Googleさんが、なんかおかしいですよね?

検索結果に全部、「このサイトはコンピュータに損害を与える可能性があります。」が付いちゃう・・・。
(取り急ぎ。)
【追記】
ヒューマンエラーだったようですね。
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/02/01/22283.html
http://googleblog.blogspot.com/2009/01/this-site-may-harm-your-computer-on.html
「40分で回復」とのことですが、Googleほどの会社(時価総額比、社会的なインパクト比で)と考えると、長過ぎ(態勢不備)な気がします。
(ではまた。)

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「朝鮮王朝の霊廟、宗廟(チョンミョ)」とガバナンス

前のエントリ「もし、アメリカ大陸が日本の近くにあったら」のコメント欄で、「日本を含む世界のガバナンスのしくみの歴史について別途まとめたい」、ということを述べさせてもらってますが、その前フリのメモとして。
最近、放送大学以外にハマっているものの一つがNHKの「シリーズ世界遺産100」なんですが、28日に放送された「朝鮮王朝の霊廟、宗廟(チョンミョ)」が、ガバナンス的観点から見てちょっと興味深かったです。
宗廟(チョンミョ)は、ソウル市内にある、朝鮮王朝(李氏朝鮮)歴代の王の位牌を安置した場所で、14世紀の末、朝鮮王朝初代の王、李成桂(イソンゲ)が、儒教を国教とし祖先を祭る霊廟として建設したものとのこと。
建物が、正殿(チョンジョン)と永寧殿(ヨンニョンジョン)の2つあるのですが、

(鹿賀丈史氏の声でお読みください。)
二つある霊廟のどちらに奉られるかは、王の死後の評価で決まりました。
評価の参考にされた朝鮮王朝実録(注:表紙には「正宗大王實録」とある)。ここには、一人一人の王の行動や業績が克明に書かれています。
王ですら介入できない特別な役人による記録です。
これらの記録で評価された王は「正殿」に、功績の無い王は「永寧殿」に奉られるのです。

とのこと。
「死後にどちらに奉られるかが『インセンティブ』になっていた」という見方は、西洋的・現代的に過ぎるかも知れませんが、儒教的な世界においても、最高権力者を律する他律的な要因が全くないではない、ということですね。
この「特別な役人」は、王からの独立性が保たれているとのことですが、「王よりエラい存在」というわけではないでしょうから、無理矢理 現代の企業のガバナンスにあてはめてみると、代表者と内部監査室といった関係に例えられるかも知れません。
ただ、「PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクル」的な視点から考えると、「死んだ後に評価」というのは、「『C』、遅すぎやろ!」という感じではあります。
また、この「特別な役人」の独立性を保つためにどのような工夫がなされていたのか、非常に興味あります。現代で独立性を保つための方法としては、給与や人事の決定権を被監査対象に持たせない、といったあたりが考えられますが、どうだったんでしょうか。朝鮮王朝にも宦官が存在したようなので、宦官しかなれない職種だったとか、まったくの「別ルート採用」だったりしたのか。(ネット上では、ちょっとこの役人に関する詳細は見つけられていませんが、前述の「実録」等を読むしか無いのか。)
また、東洋の社会や組織を論ずるのによく「儒教的」という言葉が用いられますが、「儒教があったから今のような社会になった」のではなく、「東洋の社会に適応しやすいから儒教が選択された」または「儒教でなくても、社会の性質から、『創発的に』同じような考えは採用されたのだ」という考え方もできる気がします。
このへんも、大変興味深いところであります。
(ではまた。)
 

