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March 29, 2007

レプワラと税務

(追記あり:3/30、12:45)
一昨年、フジテレビはライブドアに対して約440億円を出資し、ライブドアの上場廃止で結局それを昨年の3月にUSENの宇野氏に約95億円で売却して約345億円の売却損を平成16年3月期に計上しました。
昨年3月29日の日経新聞の報道で、フジテレビは発生した損害の補償を求める催告書をライブドアに送付した、とのことですが、それから1年経った今週26日に損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こしています。

この一連のアクションを(法律的に、はさておき)税務的に見るとどうなんだろう?というのが本日の疑問であります。


フジテレビのプレスリリースのURL:
http://www.c-direct.ne.jp/japanese/uj/pdf/10104676/00057774.pdf
 


以前のエントリでも申し上げたとおり、フジテレビはニッポン放送騒動のさなかには、ライブドアのTOSTNETでの取得等を指して「違法なことをする会社」と公言していたわけで、当然、440億円出資の際のデューデリジェンスでも厳しく調査する義務があったし、おそらく実際にもそうしたことでしょう。

過去の決算において、本業以外の投資事業組合への投資のリターンが売上のかなりの部分を占めることについても、当然、突っ込まれたのじゃないかと思いますので、前述のエントリのとおり、私はこのデューデリで何かを発見して投資が中止になるという事態も想定していたんですが・・・投資は実行されました。
当然、監査法人にも開示されなかった資料がデューデリ担当者に開示されたとも思えないですし、デューデリですべてがわかるわけじゃありません。

そこで次はもちろん、投資時の契約の「表明と保証(representation and warranty)」の項で、
「本投資に関連してライブドアがフジテレビに対し開示した書類は、全ての重要な点において、真実、かつ真正である。」
というようなことが表明され、
「本条の規定に反する事実が発見された場合はフジテレビはライブドアに損害賠償請求することができる。」
というようなことが保証されているはずです。

また、証券取引法18条、19条で、

第十八条  有価証券届出書のうちに、重要な事項について虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項若しくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の記載が欠けているときは、当該有価証券届出書の届出者は、当該有価証券を当該募集又は売出しに応じて取得した者に対し、損害賠償の責めに任ずる。ただし、当該有価証券を取得した者がその取得の申込みの際記載が虚偽であり、又は欠けていることを知つていたときは、この限りでない。
2  (略)

第十九条  前条の規定により賠償の責めに任ずべき額は、請求権者が当該有価証券の取得について支払つた額から次の各号の一に掲げる額を控除した額とする。
一  前条の規定により損害賠償を請求する時における市場価額(市場価額がないときは、その時における処分推定価額)
二  前号の時前に当該有価証券を処分した場合においては、その処分価額

2  前条の規定により賠償の責めに任ずべき者は、当該請求権者が受けた損害の額の全部又は一部が、有価証券届出書又は目論見書のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項若しくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の記載が欠けていたことによつて生ずべき当該有価証券の値下り以外の事情により生じたことを証明した場合においては、その全部又は一部については、賠償の責めに任じない。

と定められているので、上記下線部のとおり、フジテレビが被った損害額の算定も容易。

会計上は、保守主義の観点から、ライブドア株式の売却損が出たときにそれを全額損失として計上するのが正しいと思いますし、実際にフジテレビさんは、平成18年3月期の有価証券報告書で約345億円の特別損失(投資有価証券売却損)を計上。「法人税、住民税及び事業税」の額も、その前の期の171億円から52億円に大きく減少しています。

一方、ライブドアは上場廃止時には、(予想される損害賠償請求に関わる偶発的なものを除けば)負債もほとんど無く、キャッシュはたんまり持っていたので、法令上も投資契約上も、この損害額が戻ってくる可能性はかなり高かったと言えます。

フジテレビはなんで上場廃止になってすぐ裁判を起こさなかったんでしょうか。
控訴されたとはいえ一審判決で有罪が出てからの方が、裁判所も虚偽記載についての判断が容易で効率がいいと判断した、と考えるのが素直な見方でしょう。

一方、この回収の確実性が高いのであれば、税務的に見ると、このライブドア株による損失は大きな課税繰延効果を発生させることになります
(345億円の約4割として138億円。)

ここでふと思ったんですが、税務当局から、
「これは法律でも投資契約書でも明確に保証されている権利で、損失が確定した平成16年3月時点で損害額についてライブドアから弁済を受ける権利が既に発生している。つまり、権利確定主義をとる税務上は、平成16年3月期に保証による益金345億円を計上すべきだった。」
というようなチャレンジを受ける可能性は無いでしょうか?

もしそういう可能性があるとしたら、投資で損失が発生した方にしてみれば、損失は発生するわ税金も取られるわで踏んだり蹴ったりであります。

一方、そういう可能性が無いとしたら、キャッシュ・リッチだが近々重大な虚偽記載が発覚する可能性の高い企業に投資するというのは、「究極の節税商品」・・・かも知れませんね。(冗談)
(証取法18条1項の後段で、この虚偽記載を知っていた場合には損害賠償を受ける権利がなくなるとしているので、怪しさを知っていればいるほど、損失発生の確実性は高まりますが、保証を受けられないリスクも高まります。)

いずれにせよ、通達、裁決事例等を詳細に調べたわけではないので、思い付きのメモとして。
(どなたか、こういったケースの税務上の取り扱いについてご存知のことがあれば、ご教示いただければ幸いです。)

ではまた。

(追記:3/30、12:45)

QWERTYさんからコメント欄で教えていただきましたが、通達が出てますね。
どうもありがとうございました。

通謀虚偽でもない限り、法人税基本通達2−1−43の 後段の取扱いということで、大丈夫だと思います。

http://www.nta.go.jp/category/tutatu/kihon/houjin/02/02_01_06.htm

(損害賠償金等の帰属の時期)

2−1−43 他の者から支払を受ける損害賠償金(債務の履行遅滞による損害金を含む。以下2−1−43において同じ。)の額は、その支払を受けるべきことが確定した日の属する事業年度の益金の額に算入するのであるが、法人がその損害賠償金の額について実際に支払を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入している場合には、これを認める。(昭55年直法2−8「六」により追加、平12年課法2−7「二」により改正)
(注)
 当該損害賠償金の請求の基因となった損害に係る損失の額は、保険金又は共済金により補てんされる部分の金額を除き、その損害の発生した日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。

