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April 29, 2007

日本のロースクール版Venture Capital Negotiation

中大ロースクール(中央大学法科大学院.)で講義している「ベンチャービジネスと法」。
今回は、「投資家との交渉、ファンドの実務」というお題。

日米のベンチャーキャピタルの業態や投資行動の違いなど、まさにtaka-mojitoさんのエントリにあったリンクの資料を最大限に活用させていただきました。どうもありがとうございました。

加えて、昔撮影したシリコンバレーの風景やベンチャーキャピタルの集積地Sand Hill(スタンフォードのすぐ横ですが、まるで長野の高原のよう)の風景、

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こんなんや

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こんなんなどをプロジェクターでお見せしたりもして、学生のみなさんになんとか日米のベンチャービジネスのイメージを持っていただこうという、日本のロースクールの授業としては、ちょっと変わった授業にしてみたんですが。

・・・ある程度予想はしてたものの、結果として出席数は過去最低の模様。いつもは寝ている人ほとんどいないのに、今回は寝ている人も続出でありました。
授業後に学生に聞いたところ、「今日の授業ほど、温度差の激しい授業はなかったんじゃないでしょうか。興味ある学生はメチャクチャ興味あるけど、興味ない学生は全く興味なかった模様。」とのことです。

今までは、司法試験に直接関係ない内容にしても、会社法の条文と関連付けたりしてたんですが、今回は思い切って全くそのへんを意識せず(スタンフォードのロースクールでは、こんな感じでやってるのではないの?という妄想を込めながら)授業してみたんですが、ちょっとハイブロー過ぎましたでしょうか。

いや、むしろ、「日本の会社法の種類株式で、4倍の参加型残余財産優先分配権(4X Participating Liquidation Preference)を実現するとしたら、どういった内容の要項にしますか?」といった問題を出したほうが、食いつきがよかったかも知れない。

−−−

当日朝9:00から、ちょうど大手VCの方々とのミーティングがあったので、VECさんの統計にあった、「日本のVCの種類株式の利用率は金額ベースで2割程度」という数値について、「そんなに使われているようには思えないんですが?」と聞いてみたんですが、
「いやー。多くて5%くらいでは?もしかしたら当社でも金額の大きな案件は優先株で投資しているのかも知れないが、私の回りではほとんどやってない。」
とのこと。

「やはり種類株式にすると手間がかかる。ハンズオン型のVCなら、一件の案件に時間をかけられるが、一人で何十件も担当する日本の大手VCでは、案件ごとに種類株式の条件を細かく詰めていくのは相当困難。また、種類株式の内容は、定款(&登記簿)にも記載されるので、万が一書いていることと違ったことをやってしまった場合、二者間の投資契約と違って治癒するのも大変。そういったモニタリングもハンズオン型でないと難しいので、かえって公開できないリスクを高めてしまうことにもなりかねない。」
とのことであります。

なるほど。
投資の圧力とベンチャーの資金需要のバランスとか、優先株で投資する場合のリーガルフィー(弁護士さんの層の薄さ)の問題かと思っていましたが、(ま、それと表裏一体とも言えますが)、
ハンズオン型の投資が増えないと、優先株での投資は増えないんですね。

2割という数字は、トラックバックいただいたグロービスさん等、ハンズオン型VCさんとの加重平均で、ということでありましょう。

(ということで、授業では、Liquidation PreferenceとかFull RatchetのAnti-Dilution Provisionとかは、「そんなんもあります」程度のお話にとどめておきました。)

(ではまた。)

April 27, 2007

新丸ビルの行列に並んでみた

おとなり(はす向かい)の新丸ビルがオープン。
11時ちょっと前ならまだ空いてるだろうと思って気軽に出かけたら、甘かった。

11時からテープカットの式典があったらしく、かれこれ11時半くらいまでまたされました。
千人の行列ができておりました。

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マスコミのみなさんも取材に殺到。

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新丸ビル レストラン行脚、記念すべき第1回目は、「四川豆花飯荘(Si Chuan Dou Hua Restaurant)」。

シンガポールが本店とのことで、こういう↓お兄さんが、すごい技でお湯を注いでくれますので、一見の価値あり。

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麻婆豆腐セットをいただいたんですが、日本にすでにある今どきの四川の有名店の舌が痺れるほど山椒が入った(激辛の)やつに比べると、普通の方も食べやすい程度の辛さではないかと思います。
(逆に言うと、辛さに悶絶したい方には ちょっと物足りないかも。)

(ではまた。)

April 25, 2007

パソコン、復活

最近パソコンの調子がおかしく、ここ数日は非常に動作が重たくなってきたので、思い切って再インストールいたしました。
(・・・と、ブログ更新が滞っている言い訳をさせていただきます。<(_ _)>)

Window updateを全部やりなおしたりするのはまだいいのですが、数十GBあるデータを退避させたり戻したり、というのが数分(せめて数十分)程度で終わるようなテクノロジーが、お手軽な価格でできんもんでしょうか。

(ではまた。)

April 21, 2007

大杉先生、ブログ開始

中大ロースクール(中央大学法科大学院)でいっしょに授業をやらせていただいている大杉謙一先生が、(ついに)ブログ界進出!

おおすぎBlog
会社法・金融商品取引法等の研究から派生したアイデア・思い付きの備忘録です。
http://blog.livedoor.jp/leonhardt/


うーん。なかなかディープであります。

おまけに、まだ18日におはじめになったばっかり。
昨日見たときは、「[04/19]の訪問数4」、本日見ると「[04/20]の訪問数15」でありまして、今ならまさに「降り積もったばかりの新雪の上をはじめてサクサクと足跡をつけながら歩く気分」が味わえます。:-)

取り急ぎ、ご紹介まで。

April 19, 2007

「business judgment」と「経営判断」

「business judgment」を日本語に翻訳すると「経営判断」という用語になるんだと素直に考えてましたが、両者の使われるニュアンスは違うことも結構あるのかな、というお話。

 
海外で働いていた経験がある方や外資系の方から社内の話を聞いていて思ったのですが、日本語で「経営判断」とか「経営判断の原則」というと、

「情報をきちんと集めてよく検討する(しなければならない)」
「そうした合理的な努力を尽くした場合だけ、役員は損害賠償責任を免れる」

といった「ちゃんとやろうぜ」的な文脈で使われることが多い気がしますが、外国の人が(特に部下などに対して)「business judgment」というと、「つべこべ言うな」という意味に使われることも多いのかな(笑)、と。

もともと判断の責任を逃れるための文脈で使われることが多いフレーズなのかも。

(ではまた。)

April 18, 2007

内部統制システムに係る監査の実施基準(日本監査役協会)

本日の日経金融新聞にも載ってましたが、日本監査役協会さんが、「内部統制システムに係る監査の実施基準」を出されました。

内部統制システムに係る監査の実施基準
http://www.kansa.or.jp/siryou/elibrary/el_001_070405.html

これ、いわゆる「日本版SOX法」の財務報告に係る内部統制とは必ずしも一致しないことにご注意。日本版SOX法のほうは、「財務報告に係る」部分中心になりますが、日本監査役協会版は、適法性や効率性をも含むより包括的なものになっています。
まじめに監査されてる会社であれば、概ねすでに行ってることがほとんどかとは思いますが、チェックリストとしてもこういうものがあると助かるかと思います。

