休み

(本日分は、お盆休みとさせていただきます。<(_ _)>)
———————————————————–
(以下、オフのお話。)
今週月曜日は、関東ゴルフ連盟主催の「親子ゴルフ教室」で、栃木の方のゴルフ場に行ってました。
私も数年前までなら、「子供にゴルフとは何と贅沢な!」と思っておりましたが、最近はジュニア育成のために子供は非常に優遇されてまして、普通の18ホールのゴルフ場を1ラウンドして、昼食(カレー)がついて、プロのレッスンがついて、子供はなんと2000円!
昨年4月から、18歳未満はゴルフ場利用税もかからなくなってます。
golf20040809.jpg
宮里藍は、小学校3年のコースデビューがいきなり90台だったそうですが、うちの息子は同じ学年で今回118。
ま、デビューとしては悪くはないかも知れませんが、子供をプロにして悠々自適の生活ができるかどうかはまだよくわかりまへんな。:-)
(では。)

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SKYPEとフリーダイヤル

磯崎@お盆モードです。
ここ数日話題にさせていただいてきたように、SKYPEはSKYPE利用者どうしなら世界中無料で通話でき、通常の電話にも「SKYPE OUT」というサービスで、市内通話並みの料金で電話できるということで、ふと思ったのですが、
通常、例えばアメリカのフリーダイヤル(1-800-XXX…)にはアメリカ国外からはかけられないですが、SKYPEはアメリカ国内まではインターネットで行って、アメリカのローカルな電話局から電話網に出て市内通話するしくみだと思うので、アメリカ国内のフリーダイヤルにもかけられるんじゃないでしょうか?(全く未確認。
もしそうだとすると、例えばアメリカのメーカーのお客様相談窓口のようなところに電話をして、いろいろ製品情報を聞き出したり、業界調査をしたり、というようなことが、国外からも「タダで」できるかも知れません。
または、コールセンターのお姉さんを相手に、英会話のレッスンを「タダで」させていただくとか。
(ジャスト・アイデアですが。)
ではまた。

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SKYPEでカンファレンス・コール

先週、SKYPEでアメリカと日本を結んでカンファレンス・コールをやってみたのですが、気づいたことをいくつか。
ヘッドセットの威力
ほとんど全員、ヘッドセット
LogitecHeadset.jpg

でしゃべったんですが、受話器のように手がふさがることもないし、通常のカンファレンス・コール用の電話機
img_ss.jpg

などよりもはるかに音がよくて、そういう意味ではストレスがないです。
「鼻息」
途中で「グオー」というイビキのような音が響き渡ったので、誰か寝てるのかと思ったら、ヘッドセットのマイクの位置が鼻のあたりに来ていて鼻息の音を拾ってしまうことが判明。(苦笑)
実際の会議と違って、誰が音を発してるのかわからないところが難点。
よく切れる
音質についてはストレスがないと申し上げましたが、5人で会議をすると2人だけでしゃべっているときよりは、よく途中で切れるので、そういう意味では非常にストレスがあります。
原因はよくわかりませんが、(SKYPEのバージョンが「0.9」台の人が数人まじっていたせいか?)とにかく、10分に1回くらい切れてそのたびに繋ぎ直さないといけないので、(技術に強くてお金の無いベンチャー企業などはともかく)、まだちょっと普通の企業さんの国際カンファレンス・コールなどにはお勧めしにくいかと。
(激安の国際電話などだと、1時間くらいしゃべっても、今や数百円程度だったりしますしね。)
特に、一人の回線が切れると、全員通話不能になるところが改善の余地あり。切れた人だけが再度加われるようなしくみがあるといいのですが。
(アナログモデムで接続している人、オフィスのブロードバンドから接続している人、PHSなどから接続している人など、回線の品質もバラバラなはずなので。)
接続可能人数
接続の上限が5人というのもビミョーなところですね。
効率的な会議という意味では5人くらいが適切とは言えますが、5人以上参加したいときもあるかと思います。
また、アナリストのブリーフィングなど、ブロードキャスト的に何百人かが一人の話を聞けるような仕様(質問などの発言も許可できる)にしてもらえると、普通の電話では(相当お金をかけないと)対応できなかったニーズが掘り起こせたり、まったく新しいオンラインの業態が生まれたりしておもしろいんではないかと思います。
(たとえば、「オンラインセミナー業」とか、「オンライン投資顧問業」みたいな業態に応用すると、おもしろいかと。)
(ではまた。)

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SKYPEと「シンプルなプロトコル」

磯崎@休暇モード、です。
昨日のSKYPEに関するエントリーに対して、またまた中妻穣太さんMostlyVowelsさんからSIPのプロトコルについての解説いただきました。ありがとうございます。
一連のSKYPE関連のやりとりで学ばせていただいたことを私なりにまとめさせていただきますと;

