会社法下のストックオプション(事例データベース編)

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前のエントリのコメント欄で47thさんに教えを請いながら整理させていただいたんですが、今まで(4月までの旧商法では)、会社が発行する新株予約権については、払い込まれた金額(借方または左っかわ)から判断されて貸方(右)の新株予約権の額が決まっていたのが、
会社法においての「ノリ」としては、基本的には、新株予約権のオプションバリュー(貸方[右])というものが確固として実在するものと認められて、それが決まってから、借方(左)の「費用」や「社債発行差金」が決まってくる、というイメージになるんじゃないかと思います。
会社法における新株予約権の「ノリ」
つまり、借方(左)・貸方(右)の絵で描くと、
image001.gif
・・・上図のように、オプションバリューが「計算の仕方のよくわからない怪しげでフワフワしたもの」という位置づけから「きちっと計算で確定できる確かなもの」という位置づけに変わった、というところが、会社法による大きなパラダイムチェンジじゃないかと考えております。
(法的に厳密な議論かどうかはさておき、「ノリ」としてそんなところではないかと。)
と考えると、転換社債に「一括法」が容認されているというのは、この例外になるわけですね
会社法における株主総会決議省略の可能性
結果として、新株予約権の公正価値が労働の対価等(借方[左側])と比べて「特に有利」でなければ金銭の払込の無い無償発行であっても、従業員分については労働の対価と比べて適切な額であれば(株主総会の決議なしで)取締役会決議だけでも発行できるはずです。
委員会設置会社の取締役については、報酬委員会で報酬を決定するので(会社法第404条3項)、株主総会で報酬枠の設定をすることはもともと不要。取締役から提供される役務の対価として妥当な量の新株予約権であれば、株主総会の決議なしに取締役会で発行できるのではないかと思います。
委員会設置会社でない会社の取締役についても、総会で「枠」(会社法第361条1項1号and/or 3号)さえ決議していれば、新株予約権の発行決議自体は取締役会でできるのではないかと思われます。
事例データベース
・・・と、(法的に厳密な議論はよく存じませんが)、以上のように勝手に解釈してますが、実際のところ、各社さん、6月の総会に向けてどのような議案にされているのでしょうか?
会社法初年度なので、かなり、実務の現場は戸惑ってらっしゃるのではないかと思いまして、遅ればせながら、各社の事例をサーチして、末尾に150事例ほどをURLの形で掲示してみました。
Webに掲載されている各社の開示資料を、「会社法、ストックオプション、新株予約権、取締役会、決議」といったキーワードでGoogleで抽出し、grepをかけてpdfのURLだけを抜き出したものです。(一通りチェックして、明らかにストックオプションのリリースでないものは除いてありますが、重複するものやストックオプションと関係ないものがまじってましたら、すみません。pdfだけなのでhtmlで開示しているものなど、抜けているものも多いかと思います。)
結果の概要
全体を斜め読みしただけの感想ですが。
従業員向けのストックオプションについては、会社法での新解釈に基づいて、「(取締役向けのストックオプションの議案を説明した後)、なお、従業員向けのストックオプションについては、取締役会で別途決議させていただくことがあります。」といった形で、株主総会の決議をまったく受けずに取締役会で発行しようとしてらっしゃる「度胸のある」会社さんも何社か散見されました。
非常に多かったのが、「取締役および従業員に対し、ストックオプションとして発行する新株予約権の募集事項の決定を当社取締役会に委任することにつき承認を求める議案」というような形で、発行について取締役会への委任を求める形で、株主総会の承認を得ようとするパターン。
「新株予約権を発行する理由」等、プレーンな言い回しで理由を説明している会社さんもありますが、「株主以外の者に対し特に有利な条件をもって新株予約権を発行する理由」といった形で、商法っぽい言い回しで説明をしている企業も非常に多いようです。
(前述のような解釈に基くと、従業員等の労働の対価とのバランスが取れていれば「特に有利な条件」ではない、という見方のほうが会社法っぽいと思いますが。)
取締役分の「枠」としては、会社法第361条1項1号(報酬等のうち額の確定しているもの)および3号(報酬等のうち金銭でないもの)の両方で決議を受けようというパターンが多いようです。
47thさん曰く、

