鹿内家がニッポン放送株の返還を要求

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Edge of the Round Tableさんにトラックバックで教えていただきましたが、以前のisologueでも取り上げた、鹿内家から大和証券SMBCへのニッポン放送株(の信託受益権)の譲渡ですが、鹿内家から大和証券SMBCへ、同株式を返還しろと要求があったようです。
(Edge of the Round Tableさん、ありがとうございました。)
NHK「ニッポン放送株の返還を要求」
http://www3.nhk.or.jp/news/2005/03/06/d20050306000010.html

関係者によりますと、鹿内氏らは、この信託受益権の買い取りにあたって、大和証券SMBCは、フジテレビが公開買い付けを行うことを知りながら告げなかったほか、投資家への情報開示も不適切だったなど法律に違反している疑いもあるとしています。このため鹿内氏らは、違法行為があった場合には、契約の解除ができるという規定に基づき、大和証券SMBCに売却した株式の返還を求めているほか、フジテレビに対しても、大和証券SMBCから株式の買い取りを行わないよう求めています。また大和証券SMBCが公開買い付けに応じた場合には、フジテレビに対しても株式の返還を請求するなど法的措置も辞さないとしています。フジテレビは、7日までに目標としていたニッポン放送株の25%を超える取得がほぼ確実になっていますが、この中には、大和証券SMBCの8%分も含まれているため、今回の問題の展開によっては、フジテレビの株の取得にも影響が出そうです。ニッポン放送株を巡るこうした一連の問題について、大和証券SMBCは、いっさい違法性は無いとしています。

いやー、すごいことになってきましたねー。
売買契約書の中身がわからないので何とも言えませんが、ほんとに昨年の前半に信託受益権の売買が行われていたんだったら、フジテレビがTOBするかどうかは、さすがにまだ明確には定まってなかったでしょうから、説明義務やインサイダーの観点で大和さんに違法性があったと立証するのは難しそうな気もしますが、
一方で、1月4日に信託を解除して、株式が大和さんにわたるまでは大量保有報告書が提出されなかったということは、議決権は鹿内家が保有していたということでしょうから、大和さんが一方的に信託を解除できる条件だったのか、鹿内家側の合意も無いと信託を解除できない取り決めだったのかで、何か変わってくる部分があるでしょうか?
いずれにせよ、このスキーム、譲渡の方法としては極めてヤヤコシイことをしているわけで(税務上の都合か優雅なリタイアメント生活なのかわかりませんが、ロンドンにも移住されてますし)、こういうスキームを採ることについての鹿内家側のメリットが、今ひとつよくわからなかったんですよね。
誰かが何を隠したかったのか?
なぜ、フジテレビでなく大和証券SMBCに売却したのか?
売買金額は、いつの時点の株価で、いつ支払われる契約だったのか?
大和さんが1月4日に取得して1月7日にニッポン放送株取得を発表したのもナゾ。
証券会社なので、その時点での報告義務は無いような気がしますし、TOBが見えてきていた時期でしょうから、影響を最小化するには、もっと後に発表したほうがよかったんじゃないかと思いますが。
何か、当初想定していた予定外のできごとがあったのかも知れませんね。
(取り急ぎ。)

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19 thoughts on “鹿内家がニッポン放送株の返還を要求

  1. 3/6付けTV朝日「サンデープロジェクト」の冒頭で、司会の田原氏が、「こういうFAXが送られてきた」として、鹿内夫妻の抗議文をカメラに向けながら示した。大スクープと感じた。その約40分後のライブドアとニッポン放送の問題のコーナーの冒頭で、田原氏は、大和証券SMBCから電話があって、「鹿内夫妻とは、半年前に信託受益権の売買を行ったので、違法性は全く無い」との反論があった旨、コメントしていた。日曜日の朝、数十分で反論できるとは、いかにも不自然な印象を持ちました。そう感じた視聴者は多かったのではないでしょうか。大和サイドで、法的に微妙な状態なので、予め想定問答を作っておいたとの推論も成り立つような気がします。いずれにしても、金融庁、証券取引等監視委員会、東証が、買い手(大和証券)、売り手(鹿内夫妻)双方に対して、キチンとした調査を求めて欲しいと思います。市場からの不信感がますます高まってしまうと思うので。ライブドア対ニッポン放送の問題とは全く別の問題として、日本の有数の証券会社のインサイダー取引疑惑の問題は、徹底的に調べて欲しいと思います。

  2. それから、書き忘れましたが・・・、「半年前に購入していた」というのなら、5%ルールの違反になりますので、いずれにしても、インサイダーか5%ルールのどちらかの違反にはなる問題と思います。日本を代表する証券会社としては、大問題かと思いますが・・・。徹底解明を求めたいと思います。

  3. 私は「サンデープロジェクト」を見ておりませんでしたが、以前よりインサイダー疑惑の主張があり、今回の鹿内家の行動により大和証券SMBCが話題となることが容易に推測できたこと、同番組はビジネスマンにも視聴率が高く、以前よりこのテーマを取り上げていたことなどから、同社がマスコミ一般への対応の必要性を感じ用意していたことに特段の疑念を感じさせるものではないと思います。(既にNHKの報道においてコメントをおこなっている)
     
    また市場の信頼を確保する為に金融庁・SECなどがこの疑惑等に付き調査を行うことは良いことだと思います。是非やるべきでしょう。
     
    「『半年前に購入していた』というのなら、5%ルールの違反」とWさんは指摘されていますが、半年前に購入していたは株式ではなく信託受益権で、この受益権の契約内容が開示されていない以上推測に過ぎないのですが、この半年前の時点で大量保有報告書の提出義務が発生しているとは必ずしも言えないのかもしれません。
     
    受益権の権利行使により取得をした時期とTOB公表の時期が近く、この時期に情報受領がなされた疑われて不思議ではないのですが、確か新株予約権の行使による株式取得はインサイダー規制の対象外であったかと記憶しておりますけれど、受益権の行使においては法解釈をどのようになすべきものなのでしょうか?
     
