開示のインセンティブと情報のカオス性

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Blogで情報を開示したら損か得か、というお話の続きです。
仮に、blog等で開示しようとしている情報の属する領域が「不完全情報ゲーム」的な世界で、その隠されている情報を知られると不利になるケースでは、開示した情報から元情報が推測されうるかどうかが問題となります。
つまり、開示した情報から元情報が推測しにくければ、開示しても問題はない。
開示した情報から元情報が簡単に推測できるのなら開示するのはまずい、ということになります。
例えば、下記のグラフからは、背後にある規則性を見出すことは非常に難しいですが、
image005.gif
実はこれは、「カオス」の教科書によく出てくる「ロジスティック写像」
xn+1=axn(1-xn)
で、a=4 、x0=0.4のケースという、非常に単純な式から生み出されるグラフです。
このように「カオス性」が強いことほど、書いてる本人の脳みそは単純でも、読んでる人は「なにやらすごい複雑で頭がよさそうな人だなー」と思うかも知れませんし、情報を開示しても、元ネタがバレる可能性も少ない。
一方、
image006.gif
こーんなかんじだと、しゃべってることの背後にある規則が非常に単純だということがすぐバレちゃうわけです。
カオスだけでなくより一般化すると、開示された情報から開示されていない情報の規則性を探り出すことがどの程度困難なのかというのは、暗号の強度に関する考え方と同じになると考えられますが、それについての研究は山ほどあります。(引用略)
また、「解読」のしやすさは、もちろん、開示される情報の「量」にも関係してきます。
image008.gif
上記程度の開示量だと、規則性が推測しにくくても、
image010.gif
このくらい開示されると、「あの、浦安系の関数・・・?」というような推測も成り立ってくるわけです。w
(ではまた。)

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