野村證券のMPO開発者の移籍について

今週号の週刊ダイヤモンドの特集「沈む野村證券」で、昨日も取り上げた、元野村證券でMPOの仕組みを開発されてUBSに転職した方に関する記事が取り上げられてますね。(36ページ)
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安田道男さんという方で、野村證券の84年入社組の中では先頭を切って部長に昇格したものの、組織改編で次長に降格、社内からは「辞めろ、と言っているも同然だ」との批判の声も上がったとか。
やはり、

退職を決意した直接の引き金は、ネット証券を使って個人投資家にMPOの株式を販売するアイデアが却下されたことだ。UBS証券に転職した安田は、野村で果たせなかった夢を、今、ネット証券大手の松井証券と組んで実現しようとしている。

とのことです。
(ご参考:
転換社債(CB)を用いた”新”資金調達スキーム
 https://www.tez.com/blog/archives/000299.html
転換社債(CB)を用いた”新”資金調達スキーム(その2)
 https://www.tez.com/blog/archives/000300.html
「いかがわしくない」MSCBの活用法
 https://www.tez.com/blog/archives/000302.html

昨年夏、安田は資金繰りに窮していた三菱自動車へのMPO提案を持ち出したが、社内でつぶされた。

ともあります。その後の三菱自動車の迷走ぶりを見ると、確かに野村證券としてはやらなくってよかったという気もしますし、野村證券が手がけていたら、少なくともファイナンス面では三菱自動車にとって、より「マイルド」な処方になっていた気もします。
(ご参考まで。)

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リーマンのライブドア株売却−野村證券のMPOとの対比

先日ご紹介した旬刊経理情報2005年1月10・20日号 の「新しい資金調達方法MPOの仕組みと留意点」という特集の中にある、野村證券� キャピタル・ソリューション部 エクイティ・ソリューション二課長 冨永 康仁氏の「多様なニーズに応えるMPOの仕組みとメリット」という記事に、野村證券さんがMSCBを使ってMPOをする場合について書かれてますので、ライブドアのプレスリリースのケースと比較して見ていきたいと思います。
■要旨
まだ検討の途中段階ですが、この野村證券さんの記事とライブドアさんの発行条件等を比べてみると、以下のような印象を持ちます。
●ライブドアのCBの発行条件は、野村證券の一連のMPOの場合と比較して条件が「いい方」とは言い難い。金額(800億円)も、いすゞ自動車(1000億円)に次ぐ大規模なもの。ただし、野村證券が行うMPOの中にも今回のライブドアと表面的な条件が同じようなものも無いわけではない。
●ライブドアのプレスリリースにはCB自体の「譲渡制限」が付されているかどうか明記されていないが、ここが最も重要な要素の一つのはず。(野村證券のMPOではすべて譲渡制限が付くとのこと。)CB自体を譲渡できないとすると、LB証券はオプション価値をキャッシュ化できない(しにくい)はずで、その分、デルタヘッジによって、株価が大きく振れる方が儲かるというインセンティブは減るはず。(追記:譲渡制限は付いてるようです。)
●今回のLB証券によるライブドア株の売りは、LB証券の合理的なヘッジ行動の範囲内のものとも考えられるが、その行動が株価の下落や持分の希薄化等を通じて既存株主に悪影響を与えないかどうかはまた別の話。(あくまで、LB証券がどのような行動をとるかにかかってくるが、開示されている情報からは、悪影響を与える可能性があるとしか言えない。)
(以下、詳細。いつもながら長いですが、よろしくお願いいたします。)
譲渡制限
記事では、

MPOにおけるCB発行に関する有価証券届出書、プレスリリースなどには開示されていないが、野村證券が発行会社と締結する買取契約には、CBの譲渡制限が規定されている。もしCBの譲渡制限が規定されておらず、証券会社が割当を受けたCBを投資家に転売することができるとすると、転換価額の修正時期に大量の株式を売却することなどにより、株価下落による利益の獲得を目指すような投資家に転売される可能性が生ずる。CBの譲渡制限は、このような現象を未然に防ぎ、発行会社およびその株主の利益を保護するために規定されるものであり、すでに述べた発行会社による早期償還条項と並んで、投機的な株式売却行動を制度的に防止するための不可欠な条項であるということができる。

とあります。(下線部は磯崎による。以下同様。)
以前も書きましたが、そんな「いい」条項がついているのであれば、なぜ開示しないんでしょうね?
また、今回のライブドアさんの転換社債についても、譲渡制限については開示されていません。果たして、相対の契約ではそうした条項が付いているんでしょうか、それとも、リーマン・ブラザース証券は、いつでもこの転換社債を第三者に売却できちゃうんでしょうか?(できるとしたら、野村證券さんがおっしゃるように、非常におっかないですね。)
(追記:2/21,2:20)
Apricotさんから、R30さんのところに、ネット会見で譲渡制限が付いている旨の発言が載っていることを教えていただきました。ありがとうございます。

答 CBは限りなくボンドに近いですが、株式に転換されることを前提としています。リーマンから(ボンドのままで)他社に転売するということは、リーマンが転売できるような契約になっていませんので、必ず少しずつ転換して株として売り出してもらうような約束になっています。CBのままの転売はないです。貸し株は、早期に転換できるようにするために、渡しています。リーマンがつぶれたりするようなことがあればなくなっちゃうけど。

ただ、後述のとおり、譲渡したのと同様の効果を持つデリバティブ等を作ることは可能ではないかと思いますので、そういうことまで禁止しているのか、単なる譲渡のみを制限しているのかはわかりませんね。)
発行年限
記事によると、

