AED訓練に行ってきた

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先週金曜日に、事務所のある郵船ビルの火災避難訓練+「AED」の利用方法に関する講習会があったのでマジメに参加して来ました。
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AEDというのは「Automated External Defibrillator=自動体外式除細動器」のことで、最近、駅やビルなどにも設置されているのを見かけることが多くなった、アレです。(下写真参照。)
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感想は、「出席してよかった」。
こういうのはやっぱり、実際に目で見て話を聞いて緊急時のイメージをしないと、いざというときに動けるわけがない。実際、人の命を救えるかどうかは、分単位の勝負になるそうですので、みなさんもぜひ一度、出席されることをオススメします


 
誤解していたこともいくつもありました。
停止した心臓を回復させるものではない
よくテレビドラマ等で、心電図が「ツー」と停止して、「charge!」 チュイーーン(チャージ音) 「Clear!」で、電極をあてて電気ショックで体が「ボン!」と反り返ったりするシーンがありますが、AEDは、「除細動」という名のとおり、心臓がピクピク痙攣しているのを正常に戻す働きはあっても、止まっている心臓を復活させる機能はない。
心臓が止まってからでは遅いので、止まりかけの細動の段階でなんとかするのが極めて重要。
プロの到着を待っていては遅い
この「心室細動」をとめる成功率は10分経つとほぼゼロになるので(下図)、
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(出所:日本光電ホームページ
心肺が停止して倒れた人がいる場合、「シロウトが手を出してはまずい」と思って、救急車が到着するのを待っていたら、その方はほぼ確実にお亡くなりになるか脳などに障害が残る。いかに早くAED+心臓マッサージを行うか、が重要。
素人でも使える(素人が使わなきゃいけない)
実際、利用方法はAEDの自動音声が言うとおりにパッドを患者の体に貼り付け、AEDのコンピュータが行う自動診断で細動が検知されれば、AEDが自動的に電気のチャージを始めて、ボタンを押すだけなので、シロウトでも使えます。
心臓がちゃんと動いていたり、逆に完全に停止している場合には、AEDが「必要ありません」等の指示をしてくれるので、シロウトの判断ミスを問われることは無い。
前述のとおり、「プロ」が到着してからでは遅いので、逆に、素人が使わないといけないもの、といえそうです。
「人工呼吸はしなくていい」
これもドラマで、美女が溺れて人工呼吸するシーンがありますが、実際に倒れて心室が細動している人は、(美女に限らないことはもちろん)、口の周りにヨダレやゲ○や血が付いているのも普通とのことで、なかなかシロウトがとっさに見ず知らずの人の口に自分の口を付けて人工呼吸する気にはならないことは容易に想像できます。
「人工呼吸2回やって心臓マッサージ30回」を繰り返すのが「正式」だそうですが、消防署の方のご説明によると、

警備員は常に人工呼吸用のマウスピースを持っていたりもするが、一般の人はそんなものを常に持ち歩いているわけはない。また、他人を助けようとして自分がエイズや肝炎などに感染したら本末転倒だ。だから、人工呼吸は行わなくていい
とにかく、呼吸が無いのを確かめたら、心臓マッサージだけを一秒でも早く開始してほしい。心臓マッサージで胸を強く押せば、多少肺にも空気が出入りするので、何もしないよりはるかにマシ。AEDがあればAEDを他の人に取りに行かせて、その間も心臓マッサージは行う。
心臓が動いているかどうかも判断しなくいい。無呼吸=心臓停止と考えてもらえばいい。押す場所の判定も最近はカンタン。乳首と乳首を結んだ線の真ん中を、4センチほどくぼむ強さで1分間に100回(かなり早い)のペースで押すだけ。

とのこと。
なるほど。それでちょっと気が楽になりました。
(ご参考まで。)

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5 thoughts on “AED訓練に行ってきた

  1. 「素人が使わないといけないもの」となると、講習会だけ
    でなく、街中でデモ機を触れるショウルームみたいなもの
    があると、気軽に試す(練習)することができてよいのでは
    ないかと思いますね。

  2.  最近のデータでは、人工呼吸をしてもしなくても、心臓マッサージ(と必要ならAED)さえしてあれば、生存率や脳神経後遺症の発生率は変わらないらしいということがわかっています。
     理屈で考えても、低酸素によって心停止や心房細動に陥った場合を除けば、都会の真ん中で救急隊が来るまでの間であれば、人工呼吸は要らないでしょう。
     あなたにもできることがあります。
     あなたにしかできないことがあります。

  3. AEDが必要なことって、どの程度の頻度で起きるのでしょうか。「ほとんどのAEDは、一回も使わないうちに耐用年数切れで廃棄処分」などとならなければ良いですが。

  4. うーん。
    AED1台は40万円程度。実際には100台に1台しか使われないとすると、1人の人を生かすためのコストは4000万円。これを高いとみるか安いとみるか。「心臓の悪い死にかけのヤツを生かすのに、そんなコストをかけるのはもったいない。そういうやつは、とっとと死ね。」とお考えの方もいらっしゃるかも知れません。
    一方、AEDが日本に2万台あるとして80億円の投資。保証年数5年とすると、1年あたりのコストは16億円。国民ひとりあたり年間15円くらい。
    自分も心臓が止まって死にかけるかもしれないと思えば、「保険料」としてリーズナブルな範囲の額だと思います。
    また、例えば1000人くらいいる企業が年間数十万円程度のコストをかけてAEDを設置したが、10年間1回も使わないで終わったとしても、「使うことにならなくてよかった」とは思っても、「あー無駄な出費をした」とは思わないと思います。

  5. 東横インのAEDはこう印象、でもそもそもAEDって?

    最近、役所だけでなく商業施設などにも設置されるようになった「AED」。僕が通っているジムにもストレッチエリアのすぐそばに置いてあります。 さて、今日帰り…