March 27, 2007

「勇午」新シリーズ

本日発売の「イブニング」で、「勇午」の新シリーズ開始。

先日お伺いした弾さん宅は「バベル」の撮影に使われたそうですが、私のオフィスも、なんと勇午に登場しました。

(23ページに・・・mm単位で・・・。○| ̄|_)

March 23, 2007

ICPFシンポジウム「参加型メディアの可能性」、終了

(追記あり:3/24、10:00)

ICPFのシンポジウム「参加型メディアの可能性」も、なんとか無事終了。
ご来場いただきました方々、どうもありがとうございました。

もちろん、他のパネラーの方々や会場のみなさんとのディスカッションも得るものが非常に多かったのですが、中でも本日最大(?)の収穫は、これだ!↓  

 
Mr_Wales.JPG

 
Wikipediaの創始者のWales氏、私が出させてもらった第2部には残らない、ということだったので挨拶する機会はないかと思っていたのですが、シンポジウム開始前の講師控室でお会いできました。

名刺ゲット、であります。

(ではでは。)


(追記:3/24、10:00)
ITmediaさんの記事。(うへー。ちょっと変な顔で写ってます。)
http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0703/23/news154.html

March 22, 2007

「クチコミの技術」、読んでみました

[N]ネタフルのコグレさんと[mi]みたいもん!のいしたにさんから、先日の弾さん家のパーティにて、直接手渡しでいただきました。

クチコミの技術 広告に頼らない共感型マーケティング

「クチコミの技術」というと、ネット上の特別なノウハウのようにも聞こえますが、この本で述べられているのは、つまりは「ネットの世界での暮らし方/仕事の仕方」ともいえます。

ブログとかSEOとかアフィリエイトの本とかはいっぱい出版されてますが、月間100万ページビュー以上を実際に一人でコンスタントに獲得されてらっしゃる方がおっしゃることは、やはり説得力が違う。ご自分たちが体験された具体的な事例が多数紹介されていることもあり、すごく平易でありながらネットの世界になじみがない方にも現実の動きが非常にイメージしやすくなっているかと思います。

これ、「クチコミ・マーケティングを考えている営業っぽい部門の方」をターゲットにした本に見えるかも知れませんが、むしろ、「ネットはよーわからん」と思ってる企業トップとか広報とかIRとか財務などの部門の方に読んでいただくのがいいかも知れませんね。
消費財(&サービス)であれば今や営業にネットを使わない手は無いし、逆に物凄くマニアックな生産財を作ってるような会社が企業ブログなどをやるのも面白いんじゃないかと思いますが、そういう会社で「ネットわからん」と思ってるオジサンが意思決定に重要なポジションに座っちゃったりしていると話がややこしいので、そういう場合はこの本でも読ませるべし。

また、91ページからの「炎上とどう向き合うか」というネット上の「炎上」対策を説明したページも、企業の危機管理として一度読んでおいた方がよろしいかと思います。
広報や危機管理の基本と同じといえば同じですが、そうはいっても、ネット上でのお作法も頭の隅に置いておかないと、イザというときにあわてたりトンデモないことやっちゃったりするかも知れませんので。

(ご参考まで。)

日本のブログの投稿量にびっくり!

エデルマン・ジャパンさんから送っていただいた調査レポートで、日本のブログの現状について、びっくりするような結果が。

edelman_blog.jpg

日本語のブログの投稿数、すごっ!
英語と言っても、アメリカやイギリスだけじゃないわけですから。

Technoratiの昨年の調査結果とのことですが、不勉強にして存じませんでした。
(にわかには信じられない結果ですが、よく検索してみると、昨年のブログ界隈ではすでに結構話題になっていた模様・・・。)

明日のICPFのシンポジウム「参加型メディアの可能性」で、私もパネラーをさせていただく第二部のテーマは「ブロガー討論会『日本のブログはこれでいいのか』」。

「日本のブログは、量も質もアメリカなどには遠く及ばない」というようなトーンで話が推移するんじゃないかと思ってましたが、少なくとも量的にはそんなことまったくない、ということですね。

アメリカの主要なブログのページビューの量を聞くと、これまた日本とはケタが1つ2つ違う話を聞いていたので「やっぱり英語圏はすごい…」と思っていたのですが、すると、1投稿あたりのページビューが日本はすごく少ない、ということなんでしょうか?
それとも、ページビューあたりの「格差」がアメリカなどと比べて少なくて、一般の人までがブログに投稿しており、「コミュニティ的」「fragmentedな空間」になってる、ということですかね。

とりあえずびっくりしたので、ご案内まで。

詳しくはこちらをご覧ください。
http://www.edelman.jp/img/ideas/gbg_j.pdf

(ではまた。)

March 21, 2007

「電気の史料館」に行ってきた

これは、すごい!

I_0571s.JPG

 

http://www.tepco.co.jp/shiryokan/home-j.html

テレビCMで見て子供を連れて行ってきたのですが、これはいい!です。
(鶴見の交通の便の悪いところで、失礼ながらそれほど混んでもないんですが)、すごいお金がかかってます。
(電気の歴史の映画の上映もあるんですが、あれ、ナレーションが津川雅彦氏・・・じゃないかという気がしたのですが、気のせいでしょうか?)
おまけに安い。(大人300円。春休みは小中学生無料。)

「工場萌え」な方も思わずコーフンしてしまう展示品の数々。

なぜ、タービンがこういう形状をしているのか?というのもよく理解できます。
(同じ流体でも、蒸気と水では違うわけですね・・・。)

電磁気学でつまずいている学生さんとか、核反応のノウハウを習得したい北朝鮮の新人核開発担当者の方など、いろんな人に役に立ちそうであります。

(ではまた。)

「英語教材」としての「LOST」

21日はLOSTシーズン2の10巻、11巻、12巻が(日本で)リリースされる日。
奥さんに「借りに行って来い」と命じられて、朝10時前からビデオ屋に行くと、もうすでに7人ほど行列が。

10時の開店とともに、その行列が一斉に「LOST」の棚にダッシュ。
なんとか10、11、12をゲットできました。

LOSTについては、「謎が謎を呼ぶだけで何も解決されない」「回想シーンが多すぎ」「アメリカでも視聴率ダウン気味」等、みなさんにいろいろご忠告をいただいていながら、ついにシーズン2の終わりまで来てしまいましたが、

その多い回想シーンも含めて、医者、詐欺師、バンド等いろんなシチュエーションのエピソードを、東部、南部、イギリス、オーストラリア、スペイン・イラク・韓国等、いろんなアクセントのある英語で聞くというのは、「英語教材」としてみるとそれなりにいいのかな・・・という気もしてます。

