年賀状(紙)、やめてみます(ブログで代替)

年賀はがきの売れ行きが前年比7%減、ピークの04年比で15%減だそうで

年賀状 歯止め利かない発行枚数減 07年は前年比7%(12月19日 毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061219-00000015-maip-soci

私も、今年は年賀状を書くのをやめてみることにいたしました。
小学生のときは友達ごとに一枚一枚違うネタを考えて送ったりしてたんですが、社会人になって千枚もになってくると、宛名も内容も印刷にせざるを得ないですし、はがきに盛り込める情報量も、たかが知れてます。
私から年賀状を喜んでいただけるかというと・・・そういう気もあまりしません。(年賀状が届かないのを「けしからん」と思う方がいらっしゃるかどうかはさておき。)
メールで年賀状、というのも考えたのですが、欲してらっしゃらない方々に大量にメールをバラ撒くというのも、よく考えると、一種の(軽い)「スパム」ですよね。
私がmixiやgreeなどのSNSに登録させていただいている方というのは、今のところ若めの方中心で、「年賀状を出さないといけない義理のある方の集合」とあまり一致していないんですが、年賀状もSNS(+ブログや日記)で代替という人も、今年あたりからいらっしゃるんじゃないかと妄想。
ということで、今年は、「オンデマンド」という聞こえのいい名の下に、ブログの記事で年賀状を代替させていただきたいと思います。
(絶対ブログを読んでらっしゃらなさそうな方とか、とりわけ何かお伝えしたい方には、一部補完的に、はがきやメールでご挨拶させていただくことがあるかも知れません。)
(ではまた。)

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アルファブロガーを探せ2006

(徳力さんに「告知しまーす」と言ったきり、バタバタしていて遅くなりましたが、)
第1回目に恐れ多くも私も認定いただいた「アルファブロガー」投票企画ですが、今年も第3回をやってらっしゃいます。
アルファブロガーを探せ 2006 
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URLは、こちら。
http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=1908
2007年1月20日(土)まで投票してるそうです。
(ご参考まで。)

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会計基準激変の時代に必要とされる開示姿勢とは、どんなもんでしょ?(日興コーディアルのSPC取引を考える)

日興コーディアルグループの会長・社長が退陣することになりました。しかし、投資に関わる方々には、大きな「宿題」が残されたんじゃないかと思います。
今回の件で、マスコミの方から、
「結局、日興コーディアルのSPCは、会計上、証券等監視委員会の言うように連結すべきだったんですか?それとも、連結は必要なかったんですか?」
という質問を何件もいただきました。
今回の件は、そもそもEB債の発行日が間違っていたので、不適切な会計処理だったことは間違いないところですが、証券等監視委員会は、それだけではなく、「そもそも連結すべきだった」というご見解のようです。

発行登録追補書類の虚偽記載に係る証券取引等監視委員会からの勧告について(日興コーディアルグループ)
http://www.nikko.jp/GRP/news/2006/pdf/061219_02.pdf

もちろん、今現在は、ファンドやSPC等については連結しとけば間違いないわけですが、2004年当時、(発行日を偽装しなかったという前提で)必ず連結しないといけなかったのか、課徴金を課されたり、監理ポストに入れられるほどのことだったのか?、というと「微妙」じゃないかと思います。
ということで、今回は、「日興さんは、どういう開示をすればよかったのか」について考えてみたいと思います。
(ただし、話がややこしくなるので、EB債の発行時期がずれている問題はなかったとして、どういう会計処理が望ましかったのか?という前提で。)
そもそも会計とはどういった性質のものか
記者の方からのご質問からは、
「会計基準に従えば、企業の財務諸表の数字は、必ずたった一つの値に定まるはず。」
「そのたった一つの値から大きくはずれていたら、イコールそれは粉飾だ。」
というニュアンスを感じます。
しかし、以前も書かせていただいたとおり、会計というのは、企業活動の森羅万象を数字に落とし込もうという「写像」であって、元の事象と会計上の数字の対応は、「1対1」ではなく「1対n」の対応関係になります。つまり、もともと、「当期純利益」といった数字が、必ずピシッと一つの数字に定まる、というような性質のものではありません。
(丸い地球を2次元の地図に落としこむと、大西洋が裂けたり、グリーンランドが大きくなったり、最短距離が曲線になっちゃったり、というのと同じ。)
具体的に言うと、投資を複数年の費用に按分する「減価償却」にしても、定率法や定額法といった複数の方法が許容されており、実態としてはまったく同じ内容の投資をしたとしても、会社によって赤字になることもあれば黒字になることもあります。
もちろん、一定に定まらないから何やってもいいというわけではなくて、継続性の原則(コロコロ方針を変えるな)とか、保守主義の原則(利益は控えめに)といった基本的な考え方や、それに基づく明文の規定に従って財務諸表が作成されるわけです。
通常は、地図を使うのに3次元を2次元に落とし込むことによる不都合は感じないわけですが、問題になるのは、「大西洋の切れ目」のあたりや、「グリーンランド」あたりの処理の場合。
今回の処理の問題点
今回、NPIホールディングス(NPIH)が連結されなかったことが問題にされてますが、(不思議に思われる方もいらっしゃるかと思いますが)、その下にぶらさがっているベルシステム24も連結しろ、という話にはなっていません。
ベルシステム24は、黒字でしたので、連結すれば(当該中間期はさておき)、保有する間、利益は出ます。以前書いたとおり、評価時点での「含み」もある。
昔からの連結では、「証券会社+コールセンター」といった業種の違う財務諸表の数値を単純に足しあわせると、個々の科目の持つ意味は失われて、同業他社との比較や期間比較もわけがわからなくなるので、一次保有(キャピタルゲイン狙い)の企業については、必ずしも何でも連結すりゃいいってもんじゃない、という考え方もありました。
(エンロン事件以降、この考え方は変わって来ているわけですが、日本の2004年というのは、移り変わりの時期ではなかったかと思います。)
image002.gif
2004年当時は、「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する監査上の取扱い(監査委員会報告第60号)」(平成10年12月8日、最終改正平成14年4月16日)にある、