一方、実施基準の対象としては、

本実施基準における「内部統制システム」は、監査役監査基準第21条第1項各号に定める体制をいう(第2条第1項第1号)。

とありますが、監査役監査基準第21条第1項というのは、

(内部統制システムに係る監査)
第21条
 監査役は、会社の取締役会決議に基づいて整備される次の体制(以下「内部統制システム」という)に関して、当該取締役会決議の内容並びに取締役が行う内部統制システムの整備状況を監視し検証しなければならない。
 一 取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
 二 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
 三 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
 四 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
 五 会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
 六 第14条第2項に定める監査役監査の実効性を確保するための体制

のことですから、内部統制報告書の経営者の評価の対象となっている「監査役」自身の部分は(当然)含まれていないんでしょうね。(「第六号」に若干入っていると解されるでしょうか。)

(「財務報告に係る・・・」が出た際に、監査役の監査対象である取締役が監査役の働きっぷりを評価するとは何事か、という意見もあったようですので。)

(ご参考まで。)

April 17, 2007

委員会設置会社制度改造論

さて、掲載するのがすっかり遅くなっちゃいまいましたが、先週金曜日の中央大学法科大学院での授業のあと、大杉先生と「監査役制度改造論」の話ができました。

(商事法務に掲載された大杉謙一教授の論文「監査役制度改造論」についてのエントリは、こちら。)

開口一番、
「なんで、監査役が取締役を兼務するんですか?」
「今や、委員会設置会社という類型があるんだから、取締役が監査機能も持つ監査委員会を置いて監査役を置かないというほうが、よっぽど受け入れられやすいんじゃないでしょうか?」
という核心のところをうかがってみました。

大杉先生としては、

ことさら監査役制度に何か特別の思い入れがあるわけではない。

やはり、監査役設置会社と委員会設置会社の中間あたりに実務界としての大きなニーズがあるのではないかと考えており、そのために過去からの経緯や理論を整理して白紙から考えることが今回の目的だった。
だから、特に監査役制度から発展させることや、監査役+取締役という形式にこだわっているわけではない。実務界で大いに議論をしてもらうことが重要と考えており、そのためのとっかかりとか整理になればいいと考えている。

というようなお話でした。

「ビジネス法務の部屋」でのエントリやコメント欄なども読まれていて、「ともあれ、実際に社外役員を務められている方々の声を聞くことができるのが、私には大変ありがたいです。」とのこと。

−−−

以前のエントリでも述べさせていただいたとおり、私としては、「取締役会+監査委員会」(報酬委員会や指名委員会は必ずしも設置しなくいい。)型が気に入っております。

経団連さんが、委員会設置会社から委員会を任意でピックアップできるアラカルト方式提案されてますが、

我が国におけるコーポレート・ガバナンス制度のあり方について http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2006/040.html

4(3) 委員会制度の見直し
現在、委員会設置会社については、会社法上、監査委員会、報酬委員会、指名委員会の3委員会の設置が強制されている。また、委員会の独立権限制の仕組みしか採用されていないが、一部の委員会のみの設置や社外取締役過半数の場合に取締役会が委員会に代替できる仕組み等、各社が自らの特性に合わせて各委員会の柔軟な利用を可能とすることが望まれる。

もうちょっと具体的に考えてみましょう。


報酬委員会、指名委員会は、どう機能しているのか
まず、報酬委員会、指名委員会というのは、人事に関わる権限を持っているわけで、非常に強力な委員会ではありますし、逆にだからこそ、その過半数を社外取締役にしなければならないところが強いアレルギーのもとになっているのではないかと思います。

また、委員会設置会社の報酬委員会、指名委員会は、毎月定期的に開かれるというよりは、だいたい、年に数回程度のタイミングで開かれているのではないかと思います。
これに対して監査委員会は毎月開いているところが多い(取締役会より開催頻度が高いところも多いはず)でしょうから、監査役制度との対比においても、この3委員会の中で監査委員会は設置させる必要性は高いかと思います。

一方、報酬委員会、指名委員会は(も)社外取締役が過半数なわけで、社内の取締役やスタッフに「この案でよろしく」と言われた場合に、基本的にはその追認的なことが多くなるんではないかと思います。
というのも、監査委員会は開催頻度が高いので、やってるうちに会社の内部事情もだんだんわかってくるし、特に適法性や会計や内部統制といった話については、社外取締役の方が専門性があることも多いでしょうし、フレームワークがきっちりしているので、「それはダメ」等、意見も言いやすいはずなんであります。

ところが、人事とか役員報酬の水準をどうするか、といった話の場合には、よほど社内の人間関係に詳しくないとツッコミを入れられないはずなんですね。
特に日本の場合、どの部門の誰が次に役員になるかどうかといったあたりは組織のやる気を大きく左右するところですので、たまにしか会社に顔を出さない社外取締役中心にそんなことを決めさせるのも怖いし、社外取締役もそんな大役をお願いされてもちょっと後ずさりするはず。

また、監査役や監査委員会なら、例えば日本監査役協会さんで情報を交換し合う場が存在するわけですが、報酬委員会、指名委員会については、「おたく、どうやってます?」といったことが聞ける情報交換の場もあまり無いんじゃないでしょうか。

一番「きれい」なのは、超大企業の指名・報酬委員会で行われているように、人事コンサルタントに指名や報酬の制度設計をさせて、それで得られた結果について指名委員会や報酬委員会が妥当性を検証する、といったプロセス的なアプローチかも知れません。
しかし、こういった人事コンサルタントのキャパシティというのは、日本では思いのほか小さい。

以前、某社のお手伝いをいただけないかと、主だった人事系のコンサルタント会社さんを数社回ったんですが、
「うちは、仕事選びますから。」
「今、仕事がいっぱいでして・・・」
「フィー、高いですよー。」
「おたくでやると、コストパフォーマンスが悪くなっちゃうと思うんですよねー。」
と、(ナショナルブランドの大企業の仕事なら受けるけどね)、といった敷居の高いニュアンスが漂っておりました。

超大企業ならともかく、普通の上場企業の感覚としては、役員の人事や報酬の決定のプロセスのエビデンス作りのためだけに、1千万円単位のフィーを支払わなきゃいけないというのは、「なんじゃそりゃ」ということになるはずです。
また、(実際にどうかはさておき)、ほとんどの企業の社内の人は「外部のコンサルタントより、俺たちの方が社内の人間関係については適切に判断できる」と思っているはずです。

もちろん、社外から実力ある取締役をつれてきて、ドーンと報酬を支払え、といった大胆な改革をするには社外の人が口を出すことが必要な場合もあるでしょう。
しかし、上述の通り、報酬委員会、指名委員会は、ほとんどの企業にとっては非常に手が出しづらいしくみなのではないかと考えます。

であれば、報酬委員会、指名委員会については、任意で設置する、という類型があってもいいんじゃないかと思います。


監査役人事は難しい
コーポレートガバナンスの強化が叫ばれる昨今、政治的な圧力としては、「監査役の権限を強化しよう、強化しよう」、という力が働くわけですが、そうすると逆に、そんな強大な権限を適切に運用してくれる人のハードルというのは高くなっていきますし、「北風と太陽」と同じで、逆に監査役には「あたりさわりのない」人を置こう、というインセンティブが強くなってしまいます。