「いかにも教材」というもんと違って、飽きないし。
普通のドラマはその設定によって(たとえば、「24」ならテロや警察、軍事関係の用語に)偏っているのに対し、それなりにいろいろバランスが取れているんじゃないでしょうか。

(ではまた。)

AMNオフ会 in 小飼家

404 Blog Not Foundでおなじみ小飼さんの家で開催されたAMN参加のブロガー・ミーティングから、ただいま帰ってまいりました。

このお部屋、都内某所のペントハウスですが、他人のお部屋の写真をブログで公開するのは気が引けるので、ご興味のある方は、こちらとかこちらのURLをご覧ください。

ちなみに、アカデミー賞にノミネートされた「バベル」の菊地凛子さんのシーンは、この部屋で撮影されたそうで。
中島 聡さんがアメリカから持ってきた「バベル」のDVDをみんなで見ながら、「おー、確かにここだここだ!」的な感動を体験させていただきました。

(ではまた。)

March 20, 2007

本日の上村達男教授(+クラスアクション?)

本日の産経新聞13面、”【正論】早稲田大学法学部長・上村達男 ライブドア事件−−
罪を問えない3つの巨悪が本質、現在進行形で機能する「規制」法を”、という記事で、上村教授が熱弁をふるってらっしゃいます。。

 ライブドア前社長の堀江貴文被告に対して、16日に東京地裁は懲役2年6月の実刑判決を下した。この判決については、様々な論評がなされているが、そこで何が起こったのかを理解した上での論議であるかは疑わしい。
 ライブドア事件の本体は以下に示す3つの巨悪からなり、そうして得られた利益を売り上げとして計上したという「不正の後始末の不正」だけがこの裁判で取り上げられたにすぎない。最後の部分だけを見ると、そんな不正は昔からよくあるではないか、金額も巨額というほどではないのではないか、実刑は重くはないか、目立つ人物を検察が恣意(しい)的に摘発したのではないか、という発想となる。
 しかし、判決が(中略)等々、強い口調で被告を批判し、実刑判決を下した背景には、こうした粉飾に至る巨悪への認識があると思われる。本判決は巨悪を巨悪として摘発できず、有価証券報告書虚偽記載という(通常は重大な罪だが、本件の構造の中では)いわば末梢(まっしょう)的な罪によって裁かなければならない日本の資本市場規制の貧しさの表現である。問題の本質はここにある。

として、上村教授はライブドアが行った「三つの巨悪」として;

第1として、株式分割により証券市場を意図的に機能不全に陥らせることのみを目的とした行為は、これだけでも偽計取引。
第2に、下方修正条項付き転換社債(MSCB)を、貸株つきで発行するという、株主を害することが予定されている行為の悪。
第3が、市場外取引であるトストネット取引を利用して、本来は強制されるはずの公開買い付け(TOB)を潜脱した違法。

を掲げてらっしゃいます。

時々刻々と変化する市場にふさわしい本来の規制体制が確立していない。そこで最後の砦(とりで)として検察が出てくると、必ず勝たねばならない組織であるために、また専門性の乏しい裁判官が理解しやすいように、有価証券報告書虚偽記載やインサイダー取引といった分かりやすい罪名を使う。するとことの本質が見えなくなる。貧しい悪循環というほかはない。


ということなんですが、問題は具体的にどういう法秩序を形成するか、ですね。

上村先生がどういう規制体制をイメージされているかはよく存じませんが、個人的には、社会というのは「複雑系」なので、ここんところの一連の法改正のように、「どんどん細かくしていけばいつかは理想的な状態に達する」という気はまったくいたしません。

ライブドアについても、「確かに悪いのはわかるが、東京地検がいきなり踏み込んで、有無を言わさず上場廃止にするのがよかったのか?」というご意見の方もたくさんいらっしゃるかと思います。
そのケースのように公権力が介入しないと健全化機能が働かない状態を「市場経済」と言えるのかどうかについては、ちょっと疑問でして、「ビジネスのことは民間で解決できる」という姿がなんとか実現できないものかなあと思っております。

じゃあどうすんの?ということで、識者の方々といろいろしゃべっているときに「今時点であまり言うと嫌われるけど」という前置きのもとで、「クラスアクション(の日本への導入)」というキーワードが、なぜか最近よく出てきます。

本日も、「弁護士さんの内部統制のセミナーで、"司法制度改革で法曹資格を持った人が増えるから、結局、それをやるしかないという方向だ。『上』の方も、それを後押しする方向らしい。"」というような恐ろしい情報(確度不明)を聞いてきた話を聞きまして・・・。

(うへー)

そういう世知辛い時代が来る前に、なんとかコーポレートガバナンスとか内部統制とかいったリスキーな(になる)話からは身を引いて、隠居の身になりたいものであります。

(ではまた。)

(追記:3/21)
例えばアメリカでは、インサイダー取引が明文で法律に規定される前に、膨大な判例が形成された、というように、もうちょっと「web2.0っぽい」ルール形成が行われているようなので、上村教授は(必ずしも法整備をやれ、というわけじゃなくて)、そういう感じも想定されているのかな?とも思ったのですが、記事からはよく読み取れませんでして、非常に興味があります。

日興とライブドアの内部統制の違いをどう考えるか(「弁当屋」に例えた場合。)

堀江氏判決について考える(「結果」と「プロセス」)の日興コーディアルグループとライブドアの内部統制の違いの部分について、「あ」さんから、弁当屋さんの品質管理に例えたコメントをいただきました。

コーポレートガバナンスや内部統制を「品質管理」に例えるのは非常にいい例えじゃないかとおもいます。

一般の企業でも、自分のメインの製品やサービスについては品質管理を徹底しないとヤバいという認識はかなり浸透しているんじゃないかと思いますが、コーポレートガバナンスや内部統制については、まだ「なんでそんなことやんないといけないの?」という認識の企業も多いのではないかと思います。

上場企業であれば、「株式という金融商品」を投資家に販売しているわけですし、株式というのは その企業(に関する権利を細分化したもの)そのものですから、株式の品質管理というのは、すなわち企業のコーポレートガバナンスや内部統制そのものであり、企業価値をいかに保ち、いかに上げて行くか、ということが品質管理の目的になるかと思います。