MPOにおいて発行されるCBは大半が二年債となっており、発行年限が従来のCBに比べて短い。これは、後述するように、MPOにおけるCBは株式への転換が起こりやすい商品特性を有し、発行年限を長くする必要がないためである。実際に、過去の発行事例の中では、発行後わずか数ヶ月の間で転換が完了したものも見られる。

と書かれています。
これに対して、ライブドアの場合、償還期限は2010 年2 月24 日で5年債となってます。(転換社債自体の譲渡を想定しているとも取れますが、どうなんでしょうか?)
転換価額修正条項

転換価額は毎月一度決められた時点(例えば、毎月第三金曜日など)で、これに先立つ三〜五日間の平均株価から数パーセント程度ディスカウントした水準に修正される。

ということですが、記事に掲載される野村證券さんを割当先とするMPOの発行事例をもとに調べてみると以下の通りです。

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(クリックで拡大)
(出所:前述記事の発行会社のデータをもとに磯崎が発行条件のデータを追加。)
黄色が野村證券が行ったMPOの事例、オレンジが今回のライブドアのケース。ただし、野村證券の事例については、転換型優先株や新株予約権単独、社債以外に新株予約権を組み合わせるものを除いた、MSCBのみを利用したものを掲載してあります。
これを見ると、記事では「数%程度のディスカウント」と書いてありますが、野村證券さんのケースでも、ディスカウント幅は10%取っていることが多いことがわかります。この10%のディスカウントを問題にしているweb上の論調もありますが、これに関しては、ライブドアの条件が特別に悪いというわけではなさそう。
ただ、800億円の10%=80億円というのは、過去のMPOのディスカウントの中でも最大の絶対額になります。(いすゞ第2回と1位タイ。)
修正頻度は野村證券さんの分は、すべて「毎月」ですね。(ライブドアは「毎週」。)
野村さんの平均値を算定する日数は当初5日程度のものが多かったですが、最近は(ライブドアと同じ)3日程度のものも増えてきているようです。また、野村さんのはすべて「終値」ベースですが、ライブドアのものは、「売買高加重平均価格(VWAP)」を用いていますので、その分、終値関与的な操作には強いということになりますね。(仮に、そういう悪いことする人がいれば、の話、ですが。)
下限転換価格は、野村さんのケースでも33%までのもの(日本金属工業のケース)もありますが、ライブドアの34.9%というのは、やはりかなり低い水準であることがわかります。
逆にライブドアのように上限転換価額が無いものは少ない。ただし、株価が上がった場合の引き受け手のインセンティブをそぐわけですから、上限価格が無いのが必ずしもいい条件とも限らないですね。
貸株の利用
同様に記事では、貸株の利用について、以下のような記述があります。

株式売買の決済は約定日の三営業日後に行われるのに対して、CBの転換による新株の交付は、証券代行会社によって異なるものの、概ね転換請求の六営業日後程度になる。そこで、証券会社は、株価変動リスクを回避しつつ、株式の売却を円滑に行うために貸株市場を活用することとなる。具体的には、証券会社は�貸株市場で株式を借り、発行後の株価推移を見ながら、機関投資家等へ市場内外で売却したり、株式市場で売却したりすることで普通株式のショートポジションを作る、�ショートポジションがある程度まとまった段階でCBを転換し、普通株式を取得、�取得した株式を貸株市場で借りた分の返却にあてる、という行動をとるのが一般的である。こうして、実際に株式が売却されるタイミングとCBが転換されるタイミングにはタイムラグが生じることになる。

さらっと読むと、転換社債の転換請求と売却のタイムラグのリスクをヘッジする目的で貸株を利用していると読めますが、よく読むと、その目的だけのために使っているとも書いてありません。
堀江社長とリーマンの貸株契約も、いいように解釈すれば、このリーマンの借株コストの低減と貸株市場の流動性リスクを低減させるための契約と考えることもできますが。(どうなんでしょうか。)
また、同記事では、

株価が上昇基調にある場合には、�転換価額修正時のディスカウントを上回るスプレッド(時価株価−修正後転換価額)が生じること、�株式売買高の増加を伴うケースが多いこと、�投資家の投資意欲が高まること、などからCBの転換ペースが速くなる傾向がみられる。

とあります。MPOのように資本力のある引き受け手が市況を見ながら株式を処分していく場合には、株価が上がっていった方が、すべての関係者にとってハッピーになるということですね。
野村さんの他社さんに対する牽制球とも取れる文言もいくつかあって、

一口に投資家といっても多様であり、ディスカウント分だけ安く取得した株式をすぐに市場で売却してディスカウント分の利益の獲得を目指す投資家よりも、中長期の投資スタンスに基づいて株式投資を行う投資家に販売した方が、株価への影響は小さくなると思われる。

というのは、野村證券さんでMPOをはじめられたチームがUBSに移籍して、松井証券さんなどと組んでネットの個人投資家に販売するスキームを発表されたことに対してのコメントかも知れませんね。間接的に何人かの方から伺ったところによると、逆に、そのチームの方々は、「一定の割合は個人投資家にはめ込みたいニーズがある発行会社もあるのに、野村證券ではなかなかそれが行いにくい」ということが、移籍される原因の一つとなったという話も聞きました。(直接にはそのチームの方々にお会いしたことは無いので、真偽のほどはよく存じません。)
また、

