信託型ライツプランについてのジャスト印象(その3)

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最終的に株主に分配できる分については、タイミング的に一瞬生じる部分をどう考えるかというところだと思うので、問題はやはり手残り部分でしょうねぇ。手残り部分の発生を防ごうとすると、事前に受益権者である一般株主の所在確認や受益の意思表示確認が必要になるので、新株予約権を直接配る場合と実務的に差が少なくなるのかなという気もします。

西濃運輸さんの場合、「新株予約権の交付を受けられる株主の皆様を特定する基準日を設定するために、株式分割や(法令・定款上可能となった場合には)剰余金の分配等を行うこともありますので、その場合、当社が別途ご案内する内容に従い、基準日に間に合うように名義書換手続をして頂くことになります。」というようなことが書いてあります。
株券に変えてから配る方式にすると、(そこが信託さんにお願いするメリットというか)、株式分割の子株を株主に配る事務フローとまったく同じフローに乗せられるのかなと単純に考えてました。(下図のようなイメージ。)
image002.gif
そういえば、(あまり深く考えたことなかったですが)、通常の株式分割で子株を株主に配る実務で名義人にうまく届かずに「手残り?」が出ちゃった場合というのは、どうしてるんでしょうか。
それは発行会社の「自己株式」になっちゃうのか、信託銀行さんで預かっておくなどして、後から株主が名乗り出てきたら渡す等の対応をしていただけるのか。
(どなたかご存じの方がいらっしゃったら、ご教示いただければ幸いです。)

あと、差止訴訟があるというと多少ネガティブな印象があるかも知れませんが、差止め段階で争われるのであれば、負けても会社としてはプランを撤回すればいいだけで、会社にはほとんど「損害」がないので(プランの設計や維持のコスト?)、代表訴訟で取締役の個人責任が追及される可能性が少なくなるという面では、実は有時の取締役の法的責任という観点からも望ましいところがあるんですよね。

信託が新株予約権を行使しようとしたときに差止訴訟がありうる、ということですよね?
防衛できない可能性が増えるがフェアである」と。
武器商人が「どんな矛にもつらぬけない盾」を売るのは、まさに「矛盾」ってことでしょうか。
どうもありがとうございます。
(ではまた。)

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2 thoughts on “信託型ライツプランについてのジャスト印象(その3)

  1. >>そういえば、(あまり深く考えたことなかったですが)、通常の株式分割で子株を株主に配る実務で名義人にうまく届かずに「手残り?」が出ちゃった場合とい>>うのは、どうしてるんでしょうか。
    株主名簿には保管振替制度を利用している「実質株主」と、そうでない「一般株主」の2種類が居ますが、
    「一般株主」には株券を一方的に発行して郵送しちゃう事があります。
    株式分割の他に、売買単位の引き下げに伴って、これまで売買単位以下の株が売買単位になったため未発行だった株券が発行されるような場合です。
    こういうのは、効力発生日以降に一斉に発送しますので何らかの理由で、株券を発送したのにも関わらず届かない株主さんは実は山ほど居らっしゃいます。
    で、こういう株券やその株主の権利関係はどうなってしまうのかですが、基本的には保全されます。というか、少なくとも私の勤めている会社ではすべて現物を保管しております。何十年前であろうと。他の信託銀行では、一度廃棄して、後にその株主が出てきた時に再発行するという所もあるようですが、少なくともその株を手にする権利がなくなる事はありません。
    ただし、「基本的には」と申し上げましたように例外があって、それは株主が所在不明(通知が未逹)になって5年以上、尚且つ配当も受け取らない「一般株主」についてはもうその株を勝手に売ってもいいですよという法律があるんですが、これが適用されればもうその株を手にする事はできません。
    ただし、その時売却した代金を10年以内であれば受け取る事ができます。
    とはいえこの法律、まだほとんど運用実績がありませんので、現時点ではあまり気にする事もないかもしれません。