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January 31, 2008

今週の島耕作に学ぶインサイダー取引

本日発売の「週刊モーニング」で、韓国のソムサンから敵対的買収を仕掛けられている五洋電機のホワイトナイトに、初芝電産が名乗りを上げた、という話より。

専務島耕作 3 (3) (モーニングKC)
弘兼 憲史
講談社 (2007/11/22)


初芝電産初代社長の愛人で初芝電産大株主の大町愛子と島耕作の会話。

大町:新聞で見たけど、最終的なプレミアムはいくらになるの?
:それはわかりません。わかったとしても私の口からは言うことは出来ません。インサイダー取引になりますから。

確かに社内情報管理的にそんなことはペラペラしゃべらない方がいいには決まってますが、はたして島耕作が最終的なプレミアムの見込みを伝えて大町愛子が五洋株を取引した場合、金融商品取引法的に罪になるのかどうか。

金融商品取引法167条第1項では、

次の各号に掲げる者(略)であつて、(略)上場等株券等(略)の同項に規定する(略)公開買付け等(略)の実施に関する事実又は公開買付け等の中止に関する事実を当該各号に定めるところにより知つたものは、当該公開買付け等の実施に関する事実又は公開買付け等の中止に関する事実の公表がされた後でなければ、公開買付け等の実施に関する事実に係る場合にあつては当該公開買付け等に係る(略)買付け等(略)をしてはならず、公開買付け等の中止に関する事実に係る場合にあつては当該公開買付け等に係る株券等に係る売付け等(略)をしてはならない。(略)

となっており、第2項では、

前項に規定する公開買付け等の実施に関する事実又は公開買付け等の中止に関する事実とは、公開買付者等(略)が、それぞれ公開買付け等を行うことについての決定をしたこと又は公開買付者等が当該決定(略)に係る公開買付け等を行わないことを決定したことをいう。(略)

とあります。

ソムサンも初芝電産も、すでに「公開買付け等を行うことについての決定をしたこと」を公表しており、価格についての情報は、条文上、「公開買付け等を行うことについての決定をしたこと」には含まれないと思われるので、今週号の段階で、すでに未公開の公開買付け等事実は存在せず、これで大町愛子が売買してもインサイダー取引には該当しないのではないかと思いますが、どうでしょうか?

また、167条は166条とは違って、「TOBの未公開情報を知っている」場合に「買う」ことを禁じているのであって、(TOBを中止するという情報を伝えるならともかく)、大町愛子がどちらかのTOBに応じて「売る」ことを禁じているわけではないと思います。
また、167条は、「買う」または「売る」ことを禁じてはいますが、大町愛子が初芝がまだ価格を吊り上げる余地があるという情報を聞いて、「売らない」ことを禁じているのではないのではないかと。

まあ、島耕作氏は、どっちにしろ大町愛子にはそうした企業秘密をしゃべりたくはないので、インサイダー取引のせいにした、というだけかも知れません。

---

一方、島耕作氏は、その後の五洋電機勝浦社長とのミーティングで以下のような会話をしています。

:これ以上のプレミアムの上積みには反対する役員も多いでしょう。何か決定的な五洋のポテンシャルがないと。
勝浦:・・・・・
実は今まで黙っていたものがもうひとつあります。
:!?
何ですかそれは?
勝浦:有機ELです(中略)
実は我が社は大型パネルの実用化にメドをつけております。これは間違いなく世界と戦える最大の武器となりうるでしょう。
島耕作の背景音:「ゴオオオオ」

こんな重要な未公開情報を知って初芝がTOBを継続したら、そっちのほうがインサイダー取引なんじゃねーの?、という気がしませんか?

実はこれは、166条第6項第4号の、

当該上場会社等の株券等(略)に係る同項に規定する公開買付け(略)に対抗するため当該上場会社等の取締役会が決定した要請(略)に基づいて、当該上場会社等の特定有価証券等(略)の買付け(略)その他の有償の譲受けをする場合

という適用除外要件に該当するから大丈夫、ということなんでしょうね。

(そういう意味では、ホワイトナイトになれば、「国家公認のインサイダー取引」ができてオイシイ、ということかと思います。)

(ではまた。)

電車ホームの鳥の声に、ふと思う

JRのホームで「チュンチュン」といった鳥の声がスピーカーから流れている件。

ずっと、「さわやか感」を演出してるのだとばかり思ってましたが、ふと、「『ハトよけ』とかそういう効果を狙ってるのかも」という考えが浮かんだんですが、どうなんでしょうか。

コンビニの前で若者がたむろするのを防ぐ(中年以上には聞こえない)高周波発射装置と同じ発想からすると、他の鳥の鳴き声が自分のテリトリー内でしていると、鳩としても落ち着かないのではないかという気もします。

(ではまた。)

January 29, 2008

まさかハンドボールがこんなに脚光を浴びる日が来ようとは・・・。

(表題のみ。)

January 28, 2008

「薔薇のない花屋」(第3回)で、

寺島進氏(喫茶店のマスター役)のWikipediaの記述を見ていたら、

映画のデビュー作は、松田優作監督の『ア・ホーマンス』。
松田優作は芸能界に入って初めて褒めてくれた人だとか。

という記述を発見。

(うーん。
趣深いですねえ・・・。)

January 26, 2008

うーん。(EDINET)

edinet_H200125.jpg

何が目的なんでしょうねえ。

January 24, 2008

Societe Generaleの巨額損失の件

最近の外資系金融機関のサブプライム関係の巨額損失のニュースには、まったく驚かなくなっていたんですが。

http://online.wsj.com/article/SB120115814649013033.html(有料)

Societe General Hit by $7 Billion Fraud-Related Loss, $3 Billion in Write-Downs France's Societe Generale said a trader's fraud will result in a $7.16 billion loss and it will write down an additional $3 billion in assets related to subprime-debt exposure. The bank plans to raise $8 billion in capital in coming weeks.

「$7 Billion Fraud-Related Loss」って、"どんだけー"!

ベアリングスや大和銀行事件時代ならともかく、いまどきの大手金融機関の内部統制で、トレーダーにこれだけの損失を出させる隙があるもんなんですね。


The trader is responsible for "plain vanilla" futures hedging on European equity market indices and had taken massive fraudulent directional positions in 2007 and 2008 beyond his authority, abusing his knowledge of the group's security systems, SocGen said.