MPOは、割当を受けた証券会社が割当後どのような行動をとるかによって、発行後の株価に及ぼす影響が大きく異なる可能性がある。資本力に欠ける証券会社は、発行後の株価推移を見ながら株式を売却する余裕に乏しく、短期間のうちに市場で売却する恐れがあり、顧客への販売力がない証券会社は、転換によって取得した株式をそのまま株式市場で売却することが想定されるため、株価にマイナスの影響を及ぼす可能性がある。したがって、顧客層の幅広さや販売力によって、割当先となる証券会社を選択しなければならない。

としてまして、「野村證券なら安心ですよ」というニュアンスのことをおっしゃってます。
元野村證券さんのチームがUBSに移られたのも、やはりMPOを行うにはある程度太っ腹な資本力を持つところでないとできないからだ、という話も聞きました。(これも、真偽は存じません。)
ただ、やはり、野村さんの記事のように、引き受ける証券会社の行動一つで事の成り行きは大きく変わるスキームですから、「(発行会社の悪いようにはしないという)実績と信用」が大きくものをいうのは間違いなさそうです。
デルタヘッジ
もう一つ、当該記事では、「ユーロ円CBはなぜ転換がなかなか進まないのか」という補論で、投資家のタイプの違いによって、結果が異なってくるということを述べてらっしゃいます。

ユーロ円CBの場合、最終的な投資家はCBファンドやヘッジファンドと呼ばれる投資家が中心となる。このような投資家は、CBを購入すると同時に貸株市場で調達した普通株式の売却(原文注:これは、デルタヘッジと呼ばれる。)を行い、その後の株価の推移に合わせて株式を売却する量を調節(原文注:これは、ガンマプレイと呼ばれる。)することによって、CBに内包されたオプションの対価として当初支払ったプレミアムを上回る運用収益を上げようとする。こうした収益は、ガンマから発生する利益と呼ばれ、図表5で示すように、株価が上昇しても下落しても収益が得られ、株価の変動率が大きいほどその収益額も大きくなる。したがって、こうした投資家は、貸株の調達等に問題がなければ、株価推移にかかわらずこうした投資行動を続け、CBを満期直前まで転換しない傾向がある。
Nomura_delta.JPG
(出所:旬刊経理情報、野村證券)

磯崎注:
デルタとは、原資産の価格が変化した時に、オプションプレミアムがどれだけ変化するかという変化量のこと。
ガンマとは、原資産の価格の変動に対する上記「デルタ」の変化量のこと。

上記のような転換社債からの利益をキャッシュ化するためには、基本的には転換社債自体を売却するのが手っ取り早いわけですが、なにせボリュームが800億円もあるので、たとえ転換社債自体の譲渡が制限されていたとしても、別途、転換社債のオプション部分だけを切り出したデリバティブを作成することによって、LB証券さんは上記のような損益を享受することができるんじゃないかと思いますが、どうでしょうか?
最初に戻りますが、ライブドアとの相対契約で、そういう転換社債の譲渡や、譲渡と同様の効果のあるスキームが制限されているかどうか、ですね。(繰り返しになりますが、制限されているなら、開示すればいいのにね。)
旬刊経理情報の該当号の入手方法
ちなみに、この雑誌のバックナンバーは定期購読している人にしか販売しないそうです。
この雑誌、非常に中身が濃いので、定期購読する価値は十分あるかも知れません。(「帳簿付けが主な仕事の経理のおっさん向け」というよりは、「CFOっぽい方向け」かと思います。)
定期購読はこちらから。(直販のみの模様。)↓
http://www.chuokeizai.co.jp/koudoku_jun.html
(続く)

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「ごくせん」と水戸黄門

ごくせんすごい視聴率らしいので初めて見てみましたが、いやー、思いの外おもろいでんなー。
松下幸之助氏は、提供番組の水戸黄門の台本に毎回必ず目を通し、「この結末では、正直者が報われません」などと、ストーリーを書き直させていたとのことですが(未確認)、この「ごくせん」も、学園ドラマの体裁を取りながら、なんか水戸黄門と同じ香りがします。そのへんがウケてるところかと。
うちの上の息子の幼稚園の時の彼女がちょっと仲間由紀恵似でしたが、今のところ私に似てというかマザコンというか、「男らしい」女性が好みのようなので、主人公のヤンクミ風の嫁を連れて来るんじゃないかと今からちょっと楽しみです。
というわけで、確定申告はお早めに。
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(ではまた。)

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リーマンのライブドア株売却の「裏の裏」を読む

本日の日経朝刊11面の記事、「リーマン、ライブドア株、一部売却——大量保有報告書、比率5.88%に」より。

 リーマン・ブラザーズ証券が十七日に関東財務局に提出した大量保有報告書から、同証券グループがライブドアの発行済み株式の一・三八%に相当する八百九十万株を、十日に市場で売却していたことが明らかになった。売却した株はリーマンがライブドアの筆頭株主である堀江貴文社長から十日に借りていた四千六百七十二万株(七・二六%)の一部。売却後の保有比率は五・八八%(三千七百八十二万株)になった。(中略)
 リーマンがライブドア株を市場で売却した狙いは不明だが、市場関係者の間では「借りてきたライブドア株を市場で売ることにより、同社株の下落を狙ったのではないか」との見方も出ている。株価が下落するほど、リーマンがCBを転換して入手できるライブドア株が増える仕組みになっているからだ。

