週刊isologue(第130号)GoogleのMotorola買収(フェアネス・オピニオン編)

今回はGoogleがMotorola Mobility Holdings, Inc.を買収するに際して、Motorola Mobilityの財務アドバイザー2社が出した「フェアネス・オピニオン」の中身を検討してみたいと思います。

このGoogleによるMotorola Mobilityの買収は、

  • 誰もが注目する有名企業どうしの事案である
  • 1ヶ月半という脅威のスピードで検討された
  • 買収総額も125億ドルと超巨額である
  • 大株主が、アクティビストの大物、アイカーン氏

等から、訴訟になるリスクは決して低くないと考えられますので、Motorola Mobilityとしても(時間がないなりに)大いに慎重を期して検討をしたはず。
日本のベンチャーやM&A関係のみなさんにも、大いに参考になりうるケースではないかと思います。

目次とキーワード:

  • 株価の検討体制
  • 「Qatalyst Partners」の意見書
  • 「Qatalyst Partners」ってどんな会社?
  • GoogleとQatalyst Partnersの関係
  • フェアネス・オピニオンの性格
  • フェアネス・オピニオンは、何を基準にするのか?
  • 類似会社比準による株価算定
  • DCF法による株価算定
  • Qatalystが受け取る巨額!な報酬
  • CenterviewとMotorolaの関係
  • Centerviewの分析
  • Centerviewは、今回のディールでいくら報酬をもらうのか?

 

(ではまた。)

 

次週からは、(あくまで予定であって、もっと面白そうなことが発生するなどで変更になる可能性はありますが)、「シリコンバレー進出のためのファイナンス」といったあたりを考えてみる予定です。

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Yomiuri Online連載第14回目 プチバブル期に入った日本のベンチャー市場

Yomiuri Onlineに連載させていただいている「磯崎哲也の『起業案内』」第14回目が掲載されました。

http://www.yomiuri.co.jp/job/entrepreneurship/isozaki/20110920-OYT8T00769.htm 

今回のテーマは「プチバブル期に入った日本のベンチャー市場 」。

1年前にこんな日が来ると予想した人はほとんどいなかったと思いますが、最近、日本のベンチャー、特に創業したばかりの「スタートアップ」が、「活気が出て来た」という段階を越えて、ちょっとバブり始めた感じがします。

 

ご参考まで。

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週刊isologue(第129号)GoogleのMotorola買収(買収交渉編)

今回は、モトローラ(Motorola Mobility Holdings, Inc.)とGoogleの買収交渉の内幕に迫ってみたいと思います。

先週9月13日に、Motorola Mobilityは「PREM14A」という書類をSECに提出しました。
この書類でMotorola Mobilityは、単に買収の条件等や考え方を述べるだけでなく、Googleとの交渉の経緯が日記のように克明に記載されていてビックリします。

上場会社のM&Aだけでなく、非上場のベンチャーがバイアウトされる時の交渉の参考にもなるでしょうし、日本でも近年、買収やMBOに関わって株価が安過ぎるといった訴訟も増えていますので、こうした買収が行われる際の、交渉のプロセスや、買収側のコーポレートガバナンス、取締役会での検討事項、開示内容等がどうあるべきかということについても、大いに参考になるのではないかと思います。

 

以下、目次とキーワード:

  • 買収のスキーム
  • Nortel Networksの特許オークション
  • Googleからの最初のコンタクト
  • なぜ最初の日付があいまいなのか?
  • 2人は知り合いだったのか?
  • 最初のコンタクトは何月何日だったのか?(推理)
  • 最初のミーティング
  • アイカーン氏とのミーティング
  • アイカーン氏はGoogleからのアプローチをいつ知ったのか?
  • 買収価格の駆け引き
  • 買収と「相見積もり」
  • ゴールデンパラシュートと利益相反
  • モトローラとビデオ会議
  • Googleが欲しかったのは特許?それ以外?
  • なぜこれだけ細かい経緯を発表したのか?
  • 日本企業ならこれだけ速い意思決定ができたか?
  • 「進行中の知財関連訴訟」とは?

