シーガイアは「うまくいってる」のか?

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NILSでおじゃましているシーガイアさんに関して、durianさんからコメントいただきました。
曰く;

で、リップルとしては、シーガイアの買収でうまくいってるのかしら。
それとも素直な人間の物欲を満たす為の取得だったのかな?

私の返答;

どうなんでしょう?
昨日今日は40階以上ある超高層ホテルが満室ですが、これは何の参考にもならないとして。
少なくとも私は「もう一回来てみたい(このコースでプレーしてみたい)」と思いました。

そう思って、(またdurianさんには笑われると思いますが)信用情報等を拝見してみると、確かに「んー」という感じではあります。しかし、確かにここに来られたベンチャー企業の経営者やベンチャーキャピタルの方々なども、非常にこのリゾート気に入られているようですし、ホテルの「welcome」と書かれたボードを見ても、某外資系証券会社さん、某外資系データベース会社さん、証券化等で有名な某丸の内の会計事務所さん、等、かなりハイエンドな「ご一行様」のお名前が並んでます。先日は、某大手町のプライベート・エクイティさんも社員旅行?に来られた、とか。
国内高級旅館等だと、「○○生命ご一行様」とか「○○自動車販売ご一行様」等をよく見かけるんですが(それもいいんですけど)、「ゴミゴミした温泉街で射的って感じでもないよなあ」、でも、「ハワイってのも、ちょっと遠いよなあ」ということで、東京から1時間半で行けて、2月でも暖かい日には半袖でゴルフをプレイできる場所、というのが他に見あたらないとすると、長期的には一定の需要がある気もします。
(今日も、家族4人で自転車でホテルから2時間くらいのところまで行ってみたんですが、とにかくどこまで行っても海と松林以外なにもない・・・けど気持ちいい・・・という場所は日本では他にちょっと思い浮かびません・・・。)
また、今日、夕方の飛行機で帰る家族と昼飯を食おうとしたら、あいてる適当な店が41階の「クイーンアリス」しかなかったので行ってみたんですが、平日の午後1時半過ぎなのに驚いたことにほぼ満席。客層はと見ると、我々以外はどうも宿泊客じゃなくて、地元の富裕層系のおばさま方が大半のような・・・。(確かに、東京からわざわざ出かけて「石鍋シェフ」という需要も少ないのかも知れませんが・・・おいしかったです。)
「九州一(高さが)高いホテル」だそうですので、宮崎県内にもこれ以上おしゃれな場所が無かったりするのかも知れません(よく存じませんが)。ので、そういう地元系のハイエンド的需要も結構あるのかも知れませんね。つまり、東京で言うと(例えば)パーク・ハイアット的な需要の宮崎版。
−−−
さて、タイガーウッズを呼んだり、外相会談を開いたり、今は明らかに「ブランディング」にコストをかけている時期じゃないかと思いますので、単年度のキャッシュフローとかはある程度度外視されてるんじゃないかと思いますが、これがどこまで辛抱できるものなのか。
80年代のバブルの時期にも、「これからは日本にも確実に余暇を楽しむ時代がくるから」と、日本のあちこちでリゾート施設が出来ることになったんですが、それらはみんな、「デット」で資金を引っ張ってしまった結果、コンセプトも中途半端なものになり、また、バブル崩壊とともにシンボーが出来なくなっちゃったわけで。結果、需要は(バブル以降、確実に大きくなってると思いますが)全部海外に逃げちゃってるのかと。
これを、もうちょっと「エクイティ」っぽい資金を使ったアプローチで気長めにやってみる、というのは確かに面白い気もします。
少なくとも、これだけ「ハイエンド」系の方々の評価を得ている日本のリゾートは存在しなかったと思いますので、今のところ「ブランディング」には一定の成功を収めつつあるんじゃないでしょうか。キャッシュフローが回るようになるのか、または、回るのが確実っぽくなってexitでキャピタルゲインが得られるのかはよくわかりませんが・・・注目して拝見していきたいと思います。
(ではまた。)

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3 thoughts on “シーガイアは「うまくいってる」のか?

  1. なるほど。キャッシュフローが本当にうまく回るようになるまで持つ必要はなく、これからはうまく回るに違いないと皆が思うまでに「ブランディング」を高めた所で、サクッと次の投資家に高値で売ってしまうことこそが、ファンドの真骨頂なのかもしれませんね。
    ありがとうございました。

  2. いつも、興味深く拝見しております。しかし、文章の質・量とも本当すごいですね。宮崎に行ってみたくなりました(出張できないかな。たぶん、無理。)

  3. 最初からうまく行っていたかどうかについては、知らないのですが、集客のために、新しい企画を打ち出していたようなので、事業については進行形ではないか、と思われます。2005年初めだと思いますが、温泉施設を作ったのが目新しいところでしょう。かなり人気だったようです。ちょうど前回訪問した時、某球団のキャンプの時期(2月)と重なったとき、たしかに満室だったようです。あれだけの大規模なハコを活用するのは並大抵の努力では難しいでしょうから、リピーターを呼べる企画力、これが勝負どころでしょう。ちなみに、タイガーウッズも泊まるコーナースイートに泊まったところ、さすがに広さは圧巻!でした。温泉はちょっと塩辛い(?)ものでした。付近に某スーパー・複合施設進出工事が進行中だったので、地元での集客も今後期待できるようではありました。がんばれ、シーガイア。