一般のVoIP(Voice over IP、インターネット上での「電話」)サービスは、プロトコルにSIPを採用。SIPはVoIPの主役といわれていたが、「重い」プロトコルだった。
ファイヤーウォールは通常、(ホームページなどを見るプロトコルの)HTTPなどは通すように設定されているが、SIPを通すようにはなってないことが多い。
SKYPEは(恐らくHTTPなどの最もメジャーなプロトコルだけを使って)、ファイヤーウォールやNATの内側からでも「簡単に」電話サービスが使えるようにしたところが、ミソ。
SIPでも「出会い」まではSIPが関わるが、セッションが確立した後は「P2P」になるので、音声まで全部VoIPサーバを通るシステムというわけではない。

・・・という感じでしょうか。
とにかく、電話のような、経済学的に考えて「ネットワーク外部性」が強力に働くサービスの場合、「みんなが使ってる」ことが「みんなが使う」ための最大の要件のはずだが、SIPという「ファイヤーウォールなどにめんどくさい設定が必要な」プロトコルを採用してしまうのは大失敗じゃないでしょうか。
ちょっとまわりを見回してみると、「プロトコルは、(常に)シンプルなものが勝つ」という法則があるような気がしますが。
そもそもインターネットが普及したのも、IPというシンプルなプロトコルによるところが大きいでしょうし、携帯のwebサービスのi-modeとWAPとか。英語が国際言語になったのも「シンプル」なところが大きいかと思います。
VoIPの開発の歴史はよく存じませんが、イケてない技術者の人などがプロトコルにゴテゴテと機能を盛り込みすぎて失敗するのかも知れません。
(ではまた。)

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SKYPEと携帯電話(その2)

SKYPEのコール受け付けのしくみは?
私の、
「Windowsの「接続の状態」でパケットの送信/受信のバイト数を見ていたのですが、不思議なことに、「ひっきりなしに」送受信のやりとりが発生するということがないんです。というか、数分間、まったく1バイトも送受信がなかったりします。」
という疑問に対し、中妻穣太さんとMostlyVowelsさんから返信いただきました。ありがとうございます。
中妻穣太さんの日記曰く;

“ひっきりなし”ではなく、HTTPのRequestをまず打って、それがタイムアウトするまではセッションを保っているのかもしれません。
パケットを監視すればタイムアウト時間が何分に設定されているかがわかるかも。

MostlyVowelsさんのコメント曰く;

クライエントがスーパーノードへTCPベースのセッションを一旦張ったら、そのセッションはタイムアウトさえしなければ、常時スーパーノードからのinboundパケットを受け付け可能です。
つまり、クライエント側からのpolling無しでも、着信時にはスーパーノードから瞬時にクライエントの方へパケットが送れる紐付けはされていると思います。一時間に一パケットの細々とした”keep-alive”トラヒックでも、ファイヤーウォールに因るセッションの自動タイムアウトを回避するには十分な筈です。 (^^)

とのこと。
なるほどー。要するに、「ひっきりなしに」問い合わせていなくてもいいので、FOMAやCDMA1X WINなど従量制の携帯カードでノートパソコンからSKYPEを使う人でも、電話を待ち受けてるだけなら、請求書を見てビックリということはなさそうですね。
P2P方式と設備投資
中妻穣太さんの日記曰く;

MSN MessengerはかなりよくできたSIPクライアントですが、この「SIP」というプロトコルを選択したことにより、必然的にサーバを持たなければならなくなり、(サーバがまったく不要であるという意味での)純粋なP2Pにはなれなくなってしまいました。

MostlyVowelsさんのコメントによると、

ここは、やはりスケーラビリティの問題じゃないでしょうか。Vonage等の通常のVoIPシステムでは、加入者同士の呼び出し時に必要な動的な紐付け情報(IPアドレス等)を集中形(centralized)なシステムで管理しています。Skypeでは、IP mappingディレクトリ、リレー&ルーティング情報等は全てスーパノード(SN)に分散されています。
ファイヤーウォール、又はNATゲートウェイの後ろにあり、任意のinboundの接続を受けられないクライエントは、複数のSNに対してTCPセッションを張り、余剰のネット帯域を持つSNにトラヒックをルーティング&リレーしてもらいます。Inbound+outboundのSSL、またはHTTPソケットへの接続を受けいられるクライエントは、自動的にRelaying SNに「昇格」しうるので、Skypeアーキテクチャにはスケーラビリティのボトルネックは基本的にはありません。

なるほど、SIPというプロトコルはサーバーを持たざるを得ないんですか。(通話者同士がつながった後も、音声のパケットは集中型のサーバーを通るということ?そこは分散?)
いずれにせよ、(もし仮に)パソコンで電話するということがメジャーになったとしても、利用者の増加に従ってのサーバーの設備投資負担がキツくて、参入できるプレーヤー(事業者)はかなり限られてきてしまう気がします。
「規制」の影響

