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June 28, 2007

株主総会、3つめ終了

(ふぅ)
全部、終わった・・・。

June 27, 2007

株主総会、2つめ終了

(ふぅ)

June 24, 2007

株主総会、一つ終了

(ふぅ)

June 18, 2007

インサイダー取引規制の閾値は確実に下がっている

小さい記事なので見逃した方も多いと思いますが(私も見逃してましたが)、先週末、SESCさんから下記の勧告が出ています。

ユーエフジェイセントラルリース株式会社の株券に係る内部者取引の調査結果に基づく課徴金納付命令の勧告について
http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2007/2007/20070615-1.htm
ダイヤモンドリース株式会社の株券に係る内部者取引の調査結果に基づく課徴金納付命令の勧告について(平成19年6月15日 証券取引等監視委員会)
http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2007/2007/20070615-2.htm

例えば、2番目のリリースでは、

2 .法令違反の事実関係
 課徴金納付命令対象者は、ダイヤモンドリース株式会社の契約締結先の社員であったが、ダイヤモンドリース株式会社がユーエフジェイセントラルリース株式会社と合併することを決定した事実を同契約の締結及びその交渉に関し知り、この事実が公表される平成18年10月19日以前の同年7月24日に、株券200株を98万2,000円で買い付けたものである。
 同人が行った上記の行為は、証券取引法第175条第1項に規定する「第百六十六条第一項又は第三項の規定に違反して、自己の計算において同条第一項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。

2.   (原文のまま) 課徴金額の計算
 上記の違法行為に対し証券取引法に基づき納付を命じられる課徴金額は、20万円である。

となっています。


「インサイダー取引規制に下限無し」
課徴金制度というのは、「気軽に」行政処分でペナルティを与えられるように、ということでできた制度ですし、証券取引法や内閣府令のどこを見ても「金額が小さい場合にはセーフ」といった軽微基準はありません。

このダイヤモンドリース等のケースについて、「金融系だから『一罰百戒』で、小さい金額にも関わらず、とりわけ厳しく出したのではないか?」という感想をおっしゃる方がいらっしゃったので、証券等監視委員会のホームページで過去のリリースを調べてみたんですが、すでに昨年5月に課徴金「5万円」というケース、本年2月に「4万円」というケースも出ていますし、課徴金数十万円レベルの勧告も(ニュースになるかどうかはともかく)、かなりたくさん出ていますので、「金融系だから」という認識はまったく間違いでしょう。

上場会社に関わる方は、「インサイダー取引規制に下限無し」という時代に入っていることを強く認識する必要があると思いますし、インサイダー取引規制違反という聞こえの悪さ(レピュテーションリスク)を勘案すると、「インサイダー取引規制って、何千万円とか何億円取引するような極悪の人しか関係ないでしょ?」とか「課徴金って行政処分だから、道交法でいうと青キップみたいなもんでしょ?」といった認識は、非常に危険であります。


時期の問題
もう一つ。リリースによると、このダイヤモンドリース等の合併の公表は平成18年10月19日で、株券の買付けは同年7月24日と、3ヶ月も前の買付けが問題になってます。
当然、合併の基本契約の締結を正式に機関決定したのは適時開示した平成18年10月19日ですが、ご存知のとおり、証券取引法166条第2項では、「当該上場会社等の業務執行を決定する機関が次に掲げる事項を行うことについての決定をしたこと」とあり、「行う決定をしたこと」とはなっていないわけで、合併等の準備をはじめる決定等があったらインサイダー取引規制の対象にはなってきます。

M&Aについては情報のリリースのタイミングが非常に難しいわけですが、「合併契約の締結」でも「合併の基本契約の締結」でもなく、そのための準備の(確度がどのくらいだったのか、実際のところは勧告の文章だけではよくわかりませんが)、3ヶ月も前から対象となるとなれば、情報の公表のタイミングを大きく前倒しで考えていかないといけないのではないかと思います。

また逆に、適時開示規則(第2条第1項第1号)を見ると、「上場会社の業務執行を決定する機関が、次に掲げる事項を行うことについての決定をした場合」と、証券取引法の文言とそろえてありますので、上記の件がインサイダー取引と認定されたということは、「すでに事実上、"決定"が存在した」と認定されたということであり、会社は適時開示規則に違反して3ヶ月も開示を怠っていた、ということになってしまうリスクもあるんじゃないでしょうか

一方で、一般のM&Aで両社で検討を開始したからといって、ただちにプレスリリースできるかというと、なかなかそうとばかりもいかないはず。
芸能人どうしの交際なら、「いつから結婚を意識したんですか?」という質問にムニャムニャ答えることも可能ですが、会社どうしの「結婚」の場合、インサイダー取引規制の処罰のインパクトがデカい話でもあり、非常に悩ましいところであります。情報を知る社員等に情報管理や売買の禁止を徹底させるのはもちろんのこと、「いつ」決定が行われたのかということについて会社として明確に意識する必要があるかと思います。


認識はどこまで浸透しているか?
かようにインサイダー取引規制については厳しさを増している昨今ですが、昨年、某大手証券会社のコンプラ担当者を招いたインサイダー取引規制の勉強会で、
「上げ要因と考えられる事実を知って売却する場合も、条文上はインサイダー取引規制違反になりえますよね?」
「村上ファンド裁判も考えると、”決定”の時期については以前よりかなり前倒しで考えておく必要がありますよね?」
といった質問をしたところ、
「そのとおり。昨今当局の目も厳しいので、非常に厳しく考えておく必要があります。」
といったお答えが返ってくるかと思いきや、