これだけ読むと、単純に「ほらやっぱりMSCBこえー。ライブドア、売りだ売りだー!」と思ってしまうわけですが、昨日のエントリーで証券取引法第二十七条の二十六(特例対象株券等の大量保有者による報告書の提出)の規定をお勉強したよい子のみんなは、「ちょっと待てよ」ですよね?
リーマン・ブラザーズ証券は、外国証券会社ですから、株券等の大量保有の状況の開示に関する内閣府令第十一条(特例対象株券等の保有者である証券会社等の者)第一項第二号に定める外国証券等に該当します。(よね?)
このため、7.26%取得して1.38%売却して5.88%になっただけ(今のところ5%超10%以下)ですから、証取法27条の26(第1項)の規定により、3ヶ月毎の基準日で締めて、その翌月15日(仮にリーマンの基準日が2月末であったとしても、3月15日)までに開示すればOKなはず。
(注:ちなみに、財務局に確認したところ、この「基準日」が各証券会社ごとに何月かは開示されない情報である、とのことです。)
(追記、12:23:
「どらえもん」さんから、

リーマンが売った貸し株は、もともとホリエモンの株なので、リーマンが投資一任勘定を持っていようがいまいが、個人の株として「5日以内の報告義務」という本則が適用されるはずです。

というコメントをいただきました。そうだとしたら素直に開示しただけということになりますが、法令とどう対応するのか確認中。今日は夜まで予定が詰まってますので、確認が遅くなったら済みません。)
しかも、今月末までに5%未満になるまで売ってしまえば、永久に開示しなくていいわけです。(よね?)今、5.88%ですから、あとたった0.88%売るだけです。
かように、義務でないにも関わらず17日にあえてこれを開示したということは、あと0.88%売っちゃうと、開示するチャンスが永久に無くなるので、あえてここで、「リーマン・ブラザーズ証券はライブドア株を売るような行動をするんですよ」ということをアピールしたいからと考えるのが素直ですよね。
では、なぜ「リーマン・ブラザーズ証券はライブドア株を売りますよ」とアピールしたいかというと・・・・それは今後株価がどんどん下がっていけば、MSCBの転換価格を下げられるからと考えるのが素直じゃないすか。(それじゃ、結局、結論同じじゃん!)
と、単純に考えていいもんでしょうか。それとも、巨人の星の星一徹のように、もっと、裏の裏の、さらに裏を考える必要があるんでしょうか?
よく考えると、ライブドアのMSCB発行はまだ発行もされてないわけです。今回のこのニュースによって株価が下落しても、CBの転換ができるわけではないし、CBによってすぐにリーマンが儲かるわけでもない。
仮に、リーマンが本当にライブドアのことを考えて誠実に行動すると仮定すれば、ですね、(爆笑しちゃだめですよ!)、転換社債が発行されてから、転換価額を下げるために株を売り崩すなんてことはありえないわけです。相場操縦の疑いも持たれるわけですし。
ということは、この借株で儲けられるチャンスは今しかない。ここで価格を下げておいて、後で価格が戻すという何らかの(むにゃむにゃ)確信があれば・・・・・・ということがあるかも知れませんね。いえ、1.38%を売却したというのは事実でしょうし、相場操縦のために情報を流したというようなことを申し上げているわけではありませんので悪しからず。
以上、あくまで報道等の情報から考えられる一つの仮説ですのでご注意ください。また、本記事の内容につきましてはよく考えたつもりでおりますが、その内容を私が保証するものではありません。この情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。
また、本サイトのコンテンツは投資勧誘または投資のための情報提供を目的としたものではありませんので、よろしくお願いいたします。
(取り急ぎ。)

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敵艦スクリュー音、未だ無し!(ニッポン放送株:解決編)

durianさんからコメントいただきました。

ロイターのニュースに、投資一任勘定を持って運用している業者に対しては、大量保有報告書の提出に特別ルールが設けられているとの記事がありましたが、本当ですかね。

紹介していただいたのは以下の記事です。
http://charge.biz.yahoo.co.jp/vip/news/rtr/050217/050217_mbiz2396764.html

2005年 2月17日(木) 14時52分
[アングル]村上ファンド保有のニッポン放送株の行方、3月15日か4月15日に判明
鈴木 透編集委員
(中略)
 [東京 17日 ロイター] フジテレビジョン<4676>とライブドア<4753>がニッポン放送<4660>株式の争奪戦を繰り広げる中、ニッポン放送の大株主であるM&Aコンサルティング(村上世彰代表・通称「村上ファンド」)の動向が注目されている。16日に公表された株式大量保有報告書には同社の届出はなく、同社がニッポン放送株式を売却したか否かは、依然として不明のまま。
 投資ファンドに認められている大量保有報告書提出の特別ルールに照らせば、村上ファンドが売却していた場合には、売却割合によって3月15日か4月15日に大量保有報告書が提出され、売却先が判明する。
 2月8日にライブドアが東証の時間外取引でニッポン放送株の29.63%を取得したと発表した時、市場関係者などの多くは、ライブドアにニッポン放送株を売却したのは村上ファンドではないか、との想像を巡らせた。これは、村上ファンドが1月5日現在、ニッポン放送株の18.57%を保有していたからだ。
 しかし、M&Aコンサルティングも村上代表も一貫して、「個別銘柄の売買についてはコメントできない」との姿勢を貫いているため、いまだに村上ファンドがライブドアにニッポン放送株を売却したのか否かは判明していない。M&Aコンサルティング側が明らかにしない以上、事実確認の手段は株式の大量保有報告書に頼らざる得ない。(中略)
 このため、16日に村上ファンドからの届出がなかったことで、村上ファンドはライブドアにニッポン放送株を売却していなかったといった一部報道もされている。
 しかし、M&Aコンサルティングのように投資一任勘定を持ち運用を行っている業者には、大量保有報告書の提出に特別ルールが設けられている。これは、1)保有比率が1%以上変動した場合には、各業者の定める基準日の翌月の15日までに大量保有報告書を提出する、2)2.5%以上変動した場合には、翌月の15日までに大量保有報告書を提出する—というもの。
 このルールに照らした場合、村上ファンドがニッポン放送株を2.5%以上売却していれば、3月15日が大量保有報告書を提出期限に、1%以上であれば村上ファンドの定めている基準日が3、6、9、12月となっているため、4月15日が提出期限となる。

