高裁の決定の要旨を日経朝刊で読んでいたら、不公正な発行に該当しない例として、
� 会社経営を支配した後に、当該会社の資産を当該買収者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する予定で株式の買収を行っている場合
というのがあり、日経新聞(3面「買収の対抗策、新株に4条件」)では、「LBOなど被買収会社の資産流用目的」と解説しています。
47thさんも、「私の読み方が正しいのであれば、「会社経営を支配した後に,当該会社の資産を当該買収者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する予定で株式の買収を行っている場合」というカテゴリーには、「いわゆる」LBOが入ってくると思うのですが・・・」とのことですが・・・。
これ、ホントにLBOのことを指したものなんですかね?そうだとしたら信じられない判断ですね・・・。
LBOは、もちろん、すごい高金利や過度な自己資本比率の低下を招く場合には、企業自体の財務内容を悪化させる可能性がありますが、フジテレビのような無借金でBS(貸借対照表)の右っ側がほとんど自己資本のような会社は、むしろデットでの調達比率を高めて資本効率を上げた方がいいとも考えられます。
LBOを不動産の購入に例えると
例えば、年収500万円のサラリーマンがローンで1億円のマンションを買おうとするとしたら、それはちょっと無謀に聞こえます。
確かに、自分で住むのにそんな高額の物件をほとんどローンで買ったりしたら大変なことになるわけですが、そうではなくて、例えばこのマンションが周辺相場だと1億5000万円はする物件(株価が割安)であるとか、月の賃料100万円くらいで貸せる物件である(十分なキャッシュフローがある)とかであれば、例え月のローンの元利返済が50万円であっても、お金が借りられさえすれば、買うのは経済合理性にかなってます。
また、同じく1億5000万円の一戸建てを買ったら、家の隣の使っていない空き地も付いてきて、そこに建て売りにして3棟建てたら、1軒当たりの土地が4000万円で売れて1億2000万円になり、それで借金を大部分返済したので、結局、6000万円はするであろう家が正味3000万円で買えちゃった(遊休資産の売却、活用)というのも、社会全体の資産の効率を上げる意味では、「いいこと」ですよね。
反対に、年収500万円のサラリーマンが無理して5000万円のマンションを買って、これが、月35万円で貸せると踏んでいたのに月25万円でも借り手が付かず、転売しようとしても3500万円でしか買い手が付かない、というようなことになると、悲惨なわけです。
要は、具体的にどういう内容の買い方をするが問題なのであって、ローンで買うこと自体とか買ったマンションに担保を設定すること自体が問題じゃないですよね?
高裁の決定の意味は、LBOで買収されたら無条件に防衛していいよ、という趣旨ではないと信じたいところです。「LBO」とは一言も書いてないですし。
他の�、�、�などを併せ読むと、おそらくは、LBOでSPVが行う直接の買収資金の調達のことを言っているのではなくて、実質的な買収者(例えばライブドア本体等)の借金の返済に被買収企業の資産を使うようなことを言いたかったのではないかとも思うのですが・・・そうだとしても、それを禁止する法的経済学的な理由も明確ではないような気がしますし・・・・。そもそも、素直に読むとLBOは含まれてしまう気がします・・・。(うーん)
(ではまた。)
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