「いやー、それで問題になったケースはまだ無いんですよねー。」
「そこまで厳格に考えてらっしゃる会社さんは、実際、ほとんど無いと思いますよ。」

と、終始 半笑いでお答えいただきましたので、「大手証券会社のコンプラ担当者でも、まだその程度の認識なんだなあ・・・」と、かなりビックリした次第でありました。


破壊的インパクトを吸収できるしくみが必要
認識や態勢は厳しくする必要がある一方で、企業としては、やはり何らかの処罰を当局から受けることのインパクトが非常に大きいのも確かです。きちんと善管注意義務を払って厳格にリスク管理をしても、望ましくない状態の100%の防止というのは不可能ですし、万が一発生してしまったときのインパクトは、(課徴金は行政処分だから、とか、数万円のペナルティだからたいしたことないや、ということでは全然なくて)、企業に対して非常に深刻なダメージを与える可能性があります。

そんな問題意識のもと、先日の旬刊商事法務2007/6/5号で、木目田裕弁護士、山田将之弁護士による「企業のコンプライアンス体制の確立と米国の訴追延期合意-Deferred Prosecution Agreement-」という論文は、非常に興味深く拝見しました。

証取法における課徴金制度や独禁法におけるリニエンシー制度の導入等による簡易迅速な摘発・制裁を目指す動きはあるが、依然として取締役当局としては重要性の高い事件に重点的に人的資源を投入して一罰百戒を目指すことを基本とせざるを得ない現状にある。また、取締当局による摘発が企業に与えるダメージは甚大であり(略)、企業としては、取締役当局による捜査・調査に直面した場合には、コンプライアンス体制の見直しは二の次にして、摘発の回避にエネルギーを傾注せざるを得ない。

という状況の中、

米国においては、企業不祥事に対して、deferred prosecution agreement(略)という手法によって、一定の解決を図ろうとしている。DPAは、以下で検討するように(略)、自ら社内の違法行為を把握した企業や捜査対象になった企業が、検察官との間で、違法行為を認めて捜査に協力し、コンプライアンス規程の見直しや役員交代その他の再発防止策の構築等の企業改革を行うことを約束し、一定の猶予期間にわたり外部の独立した第三者によるチェック等を受け入れ、かかる企業改革等の着実な実施が確認されれば、検察官が刑事処罰を見送ると言う米国刑事手続上の運用である。

とのこと。

DPAという制度が日本でうまく機能するのかどうかは私は(まだあまり深く考えていないので)よくわかりませんし、そもそも課徴金制度というのは、刑事罰と無罪との大きな隙間を埋める制度として導入されたものではあると思うのですが、ルールの複雑化や「閾値」の低下が進む中で、企業活動としてかけられるコストと、万が一望ましくない状況が発生した場合のインパクトのデカさを考え合わせると、不十分な状況を改善しようという意思のある「まじめ」な企業が、そうした破壊的インパクトを吸収できるなんらかの「しくみ」が必要なのは確かではないかと思います。

(ではまた。)

June 17, 2007

(激遅ネタで恐縮ですが)Microsoft Surface、すごい!

http://www.microsoft.com/surface/

よくSF映画で、3次元のホログラムやデータグローブを使うインターフェイスが出てくるけど、あれって、現状ではビジネスとして普及可能な性能とコストが実現できない技術だし、いちいちグローブして仕事したりするのもうざったい。
でも、このSurfaceなら、大型フラットディスプレイ(センサー付)と現在のパソコンのマシンパワーがあれば実現できそうだし、それでいて、かなり未来っぽいかと思います。

 
Microsoftって、あれだけのキャッシュフローをもってして、なぜ「Appleみたいなこと」ができないのか?(たった10億円とか100億円とか、Microsoftにとっては小銭程度のお金をデザインにかければ、かなりのことはできるはずでは?)というのが長年の疑問だったんですが、(そして今もなおAppleファンの方は鼻で笑っていると思いますが)、VistaといいSurfaceといい、Microsoftもちょっとだけ「Appleっぽく」なってきたんではないかと思います。

このデモ・ビデオを見ると、大型フラットディスプレイのニーズは、テレビだけでなく、まだまだいくらでもある、ということもわかるかと思います。

私も、パソコンで作業するのに、建築家が使うドラフターみたいな傾斜が付いた大型ディスプレイの中でExcelのワークシートや図表などを操作ができれば、かなり作業効率があがるんだけどなあ。
磯崎哲也事務所は今でも世間比では文書の電子化率が高いほうだと思いますが、こうしたインターフェイスがあれば、世の中のオフィスや家庭の紙の文書は一掃されるんでしょうね。
また、ここまでくれば、紙の新聞や雑誌も、さすがに無くなるかも。

解像度は5120×3200ピクセルくらいほしいところ。:-)
それが価格20〜40万円くらいになったら、オフィスの机やお父さんの書斎の机だけでなく、子供の勉強机等にも、急速に普及しだすんでしょうね。

(ではまた。)

June 16, 2007

本日の疑問(孫会社との合併、三角合併、相互保有)

昨日、親会社と孫会社が合併したらどうなるか?と考えていて疑問に思ったことのまとめ。

 

設問:
下記のように、親、子、孫という会社があったとして、このA社(親)とC社(孫)が合併するとします。


図1:親会社と孫会社の合併
gappei1.JPG


この場合、普通の(旧商法時代からの)合併をすると、例えばA社が存続会社の場合、下図のとおり。


図2:普通の(従来型の)合併
gappei2.JPG


(C社が存続会社の場合には、A社株主に交付されるC社株式の発行済株式に占める比率をz%とすると、100-x%のところがz%に、x%のところが100-z%になる。)