とのことですが、悪用されたセキュリティ・システムの知識って、どんなんでしょうか?
これだけ巨額の損失を出しておきながら、通年で利益が出る、というのもスゴい。

(ではまた。)

January 23, 2008

臘虎膃肭獣猟獲取締法

本日の朝のニュースでやっていた、新潟に流れ着いた衰弱したオットセイの子供の話。
「臘虎膃肭獣猟獲取締法(ラッコオットセイりょうかくとりしまりほう)」という法律があるので、農林水産省の許可がないと捕まえられないから手当てもできない、といったニュアンスで報道されていたのですが、、、


臘虎膃肭獣猟獲取締法というのは、以下のような法律。

臘虎膃肭獣猟獲取締法
(明治四十五年四月二十二日法律第二十一号)
第一条  農林水産大臣ハ農林水産省令ノ定ムル所ニ依リ臘虎又ハ膃肭獣ノ猟獲ヲ禁止又ハ制限スルコトヲ得臘虎又ハ膃肭獣ノ獣皮又ハ其ノ製品ノ製造若ハ加工又ハ販売ニ付亦同ジ (以下略)

この法律に基づいて、「臘虎膃肭獣猟獲取締法施行規則」では、

(猟獲の禁止等)
第一条  何人も、らっこの猟獲又はおっとせいの陸上猟獲をしてはならない。
2  何人も、北緯三十度の線以北の太平洋の海域(ベーリング海、オホーツク海及び日本海の海域を含む。)においては、当分の間、おっとせいの海上猟獲をしてはならない。
3  前二項の規定は、試験研究その他の特別の事由により農林水産大臣の許可を受けた者がする猟獲については、適用しない。
4  農林水産大臣は、前項の許可をしたときは、許可証を交付する。

となってます。

「猟獲」という語はgoo辞書(大辞林)にも載ってないですが、法令の文脈からすると、「(毛皮等の製品にする目的で)猟をして捕まえる」ということでしょう。そもそも、治療や保護のために捕まえるのも許可が必要、と解されるんでしょうか?

新潟市水族館「マリンピア日本海」が水産庁の捕獲許可を受け保護した、とのことですが。さほど緊急性は要求されなかったのかもしれないですし、コンプライアンスの観点からは「すばらしい」としかいいようがないし、義務もないのに面倒な手続きまでして保護した水族館の方はエラいですが、「いいこと」をするのに法律上グレーだから事務手続きで時間がかかる、というのも、「全体の構図」として見ると、アホだなあ、という感じがいたします。


行き倒れの人を助けるという意味では「善きサマリア人の法」というのが思い浮かびますが、これはWikipediaでは、

コモン・ローでは、法律上の義務又は権限なく他人の事務を行うことは、いわばお節介であるとみなされることもあり、大陸法の事務管理に相当する制度が発達していない。そのため、この法理は、不法行為法における責任軽減事由として位置づけられている。

これに対し、大陸法では、法律上の義務又は権限なく他人の事務を行った場合の処理に関する事務管理という制度がローマ法以来存在しており、その中で事務を管理する者の義務内容として位置づけられており、特段、善きサマリア人の法に相当する法理が要求されているわけではない。

と解説されてます。「民事」の話、なんですね。

「律法」という強行法規に違反するような行為に「いい事」をするのが、いいのか悪いのか、という意味では、「安息日に人を癒す」というエピソードの方が近いかも知れないですが。いずれにせよ、「いいことをするのに制約がかかるというのはおかしな話である」という感覚が日本社会に浸透していないことが、大きな問題ではないかと常々思っております。

(ではまた。)

January 22, 2008

「薔薇のない花屋」(第2回)で、

ライアーゲーム以来、我が家全員でファンなんですが)、松田翔太の役名が「工藤」だということに気付きました。
(そして、「職業」も。)

お父さんもさぞ、天国で喜んでらっしゃるだろうねえ・・・。(T^T)


ちなみに、松田翔太氏は杉並の井草中学校でエリカ様の1個上だったらしいですが、「ビジネス法務の部屋」の山口弁護士は、井荻小ご出身とのこと。大阪に引っ越さなかったら井草中・・・かと思いきや、荻窪中が隣にあるので(地図ご参照)、学区域的には、いずれにせよ松田、沢尻の先輩にはなれなかったものと思慮いたします。


(どーでもいい情報でした。)

January 21, 2008

事業承継税制の「拡充」 (その2)

前回のエントリに、葉玉さんからコメントいただきました。(こちらをご参照。)

この事業承継税制が考えられたのは、(選挙対策のバラマキという見方もできなくはないですが)、基本的にはまさに葉玉さんがおっしゃるように、相続で大変苦労されている中小企業の事例を見聞きして、真面目に日本の将来のためを考えたからではないかと思います。

私は基本的には、相続税を優遇するよりも、上場なりバイアウトなりLBOなり「売買」で解決できるような社会にしていくべきだという方向で考えているのですが、そういったスキーム構築のサポートや税務アドバイス、ファイナンス等を受けられない企業も非常に多いと考えられ、なかなかスパッとした解決策は難しそうです。

そういった視点も含めたり含めなかったりで、以下、「どういう企業が対象になるか」「国民の理解は得られるのか?」といったあたりを中心に、続編としてこの事業承継税制の性質について検討してみたいと思います。

 
相続税の統計から考える事業承継の位置づけ
ご案内の方も多いと思いますが、相続税というのは相続が発生すれば必ずかかるというわけではありません。

昨年12月に公表された国税庁の資料

相続税の申告事績(平成18年分)及び調査事績(平成18事務年度分)
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2007/6368/01.htm

を見ると、「被相続人数(死亡者数)は約108万人、このうち相続税の課税対象となった被相続人数は約4万5千人であり、課税割合は4.2%」とありますので、実際に親が死んで相続が発生するケースは、20件に1件も無いわけです。平たくいうと、「かなりのお金持ち」(より正確には「資産持ち」)の場合にのみ課税が発生することになります。

また、相続された財産の合計11.4兆円のうち、土地・家屋が6兆円、現預金が2.3兆円で、有価証券が1.8兆円、その他が1.2兆円、となっています。

(有価証券の内訳がないですが、国債や上場株券など流動性のある証券も多いはずですから、今年以降の統計ではぜひ、未公開の気配相場の無い株式で、事業承継税制の適用の対象となりうる企業の分がいくらなのか、税制の利用率も合わせて、内訳を開示していただきたいところであります。)


会社の規模と相続
「相続税が払えなくて苦しんでいる企業」というと、「蒲田で旋盤加工の工場を経営している従業員15人の零細企業」みたいな企業を思い浮かべるかも知れません。

ただ、この企業が(仮に)資本金300万円で、利益剰余金が5500万円溜まってるだけ、という程度であれば、(最低でも6000万円の基礎控除額があるので)そもそも相続税がかからないわけです。
「相続税で苦しむ企業」というのは、「弱者」のイメージがあるかも知れませんが、上記のように、少なくとも一般庶民が単純に金額だけを聞いた場合のイメージは、「弱者」からはほど遠いはず。当然ですが、「お金持ち」(資産持ち)だから困るわけです。相続税を軽減するのは、その中小企業が「弱者だから」ではなく、課税の公平性の観点からも、「その企業が存続することに、何らかの社会的な意義があると考えられる場合」とするべきでしょう。