    まあ、予めわかっていたら疑われないまでも騒ぎになることは容易に推測できたでしょうから、普通に時期をずらすでしょうね。その点からかえってシロだと私は推測していますが。(TOB公表直後に鹿内家が契約解除するいとまを与えず権利行使を通告すればすむ話と思いますので)

  4. 「明確」に決まっていたかは明らかではないでしょうが、雑誌に載るほど情報が
    漏れていたってことですね。
    http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=FN&action=m&board=1004660&tid=a5ka5ca5dda5sjfcaw&sid=1004660&mid=536
    フジがTOB
    2004/ 6/ 8 21:48
    メッセージ: 536 / 25602
    投稿者: anb73286
    きょうは発売のダイヤモンドに、フジTVがここをTOB検討の記事でていました。
     上がりそうですね

  5. >杉山さん、なみたけさん
    ご指摘ありがとうございました。朝のNHKニュースで報じられていたのは知りませんでした。いずれにしても、フジテレビも大和証券も、3/7の早い時間に、きちんと市場や当局に対する、説明責任があると思います。
    信託受益権の場合の5%ルールの法解釈をよく知りませんが、いずれにしても、3/7がTOBの最終日なので、金融当局には早い段階でのコメントを求めたいです。TOBに応ずるとの機関決定をした各社も、それを期待していると思います。

  6. 鹿内家が、大和證券SMBCへニッポン放送株返還を請求

    この問題は、大和証券SMBCが、去年5月にフジサンケイグループの元議長で創業者一族の鹿内宏明氏夫妻から、保有していたニッポン放送の株式の8%とそこから出る利益を受け取る権利を信託受益権という形で買い取ったものです。その後、大和証券SMBCは、この信託受…

  7. ニッポン放送株の返還を要求

    NHKのニュースによると、フジサンケイグループの創業者の鹿内家が、大和証券へ売却した株式の返還を求めているという。
    大和証券は、フジテレビによるニッポン放送株のTOB幹事をすることが決まっていたにも関わらず、それを隠して、鹿内家から安くニッポン放送株を購…

  8. フジTOB トヨタ、応じぬ方針

    フジTOB トヨタ、応じぬ方針
    報道によれば、トヨタはTOBに応じないが、市場でも株を売却しない方針とのことである。
    常識的に考えれば今の状況では「正解」の中立な立場の選択であろう!
    逆にいうと、今の状況でTOBに応じる立場を選択した企業って、
    凱..

  9. ライブドア VS ニッポン放送(フジ) 最終局面

    いよいよ、今日がTOBの締め切り。
    結果は明日ですが今日のうちからあれこれ噂が飛び交いかなり激しく動くことになるでしょう。どちらが勝つか、という最終戦略面に関する議論はここでも散々してきましたが、さて株価は一体どうなるのでしょうか、という一番肝心な点がぎ..

  10. いよいよフジテレビのニッポン放送株TOB締め切り

    isologeで私の昨日の記事からもう少し詳しい疑問点等をまとめておられます。お礼の言葉まで頂いていますが、私としてはisologueで取り上げて頂いただけで十分で、こちらこそありがとうございました。
    深夜のドライブ中にNHKラジオのニュースを聞いていたところあのニュー…

  11. 鹿内家の逆襲

    このブログでは、一貫してホリエモンを応援してきました。決着は、司法判断の結果になりそうですね。ここに来て 以前から関心を持たれていた 鹿内家保有の株が大和へ行った経緯と フジテレビのTOBとの関係が 少しずつ出てきましたね。色々なブログを見ていましたが 溌..

  12. フジテレビのスーパーニュースの終盤に、鹿内氏らは1日に地裁に訴えを起こしていたが、4日棄却された。というニュースがありましたが事実なのでしょうか?

  13. >東京地裁は7日までに、鹿内夫妻による返還請求の仮処分申請を却下していたことが分かった。
    http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/wadai/news/20050308k0000m020088000c.html
    とりあえず、そう言う報道がなされていますね。
     
    こう言う場合の仮処分の決定はどのような理由が付されたりするのでしょう?
    違法行為がなされていたと合理的に推測若しくは判断するにまでに至らないとかでしょうか?
     
    仮にそうだとしても、信託受益権の行使による株式取得はインサイダー規制の対象外と判断したのか、ファイヤーウォール体制から大和証券SMBC社内における情報の授受は行われなかったと判断したのか分かりませんね。
    現状では続報を待つしかないようです。

  14. 『企業は誰のもの・・・?/堀江流にNO!ニッポン放送社員が声明』

    ◆ニッポン放送の経営権をめぐるフジテレビとライブドアの争奪戦に関し、ニッポン放送は3日、「社員一同」との署名で「フジサンケイグループに残るという現経営陣の意思に賛同し、ライブドアの経営参画に反対する」との異例の声明を発表した。ライブドアによるニッポン放閃..

  15. ニッポン放送買収劇の裏にブログの台頭あり?

    「ニッポン放送買収劇の裏にブログの台頭あり?」今朝の日経ビジネスExpressの…

  16. 混迷を極めてきた買収劇

    ついに!!!鹿内家が動いたー!!!!!
     
    以下 isologue  から
     
    鹿内家がニッポン放送株の返還を要求
     
    鹿内家はニッポン放送株を取り戻せるのか?
     
     
    では民法からのロジック
     
     
    詐欺・強迫(民法96条)
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