(続き)
また、Skypeは、暗号化、ノード同士のトラヒックリレー等、P2Pファイル交換ソフトのWinnyと同様、「抵抗勢力」または「当局」に因る把握と規制を非常に困難にする特徴をもっています。特に、オンライン・バンキング等でも使われているSSL暗号化トラヒックをやり取りしているユーザーの規制は、殆ど不可能ではないでしょうか。Skypeネットワークの唯一の当局に押さえられる弱点は、集中型でしか実現できないSkype VoIPと通常の電話網との接続ゲートウェイでしょうか。
PDA型の小型端末へのSkypeの実装に関しては、VonageコンパチのVoIPソフトのX-proのPocket PC版も発表されている程ですので、処理能力の問題はないみたいですね。GSM/GPRS機能内蔵のPocket PC PDAも既に市場に出回っている所ですし。
http://www.pocketpccentral.net/!pocket_pcs.htm#phone

わたしも、「規制」によってP2P型の電話サービスの発展が阻害される可能性は(特に先進国の場合)あまり意識しなくていいと思うんですよね。規制のしようもないし。
電話網への「出口」のところは(発展途上国の場合など)規制をかけられる可能性はありますが、私、別にパナマに市内通話料金で電話できなくっても、一生困ることは無い気がします・・・。
SKYPEは儲かるのか?

(続き)
しかし、そのユニークな分散アーキテクチャー等の技術的な面よりは、Skypeで興味深いのは彼等のビジネス・モデルではないでしょうか。
フリーソフトを幾ら開発し、配付しても直接収入には結びつきませんね。やはり、Skypeは自前の電話網ゲートウェイを経由する発信と着信通話への課金で稼ぐつもりかもしれません。ちょっと検索してみましたら、こんな新聞記事がありました。
With only software and business strategy to develop, a modicum of purchases of premium services will provide plenty of revenue, according to the Skype plan. Premium services like voice mail and conference calling might be introduced by March, Zennstrom said. Another possible premium service – connecting Internet calls to plain old telephone networks – is also on Skype’s 2004 agenda.
“If you look at the amount of voice communications spent globally – it’s like a trillion dollars a year,” Hartenbaum said. “So for him to be successful, he only has to have a little bit of that.”

http://www.iht.com/articles/126530.htm

「道に落ちてる直径30cmのケーキに出くわしたアリさんモデル」ですね。
「100% 広告無し」を宣言してしまってるので、おっしゃるように既存電話への出口で、市内料金程度のわずかなお金をいただく、というところで稼ぐしかないわけですが、とにかく現状の電話マーケットがでかい(記事には100兆円とありますが…)ので、その通話の1万分の1を獲得するだけでも十分食ってけそうです。
ソフトバンク(さん)の資金調達可能性?
中妻穣太さんの日記曰く;

ところで、もしよろしければ磯崎さんにお伺いしたいのですが、ソフトバンクの現在の財務状況をどう見ますか? 携帯電話事業を成立させるのに十分な資金調達ができるとお考えになりますか?

うーん。難しいご質問ですが、、、
Yahoo!Financeによると、

前期
決算年月日 2004年3月期
売上高 517,393百万円
営業利益 -54,893百万円
経常利益 -71,901百万円
当期利益 -107,094百万円
総資産 1,421,206百万円
株主資本 238,080百万円
資本金 162,303百万円
有利子負債 575,539百万円
株主資本比率 16.80%
ROA -9.05%
ROE -43.23%
総資産経常利益率 -6.07%
以上、http://profile.yahoo.co.jp/biz/consolidate/9984.html
時価総額 1,353,032百万円(8/6終値ベース)

と、強烈な赤字。
格付情報の通り、普通社債での調達ができるかどうかというと、ちょっと厳しいのかも知れません。
ただし、資金というのは「返ってくる」と信じる出し手がいる限り、赤字だろうがなんだろうが調達できる可能性はあるわけです。1千億円以上の赤字にもかかわらず1.3兆円の時価総額がついているということは、合理的に考えれば、株式市場の投資家は今後(通信事業で)ザクザクキャッシュフローが生み出されることを信じてるはずですし、孫さんが携帯電話事業もやりたい旨は報道もされているので、その事業計画を織り込んだ上での企業価値がマーケットでつけられてるのだ、とも考えられます。(・・・前向きな考え方をすれば・・・。)
また、(仮に)ソフトバンク自体の財務状態は資金調達のネックになるが、買収する携帯電話会社の財務状況には期待できるとする投資家がいるのであれば、ソフトバンク・グループ本体のリスクと切り離した形で資金を集めるようなスキームも、いくらでも組めるかと思います。
「手頃な携帯電話会社さん」が、おいくらで買えるのかにもよりますが、「調達」の可能性は十分あるんじゃないでしょうか。
(ではまた。)
参考URL:
ソフトバンク財務情報
http://www.softbank.co.jp/finance/results/finance_results.html

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「監督機能」は独立してるほどうまくいくか?