一方、先月から認められた合併対価の柔軟化を利用して、A社(親)とC社(孫)が合併する際に、C社を存続会社としてB社株式をA社株主に交付する「三角合併」を行うと、下図のようにB社とA社の親子関係が逆転するわけです。(昨日の中大ロースクール大杉先生の授業でのトリビア。)


図3:子会社株を使った親会社と孫会社の三角合併
gappei3.JPG


いずれの図でも、一番下の会社は、その上の会社の株式を持つことになります。会社法でも、親会社株式の取得は原則禁止されてますが(135条1項)、合併の場合には適用除外となってます。(135条2項2号)


(親会社株式の取得の禁止)
第百三十五条  子会社は、その親会社である株式会社の株式(以下この条において「親会社株式」という。)を取得してはならない。
2  前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一  他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社の有する親会社株式を譲り受ける場合
二  合併後消滅する会社から親会社株式を承継する場合
三  吸収分割により他の会社から親会社株式を承継する場合
四  新設分割により他の会社から親会社株式を承継する場合
五  前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める場合
3  子会社は、相当の時期にその有する親会社株式を処分しなければならない。


ここで、日本の法人の場合、子会社からの持分が25%以上になる場合には、ご存知、下記の308条により、原則として議決権がなくなってしまいます。


(議決権の数)
第三百八条  株主(株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有することその他の事由を通じて株式会社がその経営を実質的に支配することが可能な関係にあるものとして法務省令で定める株主を除く。)は、株主総会において、その有する株式一株につき一個の議決権を有する。ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の株式につき一個の議決権を有する。 (以下略)


図2では、C社がA社にくらべて企業価値が著しく低い(例えばペーパーカンパニーだという)場合には、一番下の会社からその上の会社に伸びる矢印の%は小さく(25%未満に)なるのが普通なのでいいとして、
図3の場合、A社が企業価値の高い企業でC社がペーパーカンパニーだったりすると、もともと親会社A社がB社に対して保有していた株式の3倍(!)以上の株式数をA社株主に対して交付しないと合併したC+A社が保有する株式の比率が25%以上になって、B社がC+A社に対して議決権を行使できなくなっちゃうのではないかいな?

・・・と思って、308条がreferしている法務省令(会社法施行規則)を見て見ると、

(実質的に支配することが可能となる関係)
第六十七条  法第三百八条第一項 に規定する法務省令で定める株主は、株式会社(当該株式会社の子会社を含む。)が、当該株式会社の株主である会社等の議決権(同項 その他これに準ずる法以外の法令(外国の法令を含む。)の規定により行使することができないとされる議決権を含み、役員等(会計監査人を除く。)の選任及び定款の変更に関する議案(これらの議案に相当するものを含む。)の全部につき株主総会(これに相当するものを含む。)において議決権を行使することができない株式(これに相当するものを含む。)に係る議決権を除く。以下この条において「相互保有対象議決権」という。)の総数の四分の一以上を有する場合における当該株主であるもの(当該株主であるもの以外の者が当該株式会社の株主総会の議案につき議決権を行使することができない場合(当該議案を決議する場合に限る。)における当該株主を除く。)とする。
2  前項の場合には、株式会社及びその子会社の有する相互保有対象議決権の数並びに相互保有対象議決権の総数(以下この条において「対象議決権数」という。)は、当該株式会社の株主総会の日における対象議決権数とする。

と、下線部の規定がありますので、子会社が100%親会社の株式を25%以上持っていても、100%親会社以外の人は議決権を行使できないわけですから、結局、100%親会社は議決権を行使できる、ということになりますね。
つまり、B社が日本企業であっても、合併前のB社発行済株式の3倍もの株式を発行する必要は無いし、B社が外国の企業であれば、(外国の法律はよく存じませんが、相互保有で議決権が無くなるといった規定がないとすれば)、あまり関係ないかも知れません。

この下線部の規定を逆に考えて見ると、例えば、下記のように、A社株主に対して株式を交付せず、現金合併等にすると、お互いに100%株式を保有しあう会社ができますが、この場合には、お互いに議決権を行使しあう「2人だけの世界」に入れる、ということでしょうか。


図4:2人だけの世界
gappei4.JPG


また、お互いに大量の株を保有しあっていても、下記のように、1人だけ1株を保有する株主が現れると、とたんに大量のC社株式を保有するB社の議決権は停止されて、その1株株主がキャスティング・ボートを握ることになってしまいます。


図5:浮気の図
gappei5.JPG


100%づつ持ち合う状態になってしまうようなアホなことには、なかなかならないと思いますが、万が一そうなっても、C社が「公開会社」なら取締役会で新株を発行して「浮気する」と、永遠に続くと思われた二人だけの世界は崩れますね


子会社、親会社とは何か
会社法第2条(定義) で、子会社・親会社とは;

三  子会社 会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。
四  親会社 株式会社を子会社とする会社その他の当該株式会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。