一方、この蒲田の法人の帳簿上の純資産が同じく5千万円であっても、保有している土地の含み益が3億円になる、といった場合はちょっと話が違ってきますね。

さらに場合分けします。
この法人に何らかの社会的意義がある場合。相続税が支払えないために解散すると、世界的にイケている技術が失われる、というのは問題になりえます。
しかし、例えば、この会社が特にこれといった競争力のあることをやっていない(いくらでも代替する会社があるような)場合には、先代が亡くなったという分かりやすい節目でトットと事業をたたんで、土地を売却するなり賃貸マンションに建て替えるなりしたほうが、国民経済的にもプラスかも知れません。

また、会社の名義でこの土地を保有している場合には、今回の事業承継税制の拡充で、大いに楽になるでしょうけど、被相続者が個人でこの不動産を所有しており、法人が先代から不動産を賃借していたという場合には、この税制では相続税が軽減されないのではないかと思います。(追記:失礼、この法律ではなく、租税特別措置法の「特定同族会社事業用宅地等」で軽減されますね。)


どの程度の「狭き門」になるのか?
日経新聞の記事からだと、形式要件を満たすすべての中小企業が対象になるようにも読めますが、自民党の「平成20年度税制大綱要項」をみると、中小企業の事業の継続の円滑化に関する法律(仮称)における経済産業大臣の認定を受けた一定の中小企業が対象となる、と書いてあります。(16ページ)

この「経済産業大臣の認定」で、相続税が発生する場合のうち、何割程度の企業が対象になるんでしょうか?
全国300万社の法人のうち、毎年相続が発生する会社が1%で3万社程度、うち相続税の支払に関わる法人がその5%で1500社くらいと仮定して。

認定のプロセスと、各経済産業局の事務処理キャパとを考え合わせて、どの程度の数の企業を処理することが可能なんでしょうか?
このうち上記の認定を受けられた企業は、年間50社に留まる、といった「狭き門」になったとしましょう。この場合、一般の中小企業が相続税対策を考えたり、不安を抱えずに経営に専念できる、といった姿にはほど遠いものになってしまうかと思います。
逆に、数値的な形式要件を満たす企業は申請すればほとんどパスするということであれば、租税回避の温床になる気もします。


業種等での制限はあるか?
また、例えば、すごいキャッシュフローが出ているキャバクラとかラブホテルとかパチンコホールのチェーンのオーナーをやっている父親が亡くなり、息子が後を継ぎます、というときに、この「経済産業大臣の認定」は下りるのか否か。

キャバクラやラブホテルやパチンコホールだからといって、多くの雇用を生み出してることもあるでしょうし、「バカ息子」じゃなくて立派な息子さんが経営する場合も多いかと思います。職業差別が発生するのはまずいでしょうが、かといって、上記のようなケースで相続税が軽減されるというのも、国民的には納得いかない面もあるかと思います。業種として儲かってそうというイメージもさることながら、事業としての売却可能性は高そうなので、とっとと売っぱらって相続税を払えばいいじゃん、という気もします。


換金性のある資産の量は考慮されるのか?
また、相続する法人の株式の評価が5億円にもなるが現預金がほとんどない、という場合は「かわいそう」な気がしますが、株式5億円に加えて現預金も10億円相続します、という場合には、相続税軽減の対象にしたら、「フザケンな!」ということになる気もします。

逆に、手持ちの現預金等の量が問われるのであれば、会社に留保しておいた方がお得、ということになりますし。


「社会的意義」は考慮されるのか?
一方、要件が「中小企業」だということになると、いずれにせよ、(例えば)、産業活力再生特別措置法の認定の対象となった大企業のように、社会的意義が明確に示せる場合ばかりでもないかと思います。

「国際的にすごい旋盤加工技術を持っている蒲田の会社だが、保有している土地の相続税評価額が高くて、相続税を払うためには会社を清算するしかない。」
「雄大な敷地にゆったりと建てられた九州の老舗旅館で、多数の雇用も生み出しているが、土地の評価額に比べて収益性が低く、現預金など換金できる資産も少ない。」
といったケースは、「ストライクゾーンど真ん中」になるのかも知れません。

一方、形式要件だけでなく実態を審査します、といったことになり、仮にでも「あんたのところの会社は、存続する社会的意義が認められない。」なんてことを役人に言われたらムカツクことこの上ない。ホントは申請すれば認定される企業も、申請するのは踏ん切りが必要かも知れません。


一般国民の納得は得られるのか?
形式的な要件に合致したから認可して相続税を軽減したとして、あとで、「あの息子は、相続税が軽減されたのをいいことに、高価なベンツを乗り回し、毎晩銀座の高級クラブを飲み歩いている」といった実態が公になったら、一般庶民的には「フザケンな!」でしょう。
(たとえば「朝ズバッ!」で取り上げられたら・・・・と思ったのですが、みの氏は二世経営者として事業承継してますし、飲み歩いてらっしゃるようなので、「スッキリ!!」とか「とくダネ!」とかのほうが可能性が高いかも知れませんが。:-)

認定のために必要なのは書類申請だけでしょうか?それとも面接とかあるんでしょうか?「茶髪で日焼けしてアロハ着てサングラスかけてる、いかにも遊び人といった社長」は認定を受けにくくなるんでしょうか? アロハ着てても社会的に意義の高い事業をやってる方はいらっしゃるかと思いますし、そもそも(一般国民に理解されるかどうかはともかく)、必ずしも高価なベンツや銀座での接待は経費性が認められない、というものでもない。

かといって、周囲にちょっと確認すれば、「あんなやつに金持たせたら絶対アカン!」といった話がボロボロでてくるような息子を、書類審査だけでパスさせて数億円の課税機会を逸する、というのも、行政の注意義務としてどうなんでしょうか?