SKYPEでカンファレンス・コールをやってみました。いろんなことがわかりました。また、中妻穣太さんにもトラックバックいただきましてありがとうございます。
本件についてはまた明日にでもコメントさせていただくとして、本日は、コーポレートガバナンスの話についての続きをば。
Law Maniac「商法上の機関と職位」でminori_takahashiさんが、日本の商法や英米法上のboardシステムをまとめておられます。
この記事、(特にアメリカの条文など)非常に参考になりました。ありがとうございます。
一点、

しかしながら、Board of Directorsの重要な使命が、officers の選任と監督であることを考えると、Chairmanはいうまでもなく、DirectorがCEOを兼務するのは、自己矛盾だと思います。

とおっしゃられてる点ですが、これは非常に本質的かつ重要な問題だと思います。
もちろん、法律上は執行と監督の両方を兼務しないのは全くOKではあるのですが、実際に「会社をうまくいかせる」ために、取締役会が「ツッコミ」に徹するのか、「ノリツッコミ」をも許すのか、は非常に重要なところです。
「相互監視」もアリでは?
監査を行う組織というのが、監査対象となる事象から独立性を保っていなければならないのは監査論の基本中の基本なわけですが、組織として完全に独立してるほうがいいのかどうかというのは議論のあるところかと思います。
例えば、英米のboardや日本の委員会等設置会社自体、監査委員会のメンバーは取締役を兼務しているため、監査委員は取締役として会社の重要事項の意志決定・決議に参加するとともに、その決議自体の適法性・妥当性等を監査するという「ノリツッコミ」をすることになります。(つまり、自分で意思決定に参加したことを監査しないといけない。)
また、例えばISOの内部監査などでも、自分がやっている業務自体を自分が監査することはもちろん禁じてますが、内部監査部門がISOの認証の対象部門から独立しているということまで定めているかというと、そうではなく、認証の対象部門どうしが他の部門の業務を相互に内部監査しあうことを許容しています。
「業務監査」を社外の人だけでできるのか?
取締役会は「監督」をしているわけですが、監督というのは「監査」というのよりは、より積極的に指針を示していく意味があります。法律や会計やシステムなどに関連する領域だけなら外部の専門家が監査する方がいい場合も多いと思うのですが、特に、その会社のディープな固有業務については、監査人の独立性が高ければ高いほど、社内の人に比べて「土地勘」が無くなるのが一般的だと思います。
会計基準や法律に違反するなど、「一般的ルールから見てあってはならないこと」を防止するためには、完全に独立した人が見張ったほうがいいわけですが、企業というのは大抵は「いつも悪いことばかり考えている存在」というよりは、「まあそこそこまじめにやってはいるけれど商売的にはちょっと下手だったりする存在」なので、そこを上手な方向に導くのが取締役会の最大の役目かと思います。
執行部門の意見は反映されるのか?
そういったときに、「土地勘のない人」ばっかりが取締役会にいるよりは、最も土地勘のあるCEOなり社長なりが取締役会メンバーとして議論や決議に参加するというのは、私はいいことではないかと思います。
ただし、会長とCEOを分けたりCEOを監査委員会等に入れないなどして、「相互監視」の実効性を高めるのは、(特に大企業においては)賛成。
社員からしてもしても、「自分たちの親分」が取締役会の重要な決議に全く参加できない、というのは、やる気をそぐ可能性があるんじゃないでしょうか。(ドイツの株式会社の監督機関「監査役会」には従業員の代表も入るようです。)
マックス松浦氏(専務だけど)は、エイベックスの取締役会に入るべきなんじゃないでしょうか。
ニイウス、委員会等設置会社から離脱
そんな中、システム開発会社のニイウスが委員会等設置会社をやめて、監査役設置会社に復帰するという記事が、本日の日経朝刊にのってました。
理由が明確でないので取り合えずコメントはいたしませんが・・・・委員会等設置会社の制度をうまく消化しきれなかったんでしょうか??
(ではまた。)

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SKYPEから空想する携帯電話市場の未来

中妻穣太さんの日記から、SKYPEについてのトラックバックをいただきました。ありがとうございます。いつも参考にさせていただいてます。
ということで、本日は、中妻さんの記事を参考に、「日本の通信産業の構造が、ここ数年でどうなっちゃうの?」という点について、技術と経営の両面から考えてみたいと思います。
どうやってファイヤーウォールをくぐり抜けてるか?