特にベンチャー企業においては、監査役人事は難しい。社歴が短いので、「常勤」監査役になる人ということになると、非常に探すのが難しくなってしまうわけです。

企業経営者は「適法性」「会計」の議論が好きかどうかはともかく、「妥当性」に関わることの議論はむしろ望んでいることが多いと思います。
ところが、「妥当性」的な役に立つことを積極的に発言するいい人材は、往々にして「監査役」というポジションにすっぽりはまる感じではないんですね。

従来のベンチャー企業の発展プロセスは、

「取締役会+監査役」→「取締役会+監査役会(要常勤監査役)」→「上場」

といった感じでしたが、

(「取締役(社長)」→)「取締役会」→「取締役会(+監査委員会)」→「上場」→(委員会設置会社)

といった感じで進めることができれば、非常にスムースに発展していけるのではないかというのが実感であります。

先日も、設立を予定しているベンチャーから「監査役に」とお願いされたので、「会社法になったので、今は必ずしも監査役はいらないんですよ」と申し上げたら、「え、そうなんですか」と喜んで取締役のみの会社(監査役非設置)にされてました。

「法律上しかたないから、誰か置いておくかー」というのだと、監査やガバナンスに対する認識は「しかたない→最小限の要件だけ満たせばいい」ということに陥りがちです。
それよりも、会社の発展にあわせて最適な形態を選べる方が、ガバナンスの大切さが身にしみると思うんですが。
いかがでしょうか。

(ではまた。)

April 15, 2007

妻子持ちのオッサンが女子美大生とつきあう方法

一家4人で京都にやってきた。

土曜日の夕方にホテルに着いて、高台寺で夜桜見物。


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高台寺ってのは、秀吉の奥さんのねねが出家したときに建てた寺だそうですが、この庭園はすごい。
歴史上の人物が出家したというと「人生終わった」感がしちゃいますが、こんな広大な美しいところに住めるというのは、普通の庶民の生活より全然ゴージャスであります。
 

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実は、うちの奥さんがこの4月から京都の美大(通信制)の3年次に編入。スクーリングは東京の教室でも受けられるんですが、せっかくの入学式なので、ということで京都までやってきたわけであります。
 

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ということで、本日めでたく女子大生となった妻(+コブ×2)と京都であちこちデートをしてまいりました。

(ではまた。)

April 14, 2007

「電車に防犯カメラ」が株主提案に

1月に「犯罪・冤罪を発生させないための鉄道会社の人道的責任(なぜカメラに投資しないのか?)」というエントリを書いたのですが、みなさんやはり同じ疑問をお持ちのようで、西武鉄道で痴漢冤罪防止のために社内にカメラを設置せよという株主提案が行われるようです。

http://www.asahi.com/national/update/0413/TKY200704130364.html

防げ痴漢も冤罪も 車内に防犯カメラ 西武株主が提案へ 2007年04月13日22時26分
 電車内の痴漢や痴漢に間違えられる冤罪の被害をなくそうと、西武鉄道を経営する「西武ホールディングス」(本社・埼玉県所沢市)の株主が、車内に防犯カメラを設置するなどの対策を6月の株主総会で提案する。
提案するのは、株主で会社員の山口三尊さん(40)。きっかけは、痴漢に間違えられた男性を描いた周防正行監督の映画「それでもボクはやってない」を見たこと。西武鉄道でも2月、乗客の男性が痴漢の疑いで逮捕されたが、容疑を否認しているケースがあることも、報道で知った。  23の個人と法人株主から、総会提案に必要な30万株を上回る69万5000株分の賛同が、すでに寄せられているという。

(記事は、コメントで「なめかわ」さんに教えていただきました。ありがとうございました。)

この山口さんという方、webで検索すると、「アドバンテッジ牛角会暫定代表」「カネボウ個人株主の権利を守る会」「西武鉄道有志の会会長」等、株主の権利関係でいろんなことをやってらっしゃる方のようです。山口氏はこちらのリンクのプロフィールの方のようです。
http://www.geocities.jp/kanebou1620/yamaguti.htm

(追記:一部、本文を変更しました。)


−−−


ちなみに、「なぜ鉄道会社は社内に防犯カメラをつけないのか?」について個人的に考えている仮説があるんですが;

現状だと、網棚の上に乗せられたりゴミ箱に捨てられたマンガ本や週刊誌などは、ソレ専門のおっさんがガーッと回収して山手線の駅前などで1冊100円くらいで道に並べて売っているわけですが、聞くところによると、鉄道会社はこのおかげで本来払うべき清掃費が大きく下がっているとか。

この行為、よく言えば紙資源を大切にする行為ですが、堅いことをいうと「窃盗」ということにもなるので、ビデオに証拠が残ると鉄道会社も見てみぬふりができなくなるし、オジサンも回収してくれなくなるから清掃コストが上昇してしまう。

もしそうだとすると、メジャーな雑誌社のみなさんは、「電車に防犯カメラを!」という論陣を張ることによって、今まで雑誌集めのオッサンの労働で代替されてしまっていた分の雑誌の売上が増えるかもしれまへんで。

(ではまた。)

April 13, 2007

監査法人の内部統制(あるいは「人は人を信じるとはどういうことか」)

いつも拝読させていただいております山口利昭弁護士(toshiさん)の「ビジネス法務の部屋」、「会計監査人の内部統制(5−総会対策編)」より。


日経新聞の朝刊で「みすず解体の衝撃(上)」なる特集記事が掲載されておりますが、(略)そこでは、今後の四大監査法人の監査に関する品質管理が問題視されております。(略)縦割りの弊害を克服して、組織的監査の徹底を実現することが監査法人にとっての重要課題だそうであります。

(略)それはそうと、この記事のなかで、みすず監査法人の古参の会計士さんが、トーマツさんとの移籍話が固まりそうになったときに「社風がちがいすぎる」として一斉に反発された、そのことで若手会計士もトーマツへの移籍をやめて、新日本さんを希望した、といった経緯が紹介されております。個別の監査法人さんの内実についてはあまり関心はございませんが、この「社風がちがう」というのは、監査法人でお仕事をされる公認会計士さんにとってはどんな意味があるのでしょうかね?社風が違いますと、個別企業への監査業務にも違いがあるんでしょうか?また、逆に「社風」というものが本当にあるんだったら、すでに「縦割りの弊害」はなくなっているんじゃないでしょうかね?