ところが、品質管理というのは、限りなく不良品を減らすことはできるが、残念ながら不良品をゼロにできるしくみではないわけです。
このため、不良品が出たおかげで顧客に損害が発生したときの責任をどう考えるか、ということになるわけですが、内部統制の考え方に関する何らかのご参考になるのではないかと思いまして、「あ」さんとのやりとりを(一部引用で恐縮ですが)、引用させていただきます。


「あ」さん曰く;

>磯崎さん  その理屈だと大企業になればなるほど、犯罪し放題になりますね。

 年1万食の売り上げのある町の弁当屋が去年1件の食中毒を出したのではないかという嫌疑をかけられて営業停止、社長は逮捕、起訴、有罪。
 一方、年100万食の売り上げがある大きな弁当屋は、2年間にわたり10件の食中毒を出したうえに組織的に隠蔽工作をした証拠があり社長も認めたのだが、営業停止どころか弁当1食分の罰金、会社の人間は有罪どころか起訴も、それはおろか逮捕もされない。
 弁当の専門家は、前者は1万分の1件、後者は10万分の1件なので前者の方が罪が重いと強弁。

 こんなのが通用するのはさすがに金融業界だけじゃないですか?

 

必ずしもそんなことはないと思うんですね。
ということで、以下、私のお返事。


一日30個程度の弁当を作る会社を夫婦でやっていて、食品衛生責任者は社長の奥さん、そのほかはパートさんの会社で、衛生管理らしい衛生管理もしていなかったところ、食中毒が1件起こっちゃいました。・・・という状況であれば社長が責任に問われても全く不思議ではないと思います。

一方、年100万食を生産している弁当屋というのが、近代的な工場で1日2000個作る本家と1000個作るのれん分けした会社から成り立っていて、すべてを本家経由で販売していたところ、ある日、子会社の社長がコストダウンの方法を提案してきた。本家としては、それは、利益は増えるかも知れないが衛生上望ましくない方法じゃないの?と他の役員も含めてかなり慎重に検討したけど、子会社社長が提示してきたデータを見てみると、確かに細菌量などは規定上問題ない範囲に収まっている。じゃあ、必ずしも賛成しないけどその方法でやってみたら?、ということになったが、結果として食中毒が10件発生して、子会社社長のデータの取り方も正しいやり方からは逸脱していたことが後から発覚しました。・・・という場合ですが、

もちろん、この大手の弁当屋も納品しているコンビニ全てからとりあえず取引停止になるのは当然。この間に、本家は第三者による調査を徹底的に行って報告書を提出。子会社の社長が食中毒の危険性がもしかしたらあるかも知れないことを認識していながら生産していたが、本家は一般的に十分と考えられる衛生管理指導を行っていたことが報告書で報告された。

・・・という場合に、コンビニ各社が「子会社社長もクビにするなど適切な方法をとって、今後の改善の意向もあるので、これなら再発の可能性は低いんじゃないか」と判断して、この大手弁当屋との取引を再開し、本家社長も逮捕されなかった、としても、「差別だ!」ということには必ずしもならないと思います。

もちろん、大手弁当屋も何のペナルティもくらってないわけではなくて、社会的な信用を大きく損ない、多額の課徴金も払っており、子会社社長を含めてすべて役員の私財でまかなっている。

「犯罪やり放題」のわけもないです。
この例の場合、「衛生管理皆無」の状態と判断されるんだったら、コンビニも怖くて取引再開にできない。
もちろん、その子会社社長が絶対罪に問われない、と言ってるわけじゃないですし、本家の社長も実態を知っていたのに手を打たなかったとしたら、罪に問われてもおかしくありません。
その零細企業の社長が逮捕されるのは当然で、捜査も適切だった、と申し上げているわけでもありません。

1個か10個かというような数だけで判断される話ではなく、衛生管理にどの程度注意を払っていた等の事情も考慮されるべきではないか、というお話でした。


以上、「あ」さんに対する反論を目的とするものではなく、内部統制とそこから止む無く漏れて発生した不適切な処理についてどう考えるか、という点についてわかりやすい例だと思ったので、エントリにさせていただきました。

もちろん、たとえ話というのは、あくまでたとえ話ですので、それで実際の事例を判断するのは限界がありますが、ご参考まで。

March 19, 2007

遅ればせながら「華麗なる一族」最終回の感想

(もう終わったドラマですが、これからDVDで見ようというような方、以下、ネタバレご注意。↓)

 


「血液型検査くらいしてから氏ね!」

やはり鉄平専務、上場企業の取締役としては、著しく注意を欠いた方だったと言わざるを得ないんじゃないでしょうか。
(もちろん、エンタテインメントとしては大満足!でありました。)

(ではでは。)

リンチと裁判制度と「祭り」と「美人投票」

先日のエントリで、リンチという言葉を使ったところ、「派手な比喩で正義感ぶるな」という趣旨のコメントをいただきました。(追記15:32:確かに、ちょっと刺激の強い表現だったかな、と反省しつつ、最近の私の問題意識としてある点について別テーマのエントリを立てさせていただきます。)

確かにリンチ(私刑)は「恐ろしい」というイメージがありますが、そもそもは自由放任で刑が妥当な水準に決定されるのであれば、罪に対するペナルティの水準の決定は「市場」に任せておけばいいはずで、それ自体が恐ろしいという意味を持つものとは限らないはずです。

そう考えてみると、そもそもなんで「私刑」は禁止されてるんでしょうか。

 

当事者が関与して群集心理が働くと刑が社会的に妥当な水準には決まらない、ということは数千年の大昔から知られていたようで、世界で2番目に古いとされるハンムラビ法典(紀元前18世紀ごろ?)でも、「目には目を」と定めて、「目を潰されたから、殺してやる。」といった過剰な報復を禁じたということが言われていることは上述のエントリでもご紹介させていただきました。

ネット特有の現象として「祭り」が取り上げられることが多いですが、そういうポジティブ・フィードバック現象の発生は、はるか古代から裁判制度が整備されてきたので目新しく見えるだけで、実は放っておくと人間社会が必ず陥る本質的な現象なのではないかと思います。

Wikipediaも「裁く」という観点が入ってきてしまう項目については、編集合戦が繰り広げられてうまく機能しないように思われます。

同じく約2000年前(から)の新約聖書における、以下のような部分;