(6) 他の会社の意思決定機関を支配していることに該当する要件を満たしていても、財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて他の会社の意思決定機関を支配していないことが明らかであると認められる場合(財務諸表等規則第8条第4項ただし書き)について
(中略)
� 財務諸表提出会社であるベンチャーキャピタルが営業取引としての投資育成目的で他の会社の株式を所有している場合には、支配していることに該当する要件を満たすこともあるが、その場合であっても、当該株式所有そのものが営業の目的を達成するためであり、傘下に入れる目的で行われていないことが明らかにされたときには、子会社に該当しないものとして取り扱うことができる。

という記述をもとに、ベルシステム24とSPC(NPIH)を一体として「投資育成目的」の会社として考えて連結しなかったとしても、当時は、必ずしも「絶対ダメ」ということではなかったでしょう。(オススメはしなかったと思いますが。)
少なくとも、それだけで「課徴金」とか「監理ポスト」という話ではなかったように思います。
今回、100%子会社なので、連結しないのが特にヘンな感じがするわけですが、これが有限責任中間法人にぶらさがって独立の取締役が運営するSPCだったとしても実態は同じこと。
(今回のように、証券発行の時期に偽装があるような場合でなくても)、2004年当時にさかのぼって「連結しないと粉飾だ」「監理ポスト入りだ」という話になったら困る人(悪気は無かった上場企業)というのは、結構、たくさんいそうです。
日興さんの場合、さらにここで「EB債」という裏ワザを使ってSPCの利益を吸い上げたわけですが、これも、このスキーム自体が「怪しい」というわけではないかと思います。
以前のエントリでも記載したとおり、貸し付けた資金に対して、この利益の額は6%程度なので、(特にもしSPCの運営が完全に本体から切り離されていた場合には)、リスクに見合った手数料の範囲の話かと思います。
(つまり、[今回は100%子会社で役員も兼務していたし資金のリスクもほとんどNPIが負っていたようですので、あまり説得力はないですが]、独立性のあるSPCに対して資金を貸し付ける場合、[それが会計上連結されるかどうか収益の実現を認識していいかどうかはさておき]、法律上、”取り分”を確定させる手法としてはありうるかと思います。)
すなわち、(今回の日興さんのケースは、そもそも債券の発行タイミングを偽装していたので明らかに不適切な処理であったことは間違いないわけですが)、「SPCを連結しなかったこと自体」とか「EB債自体」といった今回の個々の要素自体アカン、ということになると、当時、それで今とタイミングが違うことになる処理を行っていた会社の経営者や監査法人のパートナーの方は、年末年始から、夜も眠れないことになっちゃいます。
そういった個々の行為は、必ずしも「粉飾」に該当しない可能性もありえると思います。
会計の考え方が変化する世界で、我々はどうすればいいか?
前述のとおり、会計というのは、「あらゆる経済行為を、それぞれたった一つの数値に落とし込む写像」ではないですし、会計に対する考え方というのも、時代を追って激変しています。
こういった、明確な会計基準の変更が公表されない段階で、継続性の原則に従って従来どおりの考え方に従った会計処理をするのか、別の考え方を取り入れるのかというのは、なかなか難しい判断だと思います。
そういう状況におかれた場合に、まじめな開示を目指す「よい子のみなさん」は、いったいどうすべきでしょうか?
考え方として、「誠心誠意開示する」:-)、というのはどうでしょう。
つまり、日興さんが、(EB債発行タイミングの偽装がなかったという前提で)今回と同じ処理をして、まったく同じ利益を計上していたとしても、たとえば、
「当社は、当社傘下に入れる目的でない企業の投資育成に利用されるSPC(特別目的会社)については連結範囲に含めないこととしておりますが、今回、連結子会社である日興プリンシパル・インベストメンツ株式会社(以下「NPI」といいます。)と連結対象外であるSPCであるNPIホールディングス(以下「NPIH」といいます。)との間で、後記要項のとおり、ベルシステム24の株式を目的とする他社株券償還特約付債券(以下、「EB債」といいます。)を発行しており、社債券(帳簿価格○○○億円)の償還を受ける代わりにベルシステム24の株式(平成16年9月30日の東京証券取引所の終値○○円で評価した時価○○○億円)での償還を受けております。
このため、NPIHを連結した場合に比べて、経常利益が○○○億円、当期純利益が○○○億円増加しております。」
というような内容を詳細に開示していたとしたら、課徴金とか監理ポスト入り、というような話になったでしょうか?
同じことをライブドアで問題になった、「自社株をファンドに持たせて、株式分割で値段が上がったものを市場で売却して売却<u>額を売上に計上する。」という方法に適用したらどうでしょう。
上記のような「誠意ある」開示をしたら、「そりゃ、明らかに、総額が売上に計上されるんじゃなくて、キャピタルゲインをその他資本剰余金に計上すべきじゃん!」というバッシングの嵐になるのが見えていたわけです。
ということで、「人に言えない取引」「人に言える取引」があるわけですが、今度の日興さんの取引は、「人に言える取引」だった気もします。
(でも、詳細に開示しなかった、ということは、やはり何らかヤマシイ目的があったと思われてもしょうがないんでしょうね。)
(ではまた。)

