委員会等設置会社アンケート

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本日の日経9面に、委員会等設置会社移行1年の経営者アンケートが載ってました。
昨年4-6月に委員会等設置会社に移行した41社の社長等を対象に実施。39社が回答とのことなので、回答率も高い。(ただし、39社のうち日立系が19社で、正味20社程度とも言える。)「委員会等設置会社=コーポレートガバナンスに熱心な会社」、という認識は定着しつつあるんじゃないでしょうか。
移行については概ね大変好評のようで、ほぼすべて(38社)のトップが監査役を置いていた従来型の統治形態に比べて改善があったと答えてます。
回答者も豪華ですね。(敬称略、社名五十音順、肩書なしは社長)

岡田元也(イオン)
武樋政司(いちよし証券)
藤木保彦(オリックス)
河端真一(学究社)
岩居文雄(コニカミノルタホールディングス)
梶川泰彦(指月電機製作所)
大平孝(シャディ)
臼井正信(新神戸電機 [日立系])
八幡滋行(CEO・スミダコーポレーション)
木内政雄(CEO・西友)
出井伸之(会長・ソニー)
ヴィクター・ペイコー(ディーアンドエムホールディングス)
岡村正(東芝)
中野克彦(富山化学工業)
佐藤明敏(ニッセイ)
堀江昇(日本サーボ[日立系])
野島広司(ノジマ)
古賀信行(野村ホールディングス)
伊東勇(パルコ)
長瀬寧次(日立化成工業)
小山紘(日立機電工業)
村田嘉一(日立キャピタル)
本多義弘(日立金属)
太宰俊吾(日立建機)
遠藤誠(相談役・日立国際電気)
堀越彌(日立情報システムズ)
庄山悦彦(日立製作所)
小川健夫(日立ソフトウェアエンジニアリング)
佐藤教郎(日立電線)
林将章(日立ハイテクノロジーズ)
山本博巳(日立物流)
石黒元(日立プラント建設)
平野嘉男(日立粉末冶金)
赤井紀男(日立マクセル)
猪俣博(日立メディコ)
金子邦栄(日立モバイル)
鈴木洋(CEO・HOYA)
野間口有(三菱電機)
細谷英二(会長・りそなホールディングス)

昨年は4-12月で約70社が移行、今年は1-6月で約20社ということで、移行のペースは落ちてきているようですね。
改善したと考える理由は以下のとおり。
governance_improve.jpg
(出所:日本経済新聞)
移行2年目の課題についての回答は下記のとおり。
2y_kadai.jpg
(出所:日本経済新聞)
良くも悪くも、やはり、社外取締役の運用がカギのようです。
社外取締役は、いつも社内にはいないことが多いわけですが、上記のような大企業は、恐らく、役員会のスタッフが社外取締役のいるところまで「ご説明」に伺ったりするというようなコストをかけているのかも知れません。「取締役が議論の場になった」というのはいいことかも知れないし、社内取締役なら言わずもがなの話を質問したり意見したりしている部分もあるかも知れません。(それも大切ではあります。)
ベンチャー企業等にインプリする場合には、スタッフが「社外取締役に事前のご説明に上がる」というようなコストはかけられないと思うので、事前に日常のレポーティングや取締役会の議案資料などを小まめにメール等で送ったり、外部からイントラネットにアクセスできるような体制を整えて「社外」にいようと社内の人と同じくらい情報共有できるようにしておくことが必要ですね。でないと、取締役会が(活発ではあるが)レベルの低い当たり前の議論に終始してしまう可能性があります。
「超重鎮」の社外取締役の場合とかには、なかなか「事前にイントラの資料を見といてください」というわけにもいかないと思いますが、年齢層の若い・・・もとい、ITリテラシーの高い取締役向けなら機能するんじゃないでしょうか。
(ではまた。)

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4 thoughts on “委員会等設置会社アンケート

  1. 調べごとをしていてこちらのサイトに偶然たどり着いたのですが、大変興味深く拝読させていただきました。私はアンケートに回答している委員会等設置会社の社員なのですが、『「事前にイントラの資料を見といてください」というわけにもいかない』というくだりに、思わず膝をたたきました。
    社外取締役には各界でご活躍の方が就任されていますが、当社内に人脈があるわけでもなく、監査監督が強固になったとは言いがたい状況だと思います。むしろ監査役制度の時のほうがやりやすかったような。また、経営のプロではない方(弁護士や元官僚など)のご指摘には疑問を感じることもあります。結局、監査監督は社内に「で、実はどうなの?」と聞ける人脈がなければなかなか難しいのかな、と感じてしまいます。
    むしろ、子会社の社外取締役に親会社の役員が就任するケースの方がうまく機能しているという話も聞きます。
    ところで、乗っ取り対抗策として取締役の任期をずらすという話が話題になっているのですが、任期1年の委員会等設置会社の場合はどうなるのでしょうか? 任期を2年にすると総会の議題がなくなってしまうのではないかと思うのですが。

  2. 取締役の任期を2年にした上で、各取締役の任期をずらし、毎年の議案を作ればいいわけですね。失礼しました。

  3. 役員様
    言葉足らずでした。法改正をお願いして委員会等設置会社でも任期2年にしていただきます。その上で取締役を半数ずつ改選すれば、買収対策にもなりますし。
    そもそも、委員会等設置会社の取締役任期を1年としたのは、利益処分が取締役会ベースで可能なため、年々の総会で決議すべきの議題がなくなってしまうからということですよね? ただ、参議院式に半数改選ならば、年々の話題がありますし。
    失礼致しました。