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「もし、アメリカ大陸が日本の近くにあったら」

America.PNG
(出所:Google Map
このブログをお読みのみなさんの多くは、
「今あるような自由な市場経済(及びそれに付随する法化社会、委任=受任関係、監査、内部統制等)というのは、人類がどういう発展過程を経てもいつかは必ず到達する経済体制なのだ。」
とお考えかと思います。
私も今までずっとそう思ってましたが、最近、必ずしもそうなのかな、と。
先日、「もしアメリカ大陸がなかったら」というエントリで考えたことの要旨は、今の市場経済というモードは、ヨーロッパ人がアメリカ大陸を「発見」したことによって「たまたま(幸運にも)」世界にもたらされた考え方だったのではないか、ということであります。
例えていうなら、もし6500万年前に隕石が地球に衝突しなかったら、恐竜がそのまま絶滅せずに発展し続けて、ほ乳類も今の人類の発展もなく、知的生物が出現したとしても、それは恐竜が進化したものだったかも知れない、というのと同様、今ある「自由な市場」という考え方も、そうした非連続なイベントがなければ存在しなかったかも知れないな、と。

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「私の書斎」

昨日1月28日の日経新聞夕刊1面のコラム「あすへの話題」は、経済学者の佐和隆光氏が、ラップトップパソコンが4.5kgもある時代から新幹線に持ち込んで執筆をされてきた、という話。
 

間もなく、新幹線車中で無線LANが使えるようになるそうだ。これまで、新幹線書斎の唯一の欠点は、駅で停車中の二分間しか携帯データ通信が使えなかったためメールを読むのが精いっぱいだったことである。

 
誰か佐和先生に、今どきの携帯通信事情を教えて差し上げてー!!
(ではまた。)
 

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4700

放送大学「現代の国際政治(‘08)」第13回「エネルギー」の回で、高橋和夫教授が、「中国という国がどのくらいエネルギーを確保するために努力しているか」ということを示すものとして掲げられた数字。
何の数字かと言うと・・・

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携帯電話は麻薬じゃのう

おとといから放送大学で集中放送している「文化人類学(‘08)」の 内堀基光教授ご担当の第7回「文化相対主義と他者を見る目」で、弘前大学の羽渕一代 准教授がゲストとして登場し、ケニアの携帯電話について話をされていて、これが非常に面白かった。
(文化人類学というと、狩猟採集民族のところにでかけて昔ながらの風習を調査するというイメージが強いですが、さすが21世紀って感じです。)
1997年にもともとあった固定電話会社より分離してサファリコムという携帯電話会社が初めて設立され、この約10年間で、ケニアでもっとも有力な企業の一つに成長。
番組では、サファリコムの2005年の税引前利益は204億円とおっしゃってましたが、同社ホームページ
 
pic2.png
http://www.safaricom.co.ke/index.php?id=31
(ケニアなので、2MBほどのファイルを落とすのに数分かかりますから、ダウンロードするのはやめといたほうがいいかも知れません。)
 
から財務諸表を確認すると、2008年3月期のProfit Before Income Taxは19,945百万ケニアシリングとなってます。
1ケニアシリングは現在1円弱のようですので、今もだいたい200億円弱でしょうか。
(当時のレートがよくわかりませんが、利益は毎年2割から4割程度増大しているようなので、急激に進んだ円高のせいということでしょうね。)
ケニアの大卒の教員の初任給でも3万円程度とのこと。取材されていた街は、道路も舗装されておらず電気が無いことはもちろん、家はそのへんの雑木を組んだだけで屋根も無かったりするのですが、その人たちが、携帯電話に金を払うわけです。1分あたりの料金は、日本と変わらないそうだのに。
(携帯の充電は、一回、数十円程度払って充電屋さんで行う、とのこと。)
番組では、プリペイド中心のようなことをおっしゃってましたが、開示資料を見るとポストペイドもあり、加重平均のARPUが616ケニアシリング(約600円)くらいあるようです。
映っていたのが、出稼ぎに行ってる夫に妻が携帯電話で「子供が飢えてるから、早く金を送金しろ」という、すごい会話です。
この会社が儲かってるのは、ギョーカイでは周知の事実だったようですが、不勉強で存じませんでした。
ご参考:アフリカの新星、サファリコム:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20070910/134378/
日本でベンチャーなんかやるよりもすごいビジネスチャンスが、世界にはまだまだありそうですね。
(ではまた。)

