河合楽器のデットエクイティスワップ

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小学校3年生の時にピアノを習いたいとダダをこねたことがありまして。
同じクラスにピアノをやってる女の子がいたので私からライバル宣言をしたものの、その子は父親が国内某有名オーケストラのコンサートマスター、母親もピアニストで、本人も3歳からピアノの練習をしているというツワモノでして、ピアノを習い始めるにはいささか遅すぎるスタートを切った身の程知らずの私は、勝負を挑むところまで到達することもなく、数年後みごとに挫折して、普通の男の子としてゴロベースやドッチボールに明け暮れる生活になるのでありますが。
始めてしばらくはどっからか持ってきたボロいオルガンで練習してたんですが、ある時、親が「ホンモノのピアノを買ってやる」というので「うちにそんな金があったのか」と大変びっくりした記憶があります。
で、家にやってきたのが「KAWAI」のアップライトピアノ。
毎年、河合楽器から調律に来るおにいさんが、調律が終わった最後に「ポロロロロロン」と難易度の高い曲をさらっと弾いて帰るのを「すげー」と思って見ていました。
私がやめた後しばらく続けていた妹もそのうち弾かなくなり、それでも嫁入りするときに「将来子供の情操教育に使う(かも)」と言って持って行ったはずですが、使ってるのか知らん?
・・・という話となんも関係ございませんが、本日の日経25面に株式会社河合楽器製作所の優先株式発行の公告が載っています。
総額20億円。割当先は全額、三菱信託銀行です。東京の新聞には載っていなかったようですが、6月30日の静岡の地方面に、DESであると書かれています。
(注:DES=デット・エクイティ・スワップ。債務の株式化。この場合、銀行からの貸付金[負債]を、株式[資本]に振りかえること。)
条件
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買受(会社側および株主が合意して会社が買い取り)を行うことは当初からできるようですが、優先株主から償還を請求することは、平成26年(10年後)以降(しかも毎年7月中だけ)しかできません。会社側が強制的に償還を行うのも10年後以降です。
また、優先株主が普通株式への転換を請求できるのが平成21年4月(5年後)以降となります。
三菱自動車工業の優先株(特にB種優先株)に比べると、ずいぶんのんびりした条件ですね。連結有利子負債も約220億円あるようですが、DESの額が20億円というのも、ビミョーな金額ですね。
EDINETで有価証券報告書を見ると、筆頭株主は「合名会社河合社団」(6.63%)
・・・古風なお名前です。
次の株主が三菱信託で4.93%。
社長の河合氏は、26歳のときから2年ほど三菱信託銀行に勤めていたようですね。
他の株主も明治安田生命、東京海上などで、かなり三菱色の会社のようです。
昨年6月に新経営体制をスタートさせたとのことですが、社長は平成元年10月から今の方のままのようです。
売り上げも下落の一途ですが、それでもまだ昨年で約700億円の連結売上があるので、ちょっとびっくりしました。
3月に新中期経営計画を発表したようですが、三菱自動車のようなノリにならずに無事浮上することをお祈り申し上げます。
(ではまた。)
参考:
新中期経営計画の策定について
http://www.kawai.co.jp/ir/pdf/disclo_20040330_01.pdf
資本準備金および利益準備金の取り崩しに関するお知らせ
http://www.kawai.co.jp/ir/pdf/disclo_20040521_02.pdf
第三者割当増資(優先株発行)に関するお知らせ(36KB)
http://www.kawai.co.jp/ir/pdf/disclo_20040629_01.pdf

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