条文上そう読むべきかについては議論はあり得るのですが、実務上はSOについては1号決議が必須という方向になるようです(例えば、太田洋・商事1759号43頁等)。実は、3号だけという勇気のある会社さんが出るのを、密かに楽しみにはしているんですが(笑)

とのことですが、オプションバリューの計算方法もよくわからない企業さんが多い中、予定しているストックオプションにつき、付与時点での「額が確定している」とはいえないと考えたのか、「3号」だけ、という企業さんのリリースも見かけたような気もします。(よく読みこんでないので、詳細はまた別途。)
委員会設置会社については、例えばソニーさんの例では、当然、361条の決議をやる予定は書いてありませんが、ソニーおよび子会社の取締役・執行役・従業員に対してストックオプション付与を目的として新株予約権(中略)の決定を取締役会に委任する決議を株主総会で行う予定とのことです。
「特に有利な条件により」という文言が見えるので、株主総会で承認を得ないと、有利発行性についてリスクがある、とお考えなんでしょうか。
野村ホールディングスさんも、ほぼ同様。
その他
「ブラックショールズ式を用いて○月○日現在の株価等を元に新株予約権の公正価値を算定しました」
と意気高らかに書いてらっしゃる会社さんもあったのですが、1円ストックオプション(行使価格が1円)なのに、公正価値がその日の株価より安い(本源的価値を下回ってる)orz、というリリースになっていて、「げげんちょ」という感じであります。
会社法的には、株主総会で有利発行決議を受ければ適法な決議なのかも知れませんが、この額で会計上費用計上したら、「粉飾」ということにもなるんじゃないですかねえ・・・。(監査法人さんが気づくはずなので、大きなお世話ではありますが。)
ちゃんとした公正価値で計算すると取締役報酬の「枠」を超えちゃう場合も、「違法」になっちゃうかも知れませんね。
(よく読んでないので、目の錯覚ならいいんですが・・・。)
(追記:相当未来に行使されるので、本源的価値の現在価値がディスカウントされてるんではないかと考えられます。・・・失礼いたしました。)
以下に、各社の事例のURLを掲げますので、ご興味のある方はご覧ください。
www.nri.co.jp/news/2006/060516_5.pdf
www.netvillage.co.jp/images/20060523_6.pdf
www.netvillage.co.jp/images/20060523_7.pdf
www.aichi-steel.co.jp/topics/data/pdf/topics060515b2.pdf
www.mitsubishicorp.com/jp/pdf/pr/mcpr0605182.pdf
www.gala.jp/pdf/pr_20060518_4.pdf
www.gala.jp/pdf/pr_20060518_3.pdf
www.omron.co.jp/ir/ir/press/pdfs/20060512_stock.pdf
www.shinetsu.co.jp/j/news/pdf/s20060515_2.pdf
www.shinetsu.co.jp/j/news/pdf/s20060515_1.pdf
www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/news/qfhh7c000009ib4e-att/qfhh7c000009ib5o.pdf
www.elpida.com/pdfs/pr/2006-04-25j.pdf
www.justsystem.co.jp/just/finance/j0605231.pdf
estore.co.jp/s-company/pdf/Release060525_1.pdf
www.segasammy.co.jp/japanese/pdf/release/20060516_tousha_so_irj_re.pdf
www.segasammy.co.jp/japanese/pdf/release/20060516_kogaishaso_irj_re.pdf
www.sumitomocorp.co.jp/ir/tse/doc/2006/td060518_2.pdf
www.sumitomocorp.co.jp/ir/tse/doc/2006/td060518_3.pdf
www.itx-corp.co.jp/jp/news/2006/pdf/20060517_1.pdf
www.sekisui.co.jp/general/press/060518-2.pdf
www.sekisui.co.jp/general/press/060518-3.pdf
www.mbl.co.jp/company/presspdf/press060519stock2.pdf
www.mbl.co.jp/company/presspdf/press060519stock1.pdf
www.riken.co.jp/ir/pdf/rik060519%20torioption.pdf
www.riken.co.jp/ir/pdf/rik060519%20juoption.pdf
www.mitsubishichem-hd.co.jp/newsreleases/pdf/20060519-1.pdf
www.nicjp.co.jp/data/h18_5_12tori_kansa-stockoption.pdf
www.ngk.co.jp/news/2006/pdf/2006_05_11b.pdf
www.ngk.co.jp/news/2006/pdf/2006_05_11c.pdf
www.nagase.co.jp/news/pdf/20060523-03.pdf
www.toko.co.jp/investors/jp/pdf/indication/6801_stockoptionfuyo.pdf
melco-hd.jp/news/2006/0426-5/stok.pdf
www.nissan-global.com/JP/IR/TEMPO/060517tosho02J.pdf
www.harakosan.co.jp/ir/pdf/20060413.pdf
www.shochiku.co.jp/guide/information/pdf/060424_2.pdf
www.shochiku.co.jp/guide/information/pdf/060424_1.pdf
