週刊isologue(第255号)ついに「dual class」資本政策を採用したCYBERDYNE社が上場へ

今週は、先週19日に東証が上場承認した「CYBERDYNE株式会社」(サイバーダイン)が採用した「dual class」資本政策について見てみます。

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今回ネットを検索して、私の過去のブログ(isologue)の:
「公開前ベンチャーの種類株活用(議決権比率の調整)」
「ジェット・ストリーム・アタック(その2)」
などのコメント欄で、47thさん葉玉さんなどの濃ゆい方々と、この「日本版dual class」についてディスカッションさせていただいていたのを発見。これ、なんと9年も前のことなんですね。

サイバーダイン社の資本政策は、基本的には、この9年前のアイデアと同じことということになるかと思いますが、資本というのは、会社の根幹で非常に重要ですし、会社や経営者自身も証券会社や取引所も非常に慎重になる部分でしょうし、識者の意見も必要でしょうから、法律上は可能であっても、そのアイデアが実際に上場する企業の実例として登場するまでには9年の歳月を要したということかと思います。

目次とキーワード

  • 新EDINETでの有価証券届出書の見方
  • 定款の「企業理念」の記載は意味があるか?
  • 日本の会社法で「dual class」をどう実現したか
  • 単元株式数を変えるアイデア
  • 普通株式と「B種」の違い
  • 経済産業省の企業価値研究会の提言
  • 東京証券取引所の「IPOの活性化等に向けた」リリース
  • 「ブレークスルー条項」と「サンセット条項」
  • 実際の経済的持分や議決権はどうなっているか?
  • Googleなど米国のdual classとの違い
  • ド赤字なのに超多額の資金調達
  • 種類株式の命名慣習
  • 外部株主はなぜB種を手放したか?
  • 増資の推移
  • この資本政策は「米国風」か?
  • 「平和目的」はdual classの上場承認を容易にしたか?
  • dual classのベンチャーは今後も上場するか?
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(ではまた。)

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経済ニュースアプリ「NewsPicks」への投稿を始めました

経済ニュースが見られるiPhoneニュースアプリの「NewsPicks」を使い始めてみました。

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SmartNewsGunosyは、(一般の人向けで大量の購読者を獲得できるので、ビジネスモデルとしてはいいと思うのですが)、私は知り合いに最先端のネタを投げてくれる人が多いので、Facebookのタイムラインの方が私にはピッタリした濃い情報が得られるなあと思っておりました。
ただしFacebookやTwitterは、「仕事目的」という目線から見ると、雪が降れば雪の話、ソチ五輪がはじまるとソチの話で盛り上がって、「ノイズ」も多いです。

これに対して「NewsPicks」は、「経済紙」的な情報に特化していますので、「お仕事」として見るにはよりズバリな感じ。媒体に関わらず、感心のある分野のニュースを横断的に持って来てくれます。
加えて、この「NewsPicks」は、竹中平蔵氏やアナリストなどの専門家のコメントが見られるというところにvalueがあります。(最初は、「SmartNewsやGunosyがあるのに、今さらニュースアプリに活路はあるの?」と思いましたが、ありました。失礼いたしましたw。やはり、「ロボット」より「人間」が選んだニュースの方が(少なくとも私には)ピッタリ来ます。)

日経のアプリも(もちろん情報としては濃いのですが)、よく考えると、実は私に関係ないニュースがほとんどです。 
また、従来の媒体は、「1つのとしての意見」を読むしかなかったわけですが、そのニュースに多数の専門家等の多角的な視点が付加されることになります。ちょっと、経済ニュースが新たな時代を迎えた感じがします。 

最初見たときは、ニュースに対して一般の人が付けているコメントが、「ホントに実現するの?」といったskepticalなものが多く、「インテリのイヤな面」を見る気がして好きになれなかったのですが、FacebookやTwitterでもよく見かける方や、自分の欲しく無い情報を大量に投稿される方、いつも意見がワンパターンな人などのフォローをはずしたら、タイムラインが非常に濃い内容でいい感じにまとまってきました。

わたしも「おすすめユーザー」に選んでいただいてますので、NewsPicksをはじめて私をフォローしていただけると、経済ニュースに対する私のコメントも読んでいただけることになります。 

(ご参考まで。)