 「16日に大量保有報告書が提出されていないことから村上ファンドはライブドアにニッポン放送株を売却していなかった」との一部報道に対しても、M&Aコンサルティングの関係者は、「3月15日か4月15日を過ぎるまでは、何も言えない」としており、事実が明らかになるまでは、今しばらく時間がかかりそうだ。

どうりで大和証券さんの大量保有報告書も出てないわけですね。てっきり(単純に)「翌月」15日かと勘違いしていました。3ヶ月毎の月末だけで考えればいいわけですね。大変失礼いたしました。<(_ _)>
つまり、TOBの場合に、誰がどれだけ「手札」を持ってるかを悟られたくない場合には、証券会社や投資顧問業者を間にかませるのが手っ取り早いわけですね。「村上ファンド」がL.P.や任意組合から直接投資をせずに、投資顧問業者である「株式会社MACアセットマネジメント」に投資一任契約で一任しているのも、そういうフレキシビリティがあるからかも知れません。
鹿内氏が昨年のうちに信託受益権を大和証券に譲渡していたにもかかわらず、1月7日にプレスリリースしたのは、フジテレビのTOBを成功させるために、「鹿内氏はもう手札を持ってない」ことをアピールするためだったのかも知れませんね。(なぜ1月7日だったのかは、未だによくわかりませんが・・・。鹿内家が大量保有報告書を提出する12日に合わせてもよかったのでは。)
村上ファンドも、今までは、例えば1月5日に株券等保有割合が16.01%→18.57%まで2.56%上がった時も、(2.5%超なので)翌月2月15日までに大量保有報告書を提出すればよかったにもかかわらず、あえて1月13日に開示したんでしょうね。
「ここまで株を握ってるぞ」というのを見せつけておいて、その後、「機関停止!」とスクリューを止め、音を完全に消し去って、今はじーっと海底に潜んでるわけですね。
(うーん。)
以下資料
すみません、証券取引法第二十七条の二十六をよく読みこんでませんでした。(反省)

第二十七条の二十六  証券会社、銀行その他の内閣府令で定める者(第三項に規定する基準日を内閣総理大臣に届け出た者に限る。)が保有する株券等で当該株券等の発行者である会社の事業活動を支配することを保有の目的としないもの(株券等保有割合が内閣府令で定める数を超えた場合及び保有の態様その他の事情を勘案して内閣府令で定める場合を除く。)又は国、地方公共団体その他の内閣府令で定める者(第三項に規定する基準日を内閣総理大臣に届け出た者に限る。)が保有する株券等(以下この条において「特例対象株券等」という。)に係る大量保有報告書は、第二十七条の二十三第一項本文の規定にかかわらず、株券等保有割合が初めて百分の五を超えることとなつた基準日における当該株券等の保有状況に関する事項で内閣府令で定めるものを記載したものを、内閣府令で定めるところにより、当該基準日の属する月の翌月十五日までに、内閣総理大臣に提出しなければならない。
○2  特例対象株券等に係る変更報告書(当該株券等が特例対象株券等以外の株券等になる場合の変更に係るものを除く。)は、第二十七条の二十五第一項本文の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める日までに、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に提出しなければならない。
一  前項の大量保有報告書に係る基準日の後の基準日における株券等保有割合が当該大量保有報告書に記載された株券等保有割合より百分の一以上増加し又は減少した場合その他の当該大量保有報告書に記載すべき重要な事項の変更があつた場合 当該後の基準日の属する月の翌月十五日
二  当該大量保有報告書に係る基準日の属する月の後の月の末日において株券等保有割合が大幅に増加し又は減少した場合として内閣府令で定める基準に該当することとなつた場合 当該末日の属する月の翌月十五日
三  変更報告書に係る基準日の後の基準日における株券等保有割合が当該変更報告書に記載された株券等保有割合より百分の一以上増加し又は減少した場合その他の当該大量保有報告書に記載すべき重要な事項の変更があつた場合 当該後の基準日の属する月の翌月十五日
四  前三号に準ずる場合として内閣府令で定める場合 内閣府令で定める日
○3  前二項の基準日とは、特例対象株券等の保有者が内閣府令で定めるところにより内閣総理大臣に届出をした三月ごとの月の末日をいう。

つまり、証券会社や銀行以外にも、内閣府令(株券等の大量保有の状況の開示に関する内閣府令)で特例となる業者が定められているわけです。

(特例対象株券等の保有者である証券会社等の者)
第十一条  法第二十七条の二十六第一項 に規定する証券会社、銀行その他の内閣府令で定める者は、次に掲げる者とする。
一  証券会社、銀行、信託会社(信託業法 (平成十六年法律第百五十四号)第三条 又は同法第五十三条第一項 の免許を受けたものに限る。)、保険会社、投資信託委託業者、投資顧問業者(有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律 (昭和六十一年法律第七十四号)第二十四条第一項 の認可を受けたものに限る。)、農林中央金庫及び商工組合中央金庫

