転換社債(横浜銀行)[追記]

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この横浜銀行の転換社債、ですが、ちょっと注意が必要なので追記します。
日経の記事だけ読むと、「横浜銀行、株価が20%上がって絶好調」とも読めますが、発行時の転換価格は525円だったのに、市場価格が20%下がったので転換価格の下方修正条項に従って転換価格を20%引きの420円に引き下げており、株価が回復して504円を上回ったということですから、実際には株価は「行って来い」で、もと(発行時の水準程度)に戻っただけです。
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しかも、1×0.8×1.2=0.96ですので、一回大きく下がってまた株価が回復してくれば、当初の行使価格より4%株価が下落した水準でも買い戻しが可能になるわけです。
株式分割等が発生したために転換価格を修正したというなら株式の性質自体が変わってますので変更後の転換価格をベースにするというのはすんなり納得できますが、株価が1回下がってまた回復しても株式の中身は何も変わってないにも関わらず、コールオプションを発行者に行使されてしまうのは、なんとなく釈然としない気もするのではないでしょうか。
ただし、よく考えると、転換価格は20%下がってますので、転換して得られる株式数は当初想定された株式数の1.25倍になってます。つまり、株価が発行以来ずっと525円程度で横ばいの場合より、一度大きく下がってから今の価格に回復するほうが、転換社債権者としては得してます。
逆にいうと、新聞ではポジティブな感じで書いてありますが、株価はもとに戻っただけですし、横浜銀行は発行時の条件よりは株を多く発行しなければならず「損」することになります。また、記事を読むと、「120%コールオプション条項の条件にひっかかった」から「株式への転換が急速に進む公算が大きい」とも読めますが、償還期日が今年の9月に迫っているので、それまで株価が下方修正後の転換価格の420円以上で推移すれば、このコールオプション条項の適用がなくても、株式への転換は進むはずです。(このコールオプション条項の適用があったほうが、「急速に」進むのは間違いありませんが。)
(以上、ご参考まで。)

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