であり、法務省令(会社法施行規則)では、

(子会社及び親会社)
第三条  法第二条第三号 に規定する法務省令で定めるものは、同号 に規定する会社が他の会社等の財務及び事業の方針の決定を支配している場合における当該他の会社等とする。
2  法第二条第四号 に規定する法務省令で定めるものは、会社等が同号 に規定する株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配している場合における当該会社等とする。
3  前二項に規定する「財務及び事業の方針の決定を支配している場合」とは、次に掲げる場合(財務上又は事業上の関係からみて他の会社等の財務又は事業の方針の決定を支配していないことが明らかであると認められる場合を除く。)をいう(以下この項において同じ。)。
一  他の会社等(次に掲げる会社等であって、有効な支配従属関係が存在しないと認められるものを除く。以下この項において同じ。)の議決権の総数に対する自己(その子会社及び子法人等(会社以外の会社等が他の会社等の財務及び事業の方針の決定を支配している場合における当該他の会社等をいう。)を含む。以下この項において同じ。)の計算において所有している議決権の数の割合が百分の五十を超えている場合
(イ、ロ、ハ、ニ:民事再生の場合等。) 二  他の会社等の議決権の総数に対する自己の計算において所有している議決権の数の割合が百分の四十以上である場合(前号に掲げる場合を除く。)であって、次に掲げるいずれかの要件に該当する場合 (略) 三  他の会社等の議決権の総数に対する自己所有等議決権数の割合が百分の五十を超えている場合(自己の計算において議決権を所有していない場合を含み、前二号に掲げる場合を除く。)であって、前号ロからホまでに掲げるいずれかの要件に該当する場合 4  法第百三十五条第一項 の親会社についての第二項 の規定の適用については、同条第一項 の子会社を第二項 の法第二条第四号 に規定する株式会社とみなす。

となってますが、ということは、図5だと、B社はC社に対して議決権を有しないから、(1株しか持っていない株主DがB社の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意してたり、C社の取締役会にB社出身の取締役がいっぱいいたりする実質支配要件に該当しない限り)、B社はC社の親会社ではない、ということになります。

株主DがB社の傀儡なら、C社はB社の子会社のままですが、株主DがC社の傀儡だとすると、B社の議決権は停止され、C社がB社の子会社ではなくなる。また、株主DがC社の意向を受けているとしても、必ずそれが不公正発行とか議決権の停止ということになるとはいえないリスクがあるのではないかと思います。


親会社株式の処分
前掲の132条3項で、「子会社は、相当の時期にその有する親会社株式を処分しなければならない。」とされてますが、図4のB社、C社は相互に親会社であり、子会社でもある、ということになりますか?
とすると、お互いにその持株を相当の時期に処分しないといけない、ということになりますね。(「2人だけの世界」は、長くは続かない。)

また、図5のように「浮気」していると、(もともと親会社だった)B社はC社の子会社になるわけですね。

さらに、下図のように「ダブル不倫」だと、両者とも子会社でも親会社でもなくなるから、親会社株式も(というか、親会社株式にはあたらないので)処分しなくていい、ということになりますが、


図6:ダブル不倫の図
gappei6.JPG


ただし、現実的には、まったくの赤の他人がちょっとだけ株を持って勝手に議決権を行使するなんてことは考えにくく、株主Dは、B社やC社の役員や関係者だったり、申し合わせがあったりすると、実質要件で親会社・子会社に該当するので、それぞれ、相当な時期に株式を処分しないといけない、ということになるのが普通なんでしょうね。

(ではまた。)

June 15, 2007

[pseudo] コムスンの件であらためて思ったこと

(ビルのオーナーさんや他の入居者の方々には大変申し訳ないですが)、あのビル、「何かある」としか思えない・・・。

テレビ朝日さんにも不祥事が続発している、ということでもなさそうですので、六本木ヒルズ全体というより、(仮に「何かある」としたら)あのビルの問題なんでしょうね。

「ああいうチャラチャラした新しいビルに入ると、不祥事を起こすスキが社風にも生まれやすいんだ」という「科学的な」解釈で納得されている方も多いでしょうが、であれば、ミッドタウンや新丸ビルなどに入居した企業にも、今後、不祥事が多発するんでしょうか。(なんとなく、しない気がする・・・。)

(ではまた。)

※[pseudo] は、エセっぽいエントリにつけている印です。

June 13, 2007

「年金をもらう権利」雑感(民間との対比で無理やり考えてみる)

(以下、アナロジーを用いたヨタ話が書いてありますので、「オレは厳密な議論しか認めん」という方には読むのをオススメしません。「たとえ話」というのは、所詮限界がありますので。)

たとえば、下記のような種類株式があると考えてみてください。

1.配当金
(1) 当会社は、B種種類株式を有する株主(以下「B種種類株主」という。)に対し、それぞれの事業年度ごとに、1株につき金○○万円を支払う。
ただし、当社が別途定める規程(以下「配当金支払規程」という。)に基づき、累計で25年以上B種種類株主であったと当会社が認めた場合のみ、配当金支払規程で定める日から支払いを開始するものとする。
(2) 当会社は、取締役会の決議により、配当金支払規程及び前項の配当金の額を変更することができる。

2.残余財産の分配
B種種類株主は、残余財産の分配権を有しない。

3.議決権
B種種類株主は、株主総会において議決権を有しない。

4.取得条項
当会社は、取締役会において取得するB種種類株式を決定し、B種種類株式を無償で取得することができる。


法律的な権利
もし、こういう種類株式があったとして、これは「権利」か?と聞かれたら、「うーん」ですね。純粋な法律論に言えば、たぶん権利。(ただし、株主側の権利だけでなく、会社側からの権利(コール等)も付いてますが。)

だけど、例えば消費者問題をやっている弁護士さんのところに「こんな権利をくれると言っている会社があるんですが・・・。」と相談しにいったら、おそらく、
「こんなのは権利とは呼べないですよ。だって、先方の都合で、勝手に金額も変えられるし、支給開始の日も先方の取締役会決議でずらせるんですから。25年というのも、あまりに先の話で、その時にその会社や取締役会がどうなっているかもわからないですよ。」
と言うのではないかと。