基本的な原理は、既にいくつかの、ファイアウォールを越えて内部情報を取得する類のアプリケーションで実装されているものと同じだと思います。
1.端末にエージェントプログラムが常駐。
2.エージェントは「今ボクにコール来てない?」とひっきりなしに外のスーパーノード*1に問い合わせる。
Outbound(内側から外側への通信)なので、普通ファイアウォールは通す設定になっている。
3.コールが来てたらセッションをつなぐ。
4.セッションがつながったらUDPで通話。
という仕組みじゃないかなー、と推測しています。

私も、(詳しいことはわかりませんが)、そんなしくみ(すなわち、内側から常時問い合わせてるの)かなーと思ってました。
が。
私は、外出してノートパソコンからブロードバンド携帯のカードでインターネット接続することが多いもんで、「Skypeを立ち上げてたらパケットがダラダラ垂れ流されて請求書を見て青ざめる」という事態を避けたかったので、Windowsの「接続の状態」でパケットの送信/受信のバイト数を見ていたのですが、不思議なことに、「ひっきりなしに」送受信のやりとりが発生するということがないんです。というか、数分間、まったく1バイトも送受信がなかったりします。(高めのパケットパックに入ってれば、1時間でせいぜい数円程度の通信量。)
もし、outboundで「数分間に一度郵便受けを見に行く」方式だとすると、電話をかけたほうは数分間待たされることもある、ということになるわけですが、そんなアホな「電話」ってのもないはずで。リアルタイムにinboundにパケットが入ってこれるカラクリが何かあるんじゃないでしょうか。

この仕組み自体は既にファイアウォール越えテクニックとして知られているものですが、たぶんファイアウォールを越えればできるってもんでもなくて、「常時接続」「P2P」「VoIP」「遅延を減らす」「音質の向上」などの条件がクリアされることが、Skypeの登場には必要だったのではないでしょうか。

そうなんでしょうね。
何か単純でない技術的な障壁がないのであれば、どう考えても、金の力にあかせて、とっくにMicrosoftがWindows(MSN) MessengerにSKYPEと同じ機能を実装しているはずです。
Skypeを携帯に移植できるか?
SKYPEのような機能を携帯に移植して「世界中どこへかけてもタダの携帯電話」ができるか、という点についての中妻穣太さんのコメントですが、

障壁となりうるものとしては、以下のようなものが考えられます。
・アプリケーションのサイズ。PC版Skypeは9MBもあります。こんなものを載せられる携帯端末は今のところ存在しません。もちろん携帯向けにはもっと小さいものが作れるでしょうが…。
「SDカードをHDD的に使って、メモリにロードして実行」って、今の端末でできるのかな…?

・携帯のスペックとアプリケーションの速度。携帯のCPU・メモリ性能はPCよりもはるかに限られたものしかありません。確実なところはなんとも言えませんが、音声CODECを遅延なく扱うのは厳しいかも…

あくまで「P2P」という形にこだわるなら別ですが、技術的にはサーバー側で重い処理は引き受ければ、似たようなサービスはできるような気もします。
「ドラクエ」ができるんならできるんじゃないの?というシロウト考え、ですが。(笑)

基地局の容量逼迫。パケット定額制は実は携帯電話会社にとってバクチでして、基地局は「常時接続なんぼでもこいや!」と胸をはれるほどには性能に余裕はありません。局所的に多数の人間が一斉に常時接続でリッチコンテンツを送受信し始めたら、基地局がパンクすることが予想されます。

これはおっしゃるとおりだと思います。が、携帯電話会社のビジネスモデルが破綻することと、技術的にできるかどうかはまた違う話で、携帯電話会社が好むと好まざるとに係わらず世の中が変わっていく可能性があるところが、SKYPEがインスパイアするおもしろいところかと思います。

…と、いろいろイチャモンをつけてはみたものの、「携帯でSkype」がとっても魅力的なのは事実。
まずは「携帯でP2P」というところにどこまで可能性があるか、ちょっと考えてみようかな…。