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「困っている中小企業の相続税を軽減する。」というのは、言うのは簡単ですが、以上のように具体的にいろいろなケースをイメージしてみると、「公平性を意識した客観的で明確な基準」を定めつつ、「実態としての政策目的の達成」をするのが非常に難しそうな予感がします。

なぜなら、中小企業というのは、コーポレートガバナンスのしくみがそんなに確立されているわけではないので、(もちろんきちっとしている企業はきちっとされてますが)、きちっとしてない企業を見抜きづらいし。監査もしてないので、実態をきちっと把握することは、ある意味、上場企業より難しいわけで。

具体的にどういう認定の運用になるのか、非常に興味あります。

(ではまた。)

January 18, 2008

事業承継税制の「拡充」は、日本の競争力を下げる(・・・のではないか)

昨日、有名なエコノミストの方を講師に招いた勉強会に参加させてもらったんですが、以下は、その席上で出た発言やご意見。

例えば、東北地方ブロックを考えてみると、秋田や福島からは、仙台にバスでわずか1,000円から1,500円で行くことができる。このため、秋田や福島の人は、地元の百貨店で買い物するよりも、仙台の大型の百貨店まででかけたほうがいいから、仙台だけが栄えて秋田や福島は地盤沈下するという一極集中化の現象が起きている。本来はこの淘汰の流れを「加速」することが必要なのだが、日本では、「それは地方切捨てだ!」という一言で、学者も政治家も思考停止してしまって、誰も本当のことが言えない。私も、もちろん地方の人の前では、こんなことは言わない。
また、北海道の有効求人倍率は1を大きく切っているが、名古屋では2倍もある。にも関わらず、北海道の人は名古屋に行かない。北海道の人に聞くと、「結局、なんだかんだ言って、ここの居心地がいいんだよね。」と。つまり、格差が広がっていることが問題ではなく、格差がまだ生ぬるいことが問題なのだ。
今後、少子化で日本の労働人口が減る中で、バングラデシュやイランから名古屋に来てもらって、日本語の勉強を一からはじめるのと、北海道から名古屋に人が移るのと、どちらが効率がいいか?北海道の人は日本語もしゃべれるし日本のビジネスの慣習にも通じている「即戦力」である。こちらの人材を活用する方が効率がいいに決まっている。にもかかわらず、この人は失業者として北海道でそれなりに暮らしていけてしまうのだ。
同様に、秋田や福島の百貨店がつぶれて、その人たちが仙台の百貨店に働きに出れば、その方々は即戦力なのである。
日銀が本来国際的にあるべき水準より低く金利を設定する等の政策によって、企業は支払う利息が減免され、本来つぶれるべき企業がまだ温存されている。本来、そういう秋田や福島の将来性の無い店が淘汰されるような金利水準に設定することが必要なのだ。


特に地方の方は、こうした考え方には強い抵抗感を感じられるでしょうし、昨今の情勢で、こうした意見が表に出てきて真剣に議論されることは(良くも悪くも)絶望的なので、残念ながら、日本全体が仲良く地盤沈下していく傾向が止まることは当面、無いでしょう。

昨日の日経新聞朝刊4面では、事業承継税制の拡充が取り上げられてましたが、これも同様ではないでしょうか。


エンジェル税制については、先日、ちょっと疑問を投げかけさせていただきました。
総合課税される所得から投資額が差っぴけるということは、税率の高い人ほど節税になるので、実態は「金持ち優遇税制」なんですが、「ベンチャー税制」というと、なんだか、「いたいけなベンチャー企業のためになり、起業を促進する」ように聞こえます。

でも、違いますよね?

ベンチャー企業にとっては1千万円は1千万円で、VCから出資してもらう代わりに個人から出資してもらったとしても、実は何もメリットが無いわけです。つまり、エンジェル税制というのは、文字通り、金持ちのエンジェルのための税制であって、ベンチャー企業のための税制ではない。

(今後、サブプライム問題で世界大恐慌になる、なんてことになれば別ですが)、これだけ資金がジャブジャブな環境下では、先日申し上げたとおり、ほとんどの場合、ベンチャー企業側はむしろ個人から投資を受け取らない方がいいはず。また、私の知る限りでは、(ネットバブル崩壊直後にオーバーシュートしている時期を除き)、(もちろん、イケてないベンチャーがツブれた例は、山ほどありますが)、そこそこイケてるベンチャー企業が、資金調達がうまくできないためにポシャった、という例は見たことがありません。

ということで、このエンジェル税制は、あまり経済にプラスにはならないと思いますが、一方で、さほど大きなマイナスにもならないと思われるので、まだいいとして。先ほどの東北地方の例のように、日本経済に大きなマイナスのインパクトを与えかねないのは、事業承継税制の方でしょう。


「相続税の負担が重くて事業存続の危機に陥っている中小企業」というと、なぜかみなさん、「蒲田や東大阪市にある世界的に競争力のある特殊技術を持つ小さな町工場」みたいな会社を思い浮かべるられるのですが、そんなイケてる中小企業って、ほんの一握りですよね?

(まだ、エンジェル税制の対象になるベンチャー企業というのは、「起業した」という一点だけ考えても、その勇気が賞賛されるべきと言えなくもないかも知れませんが)、「中小企業」というのは、ただ「小さい」ことだけが要件なわけで、イケてるかどうかは全く関係ない。

相続で問題になる中小企業のほとんどは、「社長が能力があるだけで社長が死んだら取り得がない会社」だったり、「そもそもイケてなくて淘汰されてしかるべき会社」だったり、「イケててすごい儲かっていて社長がベンツ乗ってる会社」だったり、といった感じかと思いますが、そういった企業の株主の相続税を優遇して、どういうメリットがあるんでしょうか?

面白いことに、日経のその記事が書いてある裏の5面では、サントリーがとんかつの「まい泉」を買収したり、ロッテホールディングスが銀座コージーコーナーを買収したり、という、子供への承継ではなく、「資本の論理」に従った事業売却の事例の記事が載ってるわけです。

例えばこういう食品産業は、今、ご案内のとおり世間からコンプライアンスの要求が厳しく突きつけられていますので、不慣れな社内のメンバーだけでそういう態勢を確立するよりは、ノウハウのある大企業に協力してもらうほうが、国民経済的にもメリットがあるはずです。

ところが、株式を売却したり会社を清算したりするのではなく、仮に、社長や物言う株主として効率アップを図る能力の無い「バカ息子」であっても、そいつに株式を相続させた方が得だということになると、態勢不備から将来、食品偽装問題が発生し、結局その企業のブランド価値が地に落ちる・・・といった事態も想定されるわけです。中世でもないのに世襲がまかりとおって、最も適材適所な株主や経営者に経営が引き継がれない、というのは、そっちのほうが国家的損失が大きくないですか?

また、この税制によって、一見、雇用維持が図られるように見えますが、ホントでしょうか?この税制が適用されるのは、中小企業基本法で定める、資本金が(3億、1億、5千万、5千万円)以下の、それぞれ(製造業等、卸売業、サービス業、小売業)で、従業員はそれぞれ、(300人、100人、100人、50人以下)、の会社にしか適用されないとのこと。

ということは、節税対策としては、資本金が多すぎるようなら資本金の減少(減資)をすればいいわけです。前にも書きましたとおり、資本金というのは、今や、会社の実体にはあまり関係ない、単なる「外づら」でしかありません。例えば製造小売なら小売部門を廃業して製造業だけにしたほうが要件に当てはまりやすくするとか、というリストラの動きもあるかも知れません。
また、従業員が基準をオーバーしている場合、適当な理由をつけて従業員をクビにしたり、そうでなくても自然減にまかせて新たに人を採用せず、前向きなことはとりあえずストップ、という手が一番安易なわけです。
(追記:コメントで、資本金要件と従業員数要件は、「or」なので、従業員数要件で引っかかる場合には、減資を選択するのではないか?というご意見がありましたが、確かにおっしゃるとおりなので消しておきます。)

そうした積極的な事業展開を控える行動が、はたして日本経済のためになるでしょうか?もし上記のようなことが起こるとすれば、雇用維持の逆、じゃないですか。

もちろん、あまりにあからさまな租税回避行為は否認されるでしょうけど、相続税対策なんてのは、数年かけて行われるのが普通でしょうから、いかようにでも理由は付けられるはず。

こういう気前のいい税ばら撒きの話は、当然、対象となる人から文句が出るわけないですし、「困っている中小企業の雇用維持のために!」と言われれば、誰も文句が言えません。しかし、上述のように、日本経済のためを思えば、決してやっちゃいけないことじゃないかとも思うのですが、みなさん、いかがお考えですか?