で、「ジャーン。この『当会社』というのは、実は国なんです。」と告げたら、「うーん(それならちょっと信用できるような気もするし・・・・信用できない気もするし・・・)」と困ってしまうかと。

以上、株主というのが「国民」で、普通株主としては「議決権」をもっており、そこで選ばれた取締役(国会議員)で取締役会(国会)が構成されているところが、普通株主にB種種類株式を割当てたら・・・という例え話でありました。


経済的な権利
また、経済的な「権利」として、この株式の価値を算定してくれ、と言われても、算定を依頼された会計事務所なども、困ってしまうはずであります。
「価値はマイナスとかゼロではないと思うので、タダでもらえるんなら損ではないとは思うんですが・・・」「(えっ、タダでもらえるんじゃない?)」としか言いようがないかと。

通常の民間の契約や証券などであれば、「どういうときに、どうなる」という話は、通常、非常に細かく取り決められているし、リスクファクターについても説明されています。例えば、いろいろコベナンツがついていて、「これこれの条件をヒットした場合にはデフォルト」と定められていれば、そうした条件を組み込んだモンテカルロ・シミュレーションとか多項モデルなどで、その証券のバリューはある程度割り出すことができるはず。ただ、上記のように、どういうときに減額されるかなどの条件がまったく明確でない場合には、どうにも算定しようがない。


年金は詐欺なのか?
ネットのブログやブックマークなどで、「年金って、国による詐欺じゃねーの?」的な書き込みを結構たくさん見かけましたが、逆なんでしょうね。「民間がやったら詐欺にしか見えない話」だからこそ、国がやる意味がある。(のかも)
だけど、「国がやってますから安心です」だけで信用が築けると思われても困る。民間であれば、開示とか監査とか内部統制とか格付けとか、信用を構築するためのしくみを、必死になって作り上げているわけで、それよりも基本的にアヤシイ話なら、民間以上に厳しくしくみを作り上げないと、まずいでしょう。

確かに、「当会社」の側も、当然、なんでもかんでも株主の権利を損ねていいわけではないのはあたりまえでして、そんなに急に「権利」の内容が激変するとは限らない。

買収防衛策の議論で、特定の株主(企業価値を損ねると考えられる買収者など)が行使できない新株予約権を全株主に割当てて、その「特定の株主」だけが「権利」を失うことになる場合には、独立委員会等できちんと検討されるなど、それなりの手順と理屈が必要なはずなのと同じく、国の場合も、憲法に反することができないのは当然。
ただ、その手順や理屈が妥当かどうかということを判断するための常識や周囲の環境も、数十年の歳月の間には、大きく変わっていくのは間違いないかと思います。(少子化、高齢化、国の債務の増大、増税できるかどうか、等で。)
買収防衛策だって、つい数年前までは、特定の株主だけの権利を損ねるようなことは株主平等原則に反するという考え方が主流だったかと思いますし、昨日の会見でもスティール・パートナーズさんは、そう主張されてますが、大きな流れはそういった買収防衛策を容認する方向で考えられてきているのではないかと思います。


年金のガバナンス
また、年金というのは、ある意味、ライブドアのMSCBとかファンドを経由した自己株取得の問題や日興コーディアルのEB債の問題と似ていて、話が非常に財務的に高度でわかりにくい。そこで、「ガバナンス」がどうなっているかが重要になってくるし、株主(国民)から選ばれた取締役会(国会)でしっかりチェックをしないといけないけど、年金数理とか法律とかややこしい話が出てくると、普通の日本人は頭のヒューズが飛んでしまうわけで、財務に詳しい人(厚生労働省の専門家とか宮内CFOとか日興の子会社社長とか)とチェックする人との間で、非常に情報の非対称性が大きくなっちゃう。

日本国の場合、取締役会メンバーまでが関わっていたライブドアのケースというより、取締役会は一通りのチェックをやっていたが子会社の話が見抜けなかった日興コーディアルのケースのほうに近いんでしょうけど・・・(社外取締役(野党議員)もいるし・・・)。
先日も述べましたとおり、政府の仕組みにおいても(政府の仕組みこそ)、こういった財務的にややこしい話の「内部統制」をどう構築するか、という話をもっと考えるべきだという気がします。

(ではまた。)

June 12, 2007

村上被告来月19日判決

いよいよですね。

村上被告来月19日判決、インサイダー事件東京地裁最終弁論無罪主張し結審。
(日本経済新聞夕刊18面 )

 ニッポン放送株のインサイダー取引事件で、証券取引法違反罪に問われた村上ファンド前代表、村上世彰被告(47)の最終弁論公判が十二日、東京地裁(高麗邦彦裁判長)であった。
(中略)
 ライブドア側が大量取得方針を村上被告に伝えたとする〇四年十一月の会議について、「当時、ライブドアが同放送株を大量取得できる可能性はなく、インサイダー情報を聞いたとの認識は全くなかった」と反論。
(中略)
 弁論の最後で、検察側が論告で村上被告が巨額の利益を得たと強調したことに触れ、「村上ファンドを『仕手筋』と同列に論じるのは誤り。検察官は大衆社会にたまった嫉妬(しっと)のガス抜き機関ではない」と同被告を狙い撃ちした捜査手法を批判した。

(下線部、引用者。)

裁判の経緯を詳しくは追っていないですし、村上被告側検察側どちらに味方するものでもありませんが、「事前」にそれなりの善管注意義務を払って判断していても、もし後知恵で要件を満たせばインサイダー取引に該当してアウト、という判断になると、コンプライアンスをきちっと守る組織なり個人なりは、事実上、相当な範囲の株取引が行えなくなっちゃいます。
裁判所には、そこのところ、よーくご配慮いただければ幸いと思う次第であります。


