週刊isologue(第500号)Dropboxの種類株(その2:シード投資時のスキーム)

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今週も3月にIPOした米Dropbox社の種類株について見てみます。

Y combinatorがconvertible noteを推奨した頃から、レイターステージのファイナンスの巨額化も進み、ユニコーンがなかなか上場しなくなったので、実は、明確にconvertible note等を利用した企業が上場した例というのは、今までなかったんじゃないかという気がします。Dropboxはその最初の例に該当するのかどうか?そのシードの投資(2007年当時)のスキームは、どうだったのか?ということを推測するのが本日のテーマです。

シリコンバレーのシード投資の歴史を見ると、2008年頃に「Series AA」といった簡易版の優先株(つまり、convertible noteよりは複雑だが一般的な優先株よりはシンプルな優先株)が提案されています。

2010年にY Combinator創業者Paul Graham氏が「High Resolution Fundraising」というブログの記事を書いた時には、Y Combinatorのバッチ(半年ごとに行う投資先のグループ)全社がconvertible noteを採用した(Twitter投稿)とのことで、convertible noteは、その頃からさらに盛り上がっていったし、逆に言えばそれ以前から存在したということになります。

しかしながら、Dropboxが最初のシード投資をY Combinatorから受けたのは間違いなさそうですが、実際にDropboxが2007年に(株式なのかnoteなのか)何を使ってシード投資を受けたのか、上場時のS-1はもちろん、ざっとネットを検索した結果では、よくわかりません。
(「ここに載ってるよ」といったことをご存知の方がいらっしゃいましたら、ご教示いただければ幸いです。)

ということで今回は、S-1の添付資料(EX-3.1)の上場直前の定款等から、その辺の痕跡を読み解いていきたいと思います。


目次とキーワード:

  • 併合前、併合後、上場後の授権株式数
  • 各ラウンドのOriginal Issue Price(当初発行価格)
  • 「Series A」と「Series A-1」の違いは何か?
  • 定款からのファイナンス金額の推定
  • 2段階(Yコンとセコイア)のシード投資
  • Series A-1への転換
  • 転換でもらえたのは優先株だけか?
  • まとめ(アクセラレーターは「おいしい」商売か?)

 

ご興味がありましたら、下記のリンクからご覧いただければ幸いです。

 

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