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Agile Media Network (AMN)スタート

(メリー・クリスマス!)
さて、右側に「Agile Media Network」という欄が表示されているかと思いますが、本日午前11時より、このブログ・ネットワークに参加いたしました。
ネットワークに参加しているブログは、当初、このisologueのほか、
情報考学 Passion For The Future
http://www.ringolab.com/note/daiya/

ネタフル
http://netafull.net/

メディア・パブ
http://zen.seesaa.net

Ad Innovator
http://adinnovator.typepad.com/

FPN (Future Planning Network)
http://www.future-planning.net/x

の5つ。
運営は、当面、株式会社日本技芸(御手洗さんの会社)が行ってらっしゃいます。
−−−
GoogleのAdSenseや各種アフィリエイトは、「テール」型の広告で、気軽に誰でも広告媒体になれるのはいいのですが、広告費はPVやクリック数に依存していて、媒体の「クオリティ」は直接には反映されません。
アメリカでは、ブログの広告費単価は日本より1〜2桁高いことになっているようですし、月刊数万部の雑誌の表4(裏表紙)でいくらの価値が認められているか、ということを考えると、ブログにも、もうちょっと媒体の価値が認められていい気がします。
また、良質なブログに、それなりの収入が伴うということになれば、中長期的には、仕事をしながら片手間にブログを書くのではなく、もっと本格的にブログで情報発信しようという人も増えて、世の中の「情報の流れ方」が大きく変わっていく気もします。
とりあえず、試験運用開始という位置づけですが、ご紹介まで。
Agile Media Network
http://agilemedia.jp/
(ではまた。)

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本日の出来事

某ビルでエレベータを待っていたら、お母さんに手を引かれた女の子(見たところ2歳前後)が歩いてきて、ニコニコしながら曰く;
子「あー、へんなおぃさんがいうー」
母「へんなおじさん?どこー?」
子「あとこー」
と指さす もみじのような手の先には私の顔がありました。(お母さんは見て見ぬふり。)
(子供って、本質を見抜く力があると言いますが・・・)

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本日の素朴な疑問(「ベルシステム24の第三者割当増資は差し止められるべきだったんじゃないの?」)

先日もご紹介した、2006年1月12日の日本経済新聞朝刊4面の記事、「買収ファンドの実相(中)近くて遠い回収の道——割安な案件も少なく。」に、

(略)コールセンター大手のベルシステム24の株主資本が〇五年七月に千三百億円、率にして九割弱減った。同社を買収した日興プリンシパル・インベストメンツ(NPI)から自社株を買い戻し、消却したからだ。
 日興コーディアルグループ系のNPIは〇四年、総額二千四百億円でベルを買収した。ベルの大株主だったCSKとの法廷闘争の末、一千億円超の第三者割当増資を引き受けた経緯がある。増資資金を上回るおカネがNPIに戻った。
 「ベルは過剰資本になっていた」とNPIの平野博文会長は言う(以下略)