(ではまた。)

January 17, 2008

NHK記者ら3人がインサイダー取引の疑い

マスコミ各社さんが報道されてますが、日経さんのwebを拝見すると;

http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080117AT1G1702E17012008.html

 NHKは17日、報道局記者ら3人がインサイダー取引の疑いで証券取引等監視委員会の調査を受けていると発表した。昨年3月、外食産業が回転ずしチェーン店をグループ化するとのニュースに関連し、3人は放送前にそれぞれ回転ずしチェーン店の株式を1000―3000株購入、翌日売却して10万―40万円の利益を上げた疑い。(中略)2人は放送直前、原稿システム端末でニュース内容を知り、株式を購入したことを認めているが、1人はインサイダー取引を否定しているという。

とあります。

「倫理的」にこれが「ワルい」ことだ、というのは火を見るより明らかかと思います。少なくとも、仮にこれがOKなんてことになったら、一般の人は、「市場の公正さって一体何なのよ?」という気持ちになるだろうことは間違いないかと。

では、「これが有罪と言えるための法律上の要件は何?」というと、ぐぐっと難しい問題になる気がします。

インサイダー取引の要件
この取引がインサイダー取引として罪になる要件は、金融商品取引法166条(または167条)に定められており、具体的には、

  1. 「会社関係者」が、
  2. 「重要事実」(または「公開買付け等事実」)を知って、
  3. それが「公表」される前に、
  4. その有価証券等の「売買」を行った

という、大きく4つの要件が必要になります。

今回の場合、この件が重要事実に該当するのは間違いなさそうですし、公表される前に売買を行ったのも事実だとすると、2から4の要件を満たすのは明確かと思います。(詳細がわからないですが、おそらく。)

ただ、1番目の「会社関係者が」というところに、どのように該当するのかは、よく考える必要があるかと思います。

金融商品取引法で言う会社関係者とは、

  1. 上場会社等の役員等(役員や従業員など)
  2. 上場会社等の帳簿閲覧権を有する者
  3. 上場会社等に対して法令に基づく権限を有する者
  4. 上場会社等と契約を締結している者又は締結交渉中の者
  5. 上記2、4が法人の場合、その法人の他の役員等

になります。(166条、167条第1項。)

また、上記の人たちから職務上(上記の帳簿閲覧権や法令、契約などに関連して)重要事実を聞いた情報受領者(法人の場合には、その法人の他の役職員も)も、インサイダー取引規制の対象者となります。


「取材」というのは、どういう職務なのか?
ここで、テレビ局の取材というのは、帳簿閲覧権の行使や法令に基づく権限では無いですね。では、1項4号の「契約」なのかというと、はたして契約なんでしょうか?

東証さんが出されている「こんぷらくんの30分で読める!インサイダー取引規制Q&A」のP12には、

新聞記者は、(中略)「会社関係者」にはあたりませんが、会社関係者から直接情報を入手した場合には、情報受領者として規制対象になります。

と事例が書いてあります。また、規則で明確に決まってなかったとしても、前述のとおり記者として人としてやっちゃいけないのは当然であります。ただし、条文上、どう読めばそう読めるのか(施行令や内閣府令にも、該当する規定が今のところ見つけられていません)、ちょっと不勉強で存じません。(どなたか、教えていただければ幸いです。)(追記:情報受領者だから、当然ですね。失礼しました。ただし、取材した対象の人が、法で定める要件に従って情報を受け取った「会社関係者」に該当するかどうか、という論点はあるかと思います。)

また、同書には、

記者が書いた記事の原稿をチェックするという形でこの情報を知った担当デスクが、こっそり(略)株券を買っていた場合は、どうでしょう? このデスクは、会社関係者から直接情報を入手したわけではないため、情報受領者の定義にあたらないようにも思えますが、(略)会社関係者から重要事実を聞いた新聞記者は、「職務上」その情報を入手しており、デスクは同一法人の役職員で、かつ「職務に関して」当該重要事実を知ったため、規制の対象に入るのです(「職務上」は「職務に関して」より狭く、重要事実の伝達を受けること自体が職務の範囲内であることを意味します)。

と書いてあります。

ところが、今回の事件では、この記者3人は、「原稿システム端末でニュース内容を知り」とあります。そうなると、もしかしたら、必ずしも「職務に関して」知ったというにはちょっと厳しいのかも知れませんね。
(具体的には、その人が職務としてどのように端末を使われているのかがよくわからないですが、少なくとも、以前の、某経済新聞社さんの広告部門の人が、広告の原稿を見てインサイダー情報を知った、というのに比べると、かなり法律の文言上、かけ離れてくるかと思います。)

念のため繰り返し申し上げておきますと、私は、この記者の方々に罪が無いなんて申し上げるつもりは全くありませんし、むしろ、法律の要件に該当するかどうかに関わらず記者として人としてやるべきでないことだと思います。

一方、もし、
「経緯に関係なく、とにかく情報を知っちゃって売買したらインサイダー取引だ!」
という解釈が行われるとするなら、166条や167条の1項って、存在する意味があるんでしょうか

(追記:
逆にもっと進めて、たとえば、端末経由ではなく、NHKのトイレで記者同士が立ち話をしているのを、たまたま他のNHKの記者が聞いて取引した場合には、「職務に関して」知った、というのは、日本語としては厳しいと思います。トイレに行くのも仕事のうち、というのは、かなり拡大解釈っぽい。しかし、その人が、「トイレに行くのは仕事の一部とはいえない」と言い訳したら、世間は納得するでしょうか?)