ちなみに、知り合いが携帯電話でMSN Messengerを使うのに成功したというウワサを聞きました。(技術的にどう実装したのかというような細かいところはまだ聞いてませんが・・・。)
アプリで音声を使わせない等の制約がないのであれば、できると思うんですけどねえ。(あくまで、シロウト考え、で。)
今後の「バトル」のシナリオ
さて、多分、携帯電話でSKYPE的なサービスをする場合、(技術でなく)ユーザビリティの観点から見た場合の最大の問題は、「相手の電話番号以外に、ユーザ名とかパスワードとかいろいろ入れなきゃいけなくて、めんどくさい」ということかと思います。
つまり、携帯電話キャリアさん自体がそういうサービスを実装して、ゲリラよりは若干高めだが「めんどくささを考えたら、ま、こっちでいいか」というくらいの料金体系まで下げたところで、このゲリラ戦は終了するはずです。
すなわち、今後の日本の携帯電話市場は、
1.まずは、SKYPEのようなゲリラ的なサービスが登場。(ただし、公式メニューになるはずもなく、ユーザーは結構めんどくさいユーザ名とかパスワードとかの入力を強いられるが、それでも、という人だけが使う。)
携帯のアプリに音声が通せる、など、技術的にこうしたゲリラ的サービスが使える「抜け道」が開いていれば、の話ですが・・・。
2.報道などで「タダで携帯で世界中の人と話せる方法があるらしい。」てなことが、だんだん知れ渡ってくる。
3.これと前後して(あるいは全く関係なく)、ユーザーの獲得などで伸び悩んでいる3番手以下の携帯電話キャリアの中から「当社利用者同士の会話は無料」「IP電話やパソコンなどのSKYPEユーザーとも通話無料」てな「禁断の一手」に手を出すところが現れる。
4.業界秩序を乱すそうした料金体系に眉をひそめていた1、2番手のノーブルなキャリアさんも、競争上しぶしぶ、料金体系を固定料金的なものに近づけてきて、市場が均衡状態となる。
というような、弁証法的?発展段階を経るのではないかと想像されます。
「誰が」やってくれるのか?
第3のステップですが、これをどういうところがやってくださるかというと、やはり「あの」会社さんあたりではないでしょうか。
NASDAQを日本に連れてきていただいたおかげで(NASDAQは結局撤退しちゃったけど)、「官僚より官僚的」とまで言われた東証さんが「マザース」市場を創設し、営業活動でベンチャー企業を回るようにまでなっちゃうというように、日本の資本市場を大きく変えた、とか、
ADSLモデムを駅前でばらまいて(ご本人のADSL事業は極めて収益性が悪いけれども)、おかげで、日本のブロードバンドが世界トップクラスの普及率と低料金になっちゃった、とか・・・・でおなじみの「あの」会社さん、です。
(当然、今注目度急上昇の「あちらの」会社さんあたりも激しく興味を示されるに違いありませんが、まだ、いくらなんでも数千億円の投資をしていくには、財務的な体力が厳しいのではないかと・・・。)
「あの」会社さんのほうは、実際、携帯電話会社の買収にも意欲を示されているようですので、当然、携帯電話会社をグループ化したあかつきには、IP電話などとの無料通話は打ち出してこられるのではないかと、想像いたします。
あの会社さんも、ADSLというような「物理層の上」のレイヤーを押さえているだけでは、競争ばっかり激しくて、いつまで経っても利益を安定的に出すのは厳しいわけで。固定・携帯を含めた「物理層」を全部押さえてはじめて、理論的に超過利潤が発生する可能性が出てきます。
当然、「業界の和を乱す」だけでなく、NASDAQのように結局「当て馬」に終わってしまう可能性も高い戦略なわけですが、一消費者としては、ぜひともやっていただけるとありがたいですね。
(ではまた。)

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SKYPE、発進!