ということが書いてあります。
(この減資等については、プレスリリースも出ていない模様。)
地裁と高裁の仮処分申請却下の決定が手元にないんですが、確か、「主要目的ルール」に基づいて、ソフトバンクグループのコールセンター業務を買収するなどの事業目的に資金が必要だから第三者割当増資します、ということで法廷で争って勝ったんじゃなかったでしたっけ?
ちなみに、増資前増資後の連結B/Sは、下記のとおり。
image002.gif
増資前の自己資本比率は7割超もありましたが、これくらい安定してキャッシュを生み出す事業であれば、もっとレバレッジはかけられたでしょうし、ソフトバンクグループからコールセンターを引き取る際に、キャッシュとエクイティを組み合わせて支払うという手もあったかと。
「株主資本が九割弱減った」
「ベルは過剰資本になっていた」
・・・って今頃言われても・・・・、結局、増資する必要なかったじゃん?(やっぱり、CSKグループから逃れたいためだけの増資・・・すなわち、「主要目的ルール」には反する増資・・・だったんですね?)、という感じであります。
(裁判所をナメた罪、というのは無いんでしたっけ。)

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日興コーディアルのSPC取引を考える(ホントに第三者間では行われないような取引か?)

前回のエントリ「日興コーディアルのSPC取引を考える(基準がどうの、という細かい話じゃないんじゃないの?)」で、

今後TOBするのが確実で、100%子会社が必ず損をして親会社が必ず得をするようなEB債の条件(だとしたら)自体が、独立の第三者間では行われるはずのない取引であり、収益の期間帰属をゆがめる目的以外には考えられない

てなことを申し上げましたが、電車に乗ったり朝メシを食ったりしながらツラツラ考えていて、ちょっと考え方が代わってきました。
今朝の日経新聞朝刊(7面)の記事だと、

 日興の事例では、NPIはベルシステム24(ベル)を買収する過程で、NPIHが発行したベル株に連動するEB債を購入。NPIHはその資金でベル株を大量取得した。その後、NPIが実施した株式公開買い付けでベル株が上昇したことに伴い、NPI側に発生したベル株の多額の評価益を利益として取り込んだ構図だ。

となってますが、全くの第三者間で今回のような取引を行おうとした場合、ただのペーパーカンパニーであるSPCに2,300億円ものお金を投入するわけで、リスクにみあったリターンを要求するのは当然ではあります。
140億円儲かったとすると、6%くらい。
ま、資金供給する期間もよく見てないのですが、TOBでプレミアムをつけて買っているので、その株価より企業価値が下がる可能性もあることを考えれば、妥当な水準かも知れませんね。
全体のスキームについてまだ完全に読みきってませんし、第三者間でありうるから利益計上してもよかったというわけではないのですが、考え方としてご参考まで。
(ではまた)

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日興コーディアルのSPC取引を考える(基準がどうの、という細かい話じゃないんじゃないの?)

本日の日経朝刊7面の記事「勧告で決算訂正、日興・監視委なお食い違い—経営陣、問われる説明責任。」に、

 ただ、現行の会計基準では、過半の株式を保有しているケースでも傘下に入れる狙いがなく、将来転売する可能性があるなど「投資育成目的」の場合は、特例として連結対象としなくてもよいとする規定がある。
 日興コーディアルグループの場合、一〇〇%子会社の日興プリンシパル・インベストメンツ(NPI)がNPIホールディングスに全額出資しているうえ、役員も全員兼任。「支配していないとは言い難い」(連結会計に詳しいベテラン会計士)。公認会計士の磯崎哲也氏も「重要性や保守主義の原則から考え、連結から外すべきではなかったのではないか」と指摘する。

と、私のコメントを載せていただいてますが、この取材を受けた時は、今月16日の日経朝刊の記事「不適切な利益、日興が計上——特別目的会社連結外し、損失、反映せず。」

 一方、NPIとNPIHはベル24の株価によって損益が変動するデリバティブ(金融派生商品)取引を締結。その後、ベル株が上昇したことでNPIは百四十億円程度の利益を上げ、親会社である日興コーディアルの〇五年三月期連結決算に計上した。
 この金融取引で、NPIHはNPIと同額の損失を抱えたもよう。

と同様の認識、つまり、「NPIは得してるけどNPIHは損してる→差引チャラ」と考えていたんですが、この取材を受けてから書いた前回のエントリで、当時の含み益を考えてみると、計上時点の2004年9月末で、すでに400億円くらいの含み益があったと考えられ、その後、(利益額は開示されてないようですが)、ベルシステム24の株式売却で実際に利益も出ていることから考えると、(一般原則の)保守主義の原則というよりは、(損益計算書原則の)発生主義の原則

すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。ただし、未実現収益は、原則として、当期の損益計算に計上してはならない。

の話だったかも知れないですね。
上述の今朝の記事では、

 ただ、訂正に至った根幹の理由については監視委と見解が大きく異なっている。日興側は「『SPCを非連結とする』という会計処理そのものが間違っていたとは今でも思っていない」(森田収取締役)と説明。一方で監視委は「実質支配の関係にあり連結すべき」(幹部)としてSPCを非連結にしたこと自体が「虚偽記載」にあたると見る。