日経新聞の記事にもあったとおり、中小の監査法人が合併して大きくなった大手監査法人は、同じ監査法人といっても部門によって「ほんとに同じ法人の人なの?」と驚くほど違う、というのが私の印象。
また、会計士は、ほとんどあちこち監査している会社を行ったり来たりしていて事務所に顔を出すこともまれのようですので、机を並べて仕事するとか同じ職場の空気を吸う、という機会も少ないはず。

このため、みすずの古参の方がおっしゃったという「社風」は、ご案内の通り、一般の企業でいうところの「社風」とは全く違う概念で、法人と個々の会計士のつながりの中心となるのは、まさに教育や審査といった「内部統制」に相当する部分がほとんどになるはずかと思います。

また、「古参の会計士」というところが一つポイントじゃないかと。

(今はどうか存じませんが)私が習ったころの監査論では、裁判官の自由心証主義と同様、一般に公正妥当と認められる会計基準に沿っているかどうかの判断は、公認会計士が他からの干渉を排して独立したプロフェッショナルとして決定できるし、またそうするべきだ、というような雰囲気のことを言っていたと思います。

もし仮に裁判官が、
「判決を出す際の基準をよく学習し、上級審査会や審査監理部門の適正なチェックを受けながら判決を出すように。また、法務省からの検査がいつあるかもわからないので、判決決定過程の意見形成の過程のエビデンスもしっかり残しておくように。」
なんてことを言われるようなことになったとしたら、怒りとか憲法への整合性がどうかとかを通り越して、自ら築き上げてきた職業的尊厳が踏みにじられた気持ちになるんではないかと思いますが、昨今の環境を鑑みるに、「古参の会計士」の方々の胸に去来する思いは、それに近いものがあるんじゃないかと想像しています。

「自由な心証」に基づいて個々の会計士が独立して監査意見を表明する、というのも、それはそれで意味があったんじゃないかと思います。
先日、「漁業のサステナビリティ」で、相手が「自然」である漁業では、持続可能な漁業を行っているかどうかの判断に際して「分散型」の審査体制が必要だったんではという仮説を申し上げましたが、
会計も経済活動の森羅万象を扱っており、それを一意な「正しい処理」に落とし込むことは不可能で、何通りもの処理が許容されるべき性質のものなわけですから、それが「適正」なのかどうかを判断するのは、その場その場に応じた判断が必要なはずです。

(ただし、残念ながら、公認会計士の地位の独立性については、裁判官と違って、憲法などの確固たるバックアップがあるわけではなかった、ということですね。)

というところに来て、監査証拠は全部スキャンして監査調書といっしょにパソコン内のファイルに入れろとか、パートナーが現場の実施している監査をレビューするのもすべてパソコンの画面中心にやれとか、特定のファイルにたどりつくまでに3つもパスワードを入れなきゃいけないとか、おまけに審査だ何だとあーだこーだうるさいことを言われるのは、(理屈上そのしくみがいいかどうかを通り越して)感情的にかなわん、ということかも知れません。

理屈としては、監査意見の形成は監査証拠の積み上げによって行われるわけで、それには個々の証拠をきっちり吟味していくことが重要なんでしょうし、証拠はすべて電子化できるはずなので、情報通信技術の発達した今では(事務所で一同に会すということも少ないわけで)、パソコン画面を通じて行うことが合理的なわけですが、現場の人間の目つき、手書き文字の書きっぷり、伝票から漂ってくるオーラ・・・それらからも情報を得た上で「意見」を形成してきた「古参」の方にとっては、自分の自由な心証形成が担保されるのか、という本能的な恐怖があるのかも知れません。


そもそも、前述の通り監査法人内部でも部門によってまったく雰囲気は異なると思いますし、トーマツの方が「社風(≒内部統制システム)」のことをペラペラ外部の人にしゃべるとも思えないので、「みすずの古参の会計士」の方は、知り合いと飲んだときにちょっと聞いた話とか、辞めた人間から聞いた話とかを寄せ合わせたイメージしかつかんでらっしゃらない気もします。

さらに、同じ監査法人内部でもどこまで監査法人のことを知ってるのかしらん?と疑問に思うこともしばしば。
toshiさんも書かれていた監査法人の内部統制等についての会社計算規則第159条(会計監査人の職務の遂行に関する事項)の通知も、「当法人の内部統制は、こんな感じでやってます」と審査やセキュリティなどの詳細が事細かに書かれたドキュメントが出てくるのかとわくわくしていたら、「え?これだけ?」って感じでしたし。

もちろん財務内容も公開されてません。
何年か前に中央青山さんに「貴法人に監査を依頼して安定してサービスを供給していただけるか、訴訟リスクや保険によるヘッジはどうなっているのかを判断したいので、財務諸表等を開示してくれ」とお願いしたら、保険の金額だけは教えてくれましたが、あとは「イヤ」と断られました。
過去にも、いくつかの監査法人の若手の人などに、監査法人の財務諸表とか内部の情報について探りを入れてみたことがあるんですが、「俺たちにも全くわかんない」という感じ。ディスクロージャーの要である監査法人自体は、ディスクロと正反対のブラックボックスそのものという印象です。
最近では同じ監査法人の同じ部門の人の話が出ても、「・・・その人、顔は見たことある気もしますが、ちょっとよくわかりません・・・。」といわれることも多い。(苦笑)

昨今の大手監査法人と言うのは、良い意味でも悪い意味でも「人間的な」つながりはあまりなく、純粋に教育や規定といった「内部統制」だけで繋がっている組織になりつつあるような印象があります。


それから、これも素人的な疑問でありますが、組織的監査を進めていけば、上級審査会や、審査担当部署が監査業務に占めるウエイトが大きくなるわけですよね。そういった管理部門の意見が監査業務に大きな影響を及ぼすのであれば、それこそ2年くらいのローテーションで担当監査責任者が交代してもいいのではないでしょうか?現場の責任者がコロコロ変わったり、担当監査法人がすぐに交代することは、企業の監査報酬に跳ね返るから妥当ではない、と言われるところでありますが、そういった論理と組織的監査の推進の論理とは矛盾しないのでしょうか?それともうまく調和できる考え方があるのでしょうか?そのあたり、いろいろと興味が湧くところであります)

これも技術的に可能かどうか、というより、「人が人を信じるとはどういうことか」という人間の根源に関わるお話なような気がします。

会計監査というのは、個人で赤の他人の保証人になるようなお話であって、もちろん内部統制とかサンプリング数とか、もっともらしい理屈はあるにしても、そういう統制を意図的に無視する手段はいくらでもあるわけですし、いざ不正が後から発覚した場合に、自分が正当な注意義務を払っていたことを立証するのは容易ではないはず。結局、いくら専門家としての注意義務を払っていても、「赤の他人」が悪いことを考えれば自分の人生をメチャクチャにされる可能性はある。最後は肌感覚として「こいつら、オレにウソをついてないな」という実感がわかないことには、適正意見など出せるはずもないかと思います。

アメリカでは監査報酬はフルチャージで使った時間だけ請求が来るそうですが、日本ではなぜか契約した予算の範囲内で稼動することが原則なので、現状の監査報酬の水準で年間何回、会社を訪問できるのか、「過去からの会社の雰囲気の変化」などがわかるのか、等を考えてみると、そういう肌感覚まで形成するには「2年じゃやっとれんわい」ということなのかも知れません。

ちなみに、私は知的好奇心から「制度の黒と白の境目はどう考えればいいのか」といったことに興味があり、このブログでもそういったテーマを多く取り上げてきましたので、読者の中には私がいつもそういう「ギリギリの」仕事をしてたり、グレーな処理に寛容な人間なんじゃないかとお考えの方もいらっしゃるんじゃないかと思いますが、
私自身は(ゴルゴ13を愛読しているから、というわけではないですが)、他人を信用するレンジというかリスク許容度は非常に狭い、です。

ですから、監査委員や監査役をやらせていただいている企業も、連結子会社はおろか支店もなく、せいぜい社員100人程度まででワンフロアで社内全体や社員の顔がだいたい見渡せる程度の会社のみですし、いわんや自社株を売却する投資事業組合やらMSCBやらEB債なんてのはとんでもない。そういった法律や会計上のグレーゾーンの判断からはほど遠い、シンプルでわかりやすい構造の会社としかお付き合いがありませんが、それでもまだ怖い。設立のころから経緯を見ているとか昔からの知り合いが現場にいるとか、「たてまえ」的な情報ソース以外から「ウラ」が取れないと恐ろしい。
(「他人に右手を預けるほど、オレは自信家じゃない。(byゴルゴ)」んであります。)