人を裁くな。あなたがたも裁かれないようにするためである。あなたがたは、自分の裁く裁きで裁かれ、自分の量る秤で量り与えられる。
(マタイによる福音書7.1)
そこへ、律法学者たちやファリサイ派の人々が、姦通の現場で捕らえられた女を連れて来て、真ん中に立たせ、イエスに言った。「先生、この女は姦通をしているときに捕まりました。こういう女は石で打ち殺せと、モーセは律法の中で命じています。ところで、あなたはどうお考えになりますか。」イエスを試して、訴える口実を得るために、こう言ったのである。イエスはかがみ込み、指で地面に何か書き始められた。しかし、彼らがしつこく問い続けるので、イエスは身を起こして言われた。「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」そしてまた、身をかがめて地面に書き続けられた。これを聞いた者は、年長者から始まって、一人また一人と、立ち去ってしまい、イエスひとりと、真ん中にいた女が残った。イエスは、身を起こして言われた。「婦人よ、あの人たちはどこにいるのか。だれもあなたを罪に定めなかったのか。」女が、「主よ、だれも」と言うと、イエスは言われた。「わたしもあなたを罪に定めない。行きなさい。これからは、もう罪を犯してはならない。」
(ヨハネによる福音書8.3〜)

も、こういう「裁く」機能の難しさを示すとともに、「オマエモナー」と言われる可能性を自問させることで、ポジティブ・フィードバック現象の発生を防ぐ効果があるんではないかとも思います。

またこうしてみると、裁判を私的に行わせないというのも、「一般の人が天国に行けるように」、という配慮もあるのかも知れまへんな。:-)
では、裁判官が「裁いて」いるのかというと、(国によって制度も異なりますが)、基本的には、検察、裁判官、弁護士などの間で役割分担が行われて裁判官はそれぞれの主張を判断するだけですから、聖書時代における「裁く」という意味とは違うことをやっているようにも思われます。(ということだと、裁判官も天国にいける可能性が出てくる。:-)(このへん、キリスト教がメジャーな国の裁判官の方々はどう解釈しておられるのかを知りたいところであります。)

あらためて考えてみると、金融市場やネットの世界においては「自由」を極力重視しており、「美人投票」や「祭り」を防ぐしくみを(あまり)導入していないから、よく考えて行動しないと、みなさん「天国に行けない可能性」が出てきちゃうのでご注意ですね。

また、「ネットで取り上げられる」→「マスコミで取り上げられる」→「検察、裁判所にも影響」という流れが出来てくると、ネットの世界でのポジティブ・フィードバック現象が現実世界にも影響してきかねない。

検察官や裁判官の方々は、世論から独立して考えを決めるように教育されているのでしょうけど、一方で、社会の変化とともに世間が考える「正義」も変化するので、検察や裁判所が法令解釈の範囲内で「世論」にも配慮するのは当然といえば当然。
しかし、その世論がもし「祭り」的なフィードバック現象によって形成されたものだとしたら、恐ろしいところであります。

(ではまた。)

March 16, 2007

堀江氏判決について考える(「結果」と「プロセス」)

元ライブドア社長の堀江氏に懲役2年6月の判決が出ましたね。
判決が妥当かどうか、というのは、法学的に(追記:つまり、法令や過去の判例とのバランス、裁かれる人の人権の問題等の観点から)はまったく私の専門外でありますが、以下、若干のコメントをば。

 

どの程度認識していたか
どこまで堀江氏がスキームの詳細を知っていたかどうかというのを私が知るよしもありませんが、あれだけの金額の話ですので、知らなければならない立場にあったのは確実ですし、またライブドアでのメール等の情報共有のされ方からして、まったく情報のカケラも耳にしたことがないということはなかったのではないかと思います。

一方、「投資事業組合を通じて自社株を売却した場合、キャピタルゲインが連結の利益剰余金になるのか、それとも資本剰余金なのか」てなことは、当時の段階で普通の公認会計士が聞いても即答できる話ではなかったかと思います。
ただし、ファンドへの出資比率やファンド運営者のライブドアとの関係、金額の巨額さや利益に占める重要性などについての情報が仮に得られたとしてそれを熟慮すれば、ほとんどすべての会計士が「それを売上や利益に計上するのはまずいでしょ」という判断をしたケースだったとは思います。

しかし、堀江氏が宮内氏などから、「投資組合で自社株を売却した場合には、売上に計上できるんですよ」と説明されて、「それはまずいんじゃないの?」と反論できるだけの会計的知識があったかというと、なかったんではないでしょうか。


量刑が妥当なのか
上記のような事情を想像すると、実刑というのは感情的には「かわいそう」という気もいたします。
ましてや、明らかに堀江氏よりはるかに会計に詳しかったであろう宮内氏は3年弱の求刑ですので、宮内氏には執行猶予が付いたりしたら、なお堀江氏が相対的に「かわいそう」ですが。

一方、米国のケースを考えてみると、エンロンやワールドコムの粉飾でも、CEOはそれぞれ「私は知らなかった」という主張をして争いましたが、結果は一生刑務所から出て来れない判決が下ったかと思います。

「世界に通用する公正な資本市場の信頼性の確保」という観点からは、元社長に懲役2年6月の実刑というくらいは最低限必要があるのでは?という見方もできるかも知れません。


この判決で社長や取締役の責任はどう変化するのか
ただ、日興コーディアルグループの特別委員会の調査報告書についてのエントリで見たとおり、(外国ではどうなのか存じませんが)、日本の場合、こと会計処理の妥当性については、第三者に意見書を求めようと思っても入手できない、という現状があるわけです。

上場企業の社長なり取締役は、自分が必ずしも専門でないことについて、「ほんとにこれアリ?」と疑問がわいた場合、弁護士なり税理士なり専門家に意見を求めて情報を得て検討する義務がありますし、逆に十分そうした情報収集や検討を行なえば善管注意義務を果たしたことになり、たとえ結果は褒められたものでなくても、必ずしも取締役が責任を負う、ということにはならないはずです。
しかし、意見書を書いてくれる専門家がいないのでは、取締役はどうやって善管注意義務は果たしたらいいんでしょうか?(また、果たしたというエビデンスを確保できるのでしょうか?)

上場企業の社長は、会計処理について無過失責任を負う、ということになりはしないでしょうか?

本日の堀江氏への判決で、一般論としては以上のような懸念が生ずることにもなりえます。


日興と何が違うのか
日興もライブドアも、連結されない投資用のvehicle(組合やSPCといった「入れもの」)を使って利益の水増しをした、という点では変わりがありません。
また、カネボウのように、まったくありもしない取引をでっちあげて粉飾をしたというのと違って、ライブドアでもキャッシュはちゃんと入ってきていたわけですし、日興も少なくとも市場で形成された株価で単純計算した場合の「含み」は存在していたわけです。

ということで、一見して両社は同じに見えますし、どちらも褒められたケースでないのは間違いありませんが、両者の違いは一体どう考えればいいんでしょうか?