とありますが、話はSPCが連結できるかどうかの話というよりも(ということもさることながら)、前回のエントリで述べたように、今後TOBするのが確実で、100%子会社が必ず損をして親会社が必ず得をするようなEB債の条件(だとしたら)自体が、独立の第三者間では行われるはずのない取引であり、収益の期間帰属をゆがめる目的以外には考えられない(下記追記参照:ホントにそうか?)わけで、そうした取引を前提に財務諸表を作ること自体が、企業会計原則の初っ端の大原則である真実性の原則

企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなければならない。

に反している気がします。
(ではまた。)
追記:ホントに第三者間では行われないような取引か?ということについて、別エントリを立てました。
2300億円もペーパーカンパニーに貸し付けるリスクを考えれば、140億円くらいのリターンを求めるというのはありうるかも知れません。

ご参考まで。

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日興コーディアルのSPC取引を考える

日興コーディアルさんの件について、あちこちからコメントのリクエストをいただきましたが、特に今まで本件を注視してきたというわけでもないので、時系列で何が起こったかについて、頭の整理をしてみました。(以下、長文。)
−−−
2004年当時、CSKの子会社だった「ベルシステム24」ですが、2004年8月6日の日経金融新聞の記事、「CSK、ベル24株売却へ——『17日間』戦争の舞台裏。」によると、

 「ベルが巨額増資を計画しているらしい」。CSKが情報を入手したのは一週間ほど前。二十日朝までにソフトバンクのかかわりなどをつかんだが、全容は明らかでなかった。

そして7月20日、ベルシステム24が「日興コーディアルグループ系の投資会社」に第三者割当増資をするリリースをして、CSKの子会社からはずれることになったわけです。ベルシステム24は、ソフトバンクグループのコールセンターの買収を発表。
日興コーディアルさん(以下「日興さん」)のプレスリリースによると、
2004年 7月20日
http://www.nikko.jp/GRP/news/2004/p_040720.html
株式会社ベルシステム24の第三者割当増資引受について

日興プリンシパル・インベストメンツ株式会社(株式会社日興コーディアルグループ の100%子会社、以下「NPI」)は、NPIの100%出資特別目的会社(NPIホールディングス株式会社)が株式会社ベルシステム24(本社:東京都豊島区、代表取締役社長 園山征夫、以下「ベルシステム」)の第三者割当増資を引き受けることを決定しましたのでお知らせいたします。
(中略)
 第三者割当増資引受の具体的な内容は以下の通りです。
1.  引受株式数 : ベルシステムの普通株式5,200,000 株
2.  引受総額 : 104,260,000,000円(1株につき20,050 円)
3.  払込期日 : 2004年8月5日

前述の記事によると、同日、CSKは新株発行差し止めの仮処分を申し立ててます。
そして、

東京地裁は三十日、CSKの申し立てを却下。CSKは同日中に即時抗告、八月二日には定款違反行為の差し止めや議決権行使禁止などの仮処分を申し立て、全面的に争う姿勢を示した。
(中略)
 潮目が変わったのは四日。ベルの増資引き受け先である日興側がCSKの持ち株譲り受けを申し出たのだ。提示した買い取り価格は四日終値より一〇%高い二万七千円。これは立会外取引のルールなどを参考にすると、ほぼ上限に近い。そのうえ同日、東京高裁がCSKの抗告を棄却。増資差し止めが事実上、不可能になったうえ、定款違反や議決権行使禁止などについての主張に対し否定的な見解を打ち出していた。

ということで、日興さんのリリースによると、
2004年8月5日
株式会社ベルシステム24の株式取得および第三者割当増資払込について
http://www.nikko.jp/GRP/news/2004/p_040805.html

1. 取得株式の種類および数 : ベルシステム普通株式1,580,000株
2. 取得価額 : 1株につき27,000円
3. 取得前後の所有割合 :(取得前) 0.00% (取得後) 32.25%

と、CSKから株式を取得することとなり、「親子ゲンカ」は幕引き。
7月20日にリリースされた増資(約1042億円)も実行されることに。
さらに、翌日、CSKは残りの株式の売却も決定して、他の株主も追随。
2004年8月6日
http://www.nikko.jp/GRP/news/2004/p_0408062.html
株式会社ベルシステム24の株式取得について

1. 譲渡人
  ・ 株式会社CSK(本社:東京都港区、代表取締役会長 青園雅紘)
  ・ 株式会社クオカード(本社:東京都新宿区、代表取締役社長 湯川英一)
  ・ CSKファイナンス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 青園雅紘)
  ・ ビジネスエクステンション株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長 井上啓司)
2. 取得株式の種類および数 : ベルシステム普通株式 計464,000株
3. 取得価額 : 計 12,528百万円
4. 取得前後の所有割合 :(取得前) 67.14% (取得後) 71.73% (*)
  (*) 上記所有割合は、昨日払込期日の第三者割当増資による発行新株式数および昨日お知らせした株式譲渡分を加算して計算