ただし、社会全体が私程度のリスク許容度しか持たない人だらけだったら、世界の経済活動の規模は、激しくシュリンクしてしまうはず。世界は、「(100%完全というのにはほど遠い根拠に基づいて)他人を信用する」という行為でその活気を保っているわけでして。
大企業の会計監査をしているパートナーの方とか、海外などにまで支店のある大企業の監査役さんなんてのは、ほんとに頭の下がる思いです。

(ではまた。)

April 12, 2007

日本のベンチャーキャピタル関係資料は少ない(らしい)

taka-mojitoさんから、またスタンフォードのロースクールの授業関係のトラックバックをいただきました。

日本のベンチャーキャピタルはどうなのか(調査中)
http://vosne-romanee.jugem.jp/?eid=164

日本のベンチャーキャピタル関連資料の少ないことをなげきつつ、米国のベンチャーファイナンス用語解説ページや統計ページなどのリンクも掲載してらっしゃいますので、ご参考まで。

リンクだけこちらにも引用させていただくと、
http://www.vec.or.jp/vc/survey-18j.pdf
http://www.pwcmoneytree.com/exhibits/MoneyTree_4Q2006_Final.pdf
http://www.vec.or.jp/guide/frame_s.html
http://www.andrew.cmu.edu/user/fd0n/articles.htmなど。

−−−

お礼といってはなんですが、おそらくシリコンバレーではまだ入手されてないであろう、本日発売の週刊モーニング情報をば。
巻頭特集がtaka-mojitoさんもお気に入りの「神の雫」でして、

神の雫 10 (10)

日本でも100万部なのに、韓国ですでに100万部を突破する勢いだそうで。
中央日報の一面に「神の雫」のひとコマが載った写真が掲載されており、

「CEO(最高経営責任者)必読の漫画『神の雫』」 です 企業のトップが商談で飲むワインの勉強のために「神の雫」を読んでいるんです
これまでは焼酎や洋酒をビールに混ぜて飲む「爆弾酒」が韓国の商談の席に欠かせない飲み物でした。しかし「神の雫」によってその座はワインにとって代わられたんです。韓国ではワインは高級な酒というイメージが強く、接待される側は好印象を持つんです

ということで、「実はあまり漫画は読んでいないのですが、『神の雫』は全て読んでいます」というペ・ヨンジュン氏からのコメントも。

−−−

そういえば、ワイン大好きな某商社の金融部門のエラい方に、とあるお礼で「神の雫」全巻セットをお贈りしたところ、(その商社の方には「今まで、『これは!』という漫画をいろいろ勧めたけど、ガンとしてまったく漫画は読まない人だよ」と忠告されてたんですが)、完全にハマってしまわれたそうで、部下の方に「次の巻はまだ出ないのかね?」状態に陥ってらっしゃるとか。

(ではまた。)

Stanfordロースクールの授業と日本のVenture Capital Negotiation

ちょっとレスが遅くなりましたが、Stanfordロースクール留学中のtaka-mojitoさんからトラックバックいただいたVenture Capital Negotiationの授業風景。

Venture Capital Negotiationとマスターズ
http://vosne-romanee.jugem.jp/?eid=162

 
(いつもたいへん参考になります。ありがとうございます。)


Kliener Perkins Caufield & Byers のJohn Doerr氏がゲストでしゃべったりノーベル賞をとったブラック−ショールズ式のScholes氏が講演したりするスタンフォードのロースクールに対して、中大のロースクールで学生のみなさんにベンチャーキャピタル実務やオプションバリューに熱い興味を持っていただくべき担当者が私、というのは・・・・・
なんか私、世界一荷が重いロースクールの教員じゃないかという気がしてきました・・・・。

また、学生のみなさんが司法試験に直結しない実務的な話にどこまで興味を示していただけるものなのか探り探りやっていく必要があると思いますので、とりあえず今のところ、「みんなでexcelのワークシートまわして、Full Ratchetの破壊力にびっくりしていただく」といったことまで授業でやる予定もないですが・・・。

−−−

さて、上記のtaka-mojitoさんのエントリに出てくるような、Liquidation PreferenceやAnti-Dilutionなどの条項がたんまりついたPreferred Stock(種類株式)による「欧米か」的ベンチャー投資スキームを日本で最初に行ったのは、私の知る限りでは渡辺千賀さん(というかネオテニーさんというか西村ときわさんというか)じゃないかと思ってまして、私、渡辺千賀さんを「日本のpreferred stockベンチャー投資の母(もとい、姉)」と心の中でお呼び申し上げているのですが、

2000年前後には、「ああ、日本もシリコンバレー的なVCや実務がガンガン増えていくんだろうなあ」と思っていたら、なぜか、今でも証券系、銀行系等のVCさんのシェアが非常に大きいですし、「4X Participating Liquidation Preference」といったコッテリした条項がついた投資も非常に少ないんじゃないかと思います。

これは、日本でベンチャー企業が大企業をも出し抜ける確率の問題(相対的なベンチャーの数と質)や、founder側VC側の「ややこし系ファイナンス」に対する理解度、それをサポートしてくれる法律実務家の層の薄さと結果としてのリーガルフィーの高さ、株式市場における資金の出し手の違いやそれによる資本政策的配慮の違い、等、いろんな要因があると考えておりまして、
結果として日本では、一つ一つの投資案件にドカンと張ってそれに対するリスクヘッジを詳細に設計しハンズオンするよりも、比較的少額の資金を多数のベンチャーに分散投資する戦略の方が成功することになってしまったからじゃないかと思っております。

でも、ベンチャー界における種類株の実務も(案件は多くないですが)それなりに定着してきたし、普通株であっても投資契約はそれなりにきっちり締結されるようになってきたので、母(姉)など先人達のご尽力もあって、この数年で日本の実務もそれなりに前進はしていると思います。

−−−

ちなみに、スタンフォードのこってりした授業に比べるとお恥ずかしい限りですが、私が2001年ごろに「INTERNET MAGAZINE」でネット系の人向けに書いていた「コーポレートファイナンス入門」という連載のVenture Capital Negotiation的なお話。

http://www.tez.com/corporatefinance/CF_3.htm

今見ると、「当時の日本の一般的な実務」と「将来日本もこうなるに違いないという願望」が(半分意図的ですが)ごっちゃになってる面がなきにしもあらずですが。

(ではまた。)

April 11, 2007

人材の流動性確保と規制(警備業法の場合)

1月に書いた、「派遣業法違反(昨日の「世知辛い系」ニュース)」に、「警備会社経営者」さんからコメントいただきましたが、なかなか生々しいお話なので、ちょっとご紹介。

 

私は、警備会社の経営者で全国警備業協会の交通誘導警備、雑踏警備の講師をしています。とくに、過去に警察にいたとか暴力団にいたとかはありません。また、身内にそのような方がいるわけでもありません。そのような立場から警備員の派遣禁止についてですが、これは、警察庁が特殊な業務ということから法務省や各種経済団体に派遣業務としては妥当ではないとの判断ということで禁止業務の一つとして選ばれました。

