なぜこじゃれたオフィスの受付電話はみんなBang & Olufsenなのか?

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外資系企業など、ちょっと こじゃれたオフィスの受付に置いてある電話は、なぜみんな、Bang & Olufsen
bang_and_olufsen.jpg

なんだろう?、と疑問をお持ちになったことのある方はいらっしゃいませんでしょうか?
今回、弊オフィスの受付電話を選ぶにあたって、Bang & Olufsenは(も、確かにカッコいいのですが)、「そっち系」のオフィスではあまりにありふれているので、もっと他にこじゃれた電話機はないかいな?と思って探してみたんですが、このモノが大量にあふれる豊かな日本で、そういったデザイン性に優れた受付用電話というのは、驚くほど選択肢が少ないことに気づきました。
大型の量販店も、通りかかるたびに何軒か見てみたものの、あるのは日本の大手メーカーの家庭用の多機能電話機ばかりで、シンプルでデザイン性に優れたオフィス(受付)向けのものは皆無。
ネットで検索しても、驚くほど選択肢が少なく・・・。インターネットは、「ロングテール」なはずなんですけどねえ。
−−−
で、なぜこんな状況に陥るのかを考えてみたのですが;

マーケットは意外に小さそう
まず、平成16年6月1日現在の我が国の総民営事業所数は592万事業所(しかないわけ)で、この事業所の10%が「こじゃれた」受付電話のニーズがあるとして、その受付に置く電話の数は、約60万台。
5年に一回、設備更新が発生するとすると、年間約12万台しか市場がないことになります。
年間何百万台も売れる携帯電話市場などからすると、非常に小さい市場ですね。
(受付電話は外資系メーカーの電話機でも、PBXとの相性の関係などで、オフィス内でも同じメーカーのものを使ってる例は見たことがありません・・・。)

通信端末の認定制度
おまけに、電話機は、ただデザインすればいいというもんじゃなくて、電気通信事業法上の登録認定機関の認定を受けないとダメのようで。

電気通信事業法
第二章 電気通信事業/第五節 指定試験機関等/第二款 登録認定機関(第八十六条〜)

この登録認定機関は、JATE(財団法人電気通信端末機器審査協会)さんだけでなく、テュフ ラインランド(TÜV Rheinland)ジャパンさんなどもやっているようで、
JATEの報告書(6ページ)によると、認定機器台数ベースのシェアで、JATE65.2%、テュフ21.1%・・・等となっております。
この「最大手」のJATEさんですら、認定の手数料合計で年間2億円弱の収入しかなく、1件当たり単純平均で、20万円ちょっと。認証/認定の申込に必要な書類一覧というのを見ても、かなりいろんな専門的書類を用意しないといけないようで、こういうのを専門家に作成を頼んだら1台デザインするのに、認定だけで最低100万円くらいはお金がかかりそうですね。
そのほかにも、肝心のデザインフィーや、実際の電話の機械の設計費用も当然かかります。
つまり、オーバーヘッドのコストが意外にかかりそうです。
−−−
というわけで、オフィスの「顔」で、すごく目立つわりに、時計のように「ムーブメント」だけ大手メーカーから買ってきて、いろんなデザインが競い合う・・・というわけにいかない市場なのかも知れませんねえ・・・。
(・・・というようなことが、疑問が浮かんでから30分程度で調べられてしまう今のインターネットというのも、スゴいですが・・・)

(ではまた。)

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4 thoughts on “なぜこじゃれたオフィスの受付電話はみんなBang & Olufsenなのか?

  1. Bang & Olufsenはどこでもつかってるのであきあきしてます。
    個人的にはJACOB JENSENのT-3か
    ENZERのET-8337ID、ET-8404
    コードレスならMotorolaですかね。

  2.  こちらも有名ですが(でも企業で使っているところはみたことがありません)、amadanaも私好みのデザインです。
     B&Oは以前から好きなメーカなのですが、いつも受話器を置く際に戸惑ってしまいます。:-)

  3. 電話機は登録認定を受けなければいけないとすると、Skype携帯電話等のVoIP電話も登録認定受けないといけないのですかね?
    http://www.geocities.jp/hibiyank/ipphone/suma001.htm
    もし認定が必要ならば、PCを利用した音声通信の場合は認定を受けなくてよくて…専用電話の場合には認定を受けなければならず…整合性が無くなりますよね?

  4. JATE認定はあくまで公衆電話網もしくは公衆ネットワーク網につなぐための認定であるのでルーター配下の機器は必要ありません。