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デロンギ(DeLonghi)のオーブンが来た

今の自宅は7年ちょっと前に20年以上経った共同住宅を中古で買ったもの。
中古だと、新築で買うのと違って自分のペースと予算で好きなようにリフォームしていけるところが楽しいわけですが、今年はキッチンのリフォームを計画中。
うちの奥さんが超料理好きというほどでもなく、今のガスオーブンも月に1〜2回程度しか使わないので、キッチン下に大きなスペースを食うオーブンはちょっともったいない。
近所の料理大好き奥さん(常にオーブンが3台以上ある)に聞くと、
「私はガスのオーブンをメインで使ってるけど、カジュアルに使うなら、デロンギのコンベクションオーブンがコンパクトなのに本格的でいいわよ。」
とのこと。
熱風を対流させるファンが付いているので(コンベクション機能)、パンやラザニアなどの焼き物料理全般の表面がパリッと仕上がる他、「ピザストーン」なる素焼きの板がついていて、ピザもプロっぽくパリっと焼けるようです。(イタリア人が作ったものだから、ピザは間違いなさそう。)
今まで使ってたトースターもこれで兼用しようということになりました。
デロンギというと、子供が赤ちゃんのころオイルヒーターでお世話になりましたし、エスプレッソマシーンというイメージが強いですが、オーブンも評判がいいんですね。
昨日、大きな家電量販店をいろいろ探したんですが、いちばん機能がよさげなEO1900Jというのが置いてない。
 

DeLonghi コンベクションオーブン EO1900J
DeLonghi (デロンギ)
売り上げランキング: 1265

  
デロンギのショールームに電話していろいろ機種間の機能の違いをヒアリング。
値引率もいいので、昨晩夜中にAmazonで注文したら、もう届いちゃった!
もっとデカいかと思ってたが、トースターくらいの大きさで、これならカウンターの上とかに置いておける。
かがまないといけないガスオーブンと違って、気軽に料理できそうです。
システムキッチンに組み込み型のオーブンだと20万円前後するので、19,953円というのは大変リーズナブルですね。
下は、空焼き中の図。
 
R1379.jpg
説明書を読むと、以下のように「オーブンのくせを把握」てなことが書いてある。
 
R1376.jpg
 
日本の家電メーカーなら、「製品の個体差」なんて許さない気がします。
さすがイタリア人が作ったモノであります!
うちの奥さんも、「デザインもかわいいし、これなら愛せそう!」とのこと。
・・・うまい料理を期待しております。
【追記】
まさか今日オーブンが届くと思ってなかったので、食材もまともなものが何もなかったですが、とりあえず私めが露払いにちょこっとしたもんを作ってみました。
ジャガイモ2個を切って、岩塩、こしょう+パルメザンチーズで、ローズマリーをちょっとのっけまして。
R1380.jpg
(結果)
うんまい!
今まで食ったベイクドポテトの中で、一番うまいかも。
電子レンジと違って中がすごく良く見えるし、ガスオーブンと違って目の高さに近いので、焼き加減などを確認しながら料理しやすいですね。
(ではまた。)

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「テレビ」への「宣戦布告」

放送大学ジャンキー気味の磯崎です。
放送大学は、通常は、1回45分の各講義を15週にわたって放送してますが、後期の授業も一通り終わって、今はオススメ講義を集中的に連日放送するモードに突入中。
昨日からはじまった講義の一つに、一般のテレビへも中東専門家としてよく出演してらっしゃる高橋和夫教授による「現代の国際政治(’08)−9月11日後の世界−」がありますが、これが現代社会をじっくり考え直すのに大変タメになります。
放送大学の授業のほとんどは、殺風景なスタジオで画面にも変化が無いことが多く、先生方も、あらかじめ用意した原稿を棒読みするとか、あまり滑舌がよろしくない方も多いんですが、そこがまた放送大学のよさでして。
滑舌だけでいうとアナウンサーやタレントにかなうわけもないわけです。しかし、現在のテレビ番組のほとんどは、「滑舌はいいけど中身が無い」ものばかりなわけでして、「滑舌は悪くても中身がある」ものを求めている人は、結構多いと思うんですね。
ところが、高橋教授は、テレビに出慣れてらっしゃるからか、結構「テレビ的な演出」を加えたりするんですね。(スタジオでなく、ロケのシーンで歩きながら登場するとか、フリップやCGじゃなくなく、わざわざ黒板のある教室での授業風景にするとか。)
「そういうの、放送大学に求めてないですから。」とも思うわけですが、高橋教授は、そういうことを単にカッコツケでやってらっしゃるわけじゃなくて、今までの「テレビ」に対するアンチテーゼを強烈に意識してやってらっしゃるようです。
18日日曜日に放送された特別講義「激動するイラク情勢を読み解く」でも、冒頭でニュースキャスター風に登場し、