この2004年8月6日の時点で71.73%(7,244,000株?要確認)を日興さんが保有するに至ったわけです。
そして、2ヵ月弱あとの2004年9月27日、TOBの実施を発表。
2004年9月27日
http://www.nikko.jp/GRP/news/2004/pdf/040927.pdf
日興プリンシパル・インベストメンツ株式会社による株式会社ベルシステム24の公開買付けの開始について
「2,770,731株を28,000円で買付け予定。
2004年9月24日までの過去3ヶ月における平均24,150.0円に対して15.9%のプレミアム。」
という条件。
1ヶ月後の10月28日、TOBの結果が公表されます。
2004年10月28日
http://www.nikko.jp/GRP/news/2004/pdf/041028.pdf
日興プリンシパル・インベストメンツ株式会社による株式会社ベルシステム24の公開買付け結果について
2,770,731株 買付け予定のうち、2,633,027株応募があった、とのこと。
9月27日付けで産業活力再生特別措置法の認定を受けているので、金銭交付による株式交換で100%子会社化を図ることに。
ベルシステム24の取引に関わる日興さんからのプレスリリースはここまでであって、今回問題になったデリバティブの取引については、ディスクローズされてないようです。(もしされてたら、教えていただければ幸いです。)
−−−
一方、同日2004年10月28日の新聞記事「ベル24株、公開買い付け終了、日興系の投資会社。(日経金融新聞)」によると、

ベル24は産業活力再生特別措置法(産業再生法)の認定を受けており、残りの株式は十二月に開く臨時株主総会での決議後にNPIが金銭交付による株式交換をする。ベル24はNPIの完全子会社になり、二〇〇五年一月半ばにも上場廃止の見込み。

と、株主総会と上場廃止日の見込みが掲載されてます。
さらに、このベルシステム24に投資をしたSPCの会計処理については、(今回、初めて問題が発覚したということではなく)、監査法人からも指摘があった旨が、一年ちょっと後の、2005年12月29日の新聞記事に載ってます。
中央青山、損益が不明確なSPC、日興に連結要請。(日本経済新聞)

 このSPCは投資事業を手がけるNPIホールディングス(NPIH)。日興コーディアルの一〇〇%子会社である日興プリンシパル・インベストメンツ(NPI)が設立したペーパーカンパニーで、日興本体からみると孫会社にあたる。
 NPIは昨年九月までに、コールセンター大手ベルシステム24の株式七百二十万株余りを取得。その際にNPIHとの間で、ベル株の値動きに応じて損益が変わるデリバティブ(金融派生商品)契約を結んだ。昨年九月末時点ではNPIに約百四十億円の評価益、NPIHには同額の損失が生じていたようだ。
 グループ内で損益トントンとなる取引だが、SPCであるNPIHは連結対象外。このためNPIの利益だけが決算に反映された。日興の二〇〇四年九月中間決算では投資事業の経常利益が百八十億円弱と前年同期の六倍強に急拡大した。
 現在の会計ルールでは投資事業に関連して保有している株式は連結対象にしなくてもよい。だが中央青山は「不透明な会計処理と受け止められかねない」として、〇六年三月期決算ではNPIHを連結対象にするよう求めた。今回の要請をきっかけにSPCの会計、情報開示ルールを巡る議論が活発になりそうだ。
 日興コーディアルグループの有村純一社長は「ベル株を巡る会計処理はルールに即していると認識している。今後、会計ルールが変われば適切に対応したい」としている。

翌年、2006年1月12日の日経新聞「買収ファンドの実相(中)近くて遠い回収の道——割安な案件も少なく。」では、

 コールセンター大手のベルシステム24の株主資本が〇五年七月に千三百億円、率にして九割弱減った。同社を買収した日興プリンシパル・インベストメンツ(NPI)から自社株を買い戻し、消却したからだ。
 日興コーディアルグループ系のNPIは〇四年、総額二千四百億円でベルを買収した。ベルの大株主だったCSKとの法廷闘争の末、一千億円超の第三者割当増資を引き受けた経緯がある。増資資金を上回るおカネがNPIに戻った。

とありますので、最終的には、日興さんは「このベルシステムの取引で儲かった」ということのようです。つまり、経済的に損失が出ているのを粉飾で隠した、といった類の話とは違う模様。
(だけど、「どうせ儲かるんだから、早めに計上してもいいじゃないか」ということは無いわけですので、最終的に儲かったかどうかと、会計処理として適切だったかどうかは、また別の話。念のため。)
2006年1月27日の日経新聞朝刊の記事「日興コーディアル、経常益2.2倍、4—12月、手数料伸びる。」では、