また、下線部についてですが。検察の捜査の具体的内容もよく存じないので、村上被告側の主張が当たっているのかどうかもわかりませんから、以下、この事件とは切り離した一般論として;

昨今、学校の「いじめ問題」にしても、一部のマスコミやネットの言論にしても、「絶対者」が不在だったり「相対化」された環境下で、「ちょっと悪いかも知れない」人がポジティブ・フィードバック的に「極悪」に仕立て上げられていく傾向が、日増しに強まりつつあるように思われます。
検察や裁判所というのは、そうしたフィードバック・サイクルから切り離されるよう、独立性について十分配慮された存在なのでしょうから、ぜひとも、サイクルの中で「相対化」されることなく判断していただけるよう、切に願う次第です。

(ではまた。)

June 11, 2007

EDINETが使えるようになってる!

先日のエントリで、EDINETがJRE(Java)6等に対応してなくて、急に使えなくなってびっくりしたということを書きまして、その後、WindowsXPのパソコンでJRE6を5にバージョンダウンしたりしてなんとかしていたんですが、今、Windows Vista + Internet Explorer 7 及び + Sun JRE 6の「三重苦」パソコンからアクセスしたところ、
(サイトでの記述は、引き続き、

現在、当サイトは Windows Vista 、 Internet Explorer 7 及び Sun JRE 6 には対応しておりません。推奨端末でのご利用をお願いします。

となっているものの)、
ちゃんとアクセスできるじゃありませんか!

早期にご対応いただきまして、ありがとうございました。>ご担当者様

June 10, 2007

「年金を受け取れる権利」なんて、もともと存在しない(補足編)

前回のエントリ「『年金を受け取れる権利』なんて、もともと存在しない」には、多くのコメント、トラックバック、ブックマーク等をいただき、ありがとうございました。

5000万件超ものデータのアンマッチで国民が怒ってる中、年金のそもそもの「性質」についてちょっと振り返ってみようと思ったんですが、ちょっと刺激的なタイトルを付け過ぎてしまったようで、コメントやブックマーク等でも、「権利が存在しないなんてことはない!」というマジレスも多数いただきました。

件のタイトルは、「公的年金というのは、我々が普通にいつも接している金融商品などの”権利”とは、かなり性質が異なるものですよ」ということを強調したいがための荒っぽい表現でして、もちろん、(実際にすでに年金を受け取っている人がいるのに)「年金を受け取れる権利がゼロ」なんてことを思っているわけもないですし、法律だからと言って国会で何でも変えられるわけでないのもあたりまえであります。
タイトルに「:-)」マークでも付けておけばよかったのかも知れませんが、ただでさえ、年金に対する不信が高まっている中、さらに不安になられた方がいらっしゃったとしたら、すみません。

マジレス系の中でも、bewaadのwebmasterさんのエントリは力作なので、じっくり拝読させていただきたいと思います。
(オープンなブログできちっとしたことを誤解のないように書くのは非常に大変なので、最近、ブログをやめちゃったり、mixiに宗旨替えされて友人限り公開の日記で結構面白いことを書いてらっしゃる方も増えて、ブログできちっとした反論をいただくことが少なかったので、大変ありがたいです。)


個人別にミクロに見た場合の権利は保証されるか?
ただし。
もちろん、今後、「全国民に対して1円も年金を支給しないことにしました」というような法律改正が行われる可能性が高いとは言えない一方で、今後の環境を考えてみると、「受給時に金持ち」だったり「収入が多い」場合など、(健康で文化的な最低限度の生活を営む権利などを侵害しない範囲で)、年金がもらえなくなる人や額が減らされる人の範囲が増える法改正が今後行われる可能性はそれなりに高いのではないかと思います。
つまり、やはり、国民個々人のミクロな立場から見ると、かなり不安定な権利であることは間違いないかと思います。
 

なぜアンマッチが問題にならなかったのか
もう一つ。
国民の大半の人が非常に不思議に思っているのは、今回の5000万件ものデータのアンマッチというようなことが、どうやったら発生できるのか?ということかと思います。例えば10万人顧客がいる民間の金融機関で5万件ものデータがマッチしないというようなことは、やろうと思ってもなかなかできるもんではない。
「役人仕事だから」というのも、全く説得力なし。他の役所でも、こんないいかげんな仕事をしているところは無いと思います。

こうしたみなさんのモヤモヤした疑問をすっきり解決する方法としては、「賦課方式をベースとする年金の特性」に原因(遠因)を求めることは、一つの切り口ではないかと思います。

通常、預金でも投資信託でも証券でも、自分の口座にいくら金がたまっているかは、「債権者」によって定期的に(またはランダムに)チェックされ、それによって一種の牽制が働いているわけです。民間だけでなく、役所の仕事でも、たとえば地方税で、自分の申告と住民税の通知の額が大きく違っていたら、その場で「あれ?」と思うでしょう。

ところが、年金というのは、(1) しくみが複雑で理解しにくいだけでなく、(2) 「支払う義務」と「もらえる権利」が(実は)明確には対応しておらず、しかも、(3) その両者の間に何十年も隔たりがあるために、加入者からの牽制がまったく働かない構造であった、ということかと思います。

ということは、経営的観点からすれば、社会保険庁という組織は、民間の金融機関にも増して組織のガバナンスや内部統制を強化しておく必要があったはずなわけですが、事実は全く逆だった、ということかと思います。