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週刊isologue(第254号)シード投資スキーム「日本版safe」作ってみました

今週は、先週考察した米国シリコンバレーのスタートアップ・アクセラレーター「Y Combinator」が採用した投資スキーム「safe」を日本の法令、税務、会計の表示にあてはめて、safeの「日本版」を考えてみました。

結果として「めっちゃシンプル!」なものができたと思っているのですが、もしかすると全くシンプルに見えないかも知れません。(笑)

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目次とキーワード

  • (旧)convertible equityを日本の実務に落とし込む際に考えたこと
  • 「日本版safe」の基本アイデア
    →「行使価格ゼロ」の「会社法の新株予約権でない」株式等交付請求権(コールオプション)=「株式をタダでもらえる権利(有償)」
  • オプションと呼ぶには性質が奇妙過ぎる?
  • A4用紙6枚程度の非常にシンプルな契約「だけ」で締結が可能!
  • 登記も不要!
  • DESできるか?DESは必要か?
  • (フル)契約書案
  • 「high resolution fundraising」対応(全株主の押印は不要)
  • 次回増資と違う株価での発行(cap、discount)の問題、株式の種類
  • 課題:こんな簡単でいいのか?そもそも使われるのか? 
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週刊isologue(第253号)Y Combinatorの新投資スキーム「safe」

今週は、米国シリコンバレーのスタートアップ・アクセラレーター「Y Combinator」が採用した「safe」という新しい投資スキームについて考えてみます。

「safe」は「simple agreement for future equity(将来の株式のためのシンプルな契約)」の略で、米国のエンジェルなどの投資で幅広く使われているconvertible noteが「負債」なのに対して、safeは「負債」ではないので、ベンチャーにも投資家にも、いろいろいいことがあります。

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目次とキーワード

  • 「safe」導入の経緯
    • 「series AA」
    • convertible note
  • safeは負債ではなく、株式購入権(warrant)に似ている
  • capとdiscountの復習
  • safeの概要
    • 「high resolution fundraising」は本当に機能してる?
    • 投資家どうしの「deadlock」と国民性(?)
  • 「safe」のひな形(なんてシンプル!)
  • 次回増資時の転換条件
  • 「Standard Preferred Stock」と「SAFE Preferred Stock」の使い分け
  • 買収、IPO時の条件
  • 清算時等の条件(「負債でないもの」から「負債」へ)
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金融イノベーションビジネスカンファレンス(FIBC)2014、登壇者決まりました

3月3日に開催される電通国際情報サービス(ISID)さん主催の「金融イノベーションビジネスカンファレンス FIBC 2014」の「FinPitch(デモンストレーション)」の登壇者が決まったようです。

http://www.isid.co.jp/event/2014/finance_03/

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「金融ベンチャー」って、専門性もあるので敷居が高そうだと思っている方もいらっしゃるかも知れませんが、過去にはZaimCoiney、昨年上場したホットリンクなども登壇されてます。

応援してます!

(ご参考まで。)

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アスキークラウドに原稿「日本のベンチャー投資文化は25年遅れている」掲載

アスキークラウドに、「日本のベンチャー投資文化は25年遅れている」という原稿が掲載されました。

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タイトルは後ろ向きな感じもしますが、中身は「だからすごいビジネスチャンスがある」という話になっております。:-)

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週刊isologue(第252号)起業の起爆剤になるか!? LLCの活用について考える(基礎編)

政府の成長戦略においても開業率を倍増させるといった目標を掲げていますが、起業の数を年間数万社(事業所)単位で引き上げるというのは、並大抵のことではないと想像されます。
そこで日本でも米国等にならって、合同会社(LLC)を税務上パススルーにすると、この開業率倍増目標の大きな助けになるんじゃないかという可能性について考えてみました。

目次とキーワード

  • 合同会社(LLC)とは?
  • パススルーとは?
  • LLPじゃダメなの?
  • パススルー課税の計算例
  • 「組合」とみなせば、最小限の改正で済むはず
  • 組合の税務の位置付けの転換
  • パススルー課税選択の届出イメージ
  • 期末後の計算書提出イメージ
  • 給与所得控除は、優遇し過ぎか?
  • 税理士会は納得するか?
  • 法改正に向けた準備
  • 実際の申告イメージ
  • 株式会社など他の法人にもパススルーを認める?
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