週刊isologue(第126号)GoogleのMotorola買収(アイカーン解剖編)

先々週8月15日にGoogleがモトローラ(Motorola Mobility Holdings, Inc.)を買収すると発表しましたが、今回は、筆頭株主であるアクティビストのアイカーン氏のグループがSECに提出した開示書類から、アイカーン・グループの全貌や、アイカーン氏がモトローラにどのように関わって来たのかについて考えていきたいと思います。

 

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目次とキーワード:

  • 「アイカーン氏の開示書類」とは?
  • アメリカ版大量保有報告書の見方
  • 1月提出分報告の内容
  • アイカーン・グループの構造
  • アイカーン・グループ役員の機能分担
  • モトローラに送り込まれた取締役
  • 7月21日提出の書類の内容
  • アイカーン氏はGoogleの買収を知っていたか?
  • なぜ7月21日に書類を提出したのか?
  • 株価チャートとの関連

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(ではまた。)

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おかげさまで半世紀!

本日で何と半世紀の大台であります。

小学生の時に「1999年7の月…」というノストラダムスの大予言という本が流行りました。もちろん頭から信じ込んでたわけではないですが、東西冷戦、地球を何度も滅ぼすことができるほどの量の核兵器、公害など、いつ世界が滅んでもおかしくない状況は確かにあったわけで、「オレも38歳くらいで死ぬんだろうなあ」と漠然と考えておりました。

1998年にベンチャーの世界に飛び込んだのも、「人はいつ死ぬかわからないんだから、自分が一番意義があると思うことをやりたい」ということが大きかったと思います。
(ですので、1999年を超えて21世紀を無事迎えられたという時に、なんか「生きてるだけで丸儲け」という感じがいたしましたw。)

加えて、ネットビジネスの世界に入って「ドッグイヤー」を体験しているものですから、もう 100年以上生きてるような感じがします。(38歳+(2011年-1998年)×7倍=129年)
実際、江戸時代の農村に生まれた人になど比べれば、間違いなく、それだけの情報量は受け取っているのだと思います。

一方、大変残念な事に精神年齢は低いままでして、自分の認識だと、だいたい30台前半のあたりから、あまりシブミが増している感じがしません。先日も同年齢の人と「我々が20歳くらいの時に想像してた50歳というのは、もっとどっしりして威厳があるイメージだったけど、こんなにチャラくていいのだろうか」と話しておりました(笑)。
(世間体も考えて「30台前半」と申しましたが、本当は中3くらいの精神年齢な気がします(笑)。高1や中2の息子達ともあまり興味の対象が変わりません ><)

体を構成する原子や分子も既にもう何回も完全に入れ替わっているはずで、50年間この世に存在し続けている「私」というのが、一体何を指すのかもよくわかりませんが、とにかく50年というのは驚くような長さであります。
ここ数年でSNSが発達して「ソーシャルグラフ」が可視化されたおかげで、社交辞令ではなく、自分が本当にいろいろな方々のお世話になっており、そうしたネットワークが世界を包み込んで社会を動かしていることが強く実感できるようになりました。
みなさん、本当にありがとうございます。

 

今の心境を一言で申し上げると、

ネットは広大だわ

であります。

 

今後ともよろしくお願い致します。

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Yomiuri Online連載第12回目 投資契約を結ぶ際の3つの重要ポイント

Yomiuri Onlineに連載させていただいている「磯崎哲也の『起業案内』」第12回目が掲載されました。

http://www.yomiuri.co.jp/job/entrepreneurship/isozaki/20110823-OYT8T00678.htm

 

今回のテーマは「投資契約を結ぶ際の3つの重要ポイント 」。

投資契約について書き出したら、それだけで本1冊以上のボリュームにもなりえますが、ベンチャー企業が投資契約を結ぶときの重要な注意事項を3つだけあげております。

 

ご参考まで。

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週刊isologue(第125号)GoogleのMotorola買収(分割スキーム編)

先週8月15日にGoogleがモトローラ(Motorola Mobility Holdings, Inc.)を買収すると発表しました。

この「Motorola Mobility Holdings, Inc.」という会社は、今年1月4日に元のモトローラ(Motorola, Inc.)から分割して誕生し、上場したばかりの真新しい会社なわけですが、それが1年も経たないうちにGoogleに買収されることになってしまったわけです。