 

ご興味ありましたら、下記のリンクからお申し込みいただければ幸いです。

 

(ではまた。)

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週刊isologue(第128号)世界最大級ファンド「カーライル」の上場

先週9月6日に、The Carlyle Group L.P.が上場申請をしました。
(以下、関係する法人や事業体などを総称して「カーライル」と呼びます。)

 

このカーライルの上場は、

  • 世界最大級のファンド(ファンド運用事業体)である。
  • 日本で一般的な「株式会社」ではなく、「リミテッドパートナーシップ(L.P.)」の上場である。
  • 申請書類には、ファンドの詳細な内部構造等、契約書等、なかなか見る機会が無いデータが詰まっている。
  • 「米国の軍需産業に強い影響力を持っている」「ビンラディン家やブッシュ家も株主」といった、都市伝説か真実かよくわからない話が横行しているが、とにかくスゴいことは間違いなさそうである。
    (資料から、そのへんの当否も推測できないか?)

ということで、注目してみました。

 

目次とキーワード:

  • カーライルの資産は1ドルしか無い?
  • リミテッド・パートナーシップとは
  • カーライルの事業規模
  • カーライルはプライベート・エクイティのファンド?
  • カーライルの組織構造(現状)
  • カーライルの組織構造(IPO後)、組織再編
  • 経営陣の報酬
  • カーライルの財務内容
  • カーライルに投資しているのは誰か
  • カーライルの経営陣
  • カーライルは、なぜ今、上場するのか?

 

(ではまた。)

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メガベンチャーを目指すスタートアップのためのファイナンス&シリコンバレー進出セミナー

(ほとんど席が埋まりつつあるそうですが、念のためこちらでもご案内。)

9月20日に、トーマツさん主催の「メガベンチャーを目指すスタートアップのためのファイナンス&シリコンバレー進出セミナー」というセミナーで講演します。

なんと、ブロガーでも有名な渡辺千賀さんにシリコンバレーから来ていただいて、シリコンバレー進出の(多分かなり具体的な)お話が聞けるんじゃないかと思います。

日時や場所の詳細やお申し込みは、下記のトーマツさんのサイトから、どうぞ!

 

メガベンチャーを目指すスタートアップのためのファイナンス&シリコンバレー進出セミナー

 

(ご参考まで。)

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Yomiuri Online連載第13回目 エヴァンゲリオンで学ぶコーポレートガバナンス

Yomiuri Onlineに連載させていただいている「磯崎哲也の『起業案内』」第13回目が掲載されました。

http://www.yomiuri.co.jp/job/entrepreneurship/isozaki/20110902-OYT8T00805.htm

 

今回のテーマは「エヴァンゲリオンで学ぶコーポレートガバナンス 」。

「企業とは何か」「なぜ社外取締役や監査役が必要なのか」について、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン(または『ヱヴァンゲリヲン』)」の組織も対比させながら、考えてみました。

 

ご参考まで。

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週刊isologue(第127号)GoogleのMotorola買収(特許編)

今回も先月に引き続き、Googleのモトローラ(Motorola Mobility Holdings, Inc.)買収に関連して。

GoogleがMotorola Mobilityを買収した最大の目的の一つは「特許」だと言われていますが、具体的にどんな特許かはなかなかイメージしにくいかと思います。

同社の特許ポートフォリオが具体的にどのくらいスゴいのかは、個別の特許の内容を見たりスコアリングの手法を使ったりしないとわからないと思いますが、今回は、同社がSECに提出した開示資料から、どの程度のことまでわかるかを見てみたいと思います。

(この開示資料が同社の特許戦略を分析する資料として最も適切な資料かどうかはわかりませんが、法令や訴訟リスクを考えればウソは書きにくいし、かなり詳細に開示せざるを得ないので、知財戦略が会社の大黒柱である世界的企業の具体的事例として、かなり興味深いんじゃないかと思います。)

具体的な主要特許や製品が並べられているので、デジタル・ガジェット好きの方などでしたら、Motorola Mobilityが保有する特許ポートフォリオのイメージが、なんとなく、お分かりいただけるのではないかと思います。

 

目次とキーワード:

  • リスクファクターにおける記述
  • Google製のAndroid OSの利用度合い増加と、リスク
  • GoogleのAndroid供給契約
  • Motorola Mobilityの販売先と競争構造
  • Motorola Mobilityは、どんな技術が得意なのか?
  • 集約化(convergence)と生態系(ecosystem)への理解
  • Motorola Mobilityのライバル
  • モバイル・デバイス市場における競争の鍵は?
  • 特許関連の訴訟

 

ご興味がありましたら、下記のリンクからお申し込みいただければ幸いです。

 

(ではまた。)

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