これは、上述の私のエントリでも書きましたとおり、「人の命を預かる」仕事だから確かに規制の必要性もあるのも納得できる一方で、単なる「スーパーの駐車場の車の誘導」も「テロが予測される場合の護衛」も一律に法で規制するのは、(経済的な)効率性の観点からは疑問もあるところで、バランスが難しいところかと思います。


このことから、警備会社が警備業務を受注し、警備員が不足したときに他社の警備会社に警備員の派遣をお願いすることも、派遣業務と見なされます。

とのこと。

例えば基本的な車の誘導方法も知らないような人がへんな誘導をして交通事故を引き起こしてしまったり死者が出たりするのは問題ですが、もし問題が「警備に関する教育を受けているかどうか」だとすると、おっしゃるように、警備業者間で派遣されるのまで規制するのは、ちょっと意味がわかりかねるところであります。


また、警備会社の実情は、同業者同士で警備員の派遣をお互いに行っていることが珍しくなく、業務をこなしていくためには、そのような形をとらないとできません。

警備業というのは労働集約的な産業でしょうから、事業に関わる人をすべて正社員で固定費として抱えてしまうのは避けたいのはやまやまでしょうし、仕事にも波があるでしょうから、そうした稼動の低い企業や高い企業が、市場でお互いに人材を融通し合えないと社会全体の効率性は下がる可能性は高いんでしょうね。

ただ、そうした「経済合理的な工夫」は上記のように現状のところ法律違反とみなされているようですが、


このような形をとった警備会社に警察は、労働者派遣法違反として一部の警備会社を摘発しています。摘発された警備会社は、主に警察OBや暴力団と無関係の会社が摘発対象となっています。今の警備業法で行政処分の適用を免れない警備会社はほとんどないと思います。言ってみれば、警備業界は警察のいいなりにしかなれないように、法律により整備されています。

・・・というのがもし本当だとすると、(「警察は自らの権力や天下り先の確保のために意図的に法がゆがめられて運用されるようにしている」とまで言えるかどうかは私にはわかりませんが)、少なくとも、規制によって経済効率性が損なわれている可能性は高い気がします。


その他、参考として暴力団の警備会社を取り締まれないのは、警備業は、生活安全関係の部署が管理をしていているため、暴力団については暴力団対策の部署しか暴力団を摘発できない縦割りの影響です。

というのも、「さもありなん」という話ですし、


経済団体及び業界は、派遣を望んでいます。ぜひ、マスコミ等も取り上げていただきたい事案です。このままでは、大量退職する警察官を警備会社は天下り先として採用しないと、警察にそのような警備会社は、行政処分として圧力をかけられるかもしれません。

というのも、そうなんだろうなあという感じです。

−−−

その一方で、(若干冷たいことを申し上げれば)、マスコミは、「経済効率性を重視した結果、死者が出た」といった話は非常に記事にしやすいし放っておいてもボコボコに叩いてくれるわけですけど、「死者を出さないように規制をキツくしすぎた結果、社会全体の経済効率性が落ちている」といった(抽象的な)話は、(たとえそれが社会全体で何十億円分の不効率であろうが)、非常に取り上げにくいと思います。

また、警備業界の方にとって最も都合がいいのは、一定の研修を受けた人であれば「警備業法の認定を受けた業者間では人材を派遣しあえる」けど、一定の研修を受けた人であっても「一般の派遣業者が警備員を派遣することは禁止」とすることであるはず。
ただし、規制の趣旨が前述の理解でいいとすると、一般の派遣業者にも警備の研修を受けた人を派遣することを認めるべきでしょうし、そこまで認めてしまうと競争は激化するので、既存の警備業界全体の収益性は悪化する可能性も大きいかと思います。

もちろん、社会全体としてはそのほうがよくなるはずですが、ほとんどの企業はさほど警備員さんの人数がいるわけではないので、1社1社では警備のコストが多少改善されるかどうかは優先順位が低い話のはず。

ということで、(例えばもっと寡占度が高い薬品業界などに厚生労働省の役人が天下る、といったケースだと、「薬の認可」など利権の構造がシロウトにも非常にわかりやすいし目立つのに対して)、
警備業界のようにfragmented(小規模業者多数乱立型)な産業の場合、1つ1つの非効率性は小さくて全体を積み上げないと効率の悪さが浮かび上がってこないので、マスコミや産業界等の批判を浴びにい(悪く考えれば、残念ながら、お役所の「利権」を確保するには絶好の産業構造)、と言えるかも知れませんね。

「人材バンク法案」のパロディで、警備員の派遣を独占的にマッチングさせるネットのサービスを行う公益法人をつくって、そこを警察関係者の天下り先にするかわりに、警備業者間(のみ)で警備員をやりとりできる、ということにすれば八方丸く収まるかも。
(・・・そういう独占的サービスがうまく機能したためしはないので、もちろん冗談ですが・・・。)

コメントありがとうございました。

(ではまた。)

April 10, 2007

漁業のサステナビリティ

本日発売のビッグコミックオリジナルに連載されている「築地魚河岸三代目


築地魚河岸三代目 20 (20)

に出てきた、「持続可能な漁業」を推進する非営利団体「MSC」について。

The Marine Stewardship Council (MSC)
http://www.msc.org/

同マンガによると、MSC設立のきっかけは、1997年にカナダ東部の良質な漁場が乱獲によって崩壊し、4万人もの失業者を生み出すとともに、タラを原料とした加工食品を製造していた「ユニリーバ」も痛手を受けたことによって設立された、とのこと。

以前、「フェアトレード、NPOの戦略、認証・監査」
http://www.tez.com/blog/archives/000664.html
で紹介させていただいたFLO(Fairtrade Labelling Organizations International)
http://www.fairtrade.net/
と似たようなしくみの模様です。

ただし、FLOのホームページがISO的な認証の詳細な規定集の様相を呈していたのに対して、MSCのホームページはかなりすっきりしています。

マンガ中に出てくるセリフとしても、MSCが定めている非常にざっくりとした「原則」だけだと、相手によっては原則を都合の良いように解釈しているかも知れない、という危惧があるわけですが、驚いたことに、

「MSC」認証の審査においてどんな審査が行われているか私たち(注:MSC)は知らない

とのこと。

なぜかということを考えてみたのですが、コーヒーとかチョコレートとかバナナとかいった、零細業者や搾取されたり児童労働が行われるリスクのある産品は、ある程度定型化できるので、規定をきちっと作っていくことでシステムは洗練されていくのに対して、魚の場合には、

海域や魚種、創業方法など各国各地の漁業によって、審査すべき事柄は多種多様にわたります。 その為それぞれに適した専門の認証機関に審査をゆだねなければならないということもあります。
それに加え、(中略)、審査を受ける漁業と直接関わることで審査結果に影響が出ることを防ぐためもあります。 何かを認証するということは、どこからも利害や影響を受けない独立性がとても大事なのです。 審査において我々は各認証機関の公正性をチェックしているのです。

ということ。

相手が(弱い立場であるとは言え)「人間」である農産物と、相手が「自然」である海産物の違い、ということかも知れません。
「自然」のすべてに対応した規定を作ろうとするとオーバーヘッドが大きくなりすぎて無理が出てくるので、非常に「分散型」の認証体系になってるわけですね。