あえて説明をつけるとすれば、両社の違いはやはり、取締役等が「善管注意義務をどの程度果たしていたか」(適切なコーポレートガバナンスが形成されていたかどうか)の違いではないでしょうか。

ライブドアの場合、あれだけの金額についても、宮内氏以外の取締役や監査役は、投資組合の先がどうなっているかとか、スキームの全貌についてはほとんど知らなかったし、知ろうともしなかったんじゃないでしょうか?もちろん、その場合の会計処理の良し悪しについて検討も行われなかったと思いますし、取締役や監査役から宮内氏に「ほんとにその処理でいいのか?」というような質問も行われなかったんじゃないかと思います。

これに対して日興の場合には、報告書にもあるとおり、SPCであるNPIHや一番下にぶらさがっているベルシステム24まで内容はすべて(バックデートしたということ以外)取締役や監査法人によっては把握されており、しかも「これでいいのか?」という検討は、弁護士等の監査委員やCFO、監査法人も含めて、かなり何回も行っているようです。

また、
「保有は連結するが、(単なる転売目的の)投資については連結しない」
「”投資”にはSPCまで含む」
というのが(それが最善だったとは思いませんが)、従来からの連結方針だったわけなので、会計上の「継続性の原則」等から、ベルシステムの部分だけ処理を変えることは、それはそれでまずいのではないか、といった検討でもかなり丁々発止があったようです。(最終的には(これも、個人的には十分だったとは必ずしも言えないと思いますが)「注記」もしています。)

おまけに、経営者が後から見ても書類上は完璧なわけで、バックデートしたかどうかなんてわからない。「メールを50万件全部検索すりゃよかったじゃん」とも言えますが、そもそもバックデートした疑いを持つ必要があったかとか、当時、メールの全件チェックまで行う内部統制を構築している必要があったかということについて、どこまで責任を問えるか、ということはあるかと思います。

一般投資家の人にしてみれば、結果だけ見れば同じじゃん!」と思われると思いますが、経営陣の方からしてみると、「やるだけのことをやった」か「何もやらなかった」かというプロセスを評価してもらえないのでは、限られた経営資源を使ってリスクのあることにチャレンジしていくことはできません。(「やってらんねーよ」ということにもなります。)

繰り返しになりますが、両社、決して褒められた話ではないですし、両社の実態をすべて把握しているわけでもないので、どちらの肩を持つものでもありませんが、
「社会全体として、どの程度コーポレートガバナンスや内部統制にコストをかければいいか?」
「経営としてどれくらいのリスクを取れるのか」
「それによって、結果として社会全体が発展するのかしないのか」

というような点をいろいろ考え合わせると、懲役2年6月というのは、注意義務が払われなかったことに対して結果として(経済学的に)まあ妥当な水準のペナルティなのかな、という気がします。

(追記):
つまり、これら一連の結果の教訓を見た上で、あなたがもし仮に上場企業の取締役に就任する場合、「ライブドアの取締役のようなことにならないようにする」のは比較的簡単だけど、「日興の取締役が陥った状況をあなたならなんとかできたか」というと相当難しかったのではないか、ということであります。

(ではまた。)

March 15, 2007

ブログ読者アンケートご協力のお願い

私が参加してますAMNが実施してます。簡単な無記名のアンケートですので、↓下記のリンクからどうぞ。
   ブログ読者アンケート(http://www.formassembly.com/forms/36215)
(詳細はこちら↓)

以下、概要:
私が参加させてもらってますAMN(Agile Media Network)が今度、運営の参考とするために、みなさんがブログなどを どの程度見ているかについて簡単なアンケートを実施するということなので、お時間のある方は、ご協力いただけるとありがたいです。

ブログ読者アンケート (powered by Agile Media Network)リンク再掲 http://www.formassembly.com/forms/36215

3月末までトップに掲載しておきます。
よろしくお願いいたします。(3/15 17:59)

Rich Chen氏、「はてな」へ

梅田さんのブログ経由。

こんなことをアナウンスできる日がこんなに早く来るなんて思っても見なかった。今日は本当に嬉しい日だ。

Richard ChenのHatena Inc.取締役就任に関するお知らせ http://hatena.g.hatena.ne.jp/hatenapress/20070315/1173915658

Richさん、Google辞めてたんですね・・・。
転職(&採用成功)、おめでとうございます!

(ではまた。)

実力派ブロガーになるには「確定申告」がポイント:-)

いよいよ本日3月15日で確定申告も終わり。(消費税は4月2日まで。)
去年も取り上げましたが、今年もブログやネット界隈では、e-Tax の評判は極めて悪い。

さらに私、このe-Taxについては、一つ「疑惑」があるんじゃないかと思っております。

「私たちe-Taxを使っています!」という国税庁の以下のサイト

e_tax_riyou.JPG

で、「事例を紹介しましょう」とありますが、上記の「フラワーショップを経営するAさん(28歳)」と「サラリーマンBさん(35歳)」って方々はホントに実在するんでしょうか?

忙しくて税務署へも行けない個人事業者が、開始届の書類を提出したり、区役所に電子証明書取りに行ったり、ICカードリーダー買ってドライバをインストールしたりしますかね?(郵送なら24時間いつでも通りがかりにポストに入れればOKなのに対して、あまりにも手間が大きい。)

もし金融機関等が実在しない人を「事例です」と紹介して商売したとしたら「虚偽表示に基づく勧誘」などで金融庁に処分されるのは確実でしょうし、テレビ局でも「掲示板でっちあげ」など、こういったことは厳しくバッシングされる時代。
政府関係でも、「やらせ質問」事件もありましたので、もし実際には存在しない人の「事例」で、さも簡単に使えるように見せて勧誘しているのだったら問題じゃないでしょうか。

じれい【事例】
ある事に関する実際に起こった個々の出来事。ケース。
三省堂「大辞林 第二版」

私の周囲は、ITや財務の専門家をはじめ、そういったリテラシーの高い方が多いんですが、「e-Tax、途中まででくじけた」という人はいても「e-Taxで実際に申告した」という人の話を聞いたことがないので。

(ほんとに実在するなら、すみません。あらかじめお詫びしておきます。)