少なくとも、昨今の情勢を考えると、とにかく未公表の重要事実を知っちゃった人は、その株式等を絶対に売買しないことが、強くオススメであります。

ただ、市場というのは情報と表裏一体で機能しているわけで、今回のような明らかにアンフェアなケースはともかく、他の又聞きのケースでも「経緯に関わらず、ともかく知って取引してしまったら社会的に抹殺」という解釈として適用されるとすると、市場が適切に機能するのかどうか、・・・・・一昨年来の私の大きなテーマになっております。

前から申し上げているとおり、何十ページにもわたる細かい要件を法令で決めるのではなく、法律の構成を「アンフェアかどうか」という実質的な判断によって黒か白かを分けるように(もし技術的に可能なら)変えないと、市場が機能しなくなりはしないでしょうか?

株式市場が、「うっかりでも、地雷を踏むと足が吹っ飛んだり命がなくなったりする地雷原だ」、というイメージがついてしまうと、取引がうまく機能しなくなる可能性もあるのではないかと。人は、当然、「儲けるたるで!」という「アニマルスピリット」によって投資するわけで、経済的リスクは許容すると思うのですが、「うっかり地雷を踏んだら社会的生命もブッとぶ」というリスクを冒してまで投資したいという人は、ぐっと絞られてしまう(極端に考えると、市場には、犯罪を犯すことを恐れないならず者だけが残る・・・少なくともそういう人の比率が高い荒んだ場所になってしまう)のではないか・・・・というのは杞憂でしょうか?

(ではまた。)

January 16, 2008

MacBook Air、購入者ぞくぞく

AMNに参加しているブロガーのみなさんの新年会に参加してヨッパライモードで恐縮ですが)、新年会で「MacBook Air、購入した人!」と質問が出たら、すでに10人弱の人が手を上げてました。(さすがー。)

Unohの進太郎さんからは、「過去、WindowsからMacに移行したけど、大丈夫。」と、応援いただきました。Becky!のメールも、過去のLOGが数GBあるのでどうしようかと思ってましたが、「移行もできるらしいけど、過去のメールは過去のソフトで検索すればいいので」とのこと。そりゃそうか。

「未だにWindowsでないとどうしても動かないのは、ファームバンキングくらいかなあ。」とも。OS依存度の高いネットのサービス、反対!よろしくお願いいたします。>某メガバンク殿。

ネタフルのコグレさんみたいもん!のイシタニさんには、「『15インチを待つ』なんて言ってないで、とっとと購入せい。」と指令をいただきましたが、人生の一大事ですので、マイペースでじっくり進めたいと思います。

(ではまた。)

第24回ICPFセミナー「通信・放送の総合的な法体系に対する通信事業者の考え方」

よく見たら、筒井センセーの講演じゃないですか。
早速、ICPF事務局に申し込んだところ、席をゲットできました。
(楽しみー)

http://www.icpf.jp/archives/2008-01-08-1613.html

 総務省では「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」を組織し、通信法制と放送法制の統合について研究を深めてきました。この新しい法体系によって通信と放送の融合が促進されるかどうかについては、世の中には賛否両方の意見が存在します。
 情報通信政策フォーラム(ICPF)では月次セミナーでこの新しい法体系について議論を深めていくことにし、07年10月には「研究会」事務局を担当された総務省の鈴木茂樹課長を、11月にはTBSメディア総合研究所の前川英樹社長をお招きし、それぞれのお考えを伺いました。
 今回は連続セミナーの第3回目として、ソフトバンクBBの筒井多圭志取締役にお話をしていただくことになりました。

<スピーカー>
 筒井多圭志氏(ソフトバンクBB取締役CTO)

<モデレーター>
 山田肇(ICPF事務局長・東洋大学教授)

<日時>
 1月31日(木)18:30?20:30

<場所>
 東洋大学・白山校舎・5号館5201教室
 東京都文京区白山5-28-20

<入場料>
 2000円 ※ICPF会員は無料(会場で入会できます)

★申し込みはinfo@icpf.jpまで、氏名・所属を明記してe-mailをお送り下さい。

Windows離脱宣言(MacBook Air発表)

「ネットワーク外部性」のせいで、好むと好まざるとに関わらず、一生 Windowsのお世話になるんだろうなあ、と思ってたんですが。

昨年末にうちの奥さんに買ったげた

  • MacBook Pro

  • OS X Leopard

  • Parallels Desktop3.0 for Mac (+WindowsXP)

という組み合わせで、Windowsソフトがサクサクと動作するのを見て、こりゃーWindowsから逃れられる実現可能性が出てきた、と思った。

MacOS Xはデザイン性に優れているというだけではなくて、サクサク動くし、パッケージソフト中心からネットワーク中心に遷移してきて、OSやハードウェアへ仕事が依存する度合いも減ってきた。実際、私がイケてると思うエンジニアの方々は、「自分のパソコンはMac」という方が非常に多い。ところが、Macはハードウエアの選択肢が少なく、毎日肌身離さず持ち歩くパソコンの重量が2kgというのは、私としてはちょっとご勘弁、だったわけです。

で、昨日のMacBook Airの発売であります。
http://www.apple.com/jp/macbookair/

macbook_air1.gif

これであれば、現在使用しているLet’s noteとほぼ同程度の重さ。
奥さんのパソコンで、よく使うWindowアプリケーションが動作するかどうか「平行ラン」をしながら実証しつつ、ディスプレイ15インチのMacBook Airみたいのが出たらMacに乗り換えることといたしましょう。

Windowsをパラで走らせられる環境にして徐々にMacOSに慣れ、アプリケーションやデータも移行していって、1年半後くらいには(かねてからのMacユーザーの方々にしてみれば、何をいまさらでありましょうが、遅ればせながら)完全にMac使いになっている願望を、ここに宣言させていただきます。

(ではまた。)

January 15, 2008

野島伸司(氏)、すげえ

私、あまりドラマは見ないんですが、昨日から始まった「薔薇のない花屋」にヤラれました。(開始30秒後に、早くも泣かされてました・・・。)

野島伸司(氏)、実力を高く評価される一方でいろいろ批判も多い方のようですが、いろいろナゾをからみあわせる展開は、よー考えますなー、の一言であります。

(ではまた)

January 7, 2008

「エンジェル税制改正」って、どーよ?