FLOが(ISOが好きそうな)「ヨーロッパ」発祥であるのに対して、MSCは「米国」発祥、という違いもあるのかも知れません。

実際に、MSC認証を受けた水揚高は世界で消費される天然魚の7%に上るとのことで、気づきませんがすでにかなりの量になってるんですね。
フェアトレードのほうは、(スターバックスの商品を見る限り)あまり認証を受けるシェアが伸びていっている感じがしないので、やはり、「分散型」の認証を採用した戦略の方があたってるかも知れません。

こういう「認証」も、そうした認証が存在し、その認証がついていることが付加価値があるという認知を広げ「デファクト」を構築することが重要だと思いますので、「いかにきちっとした体系を構築するか」よりも、「仮に多少アラがあったとしても、急速にシェアを拡大する」ほうが戦略として正しいのかもしれません。

(ではまた。)

北朝鮮向け債権のセカンダリー市場

本日、人づてに聞いて ちょっと面白かったお話。

ロンドンで北朝鮮(政府等)向けの債権のセカンダリー市場が立っているらしく、ヘッジファンドなどがその債権を買ってらっしゃるそうで。
額面の1%弱といった相場とのこと(6カ国協議の動向等で相場が上下するらしい)ですが、それにしてもそんなもんどうやって回収するんじゃい、と思いますよね?

 
タネは、将来、北朝鮮が韓国と統合したときに回収できる(かも)、というストーリーのようです。

つまり、LBO等においてSPCが抱えている債務が合併で包括承継されるようなイメージでしょうか。
(この「合併」がいつになるやら権利義務がどう承継されるやら、よくわからないところがディスカウントがキツくなっている理由でありましょうが。)

確かに、500億円の債権が5億円なら、お金持ってるファンドなら、ま、シャレで買っておいてもいつかペイするのかも知れません。

ではまた。

丸ビルのレストラン全制覇達成

昨年2月に丸の内に引っ越してきてから苦節14ヶ月。
ついに、本日のランチで、丸ビルのレストラン
http://www.marunouchi.com/common/MJP/shop/gourmet_f.cgi
を全制覇いたしました。

 
ちなみに、最後の店は5階のラビリント(LABYRINTHE)。
http://www.marunouchi.com/common/MJP/shop/detail.cgi?SH_MSH_code=1104

昼からアラカルトのみのフレンチというのもなかなか(特に野郎の方との)会食ではめんどうだなあ、と思っていて結局最後になってしまったんですが、メニューにはないですけどちゃんとランチセットもありました。(値段も言ってくれないのでドキドキしながら会計したら、意外に[単品の値段に比べると]リーズナブルなお値段で。)
おいしゅうございました。(岸朝子)

さあ、今月27日には隣の新丸ビルがオープンするぞ。(なんとか間に合った・・・。)

(ではまた。)

April 9, 2007

監査役制度改造論(旬刊商事法務2007/4/5日号)

(中大ロースクールで授業をいっしょにやらせていただいているので持ち上げるというわけでは全くございませんが)、
先週末に届いた旬刊商事法務の最新号(2007/4/5日号)に載っている大杉謙一中央大学教授の「監査役制度改造論」は、非常に面白いと思います。

 

監査役制度については、明治時代にドイツの制度を参考にできた、ということは多くの方がご存知かと思いますが、ドイツでは監査役会が完全に取締役会と株主総会の間に入っている(どちらかというと、監査役会というよりは「委員会設置会社における取締役会」に相当するような位置づけ)なのに対して、日本ではなぜ「現状のような感じ」になっちゃってるのかしらん?というあたりは、多くの人が疑問に思っていながらあまりよく理解されていないところではないかと思います。
監査役制度の歴史的経緯やアメリカ等他国との比較を踏まえた立法論としての大上段な議論というのは、商事法務に掲載される論文の中でも珍しいんじゃないかと思いますし、非常におもしろく拝見させていただきました。

−−−

実際、海外からお客さんが来た場合に、「社外監査役です」と自己紹介するというのが、なかなか実務としてはシンドイんであります。
単に「Auditor」というと、「ああ、会計の、ね」という顔をされるので、もひとつ別に日本監査役協会さんが推奨している「Corporate Auditor」と説明することが多いんですが、これだと、「業務監査的なものまで含みます」的なニュアンスは出るものの、やはり「なんじゃそりゃ?」感はぬぐえない。
アメリカ人向けには「a board member」(…kind of…)と名乗るのが手っ取り早く、かつ、ちょっとかっちょいい感じもしますが、取締役会での議決権を持たないことを考えると、一種の虚偽申告的な後ろめたさはぬぐえないところであります。

一方で、日本の監査役制度の問題点は、大杉先生の論文のような「法的な」制度論の問題というよりも、むしろ「監査役」という言葉に染み付いたイメージや「手垢」のほうが問題なのかなあ、という気もしてます。

例えば、論文で指摘されている「適法性監査」と「妥当性監査」の境目ですが、ここ数年、「監査役監査基準」が、取締役の善管注意義務履行の判断基準として経営判断の原則が前面に押し出される形で改定されてきたこともあり、従来は「妥当性監査」の範囲に入ると解されていたようなことについても、取締役の意思決定過程が適法かどうかという観点から考えれば、ほとんどのものが妥当性監査に含まれて来うるので、実務上、問題になることがあるのかな?という気もしております。

(少なくとも私は、社外監査役である場合でも、妥当性の判断とも考えられる点について、「○○といったこともありうるが、取締役はそういう視点からの検討は十分行っているのか?」という観点から取締役会でも遠慮せずに質問させていただいてますので、[嫌がられてるかどうかはともかく]、現行の法令の解釈上、「妥当性監査か適法性監査か」といった法令上の境界線の解釈で実務上困った、ということが、あまり無いもので・・・。)

つまり、監査役の権限についての法令解釈の問題というより、「やる気」のある監査役を就任させる人事をするかどうか、の問題じゃないかという気がします。

監査役の人事について、従来「監査役」という言葉から一般的に想定されていた人物像・・・すなわち、誤解を恐れずに言えば、「人格者である(つまり、平たく言うとエゲツナイことやトンデモナイことをしでかすタイプではない)一方で、あまり積極的に企業価値の向上に寄与するタイプとも必ずしも言えない(つまり、平たく言うと おとなしそう)」というような人・・・では、今後は必ずしも望ましくないんだろうなということは一般の上場会社においても理解されはじめているのではないかと思う一方で、では今後の日本のコーポレートガバナンスにおいてどのような監査役の人物像がピッタリはまるのか、というイメージが明確に描けてない企業も多いのではないかと思います。

イメージしやすい、という面では、(「欧米か!」と言われることを覚悟すれば)、大杉先生提案の、「監査役が取締役を兼務する」という方法よりは、シンプルに「取締役(や執行役)だけが役員となる」ほうがイメージは沸きやすいかと思います。

監査役がいない機関設計の類型に「委員会設置会社」があるわけですが、それがなぜこれほどまでに普及しないのか?、ということを考えてみると、それはずばり、日本企業のほとんどの会社(特にトップ)が、「会社の業務をろくに理解してもいない社外の取締役ごときに、役員の人事や報酬の決定権を握られるのは耐えられん!」と考えているから、ということに尽きるのではないかと思います。