テレビを見ていてよく思うんですけれど、この人の話をもっと聞きたいな、この話題をもっと聞きたいな、という経験があります。しかし、普通には、他の話題もありますし、他のコメンテータもおられる、そしてコマーシャルもあって、なかなかそうしたことはかなわないわけです。
そこで私は、放送大学の特別講義の枠の中で、そうした専門家、酒井 啓子さん(東京外国語大学大学院教授、元アジ研)という専門家をお招きしてイラクについてだけ論じてみよう、と考えました。
二人でイラクについて語るVTRをこれからゆっくりと、じっくりとご覧いただければ、と存じます。

と、(他の)「テレビ」を非常に意識されてらっしゃいます。
私もまったく同感でして、通常の(特に民放の)番組では、ほとんど深い話は聞けない。
テレビというのは動画像データなので、地デジで録画すると1番組で5GB(ギガバイト)弱もの情報量にもなるわけですが、例えばアナウンサーのしゃべる速度は、1分間に300字から400字程度と言われてますから、400字×2バイト×8ビット÷60秒としても、「正味」では、約100bps程度の情報量しか送っていないわけです。
(この、100Mbpsが普通の時代に、その100万分の1のスピード。)
正味5分のコーナーで一人の人がフルにしゃべったとしても、4KB(キロバイト)程度の情報量にしかならないわけで。
すごいぜいたくな帯域の使い方であります。
ライブドアによるニッポン放送買収騒動の時に呼んでいただいた某テレビ局のディレクターの方も、

対象が3つになると、もうテレビでは伝えられないんです。
「ライブドア VS ニッポン放送」という2者の対決は伝えられても、そこに、ホワイトナイトで北尾さんが登場して3者になったら、もう複雑すぎて伝えられなくなっちゃうんです。

と、おっしゃってました。
もちろん、民放のディレクターさんがアホなので難しいことが理解できないとか、テレビ放送の技術仕様としてそういった情報を流すことが無理という意味ではなくて、広告型ビジネスモデルとして視聴率を気にし、視聴者にチャンネルを回されないような演出にしようとする前提では無理だ、ということかと思います。
そういう意味で、特別講義45分、通常の授業だと45分間×15回もの時間を、視聴率を気にせずに流せるという枠は、単なる雑学の小ネタではなく、一つの考え方のまとまり(マインドセット)を伝えるためには必要なものじゃないかと思います。
さて、「現代の国際政治(’08)」の第一回目のタイトルも、
「テレビと国際政治 / もうだまされないために」
と、大変刺激的。
為政者によってテレビがどのように使われて来たか、テレビが国際政治にいかに影響を与えてきたかというメカニズムの具体例が掲げられてます。
たとえば、

  • 2003年4月9日に、イラクでフセイン像が倒されるシーンが、「寄り」で撮っているのでイラク中の群衆が集まって見えたが、実は非常に少数のまばらな人だけしか集まっていなかった。

  • 2003年11月の感謝祭にブッシュ大統領がイラク米軍基地を電撃訪問したときに、ブッシュが自ら暖かい七面鳥を兵士に振る舞うシーンが放映されたが、その七面鳥は実は・・・
  • 2003年4月の特殊部隊による救出作戦では、イラク軍に虐待されていた女性兵士ジェシカ・リンチは、実は・・・。
  • 1960年のニクソンとケネディのテレビ討論
  • ニクソン大統領の中国訪問における飛行機からのタラップの降り方の演出。(1972年2月)
  • クリントン大統領の中国訪問(1998年6月)における訪問地の選択、タラップから降りるクリントン夫人の服の色の意味。
  • 安倍首相が韓国訪問をした際(2006年10月)にタラップを降りる時に、いかにそのへんを考えていないか。
  • フォード大統領がオーストリア訪問(1975年6月)にタラップでコケた影響。
  • ベトナム戦争で、はじめてテレビで戦争(仏僧焼身自殺[1963年5月]等。)が伝えられたことの影響。
  • 徴兵拒否をしたモハメド・アリが「ベトナムがどこにあるか知っているか?」と聞かれて答えたせりふ。
  • イラン国王アメリカ訪問の映像が、イラク国内や革命に与えた影響。