今週後半に、SKYPE
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を使って国際会議(打ち合わせ)をすることになりまして、急遽、Amazonで、ヘッドセット
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を買ってみました。(2,725円。ヘッドセット無しでも今まで持ってたスピーカーやマイクでもいいんですが、なんとなくこういうので会話すると「未来っぽい」気がして。)
ご案内の通り、SKYPEはインターネット同士ならP2P(peer-to-peer)で通話が無料、通常の電話にも(海外でも)市内通話程度の料金で電話がかけられるという、今「キテる」ソフトです。
セッティングの手間はほぼ「ゼロ」
1年ちょっと前に、実家との会話をテレビ電話化しようと思って、マイクとカメラを2台ずつ買ったはいいのですが、結局、ルーターを通して会話しようとするとセッティングがうまくいかずに、ホコリをかぶるハメになってしまいました。
SKYPEはこうしたルーターやファイアーウォールがあっても、特別のセッティング無しに会話できるところがウリ。当たり前のことではありますが、こうしたコミュニケーション系のサービスは「ネットワーク外部性」が命、「みんなが使ってないと使う気にならない」わけで、みんなが使うには「アホでも使える」ことが何より重要です。
インストールも、ダウンロードして「SkypeSetup.exe」をクリックするだけ。
日本語版は、インストール中の表示がちょっと文字化け気味ですが、支障にはなりません。
SKYPEのダウンロードはこちら。
http://www.skype.com/download.ja.html
電話が「タダ」
今から8年前・・・まだ数えるほどの企業に128Kの専用線でインターネットが入っていた時代ですが、「CUseeMe」でアメリカの大学とつないで動画がガビガビしながらも音声が聞き取れて・・・・というのを見たときから、インターネットやってる人なら「この日」が来るのはわかっていたわけですが・・・いやあ、8年もかかったんですね。
「ファイアーウォール等がある場合にも特別なセッティングはいらない」というのは、前述の通り、こうした技術を普及させるための一番の鍵だということはシロウトでもわかるわけですが、なぜ他のソフトはそれをしてこなかったんでしょうか?(そんなに難しい技術なんスか?)
「携帯電話の無料通話」は実現するか?
ただし、「タダになったからといって、パソコンで電話するか?」という疑問はあります。もちろん、仕事で国際電話などをよく使う人など大きいかも知れませんが、私も自宅の加入電話から電話するのは、月に10分もないくらい。それくらいなら、わざわざパソコン立ち上げてということまでするかというと、しないと思います。
「電話」がボケっとしてる間に、声を出さずにコミュニケーションできる「チャット」や「メール」という媒体に代替されちゃった領域もかなりでかいですし。
今、フツーの人が一番通話料金を払ってるのは、なんといっても「携帯電話」。次の大きな転換点は「世界中どこにかけてもタダ(固定料金制)の携帯電話サービス」の登場でしょう。
携帯電話でもパケット定額制が登場しているわけですが、(よく存じませんが)、DoCoMoのiアプリとかauのBREWとかいうのは、音声を通すようなアプリケーションは組めないようになってるんでしょうか?どなたか、ご存じでしたら教えていただければ幸いです。
音声が通せるんだったら、理屈としてはSKYPEと同じことができるはず・・・。できないなら、しゃべった時間だけチャリンチャリンと携帯電話会社にお金が落ちるビジネスモデルは、当面、崩れないのかもしれません。
音質はサイコー!
SKYPEですが、音がすごくよくてビックリです。本当に人間がそばでしゃべってるみたい。前評判で「いい」とは聞いてましたが、評判と実体験するのとは大違い。
どのくらいビックリかというと、かれこれ20年以上前に友達からはじめてウォークマンなるものを借りて聞いてみたとき、周囲の風景が違って見えるほど音がよくてビックリしたときくらいビックリ、です。
これなら、「カンファレンスコール」と聞いて気が滅入る人でも、かなり気分が違ってくるかも知れません。
よく考えると、今までこういう音のいい通話ができなかった、ということの方が不思議なくらいで。それも、「電話会社という競争が働かない構造」の歴史のタマモノでしょう。テレビですら、ハイビジョンやらデジタルやら、いろいろ工夫してきたというのに。(だんだん、ちょっと腹が立ってきました・・・。)
「CDの音はやはり音の深みでアナログレコードにはかなわないね」とかウンチクをたれてるオーディオマニアも、「電話の音は悪いね」と言ってるのは聞いたことがない。人間、あまりに悪すぎると、「あれは別物」と思っちゃうんでしょうね。同じ「音」なのにね。
若いカップルなどがSKYPEで愛をささやきあうようになると、愛の成就率も高まるんではないでしょうか。電話の音質だとマヌケに聞こえる歯の浮くようなセリフでも、耳元で高音質でささやかれたら、大脳旧皮質を「あは〜ん」と直撃するような気もします。
若者のみなさん、がんばって早めに結婚して子供をたくさん作って、おじさんの年金の原資を払ってやってください。よろしくお願いいたします。<(_ _)>
(ではまた。)

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「取締役」は「director」か?

「委員会等設置会社の株主総会運営」に対して、minori_takahashiさんからトラックバックいただきました。ありがとうございます。
takahashiさんは、あくまで、「シーズン通算の成績」について株主に直接、責任を負うのは執行役だ、というご理解で、「監督する取締役と監督される執行役が『並んで株主と対峙』するのは委員会等設置会社の理念とは、本質的に異なる」と考えてらっしゃるとのこと。

執行役が株主代表訴訟の対象であるというのは、こういうことだと思います。

執行役は、取締役会で選任されるので、株主総会が直接選ぶわけではないのですが、確かに、株主代表訴訟の対象になっており、執行役「も」株主に対して直接責任を負うのは間違いありませんね。
また、「取締役でない社長」ってアリ?の、

以前から、会長(つまり「取締役会」の長)職とCEO(つまり、Officer[執行役]の親玉)を分離する流れであることは何度か書かせていただきましたが、さすがにCEOをdirectorにしないという動きはないんじゃないの?と思っておりましたが・・・。

