撮影に関わる法的問題について(リプトンCM)

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次のビデオ(2人の作戦篇[30秒])を見て、以下の設問に答えなさい。【7/22追記→注:ジョークです。】

http://www.morinagamilk.co.jp/product/cm/lipton/body_01.htm

 

問1.

このビデオの後半で、

これはCM上の演出です。撮影には本人の許可が必要です。

という注意書きが左下に小さく表示されます。

学校内を歩く人物が写った写真を、本人の許可を取らずに撮影して私的に利用する場合に発生しうる問題について、法的な見地からあなたの考えを述べなさい。

 

問2.

このCMには、なぜ、上記のような注意書きを表示したのでしょうか?

あなたが、この製品を製造している企業のCM制作の担当者及び経営者であるとして、それぞれの見地から、注意書きを表示した理由について述べなさい。

(以上)

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5 thoughts on “撮影に関わる法的問題について(リプトンCM)

  1. 撮影に関わる法的問題について(リプトンCM)を答えてみる

    法律の事に疎いんですが、Google先生に手伝ってもらいながら、ちょっと答えてみようと思います。
    isologue – by 磯崎哲也事務所: 撮影…

  2. 著作権の判断については、公的機関に属する警察官がデモに参加中の私人を撮影する行為に付き、「憲法13条は、国民の私生活上の自由が、警察権等の国家権力の行使に対しても保護されるべきことを規定しているものということができる。そして、個人の私生活上の自由の一つとして、何人も、その承諾なしに、みだりにその容貌・姿態を撮影されない自由を有するものというべきである。これを肖像権と称するかどうかは別として、少なくとも、警察官が、正当な理由もないのに、個人の容貌等を撮影することは、憲法13条の趣旨に反し、許されない。」との判断がなされている。(最高裁昭和44年12月24日大法廷判決・京都府学連デモ事件)
    憲法13条の規定は国家(地方公共団体を含む)が私人に対して幸福追求権を保障するものであり、私人が私人の権利侵害をした場合には直ちに適用されるものではないが、私人間においても「一般人であれば、自己がかかる写真を撮影されることを知れば心理的な負担を覚え、このような写真を撮影されることを望まない」と解される。(東京地裁平成17年9月27日判決)
    写真の撮影が公共の利害に関する事項と密接な関係があり、専ら公益を図る目的で行われ、方法がその目的に照らし相当なものであれば、肖像権の侵害は阻却されるが(上記東京地裁判決)、本件においては撮影者の個人的趣味によるものであり公共性・公益性・相当性も見いだせないので肖像権の侵害が認められる。
    以上により、許可なく他人を撮影した場合は肖像権の侵害に当たる。
    尚、ほかに「他人の肖像はその他人の承諾を得ていない限り、商標登録を受けることができない。」とされていることから(商標法4条1項8号)、著名人がその肖像その他の顧客吸引力のある個人識別情報の有する経済的利益ないし価値を排他的に支配する権利(パブリシティ権)を有するともいえるが(東京高判平成11年2月24日・キング・クリムゾン事件)、一介の高校生であればこの利益は当然認められないので割愛する。

  3. 前回の訂正をします。
    (1行目)
    ×著作権
    〇肖像権
    問2.の答え
    最近は、企業のコンプライアンス(法令遵守)が強く要請されている。
    通常は企業を経営する上で法令を遵守する姿勢を表すことにより企業の社会的なイメージが高まり、ひいては株主・顧客・従業員の利益保護につながることを指すが、一方で企業活動をする上で違法ではないものの違法行為を助長する「脱法行為」を指南するがごとき事をしない事も求められているといえよう。
    以上から、アドバタイジングの表現方法に「脱法行為」があるものの、表現上どうしても排除することが出来ない場合に「演出」であることを強調することにより、企業の社会的イメージを低下させないように事前的予防を講じているものと考えられる。

  4. 「撮影に関わる法的問題について(リプトンCM)」に関するお詫び

    その「リプトンCM」の記事は、法律の試験問題のパロディーの形を取ることで、CMの初々しさや、そのどこに企業法務上の問題があるか、CMのウラをいろいろ…