つまり、問題は委員会設置会社とその他の機関設計の溝が(「人事」という最もデリケートな部分の決定プロセスを強制しているという意味で)、あまりに深すぎることではないかと。

会社法で、せっかく「監査役がいない取締役会設置会社会社」も認められたわけですから、もう一押しして、「委員会設置会社」と従来型の「取締役会+監査役会設置会社」の中間の類型として、(例えば)、

「取締役会+監査委員会」(+会計監査人)

という類型を認めるだけでうまく機能するような気がします。

(つまり、そんなに役員人事権と報酬決定権を社外取締役に握られるのがイヤなら、指名委員会、報酬委員会は作らなくてもいいですよ、と。)


今、経済界に携わっている方のほとんどすべては、戦後の「監査役」のイメージしか持ち合わせていないわけで、「監査役」のしくみをいくらいじっても、その「手垢」は、多少の工夫では落ちないはず。

一方、上記のアイデアは、取締役会での議決権や明らかな妥当性監査権限を持つ取締役が監査機能も持っているわけで、大杉先生ご提案の「監査役が取締役を兼務する」というアイデアとほぼ同様の機能になるんではないかと思います。

また、大杉先生は、監査役が取締役を兼務することで、監査役が役員人事権を握ることを重視されていますが、日本で委員会設置会社制度を導入した企業の運用でも、監査委員が指名委員を兼務するという運用にはあまりなっていない気もします。(監査する人と人事権を握る人は別のノリの人がやることが多いのではないでしょうか?[要検証。])

もう一つ、現行の監査役制度の問題は、監査役の権限が小さすぎることより、「独任制」のせいで監査役一人ひとりの権限があまりに強大なことに起因する部分が大きいような気がしてます。
監査役が「暴走」すると誰もそれを止められないほど権限や地位が強力なために、逆に、監査役には「あたりさわりのない、おとなしい」人を持ってこざるを得ない。(・・・と考える会社も多いのではないかと。)

一方、監査委員会という「会議体」で監査をするしくみにすれば、「暴走」のリスクも押さえ込むことができるので、多少「個性的」な取締役でも安心して監査委員に選任できるし、そういう人にガンガン発言してもらう方が、結局、企業価値向上にもつながるかも知れない。
選定監査委員(会社法405条2)を選定すれば、監査役的要素を取り込んだ設計にもできます。

こうした、従来型の機関設計と委員会設置会社の中間的な機関設計を認めるようにしたらどうか?という意見は、会社法施行前に日本取締役協会さんなどでも検討された経緯があったように記憶していますが、会社法が施行された今、以上のように考えてくると、「取締役会+監査役会+会計監査人」という機関設計が認められて、「取締役会+監査委員会+会計監査人」という機関設計を認めない、という理由はあまりないように思われます。

外国の人にも、「I’m a director and corporate auditor」と説明して「ぶも?」という顔をされるよりは、「a board member 」(・・・で、もしツッコんで聞かれたら、「… and also a member of the audit committee」)と答える方が、すんなり理解してもらえそう・・・という意味でも、「取締役会+監査委員会型」のほうがいいんじゃないかという気もします。:-)
(正直なところ、個人的には「監査役 兼 取締役」という名刺は、あまり持ちたい気がしない・・・。外国だけでなく、日本人にも説明が難しそう・・・。)

また、「取締役会+監査委員会」という中間類型を設けることで、結果として(完全な)委員会設置会社に移行する企業も増えるのでは。いきなり、「幅3mのクレバスを飛び越えろ!」というよりは、「幅1.5mのクレバスを2回飛んでね。」という方が、飛ぶ気になる会社は多い気がします。

(ではまた。)

April 6, 2007

中央大学法科大学院初回授業無事(?)終了

本日、中央大学ロースクールの授業の初回でしたが、なんとか終わりました。

 

5階の100人ちょっと入る大教室が満杯になるほど来ていただきまして、6階の同じサイズの大きさの教室にテレビ中継することになったので、ちょっとびっくり。
(ただし、「私が大人気だから」、ということではなくて、この時間帯に他の授業が入って無いから、ということのようです。)

私、ロースクールの学生というのがどういう人たちなのか全くノー・アイディアだったので、「全員がこちらを刺すような目つきで睨んでるガリ勉君みたいな人たちばかりだったらどうしよう」と、ちょっと緊張してたんですが、みなさん、「今風のナイスな感じの若者」ばかりで安心しました・・・。

後期の「コーポレートガバナンスと法」を担当される中山弁護士、今日3時発表の某社のディールのため数日間ろくに寝てないとのことにも関わらず見学に来ていただきまして、ありがとうございました。<(_ _)>

アカウンティング・スクールからも他学部聴講したい、という方も数人いらっしゃって、ありがたい限りです。

本日は、全体の概要の紹介的な回だったんですが、次回以降、より具体的な話になっていく予定であります。
次回の私の担当は再来週で「企業会計の仕組みについて説明する」ことになっているんですが、ロースクールの方が企業会計についてどういうご関心があるか、どう説明すれば短時間で企業会計のツボがわかっていただけるのか考えて、ご期待に沿えるようにがんばってみたいと思います。

(ではまた。)

April 4, 2007

中央大学法科大学院

不肖私、この4月より中央大学ロースクールの講師をさせていただくことになりました。
前期の毎週金曜日午後1時から約2時間のコマで、「ベンチャービジネスと法」という3年次の方向けの講義であります。

 
ベンチャー企業が体験する、創業(設立)、人材採用(ストックオプション=新株予約権の発行)、資金調達(株式)、バイアウトその他のM&A(合併、会社分割、事業譲渡等)などのフェーズ毎に、ベンチャーキャピタル、証券会社、弁護士、監査法人、税理士、司法書士等が関わってどんな”ドラマ”が展開されているのか、会社法に関わる現実世界のイメージをお伝えできれば、と思ってます。

私以外の教員は全員、法学の大学教授、弁護士・裁判官等の方々のようですので、私なんぞが教壇に立って法律めいたことを話させていただくというのも全くおこがましい限りではありますが、大杉謙一教授と共同のコマですので、どうかご安心を。

私は法律そのものを論じるというよりは、ベンチャー企業に働くファイナンス的な「力学」とか「ニーズ」を中心に、法律がどのようにそれに関わっているかという観点からのお話をすることになると思います。

例えば、ベンチャー企業を駆動する最大の力の一つは「キャピタルゲイン」ということになりますが、会社法のどこを見ても、「ベンチャー企業はキャピタルゲインの力で駆動されている」とは書いてありません。そうした、実務をやってる人なら知ってるけど法律の条文には出てこない「媒介変数」をご提示することで、全体の体系をすっきりお見せできれば、個人的には大成功、と思ってます。
(「地球の周りを惑星が回っていると考えると惑星の運動は極めて複雑に見えるけど、地球も含めて惑星は太陽の周りを回っていると考えると、非常にシンプルに理解できる」、みたいな。)

しかし、生まれてこのかた、学校の先生(ましてやロースクールの講師)をやるなんぞということは夢にも思わなかったんですが・・・・・・人生って面白いですねぇ。

ちなみに、後期の同じ時間帯は、「コーポレート・カバナンスと法」で、あの中山弁護士等のご担当。
(つまり、今年の金曜日の午後一は、「ブロガー縛り」のコマ、ということでやんすね。:-)

(よろしくお願いいたします。<(_ _)>)

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