会計検査院もなぜ、こうした大量の不整合を見過ごしていたんでしょうか?(名前と違って、会計的な監査だけでなく、業務監査も行っている組織のはずですが。)
数日前のエントリに、「(社会保険庁も、金融庁に検査してもらってればよかったのに・・・。)」と書いたように、社会保険庁の業務に対する統制としては、昨今の金融庁の検査のノリ(をさらに強化したもの)がもっとも適合すると思われるところ、そういった「今時の金融検査」の発想はほとんど無かったのではないかと思います。
(どなたか、社会保険庁に対する会計検査院の検査の実態がどうだったか、ということについて、情報や資料等、ご存知の方がいらっしゃったら、教えていただけるとありがたいです。)

たとえば、コンピュータ利用が中心の事務であれば、開発時の内容の妥当性の検証や運用フロー等も含めた内部統制構築といった視点が必要でしょうし、もともと加入者のチェックが働きにくい(「保険の不払い」と似てますが、その何倍もリスクがある)構造なので、日常の業務処理フローや監査プロセスの中で、加入者への「確認」的手続きを取るしくみにするといった発想も必要だったと思われます。
(民間に対してですら、こうした発想が出てきたのは昨今のことなので、それよりも権利関係がはるかに明確でないことについて、数十年昔から、そうした発想を会計検査院に要求するのは酷というものかも知れませんが。)

会計監査においても担当者のローテーションが義務付けられましたが、役所の監査は、永遠に会計検査院が行うことになっているのでしょうから、昔の検査担当者がエラい人になっていたりすると、数十年前から5000万件もの不整合が累積しているのを発見したとしても、「独立性」をもってそれを明らかにすることができるのかどうか、疑問ですね。

この事件は、「けしからん」で終わらせずに、ぜひ「役所版エンロン事件」として、役所のガバナンスや内部統制、検査のあり方について制度をどう改善するかの議論に発展させていただきたい、と希望します。


社会保険庁の現場のやる気がどうの組合がどうのと現場を責めることも必要かも知れませんが、それにも増して、年金制度を設計する立場の方々が、「年金を受け取れる権利なんて、もともと存在しない(いざとなったら、どうにかなるさ)」という発想だったということが、組織全体のガバナンスや組織風土の形成に強く影響していったのではないか。・・・・・・というのは、私、個人的には今回の「5000万件事件」の根源的な原因を非常にスッキリ理解できる説明だという気がしたんですが、どうでしょうか。

加えて、過去のミスがなぜ発生したかの責任追求やアンマッチについての対処療法もさることながら、今後、そういったミスを発生させないようにするには、どういうガバナンスやコントロールを導入したらいいのか?を、この際、真剣に考えていただければと思います。それが、年金に対する不信感を払拭する最も重要な施策のひとつだと思うので。

(ではまた。)

June 8, 2007

「年金を受け取れる権利」なんて、もともと存在しない

(追記6/10:やや過激なタイトルにしすぎてしまった感がありますので、タイトルを読んで「そんなわけないだろ!」と思われた方は、ぜひ、次のエントリも合わせてご覧いただければ幸いです。)


社会保険庁のデータ不整合の問題は、まったくありえないとしか言いようがないですし、組織の運営として許される話でもないです。
一方で、(追記:「一方で…」というだけでは「今回の社会保険庁の問題は以上で終わり」「以下、今回の事件とは関係ない、年金の一般論ですが」、というニュアンスがうまく伝わらなかったようなので、その旨、補足させていただきます。)、世の中の人は「年金の掛金を払った人は、将来、年金をもらう権利がある」と思ってらっしゃる方が大半のようですが、これも大間違いなんでしょうね。

おそらく、世間の人のほとんどは、年金は預金などと同じく「自分のお金を政府に預けている」ものだから、いつか「(利息をつけて)返してもらえる」ものだし、年金を受け取れるのは、掛金を負担した者として当然の権利、と思ってらっしゃると思います。

しかし、例えばwikipediaの「年金」の解説に、日本の年金制度は、

現役世代の保険料負担で高齢者世代の年金給付に必要な費用を賄うという世代間扶養の考え方を基本に賦課方式により運営されている

とあるように、「高齢者に年金を払わないといけないから、若いヤツは金出せ」という制度、あるいは「過去に掛金を払わなかった人は年金あげないよ」という制度ではあるが、「掛金を払った人には必ず将来年金を差し上げます」という制度ではないわけですね。
(↑この微妙な違いを、じっくりお楽しみください。)


以前も書きましたが、法的な説明としては「年金2008年問題


年金2008年問題―市場を歪める巨大資金


の著者の玉木伸介氏がおっしゃっていた、

年金をいくら受け取れるかは「法律」で決まっている。「法律」で決まっているということは、国会で過半数の承認が得られれば、いくらでも変更が可能だ、ということだ。
年金は、国に対する国民の「債権」であると思っている人が多いが、債務者である国側の都合で金額が勝手に変えられてしまうものが「債権」であるはずがない。

という説明が非常にわかりやすかったです。
(追記:上記引用部分は、講演会での玉木氏のご発言を私が引用したものですので、引用の表現については私に責任があります。ご注意いただければ幸いです。)


(法律的な厳密さを横において平たく言うと)、年金制度とは、若い世代が高齢層への「寄付」を法律で強制される制度であって、「寄付」したからといって自分が将来寄付してもらえるとは限らない。


これがもし、「国が国民の出した掛金を預かって運用し、年を取ってから年金として返す制度」だったとしたら、国が運用に失敗することで、年金が「破綻」することがあるかも知れませんが、社会保険庁がやってきた仕事は、非常にざっくり言うと「若い世代から吸い上げたカネを、右から左に高齢者に渡す」というだけの仕事だったわけですから、ある意味、絶対破綻しないわけです。いざとなったら「払えるだけしか払えん」わけですから。