等々。
個々には聞いたことがある話もありますが、やはり全体を体系的に構成してあるので、非常にためになります。
おまけに、最後に、

言葉を変えますと、テレビというものはウソをつくんだ、というのが、今日の私が出しているメッセージであります。
しかしながら、テレビがウソをつくものだということが真実でありますと、私はテレビがウソをつくと今テレビで申し上げておりますから、テレビがウソをつくということがウソになります。
さて、テレビは本当にウソをつくんでしょうか、つかないんでしょうか、考えていただければと存じます。

と、クレタ人のパラドックス的なことを言って締めくくってらっしゃいます。
考えようによっては、「他のテレビはウソつくけど、放送大学はより真実に近い情報を流してまっせ」とケンカを売っているようにも取れます。

さて、「テレビは怖い」ということですが、そういう意味では、放送大学で一番「テレビの怖さ」を理解されてないのは、学長である 石 弘光 氏かも知れないですね。
放送大学の先生は、ほとんどの方が学問的好奇心に目をきらきらさせながらしゃべる方で、その純粋さが伝わって来ることも多いわけです。その中で、石学長が登場する、年末に放送していた特別番組「国の財政危機をどう克服するか」や、正月の「大学の窓 新春にあたって」を拝見すると、どうも、「ふんぞりかえって」「えらそうに」しゃべっているように見えちゃう。
特に、例えば、「近代ヨーロッパ史」を担当されている学習院大学学長福井憲彦教授の、いかにも品がある講義の後に拝見すると、ちょっと「れれっ?」という感じになっちゃうわけです。
ビデオを見直してみると、実際の社会で例えば応接室で石学長にお会いしたとしたとしたら、さほど「エバりやがって」と不快感を感じるほどではなさそうですし、むしろ気さくな方だなと感じるやも知れません。
しかし、他の講師陣もさることながら、「テレビ」には、タレントやら女子アナやら、日本で最も好感度の高い人たちが登場しており、その人たちと「同じ画面」を通しての比較になってしまうわけです。
1960年のニクソンVSケネディのテレビ討論で政治の世界に起こったことが、半世紀たって、学問の世界にも起こっている、ということかも知れません。
「テレビ」って怖いですね。
(ではまた。)

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「自然科学的な判断」と「経営判断」のあいだ

発売から4年遅れではありますが、福岡 伸一氏の「プリオン説はほんとうか?

プリオン説はほんとうか?—タンパク質病原体説をめぐるミステリー
福岡 伸一
講談社
売り上げランキング: 5001

 
を読みました。
福岡氏は、ご存知の通り、「生物と無生物のあいだ

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)
福岡 伸一
講談社
売り上げランキング: 284

 
の著者。
実は、一昨年2007年の本ブログ内での年間売上ランキングでは、「生物と無生物のあいだ」が、売上冊数No1でした。(「生物と無生物のあいだ」は新書で単価が安いので、金額ベースの1位は、「不思議の国のM&A—世界の常識日本の非常識
 
不思議の国のM&A—世界の常識 日本の非常識
でしたが。)
 
「プリオン説はほんとうか?」の感想としては、著者の意図通り、「BSE(狂牛病)がプリオンによって感染する説って、ロジック的にかなり危ういなあ。」ということですが、その他に、(「生物と無生物のあいだ」にも共通しますが)、「自然科学におけるものごとの証明というのは、厳しいんだなあ。」ということがあります。