www.gignosystem.com/pdf/20060523_StockOption.pdf
www.nosan.co.jp/release2006/20060510-5.pdf
www.nosan.co.jp/release2006/20060510-6.pdf
www.hosiden.co.jp/web/ir/pdf/option060511.pdf
www.scl.co.jp/topics/060512_2.pdf
www.scl.co.jp/topics/060512_3.pdf
www.mazda.co.jp/publicity/release/200605/0512b.pdf
www.teac.co.jp/about/achievement/20060519_2.pdf
www.eisai.co.jp/news/news200621pdf.pdf
www.sunfrt.co.jp/pdf/ir/20060522_2.pdf
www.ewave.co.jp/ir/ir20060519-5.pdf
www.santen.co.jp/ir/jp/news/pdf/20060509%20T.pdf
www.santen.co.jp/ir/jp/news/pdf/20060509%20S.pdf
www.matsuzakaya.co.jp/corporate/news/news060413_05.pdf
www.matsuzakaya.co.jp/corporate/news/news060413_06.pdf
www.c-direct.ne.jp/japanese/uj/pdf/10108743/00046571.pdf
www.c-direct.ne.jp/japanese/uj/pdf/10108743/00046572.pdf
www.fmltd.co.jp/irdata/pdfdir/press/87.pdf
www.trad.co.jp/news/press20060525.pdf
www.j-com.co.jp/ir/pdf/press_060525_stock.pdf
www.matsuya.com/ir/news/060417_3_stock.pdf
www.accretech.jp/news/2006/stockoption.pdf/download
www.accretech.jp/news/2006/t_so.pdf/download
www.bemap.co.jp/library_file/cms_file/06052200204.pdf
www.bemap.co.jp/library_file/cms_file/06052200203.pdf
www.taihonet.co.jp/j/2006_04_28_01.pdf
www.taihonet.co.jp/j/2006_04_28_02.pdf
www.sra.co.jp/public/sra/ir/others/20060524-2.pdf
www.unipres.co.jp/ir/pdf/060515_3.pdf
www.sjholdings.co.jp/pdf/ir00-39.pdf
www.sjholdings.co.jp/pdf/ir00-38.pdf
www.jae.co.jp/ir/20060516_03.pdf
www.simplex-tech.co.jp/pdf/ir/press-release20060523.pdf
www.shinpoly.co.jp/ir/pdf/20060427_2.pdf
www.goldwin.co.jp/information/japanese/h19/info/060519_04.PDF
jds.jasdaq.co.jp/documents/tekiji/GKMDHUPVGLXBSBAA.PDF
jds.jasdaq.co.jp/documents/tekiji/KDYJOO0DPQRLSBAA.PDF
www.agc.co.jp/news/2006/0511_2.pdf
www.astellas.com/jp/company/news/2006/pdf/060515a.pdf
www.daj.co.jp/ir/data/20060517-02.pdf
www.core.co.jp/pdf/ir_060524.pdf
www.daikodenshi.jp/ir/images_pdf/20060519_3.pdf
www.aoyama-syouji.co.jp/enterprise/pdfhtml/aoyama_pdf1/060518_stock/060518_stock.pdf
www.assetmanagers.co.jp/pdf/20060509b.pdf
www.ichiyoshi.co.jp/ir/ir/pdf/20060519_stockoption.pdf
www.fujimiinc.co.jp/ir/pdf/2006-5-12-4.pdf
www.fujimiinc.co.jp/ir/pdf/2006-5-12-3.pdf
www.tfp-cg.co.jp/pdf/h18/h180519_stock1.pdf
www.nichias.co.jp/ir/investor/irnews/2006/20060522_01.pdf
www.san-hd.co.jp/files/060518-3.pdf
www.anritsu.co.jp/J/IR/pdf/060426c.pdf
www.anritsu.co.jp/J/IR/pdf/060426d.pdf
www.onward.co.jp/ir/pdf/20060525.pdf
www.nifsmbc.co.jp/ir/press/documents/0517SO_shiyounin.pdf
www.kenko.com/company/ir/pdf/stockoption_060428.pdf
www.shinoken.com/data/ir/pdf/060519_stockoption1.pdf
www.shinoken.com/data/ir/pdf/060519_stockoption2.pdf
www.bookoff.co.jp/ir/pdf/060516_3.pdf
www.tfp-cg.co.jp/pdf/h18/h180519_stock2.pdf
www.shiseido.co.jp/ir_news/img/020.pdf
www.daiso.co.jp/pdf/news060519_4.pdf