投資顧問業法の第二十四条第一項の認可を受けたものとは、「投資一任契約」をできる投資顧問業者のことです。
また、特例とならないのは、以下の通り10%以上の場合。

(特例対象株券等から除外される場合の株券等保有割合の基準)
第十二条  法第二十七条の二十六第一項 に規定する内閣府令で定める数は、百分の十とする。

また、「株券等保有割合が大幅に増加し又は減少した場合として内閣府令で定める基準」というのは、以下の通り、第16条で「2.5%」と定められています。

(株券等保有割合が大幅に増加し又は減少した場合として定める基準)
第十六条  法第二十七条の二十六第二項第二号 に規定する内閣府令で定める基準は、株券等保有割合が同条第一項 に規定する大量保有報告書に記載された株券等保有割合より百分の二・五以上増加し又は減少したこととする。

(以 上)

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敵艦スクリュー音、未だ無し!(ニッポン放送株:本日の速報)

本日も、今さっき都内某所でニッポン放送株の大量保有報告書を閲覧。
やはり、16日付けでもニッポン放送の大量保有報告書は提出されてませんでした。
(追記:「解決編」参照。)
窓口のおばさん曰く;
「閲覧ですか?大量保有報告書?ニッポン放送でしょ?EDINETコードは681004だから、それをここの欄に記入してくださいね。」
「(苦笑) やっぱ、ニッポン放送見に来る人多いんですか?お忙しそうですね。」
「そうなのよー。もうそればっかり。『ここに載ってないものがあるんじゃないか?』『今、来たんじゃないか?』とか聞かれてもねえ。機械に入ってるのが全部なのにねえ。
いつになったら終わるのかしらねえ。TOBの期限が3月2日だっけ?そうしたら、ちょっとは落ち着くのかしらねえ。」
とのことです。
いつもはヒマなんでしょうねえ。すみませんねえ、私がブログで紹介したおかげで閲覧しに行った人も2〜3人はいるかも知れませんので。<(_ _)>
おばさんに言ってもしょうがないですが、大量保有報告書をインターネットで開示してくれれば、誰もこんなとこまでわざわざ来ないんですけど。
(ではまた。)

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大量保有報告書、遅れて提出って、それアリ?(その2)

遅れて大量保有報告書を提出した場合の罰則について、bewaad institute@
kasumigasekiさんとminoriさんにトラックバックいただきました。それぞれ、行政の方と実務の方なので、大変興味深いです。
minoriさんのご意見
http://www.minori.com/archives/law/2005/02/filing.html
minoriさんは、遅れただけでは「罰則無い」、というお立場。
実際に、提出でご苦労されたエピソードも紹介されていて非常にためになります。

罰則があった場合、タイムアウトの次の瞬間から隠蔽に走ると思います。法人も個人も。
 「次のタイミングで帳尻を合わせよう」とか、「すぐ売っちゃうから、ま、いいか」とか。
 遅れても正直に提出した者だけが罰される、という矛盾も生じますし。
 かえって市場が不透明になります。

というご意見。

 と、大上段に構えて書いてはみるものの、閲覧できる場所・時間が限定されているのでほんとに投資家のみなさんの役に立っているのかしら、と、つねづね疑問を感じています。

少なくとも、敵対的買収を受ける発行会社側にとっては、ちゃんと開示してもらえないと怖いですね。そうでないと、怖くて株式公開できません。
bewaad institute@kasumigasekiさんのご意見
bewaadさんは原則論的なお立場から説明されてます。
http://bewaad.com/20050217.html#p02
参照されている条文は以下の通り。

証券取引法第百九十八条
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。(中略)
五  第二十四条第一項若しくは第三項(これらの規定を同条第五項(第二十七条において準用する場合を含む。)及び第二十七条において準用する場合を含む。)若しくは第二十四条第六項(第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による有価証券報告書若しくはその添付書類、第二十四条の二第一項(第二十七条において準用する場合を含む。)において準用する第十条第一項の規定による訂正報告書、第二十七条の三第二項(第二十七条の二十二の二第二項において準用する場合を含む。)の規定による公開買付届出書、第二十七条の十一第三項(第二十七条の二十二の二第二項において準用する場合を含む。)の規定による公開買付撤回届出書、第二十七条の十三第二項(第二十七条の二十二の二第二項において準用する場合を含む。)の規定による公開買付報告書、第二十七条の二十三第一項若しくは第二十七条の二十六第一項の規定による大量保有報告書又は第二十七条の二十五第一項若しくは第二十七条の二十六第二項の規定による変更報告書を提出しない者

#6日めに出していなければ、その時点で「提出しない者」になるので、その後提出しても過去の違法は治癒されないと思います。

なるほど、1日でも遅れたら、その時点では「提出しない者」になるというお考えですね。
実際、提出せずに罰せられたケースを解説しているページを紹介されてます。
「東天紅事件 〜証券取引法5%ルールについて〜」
栄光綜合法律事務所 弁護士 池田佳史
http://www.eiko.gr.jp/6topics/topics055.htm

中華レストラン「東天紅」の株式公開買い付け(TOB)をめぐり、発行済み株式の5%を超える同社株を保有しながら大量保有報告書を提出しなかった等の事件で、平成14年11月8日、被告人に対して懲役2年、執行猶予4年、罰金600万円の判決がなされました。
これは証券取引法27条の23に規定する「5%ルール」に違反するもので、同条違反の最高刑は懲役3年以下または300万円以下の罰金となっています(同法198条5号)。
この事件は「5%ルール」違反での刑事事件としては初めてだということです。