昨年12月22日の日経新聞の記事などによると、2008年度税制改正ではエンジェル税制について思い切った改正が予定されているとのこと。

2004年に書いた記事で、「エンジェル税制ってイマイチ」という趣旨のことを申し上げたんですが、今度の改正はかなり「太っ腹」な改正ですし、「ホントにイケてるベンチャー投資」をする個人の投資家にとっては、相当なメリットになり(え)ます。

一方で、(ベンチャーに良かれと思ってこの制度を作っていただいているのは間違いないんでしょうけど)、ホントにこの税制がベンチャービジネスの振興につながるのかどうかについては、引き続きギモンなのであります。


改正の概要
今まではベンチャーへの投資額が株式の譲渡益からしか差し引けませんでしたが、新聞報道によると、改正後は寄付金として、なんと総所得から差し引ける!・・・・という、かなりの太っ腹な改正が行われるとのこと。

以前の記事で申し上げましたが、普通のお金持ちというのは上場株式の売買はしても、未公開株の売却で譲渡益が出るというのはかなりレアケースでしょうから、節税額は(投資額に対して上場株式の譲渡益に対する税率10%程度、つまり)最高100万円程度にしかならないだろうし、その程度の額のために、わざわざややこしい申請書類を作成するというのは割に合わないと感じる企業や投資家がほとんどではないか、ということでした。

ところが、今度の改正では、なんと累進税率で課税される総所得から最高1000万円が控除できるわけであります。
新聞記事では地方税についての扱いがよくわかりませんが、年収数千万円の人なら (国税だけでも)最高400万円程度の節税、地方税上も適用されるなら500万円もの節税になりえます。
ちょっとしたスポーツカーが買える額ですから、ニューリッチ層の方々なんかは、機会があればベンチャー企業に投資してみたいと思われるかも知れません。

また、これも記事からは詳細が読み取れませんが、仮に投資時に税率50%で節税ができて上場後売却して10%しか税金が取れないとすると、差引40%分については課税繰り延べではなく、永久に減税になる、というところも大変太っ腹であります。
投資税制は、配当や利息も含めてすべて分離課税で一本化の方向にあるわけですが、総合課税される累進課税の総所得から投資額が差し引けるというのはこのトレンドから大きく逸脱する、租税理論上も「画期的な」出来事だといえるのではないかと思います。


ベンチャーにとって個人は本当に「エンジェル」なのか?
一方で、ベンチャー企業の側から見て、「個人」に投資してもらう、というのは本当に「いいこと」なんでしょうか?

確かに、シリコンバレーのベンチャーのように、「Sun Microsystemsのco-founderが個人で10万ドル投資した!」てなことになれば、ベンチャー企業として「ハクが付く」ことこの上ないわけです。が、投資してもらってそんなカッチョイイことになる人は、日本全体でも100人いるのかしらん?という感じではないかと思います。

アメリカで見かけた例ですが、創業時の資金に困って、何十人もの個人投資家からポロポロと資金を集めたベンチャー企業が、「この資本構成じゃ、VCも投資しないし、上場もできない」と言われてました。
日本でも、増資のときに公募の規制に引っかかるとか、株主総会の手続きや説明コストが増加するなど、「フツウの金持ちのオッサン」が投資した場合に、デメリットで苦しんでいる企業も結構たくさん見かけます。

もっとはっきり申し上げると、「ベンチャー企業は、(原則として)個人投資家からの資金は受け付けるべきではない。」と思います。

個人投資家というのは、(よっぽど「イケてる人」はともかく)、一般にはプロの投資家よりは、企業の内容についての審査能力は弱い(というか、審査能力が無いに等しい人がほとんどな)わけです。上場企業については、そもそも以前から、それなりの企業情報が開示されているし、公開審査を経てコーポレートガバナンスのしくみもそれなりに整っているし、特に金融商品取引法の施行後は説明義務もガチガチになったのに対し、未公開のベンチャー企業なんてのは、そもそもそうした投資家保護の仕組みはほとんど存在しないわけで、デューデリもしない個人にちゃんとリスクを認識して投資してもらうというのは極めて例外的なケースに限られるわけです。

お金を集めるベンチャー企業は、当然、「上場を目指してます」てなことを口にするわけですが、そのリスクの実態については、誤解して受け止められる可能性は極めて高い。(金持ちほど、都合のいいことしか覚えていないことが多いこともあり。)
つまり、お金をもらう分にはいいように思えますが、後でトラブルになる可能性が極めて高いわけです。実際。
また、VCなどのプロと違って、経済合理的な行動をしないことも多い。うまく行っているときはいいとして、ちょっと曲がり角で何かしないといけないときに、感情的にヘソを曲げられて非常に大変なことになることも往々にしてあります。


「ダラダラした」資本政策に陥る危険性
株式というのは「返さなくていい」資金なので、適切なコーポレートガバナンスが構築されていない環境下ではモラルハザードが発生する可能性が非常に高い。
「ちょっとカネが足りない」という場合に、個人からダラダラと株で「お金を無心」して、取り返しの付かない資本構成になってしまっているベンチャー企業というのをたまに見かけるんですが、上述のとおり、VCファンド等が乱立してベンチャー向けの資金がジャブジャブいってる環境下で、なぜその企業は個人から資金を調達する必要があったのか?という目で見られてしまう可能性については十分考える必要があります。

投資額の50%もが所得から控除できるようになった場合、そうしたお金にイージーに手を出してドツボにはまる企業は、ますます増えるんじゃないでしょうか。


個人投資家にとっても、ホントにいいことなのか?
「1000万円投資したらその50%が節税できます!」と言われれば、「おっ」と思うかも知れませんが、そもそもその1000万円が適正な価格なのかどうか、はわからない。(わかるとは限らない。)

つまり、企業価値1億円しかない企業で500万円投資してもらうのと、企業価値2億円と評価して1000万円投資(500万円節税)するのとでは、ベンチャー企業に資金が潤沢に供給される分、後者の方がいいようにも思えますが、投資家からしてみると、「半分節税できて得した!」というよりは、「半分の価値しかない株を倍の価格で買わされただけ」、にもなりえるわけです。

金商法の「集団投資スキーム」に対する規制じゃないですが、「一人でもVCなどのプロが入っている」増資と「(節税をエサに)個人ばかり49人かき集めました」という増資では、今後は特に、意味合いが大きく違ってくるかも知れません。


「市場型間接金融」的な投資も期待できるんでしょうか?
新聞記事では、2006年度のエンジェル税制による投資実績が13億円しかなかった、と書いてありました。(仮に13社だったとしたら、1社1千万円ぽっち。)
今までのエンジェル税制でも、認定投資事業組合経由で投資したものについても控除が認められていたはずなので、VCさんもこの制度は全く利用してこなかった、ということなんでしょう。

今後、最高50%も節税ということになれば、VCがニューリッチ層から資金調達する場合に大きなプラスになる可能性はありますし、個人側からしても、「プロの目利き」が仲介するのはいいことかと思います。一方で、投資対象企業の資本構成上の制限や、「ハンズオン」が義務付けられていることなど、なぜ、今までVCさんがこの制度を活用しなかったか?ということを考えると、やはり今後もあまり一般的にならないのかも知れません。

「ハンズオンするイケてるブティック型のVC」が増えればこんなうれしいことはないですが、比較的小規模なブティック型のファンドで金商法上のコンプラやドキュメンテーションの態勢を(コスト上、能力上)どこまで構築できるのかと考えると、そういうファンドが何十も設立されるというのは絶望的にも思えます。