www.shinpoly.co.jp/ir/pdf/20060427_3.pdf
hs-sec.co.jp/hs/pdf/0605192.pdf
www.kitagin.co.jp/news/pdf/060522_1.pdf
www2.jsda.or.jp/documents/tekiji/I2FRRBE48V778BAA.PDF
www2.jsda.or.jp/documents/tekiji/OCSRBJFPWN78ABAA.PDF
www.kao.co.jp/corp/news/2006/2/pdf/20060522_02.pdf
www.daikin.co.jp/data/investor/zaimu/h18/h18_stock-opution.pdf
www.skymark.co.jp/company/inverstor/060518ir2.pdf
www.sdholdings.co.jp/ir/pdf/20060523_2.pdf
www.crie.co.jp/about/ir/pdf/crie20060519-3.pdf
www.misumi.co.jp/news/misumigroup/pdf/2006/news_060522_1.pdf
www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/holdings/20060517/20060517_c.pdf
www.sanki.co.jp/stockholder/ir_news/doc/20060518b.pdf
www.tomas.co.jp/pdf/ir_top/20060421_2.pdf
www.qsaiir.co.jp/j/news/pdf/nr060419_4.pdf
www.qsaiir.co.jp/j/news/pdf/nr060419_3.pdf
www.nicjp.co.jp/data/h18_5_12siyounin-stockoption.pdf
www.point.co.jp/pdf/news/h19/20060426a.pdf
www.groundfa.com/news/pdf/20_file.pdf
www.daj.co.jp/ir/data/20060517-03.pdf
www.kansaiurban.co.jp/company/detail_pdf/20060519_5.pdf
www.kansaiurban.co.jp/company/detail_pdf/20060519_6.pdf
www.maitake.co.jp/cgi-bin/p_pdf/2006051916394116161.pdf
www.daikyo.co.jp/news/2006pdf/20060516-4.pdf
www.assetinvestors.co.jp/ir/data/06051605.pdf
www.teac.co.jp/about/achievement/20060519_3.pdf
www.jafco.co.jp/investor/pdf/20060510_stock_ju.pdf
ir.eol.co.jp/EIR/3036?task=download&download_category=tanshin&id=357273&a=b.pdf
ir.eol.co.jp/ASP/8205?task=download&download_category=tanshin&id=359155&a=b.pdf
www.nipponham.co.jp/ir_fi/pdf/20060519_06.pdf
www.ds-direx.co.jp/investor/pdf/osirase180418.pdf
www.shoei.co.jp/imgdata/gmeeting_090683_1143424773.pdf
www.mos.co.jp/company/ir_pdf/060515_02.pdf
www.tsugami.co.jp/ir/irpdf/2006_5_18_7.pdf
www.tsugami.co.jp/ir/irpdf/2006_5_18_6.pdf
www.shinseibank.com/investors/about/news/news_2006/pdf/060523stock_option01_j.pdf
www.daytona.co.jp/inv/documents/2006.03.03-1.pdf
www.daytona.co.jp/inv/documents/2006.03.03-2.pdf
www.idec.com/jp/ir/news/PDFs/kj060511_2.pdf
ir.excite.co.jp/up_file/disc_pdf/1147343581_43473.pdf
disclose.finance.livedoor.com/pdf/2006/05/19/45134590_20060519.pdf
disclose.finance.livedoor.com/pdf/2006/04/26/341a10f0_20060426.pdf
www.woodone.co.jp/ir/pdf/20060523_stokopsion.pdf
www.jyomo.co.jp/asp/pdf_files/ds/20060519-02.pdf
www.kddi.com/corporate/ir/shareholder/meeting/20060615/pdf/soukai22_sankou.pdf
ir.aoki-hd.co.jp/medias/1056724111_news06051805.pdf
ir.aoki-hd.co.jp/medias/2092631163_news06051806.pdf
shaddy.jp/ir/toshika/pdf/pressrelease180524-01.pdf
ir.excite.co.jp/up_file/disc_pdf/1147343725_80625.pdf
a400.g.akamai.net/7/400/7016/403e3e0456fc46/www.mitsukoshi.co.jp/corp/pdf/tsuuchi.pdf
www.sk-japan.co.jp/investors/ir/pdf/syousyu/17/20060508.pdf
tokai.jp/ir/pdf/tokai1803kobetsu.pdf
www.lawson.co.jp/company/ir/library/pdf/syosyu/syosyu_31.pdf