ま、実際には、東天紅事件くらい有名でひどいケースでないと実刑ということにはならないんでしょうね。

なお、実際の運用を見ますと、告発の実績もありますが、まずは行政指導で対応がなされている(略)ようです。

元の記事がオンライン上にないので、新聞の方を当たりますと、2003年12月29日読売新聞朝刊27面に記事があります。

武井被告と一族企業、武富士株の保有を7年間報告怠る 309件急きょ提出
(略)
 消費者金融最大手「武富士」(東京都新宿区)の前会長で、電気通信事業法違反で起訴された武井保雄被告(73)(拘置執行停止中)やファミリー企業などが、同社の大株主として義務づけられた「大量保有報告書」の提出を七年間にわたって怠り、関東財務局の厳重注意を受けていたことが分かった。(中略)
 武富士が株式を店頭公開した直後の一九九六年十一月以降、一部親族やファミリー企業が、武富士株を担保に設定して地方銀行やノンバンクなどから繰り返し融資を受けていたのに、武井被告らは報告書を全く提出せず、その保有実態は明らかになっていなかった。
 関東財務局から「証取法違反に当たる」と指摘を受けた武井被告らは、今年八月下旬から先月中旬にかけ、九六年分までさかのぼって膨大な報告書を次々に提出した。遅れて出された報告書を積み上げると約一メートルにもなるという。(中略)
 武井被告らが報告書の提出を怠ったことについて、武富士は「コメントする立場にない」としている。
 
 〈大量保有報告書〉株式の保有状況を一般投資家に公表する報告書。バブル期に仕手集団による株の買い占めが相次いだことを受け、1990年に提出が義務付けられた。

minoriさんのおっしゃるように、実務としては「うっかり」ということもありますから、1日遅れただけで懲役三年というのは勘弁して欲しいところ。(私も、もしなるとしたら、司法や行政の側というよりは、提出者側関係者ということになると思いますので(笑))、悪質でなく軽過失の場合には、ぜひ、ちょっとしかられるくらいで許して頂きたいところです。
ただ、「ゲームのかけひき」として、わざと軽い違反を行う、としたら、ちょっと許せません。
いずれにせよ、期日通りに提出すれば問題ないわけですから、よい子のみんなは、ちゃんと期日までに大量保有報告書を提出しましょうね。
「課徴金ブーム」(笑)なので、「懲役三年」と「厳重注意」の間をとって、例えば「購入金額×5%×提出が遅れた日数/365日」くらいの課徴金を課す、というのも手かも知れません。
(では。)

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大量保有報告書、遅れて提出って、それアリ?

本日コピーしてきたニッポン放送の大量保有報告書をよく見たら、サウスイースタン社、平成17年1月20日と21日が報告義務発生日なのに、提出がどちらも2月8日になってますね。
(追記:2/17、サウスイースタン社が外国の投資顧問業者[株券等の大量保有の状況の開示に関する内閣府令第十一条�(2)]に該当するとしたら、報告期限は後ろに伸びます。社名に「アセットマネジメント」と入ってますので、たぶん該当するんでしょう。
「解決編」参照。以下、そうでないとした場合のお話としてお聞きください。)
つまり、証取法第27条の23に、

大量保有者となつた日から五日(日曜日その他政令で定める休日の日数は、算入しない。第二十七条の二十五第一項において同じ。)以内に、内閣総理大臣に提出しなければならない。

と書いてあるにもかかわらず、3週間弱も経ってから提出されてるわけです。
「第二十七条の二十三」で証取法を検索してみましたが、罰則のところには(もちろん、虚偽記載には罰則がありますが)、提出遅れちゃいましたというのには罰則が無いように見えますが、そうなの?
(追記:トラックバックいただいた内容を、2月17日のエントリー「その2」にまとめました。)
「罰則がないから、遅れて出しちゃえ〜」というんじゃ、困りますね。
(オンラインで見られないので、なおさら迷惑だー。ヽ(`Д´)ノ)
というか、そもそも外国法人等を処罰することは、法的・実務的に可能なのか知らん?
(もしやりたい放題だとしたら、非常にコワイ話ですね・・・)
(追記)これについても、「属地主義」等について、bewaad institute@kasumigasekiさんからトラックバックいただいてます。
(以上)

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艦長、敵艦捕捉不能ですっ!(ニッポン放送株:速報)

すみません、電話があったりして、午前中に出遅れたんですが、霞ヶ関まで大量保有報告書の閲覧にやってきました。
が、結論としては、「Southeastern Asset Management, Inc.」から、1月20日時点で13.25%→11.88%に、1月21日時点で11.88%→10.62%に株券等保有割合が変わった旨の変更報告書が出ているだけで、後はライブドアからの変更報告書しか出てないですね・・・。
よく見ると、このサウスイースタン社も「Inc.」だし、やはりパートナーシップ等で保有している株券は純投資であれば大量保有報告書の開示義務は無いのかしらん?
証券会社の保有株式の開示はどうなってるのかしらん?
この大量保有報告書の提出状況を信じれば、村上ファンドやサウスイースタン社はまだ株を保有しているようにも見えます。
(追記2/17:ナゾの答については、「解決編」を参照のこと。)
閲覧室のおじさんによると、15日までに提出された情報はすべて端末から見られるはず、とのこと。
(そう、紙で提出されたものも、ちゃんと「電子化」されてるんです。なんでインターネットで見れんのじゃ!)
チラ見したところ、まわりのおじさんやおねいさん達(証券会社や記者さん風)もみんな端末でニッポン放送の大量保有報告書を見ていたようです。
−−−
今の状況は、潜水艦戦というかポーカーというかと全く同じですから、手札がどうそろっているかを相手に悟られないようにするのが大原則。あらゆる規制上の網をくぐって、大量保有報告書で開示しなくて済むようにしてるんでしょうか。
大きなナゾが残りますが、取り急ぎ、速報まで。
(追記)
よく考えたら、先週金曜日、休日でした・・・。
また明日、時間があったら行ってみます。
ではまた。