 自己資金投資はベルシステム24など投資先企業の株式を売却したことなどで二割強の増益になった。自己資金投資は連結対象外の特別目的会社(SPC)を通じて取引しており、情報開示が不十分ではないかとの指摘もあるが、「会計ルールに即しており、SPCは今後も連結対象外として取り扱う」(日興コーディアル)としている。

と、SPCを連結する気はない、という主張でらっしゃっいました。
2006年1月31日の日経金融新聞「大手証券3社——会計処理にばらつき。」という記事でも、野村、大和、日興、のうち、

米国会計基準で連結決算を作成する野村

については処理が最も保守的で、「誰が最終的に利益を享受するのか」という観点で連結・非連結を判断、SPCも投資先も連結対象としており、また、大和についても、

日本基準採用だが、非連結なのは投資先企業だけ。「SPCは株式取得の器であり、投資育成することはない」(財務部)として連結対象だ。

としているのに対して、

 日興はSPCも「投資スキームの一環」(財務部)と判断し、連結対象から外す。二千四百億円で完全買収したベルシステム24のケースでも、連結対象外のSPCが株式を取得したため、日興本体の貸借対照表にはベル株そのものは計上されなかったもよう。
 SPCを非連結にすると損益にも影響する。二〇〇五年三月期にSPCはベル株で償還できる他社株転換社債を発行。それを日興の連結対象の投資会社、日興プリンシパルが購入するといったデリバティブ取引を実施した。その後、日興プリンシパルが公開買い付けを実施したのを受けて上昇したベル株に連動する形で、デリバティブ取引に百数十億円の評価益が発生。これが日興の同期決算で増益要因となったもよう。SPCが連結対象ならグループ内取引として損益は消去されたと考えられる。

ということで、利益計上の妥当性についての疑問は、1年前にすでに明確に指摘されてました。
こうしたプレッシャーを受けてか、2006年4月27日の日本経済新聞朝刊の記事「投資事業の特別目的会社、日興、連結対象に、透明性高める。」では、

 日興コーディアルグループが投資事業で利用している特別目的会社(SPC)を二〇〇六年三月期決算から連結対象としたことが明らかになった。現在の会計ルールでは投資事業に関連して保有している株式は連結対象にしなくてもよいとの規定がある。ただ、SPCの情報開示拡充の議論が進んでおり、連結範囲を広げ透明性を高めた。
(中略)
 完全買収したベルシステム24の場合は、一〇〇%出資にもかかわらず、同社株を持つSPCが連結対象から外れ、財務内容が見えにくいとの指摘が出ていた。

と、今後については連結する方針を打ち出してます。
(ただ、過去分の処理は訂正してません。)
そして、2006年12月16日の日本経済新聞朝刊の記事、「不適切な利益、日興が計上——特別目的会社連結外し、損失、反映せず。」に至って、

 日興の子会社である日興プリンシパル・インベストメンツ(NPI)は二〇〇四年八月、一〇〇%出資しているSPCのNPIホールディングス(NPIH)を通じ、コールセンター大手ベルシステム24の株式を大量に取得した。
 一方、NPIとNPIHはベル24の株価によって損益が変動するデリバティブ(金融派生商品)取引を締結。その後、ベル株が上昇したことでNPIは百四十億円程度の利益を上げ、親会社である日興コーディアルの〇五年三月期連結決算に計上した。
 この金融取引で、NPIHはNPIと同額の損失を抱えたもよう。いずれもグループ内部の取引なので、本来なら連結決算上は利益・損失を相殺するのが通常の処理だ。ところが日興は評価益を計上しながら、損失分については連結決算に反映しなかった。

