ゴールドマンさんのチャートの出所はここかな?

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前のエントリでご紹介したACGAの白書に引用されているゴールドマンさんのチャートの「”poison pills can backfire”」というキーワードでGoogleで検索してみると、ACGAのホームページ
http://www.acga-asia.org/public/files/KathyMatsui-CorpGovernance-200711.pdf

に、ゴールドマンのストラテジストのキャシー松井さんの「Asian Business Dialogue on Corporate Governance 2007」というpdfが掲載されていて、ここに前出のとまったく同じチャートが掲載されています。
出所はキャシー松井さん、ということのようですね。
前のエントリで47thさんに約2年ぶりにコメントいただきまして、

さすがにイベント・スタディのイロハのイ(アブノーマル・リターンの定義)なんでβを考慮していないというのは・・・

とおっしゃってましたが、このチャートは「イベントスタディ」とは書いてなくて、「relative performance」とあるだけですから、やはり「β」は考慮せずに、単純にインデックスとの比を取っただけという可能性は高いと思います。
キャシー松井さんが、ACGAのある香港をはじめ世界中でこのチャートをもとに「poison pills can backfire」という説明をして回っているとすると、エラいこっちゃですね・・・。
日本のマスコミの人も、こうしたデータを「ふむふむ」と無批判に聞いて、「買収防衛策の導入には、外国人投資家の批判も根強い」てな記事を書いて、それを読んで「買収防衛策ってのはイカンらしいよ・・・」という世論が形成されているとしたら・・・・とんでもないことですね。
(ではまた。)

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2 thoughts on “ゴールドマンさんのチャートの出所はここかな?

  1.  βの扱いによる違いからくる話は47th氏から、一通り出ているので、違うところを挙げます。件の’商事法務の2008/3/5日号の論文’を読んでいないので、かなり勝手な推測ですが、双方とも統計処理に差こそあれ、用いているヒストリカルデータはそもそも同じわけですから、ACGAのチャートで示されている、インデックス比で3%程度を下回ったのでは’統計的’に有意な差はないと棄却されている可能性もあるのではないかと思います。もしくは、’買収防衛策’と’Poison Pills’の用語そしての定義をはっきりと区別してチャートを考えなくてはならない場合でしょうか。
     あと包丁のアナロジーはなるほどなと、納得いたしました。このチャートを出してきたACGAは先ほど、日本の企業統治への提言をしてきましたが。これは三月のSWFとアメリカの協定を意識していると思い込んでみると、ACGAは買収防衛策うんぬんよりも、株主(というか機関投資家)の影響力低下もしくは希薄化(だからこそポイズンピル?)を懸念しているのかなと考えてしまいます。

  2. >用いているヒストリカルデータはそもそも同じわけですから
    (Y?X)をデータZで説明するか、YそのものをデータXとZで説明するか(この差が今回の疑惑ですね)、モデルが違えば結論が違うことはありえます。後者であれば、残余とX、あるいはYとこれだけ形が似ていて、有意でない、と棄却されることはありえないと思いますよ(^^)
     剰余の自己回帰をチェックするのは、エコノメトリクスの基本のキだと思うのですけどね。枝葉に無頓着って、キャシーさんらしい(悪口に非ず)アウトプットだと思います。