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ニッポン放送株について(ライブドアと大和証券と村上ファンド)

47thさんの「そういえば・・・いろいろ」より。

そろそろアレの大量保有報告書がファイリングされる時期ですねぇ・・・
アメリカなら最近のものはEDGARで見られるのに、EDINETは、まだ紙ベースでもOKというあたりで、NYにいると物理的にアクセスできないのが残念です。

お呼びでありますか?明日、財務局か東証さんあたりで自分が見てくるでありますっ。
( `Д´)ゞビシッ! (©R30氏)
ライブドアさんの2月8日分は昨日(?)開示されてたようですが、売却された方だけじゃなく、奇しくも1月4日の大和証券さんのニッポン放送株8%取得についても、本日15日が期限ですね。(証券会社の特例:ニッポン放送株の潜水艦戦(その2)参照)
信託受益権の説明については、すでに堀江社長の「インサイダー」発言を受けて、大和証券さんが「昨年中に売買したもの」とおっしゃっているようですが、大量保有報告書で何か新しい記述が出てるでしょうか。

実は、もっと興味深いのはMファンド関係の大量保有報告書(変更報告書)ですねぇ・・・
いきなり保有株式数がゼロになってて、売却日と売却金額を付け合せると、あらびっくり・・・なんていうことがあると、楽しそうですねぇ(完全に見物気分)・・・

実際の「票読み」についてはあんまり興味もないし押さえてもいないのですが、ちまたのウワサでは、村上ファンドさんはまだ大半を保有していて、ライブドアさんと足すと、もしかして50%超になるんじゃないかということで、みなさん騒いでらっしゃるんじゃないんでしょうか?
>どなたかお詳しい方がいらっしゃったら、教えていただければ幸いです。
ファンドと短期売買差益規制

ところで、ファンドといえば、トリビアを一つ。
普通の主要株主は6か月以内の売買で差益を得ると、会社に差益の返還請求権が発生するのですが・・・なんと、組合(パートナーシップ)形式ファンドの場合は、10%の判定は背後の投資家単位でやるということで、ファンドがいくら持っていても、それだけでは短期売買差益の問題は出ないんですよねぇ・・・
実は、これについては、Mファンド自身が、金融庁からノー・アクション・レターをとっていたりしますが・・・(照会回答。まあ、これは会社に売り付けをしようとした時に短期売買差益規制が確認しないことを確認しようとしたようですが・・・)。

(追記2005/10/12:上記リンクは、リンク切れ。)
照会:http://www.fsa.go.jp/common/noact/kaitou/032/032_01a.pdf
回答:http://www.fsa.go.jp/common/noact/kaitou/032/032_01b.pdf

げげっ。マジすか?
ちなみに、今年の1月13日に提出されている、いわゆる「村上ファンド」の大量保有報告書の届出は、株式会社MACアセットマネジメント(代表取締役 岡田裕久氏)から出ていて、「取得資金の内訳」は、全額「投資一任契約に基づく顧客資金」となってます。
また、「当該株券等の関する担保契約等の重要な契約」には「SNFE MAC Japan Active Shareholder Fund, L.P.保有株のうち3,064,230株については、株式会社M&Aコンサルティングに貸株を行っている。」とあります。この「SNFE〜, L.P.」というのは、47thさんの参照されている照会のペーパーにも記載されており、パススルーのvehicleですね。
もう一つ、「MAC2000投資事業組合」という日本の民法上の任意組合もあるようです。
居住者と非居住者と、投資家別にvehicleを分けているんでしょうか。イマイチ、どこからどう資金が流れてるのか、これらの資料だけからではわからんですが。
ファンドと大量保有報告
大量保有報告書は、ファンド単位で必要ですよね?(違うのかな?業務執行組合員やGPは、「当該会社の事業活動を支配する」場合には、証取法27条の23�項1号の「金銭の信託契約その他の契約又は法律の規定に基づき、株券の発行者である会社の株主としての議決権の行使について指図を行うことができる権限を有する者」に該当するんじゃないでしょうか。ということは「支配を目的としない場合」には、ファンドでいくら買っても開示しなくてOKなの?)
「村上ファンド」さんは、投資一任契約(証取法27条の23�項2号)に、わざと該当させたりさせなかったりして、潜水艦を浮上させたり沈ませたりしてらっしゃるんでしょうか?
ファンドと事業譲渡類似株式の譲渡
先日の「課税強化」の記事のとおり、「事業譲渡類似株式の譲渡」の25%以上の判定は、組合でまとめて行うことになったわけです。
SPVを使った上場株式の譲渡

そうそう、短期売買差益といえば、文言上は、ライブドアがライブドア・ファイナンス(30%を保有)の株式を誰かに売却するには、TOB手続にのせる必要もないし、短期売買差益の問題も出ないような気がするのは、気のせいかな?(あくまで文言上の話で脱法とかそういう議論はあり得るでしょうけど・・・TosTNeT使うよりはリモートではないかと)・・・まあ、ライブドア・ファイナンスが他に色々と資産を持っていると、売却はしにくいでしょうけど・・・

「ライブドア・パートナーズ」、ですか?
昨年9月末の有価証券報告書の関係会社の状況には社名が載ってないようですし、当然、そういうことをするためのSPVだと思ってました。SPVなので、他に色々と資産を持っているということもないんでしょうね。
なるほど。短期売買差益の問題も出ないわけですね。
堀江社長、「6ヶ月は売ったら売買益を返さないといけないですから」とか言っておいて、パートナーズ株を6ヶ月以内に売却することになったら・・・かぐわしいですねえ。
(ではまた。)

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