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7 thoughts on “会社法下のストックオプション(事例データベース編)

  1. おお、凄いですね。
    3号だけ決議というのは、金額枠については旧法時代にとっている枠で済ませていることなのかも知れませんが、「特に有利な発行条件」と言っているのがあるというのは興味深いです。
    有利発行だと決議要件も変わってくる(特別決議)ですし、有利発行決議をとっても報酬決議は観念的には必要ですし・・・確かに思っていたより混乱してそうですねぇ^^;

  2. > 1円ストックオプション(行使価格が1円)なのに、公正価値がその日の株価より安い(本源的価値を下回ってる)orz、というリリースになっていて・・・
    磯崎さん、↑これはどこの会社のリリースでしょう。ご教示頂ければ幸いに存じます。

  3. >これはどこの会社のリリースでしょう。
    えー、見直してみたんですが、やはりどうよんでも本源的価値(intrinsic value)をも割り込んでいる価格のようで、マジやばいかも知れないので、実名は控えさせていただきたいと思います。
    そのうち仮名ででも取り上げさせていただくかも知れません。
    (ではまた。)

  4. ヨーロピアンタイプで、ボラティリティが低くて、期間が長くて、有配当であれば、配当利回りや非危険利子率によっては、1円ストックオプションの公正価値が株価より安くても、必ずしもマズいということはないように思うのですが・・・
    (1円ストックオプションを持っていても配当はもらえないので。)

  5. 配当利回り1.5%弱で、行使可能期間は30年もあるんですが、実際には、役員を退任した1年後から5年後までしか行使できないようになってます。(退職金代わり、という感じの設計ですね。)
    発行済株式数の0.03%程度なので、買収防衛策[ゴールデンパラシュート]的なものとも違うかと。
    役員の方々がみんな50代後半から60代・70代の方々なので、役員定年制はなさそう・・・すると、行使するまでの期間は、相当長いのかも知れません。
    (どうでしょ。)

  6. うーん。どうでしょ?
    行使までの期間を何年として計算しているかが問題だと思うのですが、、、
    まさか期間30年で計算してるとか(汗)。いや、さすがにそれはないにしても、都合の良いパラメータで計算している可能性は否定できないですね。
    こうやって考えると、他のパラメータ(ボラティリティとか非危険利子率とか)も、都合の良い数字を使ってある程度公正価格(ひいてはB/S,P/L)を操作することは可能なんですよね。

  7. >都合の良い数字を使ってある程度公正価格(ひいてはB/S,P/L)を操作することは可能なんですよね。
    一回目はできますが、二回目以降は「継続性の原則」的ルールが適用されるので、モデル等を勝手にいじれないようにはなってます。
    これ、そこそこ効くと思います。