島並先生は、

はい、拙著入門書でその立場を採っています。でもなぜか単独説。
RT @takujihashizume: あ、先生適法説に立たれてるんですね。じゃあ安心して転向しよっとw。
QT @shimanamiryo 私自身は業務用でも「個人的」使用として適法という立場 RT @isologue
http://twitter.com/shimanamiryo/status/14558077662

・・・ということで、単独説とのことではありますが、「業務用でも『個人的』使用として適法」という立場を取ってらっしゃるようです。
(ちょっと心強いですね。:-)

出版社が訴えて来たらどうするか、ということですが、

なるほど、多くの権利者については信義則(クリーンハンド)に反しますね。
RT @mohno: 業務での書籍スキャンは違法複製だから訴える、という自滅を恐れない出版社があるとは思えないですが。 @isologue @takujihashizume
http://twitter.com/shimanamiryo/status/14589150402

とのこと。
(よく存じませんが、「訴えて来た出版社自身は、業務用に本をコピーしたりしてないの?」という意味かと思います。)

 

島並先生のご著書は、こちら。

 

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(追記:2010/05/26)
小倉秀夫弁護士のブログの記事も参考になりますので、リンクを掲載させていただきます。

研究等の目的による書籍スキャンと私的使用目的複製の抗弁
http://benli.cocolog-nifty.com/benli/2010/05/post-fe27.html

 

以上、ご参考になれば幸いです。

 

ご注意:
本文内の記述には十分注意してはおりますが、機種の選択、スキャン・読み込み等の実行、適法性等に関しては、ご自分のリスクで十分注意していただくよう、お願い申し上げます。

 

(ではまた。)

 

Mac用スキャナ。

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断裁機:

 

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9 thoughts on “ビジネスマンのための書籍スキャン入門ー既に始まっている電子出版

  1. この前twitterでバイト先の経験を語ったものです。
    確かに扇形でもいいのですが、
    あまり空気が入りません。
    私が先輩に教わったのは↓のようにしたらいいということでした。
    http://nonkisroom.exblog.jp/3969480/

  2. たいへん参考になるすばらしい記事をありがとうございます。
    紙供養に関して思いついたことがありますのでコメントいたします。
    裁断済の雑誌類を1年分などにまとめておくと、実は付加価値がついたことになって、オークションなどで高めに売れるのではないでしょうか?!
    買った人は裁断の手間が要りません。
    スキャン後にまた出品できますからオトク感も強い!
    違法性もありませんしね。
    何人もの読者を渡り歩いて役に立ち、紙様も仏様になるでしょう。

  3. 「自炊」って元はアングラ用語ですよね。
    ゲーム機やのROMカセットやゲームセンターの筐体基盤のデータを(ネット上に公開するために)特殊な機械で吸い出す行為が、「自分でデータを吸い出す」→「自吸い」→「自炊」になり、それがゲームソフト以外の分野にも適用されていった、という経緯があったように記憶しています。
    要するに、他者の無償ではない、且つPC上で扱えない種類のコンテンツを、PC上で扱えるようにデータ化する行為全般を「自炊」と呼んでいたわけです。もちろん、外部への違法アップロードを暗に前提としていたのは言うまでもありません。
    なので「自炊」という単語には個人的にあまり良いイメージは無いのですが、こういう所で普通に使われているのを見ると、時代の流れを感じますね。

  4. 「自炊」と引越しとiPad

    磯崎さんの記事を読んでiPadは、「企業文書」の保管方法に革命的な変化を起こすなと思いました。 20年前。新入社員の私の初仕事は、引越しでした。なんといっ…

  5. 著作権法についての疑問、カバーしていただいてありがとうございます。
    pdf化してしまうと、ついキャプチャして引用してしまいそうですが、気をつけないといけませんね。
    たとえば業務のレポートや論文などでも、専門家の意見などを添付したい場合もあると思います。従来referenceとしてクレジットしてればOKという考え方だったと思うのですが、今後もそんな感じでいいんでしょうかね…
    どうあれ、私たちは移行期にいるのは確かだと思います。こういう「考えること」を要求する記事は大変役に立つと思います。
    ありがとうございました。

  6. はじめまして。楽しく読ませて頂きました。
    私も自炊用に本日購入しました。
    モノが届いていないので質問させて頂くのですが、
    ハードカバーの本はどのように自炊するのでしょうか?
    やはり、ある程度自分でばらさないとダメなのでしょうか?
    ( 刃がハードカバーに負ける? )
    ネットを探しても薄い本などを対象にしてて、ハードカバーについては
    あまり触れていないように感じたので。
    宜しくお願いいたします。

  7. >小僧さん
    既に注文した商品は到着したので、ご存知だと思いますが
    PK-513Lの断裁能力は「約15mm(PPC用紙64g/m2換算約160~180枚) 」までなので、ちょっと分厚いハードカバーは、そのまま裁断機にかけることができません。
    ですから裁断機にかける前にまずカッターで複数に分割する必要があります。
    詳細な手順などは以下のページの記事が参考になります。
    電子書籍「自炊」完全マニュアル:
    動画と写真で確認する——裁断&スキャンのコツ(裁断編)
    http://bizmakoto.jp/bizid/articles/1006/09/news029.html

  8. なんだかんだ
    書き込んでいますが
    アマゾンのアソシエイトタグが埋め込まれてますね。
    情報を与えながらも、結局は金設けですか?

  9. >アマゾンのアソシエイトタグが埋め込まれてますね。
    >情報を与えながらも、結局は金設けですか?
    「お金儲けするのは悪である」という共産主義者の方でいらっしゃいますでしょうか?(笑)
    こうした情報提供させていただくのにもコストがかかりますので、アフィリエイトの収入はコストを賄う程度のものにしかなりません。
    それよりも、アフィリエイトのタグを張ると、いつ、どのようにどういった商品がクリックされたり、どの程度、購買に結び付くかといったデータが取れるところがおもしろいのでデータを取ってる次第です。
    (ではまた。)