・・・ということだと、もともと受託者として「人のカネを預かっている」責任感といったものは、生まれるはずもない構造だった、ということなんでしょうね。

(ではまた。)

June 7, 2007

ついに

ついに出た。

インサイダー取引容疑、印刷会社元社員を逮捕、株式分割情報、事前に入手。
(日本経済新聞 夕刊23面)
取締役会決議通知の印刷を請け負ったことから株式分割などの未公開情報を知り、インサイダー取引で約一億一千万円の利益を上げたとして証券取引等監視委員会は七日、証券取引法違反の疑いで、株券印刷会社プロネクサスの元社員と親族計七人を秋田地検に告発。秋田地検は同法違反容疑で元社員(伏字:S、女性)容疑者(43)らを逮捕した。
 監視委によると、(S)容疑者は同社で校正作業などを担当していた。取締役会決議の通知内容から知った上場企業の株式分割などの未公開情報を夫や夫の父母、兄弟に電話や電子メールで伝え、インターネットを使って株取引をさせていた疑いがあるという。夫や夫の親族も告発された。
(一部、伏字)


以前、日経新聞の社員がインサイダー取引で捕まりましたが、ギョーカイでは、

「新聞もさることながら、それより先に印刷会社にチェックで原稿を回すんだから、印刷会社もヤバいよ。情報漏れの対策といっても、根本的な手を打ちようが無いからね。」

てなことをおっしゃる方が何人かいらっしゃったので、「それもそうだなあ」と思っておりました。

10万人の個人情報を持ち出すといったことであれば、パソコンのUSBの口をふさぐとか、外部記憶への書き出しやメールのログを全部残すとか、監視カメラを執務室に設置するとかすれば、どこぞに痕跡が残る可能性も高く、抑止効果も期待できるでしょうけど、株式分割の情報ともなると、(「記憶屋ジョニイ」ならずとも)一瞬見ただけで誰でも脳に記憶できるし、個人の携帯電話等で親戚などに告げられたら防ぎようがないわけでして・・・。

そのうち法改正で、こうした印刷会社さんが金融商品取引法上、「特定印刷業」あるいは「特定開示資料等コンサルティング業」などと規定されて、「態勢構築義務」が規定されたり、金融庁(さん)の検査を受ける日が来る(苦笑)・・・・という未来を妄想したりしていたのですが・・・そうしたことも、あながちSFの世界の話ではなくなって来たかも・・・。

(新聞社は、いくらインサイダー取引規制違反の社員が出ようと、そんなレギュレーションをかけようとしようもんなら、「憲法違反だ!」と騒ぐのが目に見えているので、そんなことはほぼありえないわけですが、「ただの」証券印刷会社ともなると、どれだけ抵抗する力があるんでしょうか・・・。

弁護士事務所に法務省の検査が入る未来はまずありえないけど、監査法人に金融庁の検査が入る未来は見事現実化したわけでありまして・・・。)

(ちなみに、「態勢構築義務」ができるとしたら、コアな情報に触れる従業員に対して、諜報機関のエージェントみたいに定期的にウソ発見器にかけることを義務付けて、

「あなたはインサイダー情報を外部に漏らしましたか?」
「いいえ」
(ピー)
といった、チェックでもするんでしょうか・・・。)

(ではまた。)

June 6, 2007

最近、よく思うこと

(社会保険庁も、金融庁に検査してもらってればよかったのに・・・。)

June 4, 2007

本日のびっくりプレスリリース(オリックス+IRI)

いやー、びっくりしました。

経営統合に関する基本合意について
http://www.orix.co.jp/grp/content/070604_IRIJ.pdf


オリックス株式会社(以下「オリックス」)及び株式会社インターネット総合研究所(以下「IRI」)は本日、両社による経営統合(以下「本統合」)に関し、それぞれ機関決定し、基本合意書を締結いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。(以下略。)


単純に本日の両者の終値ベースだと株式交換比率0.234程度になるところが、(リリースにもあるように、当然、きちんと株価算定をされた結果だと思いますが)、0.667(単純比約2.8倍)で行うとのことですので、IRIの株主さんはかなりご満足ではないかと思います。

オリックス側は簡易株式交換で総会決議なし・・・とはいえ、定時株主総会直前ですので、当然、株主さんからの質問にもきちんと答えられるという自信のあるディールなんでしょう。

かつては(一瞬とはいえ)1兆円を越す時価総額の会社が、本日終値ベースで37億円ですので、それなりにお買い得なのかも知れませんね。
(Yahoo!ファイナンスの表示だと、PER1.11倍、PBR0.36倍とのことですが、実態としてどのくらいなんでしょうか?)

(ではまた。)

ディアスポリスとMIB

連載開始より無茶苦茶面白いと思っていた、トーキョーの不法入国者の世界を描いた、「ディアスポリス・異邦警察」(週刊モーニング連載)。

ディアスポリス-異邦警察 1 (1)

 
本日、ふと考えていたら、この話、MIB(Men In Black、メン・イン・ブラック)

メン・イン・ブラック デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組)

と、まったく同じ構造のお話だなあ、ということに気づきました。

(「世界的大都市」に、普通の市民が知らない「ALIEN」の世界があって、それを取り締まる組織も密かに存在している、という点で。:-)

だからディアスポリスがマネだとかケチをつけているわけじゃなく、その逆で、ディアスポリス、オススメです、ということです。

(ではまた。)

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