「確定申告書等作成コーナー」の評判は最高
以上、半分冗談(半分本気)ですが、逆に、同じ国税庁の「確定申告書等作成コーナー」の評判はすこぶるいいんですね、これが。

有力ブロガーなどネット関係者の方々が参加されるチャットを昨晩見ていたところ、時節柄、確定申告の話になって、「e-Taxは証明書取るところまでで挫折した」というような話のあと、「確定申告書等作成コーナー」について、


「これよくできてますよね。今年はさらに便利になってる。」
「紙に書かないと納得できなかったけど、これでやろうかな。ホントに去年よりもよくなってる。」
「途中のデータを手元に保存できたり、良く考えられてる。」
「Safariにも対応している。えらい。」
「あのPDFはよくできてるし。毎年なんかしら改善されているような。」
「おかげさまでwebつかって、さくっと確定申告おわりました。今年は楽できました。ありがとうございます。」
「手書きには戻れないですよ。」

(以上、要旨)・・・といったやりとりが行われてました。

私もこの「確定申告書等作成コーナー」、役所系のwebのインターフェイスとしては奇跡的なほど出来がいいと密かに思っていたものの、
「私には使いやすくてもほんとに一般の人にも使いやすいのかなあ」
とも思っていたんですが、こうしたwebのインタラクティブ・デザインについて相当うるさいネットのご専門の方々までもが絶賛するというのは、やはりよく出来ている、ということですね。

なぜ、このデータを電子証明書無しでそのまま送信させてもらえないのか。
昨年書いたことと以下同様。SSLとID・パスワードでいいじゃないですか・・・。)

データで受け取れれば、税務署もスキャナーで紙から入力する時間やコストも省けるわけですから、みんながハッピーになると思うんですよね。


で、やっとタイトルの話ですが。
前述のチャットを見てて、ブロガーやネット界の第一線で活躍されてる方は、(サラリーマンと思われる方まで)確定申告されてる方が多いんだなあ、とびっくり。

以前も、大組織に属していると時間も思考もかなり縛られてくるので、ブロガーとして情報発信をするような人というのは「フリーエージェント」っぽい人が多くなるのではないか、と書いたのですが、それを一部裏付けてるかも。
芸能人ブログも含め、ブログ書いてる人の確定申告状況を統計的に調べてみたら、かなり相関関係があるんじゃないかという気がします。

世界でも職業ブロガーとして食えるのは世界の6500万ブログのうち100人くらいじゃないかというメディア・パブさんの記事もあるくらいなので、もちろん「ブログで儲かって確定申告している」わけではない(笑)とは思いますし、因果関係として「確定申告するとブログの内容が充実する」わけでもなくて、「人から読まれるブログを書くような人は、(単にサラリーマンで給料もらって年末調整で終わり、ではなく)、”外の空気”も吸っているような人が多いから、結果として確定申告が必要になる」んじゃないかと思いますが。

(ではまた。)

March 14, 2007

素直な経営

昨日も書きましたが、日興コーディアルグループの特別調査委員会の報告書を読むと、意外なことにEB債のスキームは後から考えられたのではなく当初から検討されていたということが分かってちょっとびっくり。

社債の詳細な要項や会計処理が決まらないのでドキュメンテーションが遅れてバックデートになってしまったわけですが、最初から「利益を出す」ということについてはNPIとNPIHとの間では合意があったと考えるほうが素直じゃないかと思います。
それであれば、要はドキュメンテーションの巧拙の問題であって、例えば、とりあえず最初の時点で、
「転換価格は○○円」
「(他のスキームを選択した場合には)、NPIHはEB債を額面で償還できる」
てなあたりだけでも決議して簡単にでも議事録に残しておいて、詳細は要項の変更決議を後でするとか投資契約書などで定めるとでもしておけば、粉飾扱いされることもなかったんじゃないかなあ・・・・(日本法の社債だと、そこまでフレキシビリティ無いかも知れませんが、どこぞの国の債券であればそのへんのフレキシビリティもありそうかも・・・)

・・・てなことを考え始めたんですが・・・・・・あまりに非建設的なので止めました。

そもそも、こういう制度のギリギリを突いて利益をでかく見せようという行為自体、私としては主義に合わないというか、あまり関わりあいになりたくないところでして。
証券会社としてどうかとか上場会社としてどうかというよりも、人の生き方として(脳や体に)よくない気がします。

経営は素直なのが一番ですね。・・・と無理やりまとめて、本日はこのへんで。

(ではまた。)

March 13, 2007

日興の「悪さ度合い」と上場維持についての考察

昨日のエントリについては、多数の方からコメント・トラックバックいただきありがとうございます。
1月30日に出た日興コーディアルさんの特別調査委員会レポートについての感想を述べていなかったので、以下、

株式会社日興コーディアルグループ特別調査委員会 調査報告書 http://www.nikko.jp/GRP/news/2007/pdf/070130.pdf

をベースに、日興さんの「悪さ度合い」と上場維持が妥当なのかどうか、(微力ながら)考察してみたいと思います。

(以下、結構 長文です。)

なお、今回の件については明確にバックデートをしてるわけで、悪いか悪くないかで言えば当然「悪い」に決まってますし、「上場維持が当然」てなことも申し上げてませんので念のため。

また、こんなおもしろい(興味深い)文書はなかなか読めるものじゃないので、時間があったら、今回の上場維持に意見のある皆さんは、ぜひ、一度目を通されることをオススメします。


特別委員会の構成(第I部、第1章第2節)
元検事の弁護士の方、大学教授、弁護士など、法律系の方4名で構成。
それぞれ立派な方々ですし、調査対象からの独立性(公平に見れる立場)は十分にある方々ではないかと思います。
会計系の方がいらっしゃらないんですが、後述のとおり「なり手」がなかったのかも知れません。また、今回の件の本質が会計の話ではないということ(後述)を考えれば、会計系の委員はいなくてもよかったかも知れません。


調査の内容(第I部、第1章第3節)
ヒアリング延べ54時間、抽出のもとになったメール延べ50万件超(!)ということで、かなりガッチリ行われた印象。もちろん、メールはキーワードやFrom、Toなどで検索をかけたもので全文読んだわけではないはずですが、「過去削除されたメールも可能な限り復元し」とあるので、テクノロジーに詳しいスタッフがかなりガンバられた印象もあります。ヒアリングの内容も、(「要旨です」と断ってはいますが)、明らかにテープから起こした模様で、「ここまで出しますか?」というくらい詳細な内容。

