ロシアの物価とIT事情を垣間見る

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日本に戻ってきました磯崎です。
出かける前に、先日ロシアにでかけたばかりの某経済評論家(大御所系)の方から、
「ロシアは、今、石油が湧いて湧いて、世界一物価が高いそうですね〜」
といわれて、「しまったー」と思っていたので、物価についてちょこっと調べてみました。
ビッグマック指数
さて、「モスクワの原宿」と呼ばれるアルバート通りのビッグマック
IM_124s.JPG
にて、メニュー
IM_125s.JPG
をチェックして、「ビッグマック指数」を調べてみました。
ビッグマックの価格は、下記の拡大図のとおり、49ルーブル
IM_125m.JPG
Yahoo!ファイナンス
http://quote.yahoo.co.jp/m5?a=1&s=RUB&t=JPY
によると、本日(9月4日14時09分)現在の1ルーブルは4.36円
日本のビッグマックは1個280円だから、ロシアのビッグマック1個49ルーブルで割ると、ビッグマック指数は5.71円/ルーブル。ビッグマックによる購買力平価よりは、実際のレートの方が円高(ルーブル安)、ということになります。
メモリとパソコン
クレムリンやレーニン廟と、赤の広場
IM_088s.JPG
をはさんだトイメンにある、モスクワ最大のGUM百貨店
IM_089s.JPG
を覗いてみました。
GUM百貨店は、レーニンの命によって作られたそうで、昔は日用品などを売っていたそうですが、今や、日本と同じようなファッション・ブランドの店が軒を連ねるおしゃれな場所に生まれ変わってます。
天安門広場の前に表参道ヒルズがあるようで、なんかへんな感じ。
軍事パレードなどで見る絵は、GUM百貨店側から撮っているので、「ザ・(旧)共産主義」というイメージに仕上がってますが、ちょっと後ろを振り返ると、資本主義バブルの頂点的商業施設がデーンと存在するわけです。
GUM百貨店内のパソコン屋でSDカードの値段を見てみると、
IM_096s.JPG
先ほどの為替レート(ビッグマックじゃないほうの4.36円)で換算すると、
1GBのSDカードが1,990ルーブル(8,676円)、
2GBのSDカードが2,690ルーブル(11,728円)。
・・・日本に比べても、全然高くないんじゃないでしょうか
パソコンも大量に展示してありまして(ACERなど台湾製が多い)、例えば東芝製だとこんな感じ。
IM_095s.JPG
この「M100」というシリーズは日本の東芝さんのホームページでは見かけないんですが、輸出仕様でしょうか?(型落ち?)
Intel Core Duo1.66GHzといったら、ほぼ最新型ですよね?
44,590ルーブル(194,412円)と書いてあります。
東芝のホームページ
http://dynabook.com/pc/catalog/search/user/cgi-bin/disp.cgi?pid=PSJ601RD5S8EKW&row=1
で同程度と思われるスペックのノートパソコンを組んでみると、215,250円とのことなので、ロシア・・・高くないどころか安いくらいじゃないですか!
・・・というよりも、「Intel Core Duo1.66GHz」といった最新のCPUのパソコンがすでにロシアで普通に買えることにビックリ・・・。
旧共産圏への輸出規制って、スパコンとか特殊なもの以外は、もう無くなってるんでしたっけ?
つまり、オープンソースなソフトウエアはいくらでも手に入るでしょうし、分散コンピューティングみたいなソリューションで済むアプリケーションについては、輸出規制のような「イジワル」はもうロシアとの差別化としては機能してないんでしょうね。
政府系機関はお金があまりないかも知れませんが、IT系のニューリッチ企業などは、(旧?)西側と同じ設備で競争できる?
「オフショアリング」でも、近い将来、インドなどと並んでくるんでしょうか?(もう並んでる?)
空港では、白黒ブラウン管ディスプレイの「386かい!」みたいな古いパソコンで入管手続きをしてましたのでナメてましたが、もしかしたら日本のソフトウエア産業の競争力の方が、ヤバいかも
(今回はこのへんで。)

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5 thoughts on “ロシアの物価とIT事情を垣間見る

  1. どうもありがとうございます。
    なるほど、やっぱそうなってるんですね。
    昨晩、web2.0系の会社の方々とメシを食いながらの話:
    「高学歴の優秀なプログラマが月収3万円で使えれば、そりゃ濡れ手に粟で儲かるだろうね。」
    「月収3万円の人が20万円のパソコンを使うという場合、パソコンはNC旋盤みたいな”製造設備”に見えるんだろうね。」
    (ではまた。)

  2. 既につっこみがあるかもしれませんが。。。
    日本だとSD1Gは3000円以下、2Gは6000円以下で買えますよ。
    というか、ハイテクモノは最終価格に対する物流・販売コストの割合が低いと思うので、物価の比較としては余りよくない気がします。。。どうせ台湾製だし。
    日本でもそうですが、この手の商品はどの国で買うかもさることながら、どういった系統の店で買うかに大きく左右されるでしょうね。
    ビックマックのおともにはコーク。
    私はビックマックよりCokeインデックスのほうが実勢に近い気がします。
    ビックマックより均質だしね。

  3. >日本だとSD1Gは3000円以下、2Gは6000円以下で買えますよ。
    どうもありがとうございます。
    でも、(モスクワに「秋葉原」があるのかどうか存じませんが)、GUM百貨店というのは、銀座の三越みたいな場所ですからね。日本でも「激安の店」でなければ、本文に書いた程度の価格じゃないでしょうか。
    (ではまた。)