という記述に対して、
「ちょっと気になったんですけど、ここでDirectorというのはMember of the Boardの方が正確では?
英語では、Directorと取締役は必ずしも一緒じゃないので。」
というメールを、とある(英語のできる)方からいただきました。
そうかも知れません。
member of the board of directors
と言ったりもしますが、集合論的に考えると「member of the board of directors」=「director」なんじゃねーのか?と思ったりしますが、このへんのニュアンスってどうなんでしょうね?
確かに、directorっていうと「directionしちゃう人」という能動的な感じもします。
日本で言うと、特に、委員会等設置会社でない会社の(執行を兼務できる)取締役のイメージに向いているかも知れません。
「member of the board」というと、「取締役会という機関の一メンバー(に過ぎない)取締役(なので、一人でdirectionするわけではないですよ)」(だから業績についての文句があったら、直接、執行役に言ってね〜)というニュアンスが、そこはかとなく漂うような気もします。
GoogleのS-1では、社外取締役も「director」と呼んでいるようですね。(69ページ)
このへん、英米法などで決まった用語法があったりするのでしょうか?ご存じの方がいらっしゃいましたら、教えていただければ幸いです。
(ではまた。)

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「取締役でない社長」ってアリ?

昔からずっと、「”THUNDERBIRDS ARE GO !”というのは、なぜbe動詞の後に”GO”という動詞が来ちゃうのか」がわからずモヤモヤしていたのですが、先日検索したら謎が解けて気分がすっきりした、磯崎です。
「GO」=「”準備完了”という形容詞」のようですね。(学生の時に使ってた辞書には形容詞としては載ってなかったのですが、英辞郎などにも載ってます。)
本日の日経7面の記事
それはさておき。
昨日のエントリーにも関連しますが、本日の日経新聞7面に「米企業改革法成立から2年、取締役会監視機能増す」という記事がありました。
大変意外だったのは、

ヘッドハンティング会社コーン・フェリー・インターナショナルの二〇〇三年調査によると、CEO抜きで取締役会を開く企業が全体の八七%と前年の四一%から大きく上昇。CEOの影響を排除して経営全般を積極的に議論することで、取締役会の機能回復を目指す動きが広がっている。

という部分。(87%ですと?!)
以前から、会長(つまり「取締役会」の長)職とCEO(つまり、Officer[執行役]の親玉)を分離する流れであることは何度か書かせていただきましたが(「Googleのガバナンス構造の整理」等)、さすがにCEOをdirectorにしないという動きはないんじゃないの?と思っておりましたが・・・。
日本の商法下で運用可能か?
少なくとも日本では、(追記:公開会社では)「社長が執行役であるが取締役でない」ケースはまだゼロなんじゃないでしょうか。(日本でもアメリカでも、公開会社でCEOでdirectorでないケースがありましたら、どなたか教えて頂ければ幸いです。)
それとも、上記コーン・フェリーの調査結果というのは、「CEOはdirectorではあるが、CEOを呼ばない(社外取締役だけの)取締役会というのも開催している」という意味でしょうか。(その可能性も強いような気がしますが・・・。)
仮に、CEOが取締役も兼務している場合、日本の商法でCEOだけあえて呼ばない正式な取締役会をやっていいかというと、かなりまずい気がします。

第二百五十九条ノ二
 取締役会ヲ招集スルニハ会日ヨリ一週間前ニ各取締役及各監査役ニ対シテ其ノ通知ヲ発スルコトヲ要ス但シ其ノ期間ハ定款ヲ以テ之ヲ短縮スルコトヲ妨ゲズ

もちろん、執行役と取締役を完全に分離しちゃうとか、執行役を呼ばない取締役だけの会を開催するとか、CEOが自主的に取締役会に出席しないというのは、別に違法ではないと思いますが、CEOが取締役を兼務している場合に、商法上、取締役会に与えられた権限を行使するまたは義務を履行しようという場合には、取締役CEOも呼ばないと、取締役会決議が無効になる可能性もあるかと思います。
法律を離れた組織運営の観点から考えてみて
経営監督機能と執行機能を完全に分離するのは、ドイツ会社法のガバナンス構造のパターンです。(参考はこちらなど。)
これ、ちょっと「行き過ぎ」であって、ここまでやっちゃうと、監督部門と執行部門の意思疎通がうまくいかない気もします。
ちなみに、ドイツの経営監督部門の名前は「監査役会」であって「取締役会」ではありません。
アメリカという国も、ときどき極端に振れるところがあるので要注意かと思います。
株主にしても、一番期待をかけるのは「経営監督機能」というよりは「社長/CEO」でしょうから、株主が直接、社長/CEOを取締役として選任できないで、その社長を選任しそうな取締役を選任するというのも、ちょっと隔靴掻痒な感じがします。(大統領選の代議員選挙などで、そういう隔靴掻痒感には慣れている??)
元情報にはなんと書いてあるのか調べようと思って、コーン・フェリーのホームページで当該レポートを探してみましたが、2002年までのboard関係のレポートの案内はあるのですが、(今現在)、2003年の調査というのはまだあがってないようです。
http://www.kornferry.com/Library/Process.asp?P=Publications
(ご参考まで。)

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