節税をウリにする怪しげな投資スキームにだまされる人が増えるだけになったら・・・・イヤですね。

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以上、資金がこれからもジャブついている前提で悲観的なお話をしてまいりましたが、今後(また)「ベンチャー冬の時代」が到来する可能性もないではなく、資金調達スキームの選択肢は多ければ多いに越したことはないので、思い切った改正はありがたいお話ではありますので、念のため。


(ではまた。)

January 4, 2008

企業法務判例ケーススタディ300 企業組織編

本日初出勤したところ、カブドットコム証券で社外取締役をいっしょに勤めさせていただいてます西村あさひ法律事務所の佐藤丈文弁護士から、標記の本を送っていただいてました。(どうもありがとうございます。)

西村あさひ法律事務所の岩倉弁護士と佐藤弁護士が監修して、企業組織関係の103の判決(新しいところでは岩倉弁護士が活躍されたブルドックソースの判決まで)について、判例の概要、学説、企業法務における当該判決の意義等をまとめられたもの、とのこと。

(他にも献本いただいた本が大量にたまってまして、よく読んでからご紹介と思っていたらますますたまっちゃっているのですが、)本書につきましては内容について私が論評できる力もございませんので、取り急ぎご紹介まで。興味ある判決ばかりですので、これから、じっくり拝読させていただきます。


内容の概略は下記のとおり。

第1章 会社総則
ゴルフ場の営業の譲受人が名称を継続して使用している場合における譲受人の預託金返還義務の有無(最判平16.2.20)、ほか2件

第2章 株式会社
第1節 設立 株式会社に対する現物出資行為の詐害行為取消の可否(東京地判平15.10.10)、ほか3件
第2節 株式・新株予約権 定款による譲渡制限のされた株式につき会社に対して譲渡の承認および相手方指定の請求をした株主がその請求を撤回することのできる時期(最判平15.2.27)、経営支配権の確保を目的とする新株予約権の発行が「著しく不公正な方法」に当たる場合〔ライブドアv.s.ニッポン放送事件〕(東京高判平17.3.23)、ほか17件
第3節 株主総会 株主に対する招集通知を欠いたまま開催される株主総会の開催禁止を求める仮処分命令の申立てについて、保全の必要性を欠くものであるとして、その申立てが却下された事例〔コクド株主総会開催禁止仮処分申立事件〕(東京高判平 17.6.28)、ほか12件
第4節 取締役・取締役会 退任取締役による競業会社設立・従業員引抜きと忠実義務違反(東京高判平元.10.26)、銀行の取締役の融資判断についての善管注意義務(東京地判平16.3.25)、雪印食品損害賠償請求事件控訴審判決(東京高判平17.1.18)、ほか 26件
第5節 監査役 弁護士である監査役の訴訟代理の可否(最判昭61.2.18)
第6節 計算 長銀粉飾決算事件控訴審判決(東京高判平 17.6.21)、ほか6件

第3章 組織再編・企業買収・解散
M&Aに関する基本合意書に違反した場合の損害賠償義務等(東京地判平18.2.13)、ほか6件

第4章 刑事事件
イトマン元社長特別背任事件上告審決定(最判平17.10.7)、ほか3件
第5章 金融商品取引法関連
大量保有報告書提出義務違反の罪および風説流布の禁止違反の罪の成立要件(東京地判平14.11.8)、ほか2件

第6章 コンピュータ・IT関連 5件
第7章 独禁法関連 7件


このシリーズで、「企業取引・知的財産権編」、「金融編」も出版されているようです。

企業法務判例ケーススタディ300 企業取引・知的財産権編

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企業法務判例ケーススタディ300 金融編

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(ご参考まで。)

January 3, 2008

戸塚中継所

早朝から、遅ればせながらの初詣にでかけて、箱根駅伝復路に追いつかれないように帰路に。
通過1時間前でしたが、戸塚中継所にはかなりの人がすでに集結中でありました。

(早稲田、なんとか追いつかれずに1位で、今、戸塚中継所でタスキリレー。)


P1_totsuka.jpg


(追記:箱根駅伝は、ホンダをはじめ国産の自動車会社のスポンサーがバリバリに付いてるので、VOLVOのボの字も映りまへんなあ。たいしたもんですね。)

January 2, 2008

三十数年ぶりの「人生ゲーム」

親戚の子が遊びに来るので、元日早々、トイザらスで「人生ゲームEX」

 

人生ゲーム EX
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を買ってきて、息子らの予行演習につきあってみた。

 

子供のころは、プレイヤーに配られるのは「お金」だと思ってたんですが、息子から、

「『NOT NEGOTIABLE』って書いてあるけど、どういう意味?」

と聞かれてよく見ると、「DEMAND NOTE」と書いてあるじゃあないですか。

 

I_1608_demand_note.jpg

 

顔写真まで入ってますが、「銀行振出しの要求払い手形」という理解でよろしいでしょうか?

「子供が産まれたご祝儀で$2000ずつ支払う」といった場合でも、「not negotiable」なので、直接プレーヤー同士で受け渡しをするのは禁止で、正式には銀行を通して支払をしなければならない、ということでしょうか。

(ちなみに、最後の「億万長者の土地」で精算して95万ドルくらいで私が優勝。
millionaireには若干足りなかったスね。)

 

(ではまた。)

January 1, 2008

明けましておめでとうございます (2008年、年賀ブログ)

明けましておめでとうございます。

(資源節約のため、昨年から紙の年賀状はやめて「ブログで年賀状」とさせていただいております。
 年賀コメント、トラックバック、歓迎いたします。)


I_1603_hinode.jpg
(写真追記:今年もズボラに、自宅前から眺める初日の出、です。)


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昨年末に再放送を見たテレビドラマの「LIAR GAME」は、(意外にも)非常にいろいろなことを考えさせられました。

1989年のベルリンの壁崩壊で共産主義は過去のものとなった感がありますが、それは見方を変えれば、「全体がうまくいくように計画すればうまくいく」ことが幻想だったと人々が気付いたということであり、それ以来、世界はそのアンチテーゼとしての市場経済の方向に大きく舵を切ってきました。

しかし、「各自が自分のことを考えて勝手に行動する」シンプルな市場経済は、ループホールを抜ける者と、その穴にパッチを当てる行為のイタチゴッコとなり、法は果てしなく複雑になって、ほとんどの人が理解不能なものになりつつあります。
そもそも。「協力」しない人が普通であること前提として、その人を封じ込める「ガバナンス」や「統制」のしくみを重くしていったとして、その先に明るい未来はあるんでしょうか?

一部の人が社会全体のことを考えて計画をするのでもなく、各自が利己的に考えて行動する(「自由」が建前だが実態はルールでがんじがらめの)社会でもない、「第三の道」は無いんでしょうか?

2008年の冒頭の本日現在、そんなことをつらつら考えております。


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みなさん、本年も何卒よろしくお願いいたします。

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