おそらくみなさんは、「Googleがモトローラを買収する理由は何なのか?」「特許を得ることが主目的だと言われてるけど本当のところはどうなんだ?」といったあたりにご関心がある人が多いのではないかと思いますが、今回は、このGoogleの買収そのものを考える前段階として、このモトローラの会社分割について考えてみたいと思います。

 

このモトローラは、以前よりアクティビストのIcahn(アイカーン)氏が大株主で、報道などから想像すると、もともとモバイル部門の分割が行われることになったのも、アイカーン氏がそれを経営陣に強く迫った等の理由があったからだったのかも知れません。

仮に、Googleがこのモトローラのモバイル部門を買収することが昨年から決まっていたといったことがあったとしたら、税務上などでどのような影響があるのか、なぜ会社を分割したのか、といったあたりも含めて、考えてみたいと思います。

 

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目次とキーワード;

  • 分割の概要
  • 分割に関する開示資料の概要
  • 分割スキームの概要
  • 分割に関する米国の税務
  • Google買収までがもし計画されていたとしたら?

 

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(ではまた。)

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「起業のファイナンス」- オーディオブック発売

ご紹介が大変遅くなってしまったのですが、拙著「起業のファイナンス」のオーディオブックができました。

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オトバンクさんの「Febe」で購入できます。

(恥ずかしながら、冒頭に私の肉声の挨拶も入っております・・・汗)

 

もともとこんなきっかけからオーディオブック化が実現しました。

関係者のみなさま、長時間の録音、ありがとうございました。
<(_ _)>

 

(ではまた。)

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これからのベンチャー経営を語る熱い夏の講座(第1回)

インフォテリア株式会社代表取締役社長 / CEOの平野洋一郎さんが、青山学院大学大学院の「技術系ベンチャー経営の戦略と実践」という講座で教えていらっしゃるのですが、8月20日(土)16:20からの第1回の公開講座にゲスト講師としてお招きいただき、

これからのベンチャー経営とファイナンス

というテーマで話すことになりました。

概要(平野さんのページ)はこちらです。

 

先日、「CEO・CFO(を目指す人含む)のためのベンチャーファイナンス vol.1」という回で話させていただいたのと同様の話をしようと目論んでいたら :-)、いろいろな方にまとめていただいたり、記事にしていただきました。

 

togetter「ベンチャーの資金調達をどうするか(インキュベイトファンド木下さん、磯崎さん、サムライ榊原さん、mixi小泉さん、コミュニティファクトリー松本さん、クララオンライン家本さん))」

PLAYFUL WORKER:「起業のファイナンス」@isologue さんセミナーまとめ

CNET:スタートアップがファイナンスで留意すべき10の事項

 

ということで、全く同じ話をしても仕方が無いですから、(どうしても重要な点については重なってしまう部分もあるかと思いますが)、なるべく違う話を盛り込むようにしたいと思います。

 

昨年に引き続き今年も、拙著「起業のファイナンス

 

起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと

を前提知識としてお読みいただく、ということにしていただきました。

(昨年は「読んで行ったので、もっと深い話が聞けるかと思った」というご意見が何件かあったようですので、今年は実例等も交えて、やや深めの話にしようかと考えています。)

 

ご興味のある方は、こちらから、よろしくお願い致します。

 

(ではまた。)

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週刊isologue(第124号)Grouponアップデート編

先週8月10日に、アップデート(amendment)されたGrouponの上場申請資料Form S-1が提出されました。
今までのバージョンでは、3月末の第1四半期までの財務諸表が添付されていましたが、今回の修正版では6月末までの第2四半期の財務諸表が添付されました。

今回は、以下のような問題意識に基づいて、この修正版S-1を探っていきたいと思います。

 

  • 第2四半期も1億ドルを超える損失
  • 債務超過に陥った!が大丈夫か?
  • 現金は持つのか?(キャッシュフロー)
  • 第2四半期以降の買収
    (今年の4月に買収したPelago, Inc. [Whrrl] は、どのくらいイケてたのか?)
  • 第2四半期以降の資金調達
  • 不可解な売掛金、買掛金の比率のその後
  • 大物?役員がさらに追加に
  • 株主構成の変更は?
  • あの創業者への巨額の償還は、まだやってるのか?