ということになったわけです。
デリバティブの中身は?
この「デリバティブ」の内容がよくわかりませんが、本日行われた記者会見の様子を又聞きしたところ(つまり以下の内容は「要確認」ですのでご注意ください。)、日興さん側の主張としては、
「2004年8月にEB債を発行する予定にしていたが、実務上の処理が遅れて、発行が9月末になってしまったが、この間に株価が上がったので、NPIに利益が発生。しかし、EB債を発行する実務が遅れたことを隠すために一担当者がやったことで、利益を約140億円計上したいためにこのスキームを採用したのではない。」(要確認。)
・・・という主張のようです。
これに対して、証券取引等監視委員会の主張では、「そもそも連結すべきだった」という主張の模様。
−−−
デリバティブ等の中身の実態がわからないので何ともいえませんが、上記の一連の流れを振り返ってみると、個別の株式の取得価額合計は、
07/20 第三者割当:1,042.60億円(=5,200,000 株×@20,050円))
08/04 CSK(1) : 426.60億円(=1,580,000株×@27,000円)
08/06 CSK等 : 125.28億円(= 464,000株×@27,000円)
10/28 TOB・交換: 775.80億円(=2,770,731株×@28,000円)
で、(ざっくり)2,370億円。(10,014,731株。平均取得単価約23,668円)
当時のチャートを見てませんが、9月末時点では、株価がTOB価格に張り付いていたとすると、@28,000円×10,014,731株=約2,804億円くらいで、2004年9月末半期で、すでに、430億円くらいの含みはあった、と考えられます。
つまり、経済的実態としての時価で考えれば、ベルシステム24の株式は、それなりの価値はあったし、実際に、後で高値で売却できている模様。
ただし、2004年9月の半期末ですでに71.73%を保有していて(単体でも)「子会社株式」ということになりますし、連結するとなると、時価会計は適用されず「取得原価」で計上すべき(利益は計上されない)、ということになります。
「売買目的有価証券」であれば、上場株式は時価で評価して貸借対照表に計上するとともに、キャピタルゲインも計上できるわけですが、売買目的有価証券の要件を満たさないはず。(100%取得して非上場化を目的としているので・・・。)
で、「ベンチャーキャピタル条項」を利用した、ということかと思います。
−−−
さて、EB債とかデリバティブとか言われているものの中身がわからないわけですが、このデリバティブの性質を、株価の変動によりベルシステム株を代わりに得られる債券であって、最終的なTOB価格28,000円より低いstrike priceのコールオプションのようなものだと仮定してみましょう。
本日の日興さんの記者会見では、上述のとおり、「本来8月に決議するはずが、9月になってしまって、その間の利益が計上されてしまった。利益を水増しする意図は無かった。」とのこと(らしい)ですが、8月はじめには、3分の2超の株式の取得が決まって、この先、TOBをして非公開化するのは確実、というときです。
TOBをしたら通常、直前の株価の10%以上のプレミアムがつけられるのは確実。
3分の2超取得して産業活力再生特別措置法の認定も取れそうということであれば、(良かれ悪しかれ)少数株主は実質的にTOBに応じざるを得ないわけで、TOB価格もある程度自由に決められたはず。
TOB価格で株価が上がって確実に損をするようなデリバティブの契約を、子会社であるSPCが100%親会社と締結する、というのは、どう考えても、8月時点で経済的合理性があった取引とは考えにくいですよね。(下記追記:ホントにそうか?参照)
8月中でなく、9月になってTOBの条件等の着地が固まってから、
「実態は430億円も含みがあるんだから、何とかこのうちの一部でも、当半期の利益に計上できないの?」
「じゃ、8月にバックデートして、こういうデリバティブを組んだとしたら、当半期に利益計上するという理屈も立つんでは?」
などということで、(アメリカで今年問題になった、ストックオプションのbackdating的に)このスキームが組まれた・・・かどうかは今後の開示を拝見しないとわかりませんが、第三者間では説明が付かない取引であれば、そういう風に思われてもしょうがないかも知れません。
とにかく、このデリバティブの中身の開示もされてない段階で、仮定に基づいた話ではありますので、実際には誰にどんな責任があったかは定かではありませんが、以上、ご参考まで。
(ではまた。)
追記:ホントに第三者間では行われないような取引か?ということについて、別エントリを立てました。
2300億円もペーパーカンパニーに貸し付けるリスクを考えれば、140億円くらいのリターンを求めるというのはありうるかも知れません。

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私に逮捕状が出た

家のリビングでくつろいでいたら、玄関のほうで来客の気配がしたので行ってみると、男性が数人立っていて、私に逮捕状が出た、と言う。
何の容疑かと思って逮捕状の文面を見ると、覚えてないくらい些細な(しかし、思い当たらないこともない)話(YouTubeに投稿された著作権侵害にあたるコンテンツをブログで紹介したのが、「著作権侵害の幇助」にあたる、といったようなこと)だった。
テレビや新聞に「ブロガーの磯崎哲也逮捕」と出るのかなあ、とか、親や親戚は悲しむだろうなあ、とか、ブログのコメント欄が、「いつもコンプライアンスについてエラそうなことを書いときながら自分はタイーホかよ」といったコメントで炎上するんだろうなあ、とか、奥さんにコメント削除の方法を今から教えられるか?、いや、コメントの受付そのものを停止しておいた方がいい?、でも、釈放されてからコメントを読んでみたい気もするなぁ・・・・等が、一瞬の間に頭をよぎり・・・
・・・・・・というところで、目が覚めた・・・。(ハァハァ・・。)
先日、Winny判決が出たことや、昨日、監査法人さんと、「J-SOX法の内部統制の実施基準案で、どこまで細かいことが要求されるか?」についてディスカッションしたことなどで、「世知辛いねえ〜」という感じが、「萎縮効果」として働いたんですかねえ。
(久しぶりに「夢でよかった〜」と思いました、が、昨今必ずしも「全くありえない話」と言えないところが・・・怖い。)

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