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ブータン・・・ナメててすみませんでした・・・

一週間前に自動録画されていた、世界ふしぎ発見!「いま世界が注目!幸せの王国ブータン」を、今ごろみたんですが、今まで見た世界ふしぎ発見の中でも、最高レベルの感激。
ブータンが「ネパールの隣にある国」くらいのことは子供の頃から知ってましたが、正直、ノーマークでした。
が、これはすごい。
「鎖国の国」という認識でしたが、第3代国王のとき1971年に国連に加盟し開国を宣言。しかし、国王が突然の心臓病で倒れ、先代の第4代が1972年16歳で王になったとのこと。
1976年には、
「ブータンは、伝統や文化を守りながら独自の近代化を図りたい。」
と宣言。
今では、アマンが経営する高級リゾートもあります。
(Amankora:http://www.amanresorts.com/amankora/home.aspx 
ダブルの部屋だと一泊1200ドルくらいするようですが、円高の今はチャンスかも。)
急峻な地形を利用して、水力発電した電力をインドに売っており、国家予算の9割を電力収入でまかなえており、医療、教育はすべてタダ。
生活レベルは、カネで見ると一人当たりGDPが2000ドル弱
おそらく「派遣村」の人の年収よりはるかに低いことはもちろん、ミャンマーより低くて、金額ベースでは世界で最も「貧しい」カテゴリに入る国。
しかし、医療もMRTとかの最新医療も導入されてるようですし、家には電気もガスも来ており、子供までが携帯電話を持っている!街中にインターネットカフェもあります。
風景としては、日本の1960年以前の農村といった感じで、日本人としては非常に親近感がわきますが、何より、国民の誰もが幸せそうにニコニコしてるのが、いい。
第4代国王は、なんと、2006年TIME誌で、「世界で最も影響力のある100人(The lives and ideas of the world’s most influential people)」に選ばれてます。
まだ21歳のときに、

Gross National Happiness is more important than Gross National Products.

と語ったそうで。
こういうことを言う口だけのヤツはたくさんいます。しかし、2005年の国勢調査によると、国民のなんと95%が「今の暮らしに満足している」とのこと!で、実際にそれを実現できているというのがすごい。
先代がまだ52歳で存命なのに王座を譲るというのも特異ですが、28歳で即位した第5代のブータン国王も、先代同様、韓流映画のようなイケメンであり、世界で最も若い国家元首だそうで。
所信表明演説も泣かせます。

世界が変わって行く中で、ブータンも変わって行くでしょう。
行く先では、困難に遭遇するかもしれません。
そのときは、「みなさん」と「私」という両方の手で、ブータンの未来を築いていきたい。
私は、自分の在位中、皆さんに対して、支配者のような振る舞いは断じてしません。
あるときは親がわりになり、また兄弟のように守り、世話をやき
そして、みなさんの息子のように、仕えたいのです。

「一生あんたに付いていきまっせ!」という気持ちにさせられます。
実際、国王は代々、街中や各戸を歩いて、国民がなにを本当に求めているのかを自らヒアリングしてまわっているようで。
日本に住んで汚れた心で見ると、「どーせパフォーマンスだろ?」てなことを考えがちですが、国民全体が仏教を信奉しているということで、心の底からそう思ってるんだろうなあと思わされます。

風の谷のナウシカ
風の谷のナウシカ [DVD]
で、「ユパ様」が、

なのに、どこへいっても戦に飢え 不吉な影ばかりだ。
なぜ この谷のように暮らせぬのか。

というセリフがありますが、世界中がブータンのように幸せに暮らすというのは進化ゲーム理論的に考えて無理なんですかね?
スイスなどと同様、山に囲まれて国防リスクが低かったり、国家財政を支える収入があるからできる「特殊な」事例なんでしょうか?
70万人では成立するけど、60億人が暮らすためには、殺し合ったり、餓死したりというのは不可避なんでしょうか。
それとも、今の世の中というのは、最終的に世界中の人がブータンのようにニコニコして暮らすに至る過渡期なんでしょうか。
「風の谷」はブータンがモデルなのではないかと思えるくらいであります。「トルメキア」が侵攻してこないことを祈るばかりであります。
(ではまた。)

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