 

(23時50分頃配信予定)

 

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(初月度無料)

 

(ではまた。)

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Yomiuri Online連載第11回目 イケてるベンチャー 投資家を納得させる秘訣とは

Yomiuri Onlineに連載させていただいている「磯崎哲也の『起業案内』」第11回目が掲載されました。

http://www.yomiuri.co.jp/job/entrepreneurship/isozaki/20110809-OYT8T00541.htm

 

今回のテーマは「イケてるベンチャー 投資家を納得させる秘訣とは」。

少なくとも起業時点では、マクロ的な動向なんか、あまり関係ないですよ、というか、もっとマクロ的動向が関係あるくらいデカいことを考えるヤツwelcome、といった話であります。

 

ご参考まで。

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週刊isologue(第123号)米国IPOベンチャー事例(バイオ編)

先週は、バイオ関連を除く米国テクノロジー系ベンチャーのIPOの事例を見ながら、社外役員の株式によるインセンティブは是か非かについて考えましたが、「バイオ抜きですか…」と、バイオ関係の方から悲しげな反応をいただきましたのでw、今週はバイオ系の事例を取り上げてみたいと思います。

日本のベンチャーでも、IT系・ネット系は、すでに多くの上場の実績があり、そこで成功して資金を獲得したりノウハウを身につけた人たちが、次のベンチャーの立ち上げを手伝うという「第2巡目」に入りつつあります。
この「2巡目」で起業している人たちが、将来「すごい」企業になるかどうかはさておき、少なくとも起業そのものについては既にかなり活気づいており、「起業バブル」といった言葉もちらほら目にするようになってきました。

バイオ領域も勢いを付けたいところですが、日本ではまだ上場例も少ないところに、最近では「プロ向け」のTOKYO AIM取引所の上場第一号のバイオベンチャー「メビオファーム株式会社」が5日目にしてやっと初値が付くという、あまり景気の良くない出来事もありました。

 

今回は、日本よりは好調であろう米国のバイオ関連企業のIPO事例を見て、米国では、こうしたバイオ企業の経営陣、インセンティブ、企業を取り巻く「生態系」などが、どうなっているのかを垣間見てみたいと思います。

 

Wall Street JournalのIPOデータに載っている昨年8月からのIPO件数は合計173件となっています。
この中にはREITや海外企業なども多数含まれていますが、「米国拠点のバイオ関連企業」に絞ると、1年間で約20社ほどになります。

 

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図表1.ピックアップした「バイオ系」企業一覧(クリックで拡大
(会社の概要を見てザッと抜き出したものですので、正確性・網羅性等でお気づきの点がありましたら、お知らせいただければ幸いです。)

 

ご覧のとおり、バイオ関連と言っても、創薬から検査機器、情報サービス、バイオ燃料まで、いろいろ考えられるのですが、この中から、研究開発型で売上もまだほとんど立ってないのに時価総額がそこそこ大きい、という最も「バイオ系的な」事例として「ENDOCYTE, INC.」という創薬ベンチャー企業をピックアップして、そのコーポレートガバナンス、資本政策、株式インセンティブ等について考えてみました。

 

目次とキーワード:

  • 事業の概要
  • 投資家はデータから企業価値をどう判断してるのだろう?
  • 連結損益計算書、連結貸借対照表
  • 未上場段階での資金調達額
  • 未上場段階でのデット・ファイナンス
  • IPO時の資金調達額
  • 経営陣・ガバナンスの特徴
  • 上場前後の株主構成と経営者のインセンティブ
  • まとめ

 

ご参考になれば幸いです。

 (23時50分ごろ配信予定。)

(ではまた。)

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日経ビジネスのPikuに関する記事について

本日付けの日経ビジネスONLINEに、『「クーポン」先駆者、撤退へ』という特集が載っていますが、この記事は、あちこちに事実誤認があり、著しく取材不足なのではないかと思いましたので、私が知っている範囲で事情を説明させていただきます。

ちなみに同社は6月10日時点で、Pikuに投資していたベンチャーキャピタルの一社で株式の過半を取得されたDITパートナーズの下で新しい経営体制となっております。当時の取締役3名全員は同日付けで退任しており、同時に私も監査役を退任させていただきましたが、それをブログでお伝えするのも新しい経営陣の門出に水を差すことになると思い、あえてブログには書いておりませんでした。

この記事は事情をよく知る旧経営メンバーには全く取材していないんじゃないでしょうか?

 

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