当然、金融庁や証券取引等監視委員会(以下「SESC」)等の検査がかける時間(人日)には敵わないでしょうけど、企業が独自に行ったこの手の調査としては過去最も徹底的な内容のものの一つではないかと思います。(これだけやりゃ必ず許される、というもんじゃないと思いますが、今回、こうした徹底的な調査を行って詳細に開示したことは、上場廃止とならなかった要因の合わせ技の一つにはなっているのではないかと思います。)
また、ライブドアの場合もそうでしたが、「メール(だけ)が重要な証拠となる」というのも、従来型の粉飾の発覚や調査とは違う様態になっているところかと。


調査委員会の基本認識(第II部、第2章第3節)
昨年12月のSESCの課徴金5億円納付命令の勧告の際には、(1) 問題となったSPCであるNPIホールディングス(以下「NPIH」)を連結に含めず、(2) EB債の発行日を遡らせたということが並べて書いてあって、「だから違法」という結論になったわけですが(3ページ)、この特別調査委員会の報告では、「連結からはずしたことや、EB債を発行したことなどは、それだけではただちに不正とはいえない」としてるところが、ちょっとSESCとニュアンスが違うところかと思います。

(SESCの文章は、「そもそも連結しなかったこと自体も悪い」とも読めますし、「バックデートと合わせ技で一本」とも読めないこともない微妙な表現ですが・・・。)

「NPIの評価益とNPIHの評価損が対になっている」という部分についても、「会計観の問題に帰着してしまう」として、それ自体を不正と決め付けてないところも注目されます。

本件が「悪い」のは、そういう個別の要素ではなく、評価益を水増しするという「全体の絵」が最初から書かれていて、それに合わせてEB債を使って意図的な操作が行われた、というところ、としています。

このへんの特別調査委員会さんの基本認識と比較して、以前の私めのエントリ

日興コーディアルのSPC取引を考える
http://www.tez.com/blog/archives/000809.html
日興コーディアルのSPC取引を考える(基準がどうの、という細かい話じゃないんじゃないの?)
http://www.tez.com/blog/archives/000810.html
日興コーディアルのSPC取引を考える(ホントに第三者間では行われないような取引か?)
http://www.tez.com/blog/archives/000811.html
会計基準激変の時代に必要とされる開示姿勢とは、どんなもんでしょ?(日興コーディアルのSPC取引を考える)
http://www.tez.com/blog/archives/000815.html

で書いた内容は、さほどハズしてなかったかな、と思います。


「チェーンメール」(その1:P28〜、その2:P32〜)
(ちなみに、[どうでもいいですが]、「チェーンメール」という用語を「一連のメール」というような意味で使われているようですが、なんでそう書かなかったんでしょうか。通常、チェーンメールというと「不幸の手紙」という意味で使うかと思うんですが・・・。「当社を不幸に陥れたメール」という意味かしらん?)

平成18年7月11日からはじまったSESCの検査で発見された「チェーンメール(その2)」などのメールの内容を詳細に掲げています。
この部分は、(バックデートを真似しろということではないので誤解しないでいただきたいですが)、こういったデリバティブ的なややこしいスキームを実行しようとする際に、企業が、監査法人や法律事務所、税理士法人などと、どのようなやりとりをしてスキームを固めていくかという検討過程がこれ以上ないというくらい生々しく表面化している部分で、めったに目にすることが出来ないものでもありますので、こうしたことに興味があるがなじみのない方(将来、投資業務などに関わることを考えてらっしゃる学生さんなど)は、ぜひ一度お読みになることをオススメいたします。

個人的に意外だったのは、このEB債のスキームは、はじめから少なくとも検討の俎上には上っていた、ということです。(私は9月中間期末が近づいてから全く後付けで利益欲しさに考えられたスキームなのではないかとの疑念を持ってました。)
後から利益が欲しくなってバックデートしたわけじゃなくて、合併とか売却とかEB債とか、何らかの方法で含み益を顕在化する意図は最初から(良かれ悪しかれ)存在して、どのスキームが合法的に利益を出せるかを監査法人や法律事務所などに確認しながら、スキームを詳細に検討していてドキュメンテーションが遅くなっちゃったという面もある、ということです。(もちろん、ホメられた話じゃありません。)

また、関係者も6名程度の少数のようなので、(かなり前から報道等で本取引についての疑念が報じられていたので)、ホントに「悪だくみ」でやっていたのなら、これらのバックデートを示すメールは申し合わせてとっくに消していてもよさそうなもんだったと思うんです。
(これも、隠蔽を推奨する意図は全くないことを念のため申し添えておきますが)、今回、このメールさえ発見されなければ、課徴金とか監理ポスト入りは、行われなかった可能性もあるんじゃないかとも思いますので。

よく考えてみると、これは日本の商法上の社債でもなく新株予約権が付いているわけでもない(デリバティブ的ではあるが自社株(新株予約権)でなく「他社株式」と転換する権利がついているだけなので)でしょうから、登記など「外部のタイムスタンプ」が記録として残るところがどこにもないスキーム。
NPIHは非公開企業ということもあり、取締役会も株主総会も、今回責任が指摘されている少数の関与者だけで行うことになりますし、当初から大枠は決まっていたので、当人たちも、議事録等さえ最終的にちゃんと整備しておけばさほど違法な行為だとは認識していなかったんじゃないでしょうか。証券会社は金融庁やSESCの検査が絶対入るし、メールも閲覧されるので(実際に昨年の検査でもそれで発見されたわけで)、本当に悪い事をしているという認識があれば、あらかじめヤバいメールは消しておくという行動に出たんじゃないかという気もします。

ということで、議事録や社債要項などは、「ペーパーワークさえちゃんとやっとけばそれでOKじゃん?」と思っていた可能性は大 → つまり、本人たちは(当然、利益が大きくなることを意図していたわけではありますが)、法律違反になるという認識はあまりなかったんじゃないかという推測もできます。(「悪いという認識がなければ悪くない」とは言っておりませんので、これも念のため。)

これも誤解を怖れずに言えば、日本の企業300万社の大半では実際この程度の認識ではないかと思いますし、
「ウチワだけだから、ペーパーで取締役会やったことにしちゃいますよ」とか、
(細かいことまで決めずに)「ま、だいたいそんな感じで議事録作っといてよ」とか、
「役員がなかなかつかまらなくて議事録の押印が1ヶ月くらいずれちゃった」
てなことはママあるんじゃないかと思います。

しかし、普通はさほど悪辣な不正行為ということにはならなくても、非公開とはいえ「公開企業の連結子会社」がこれで「利益を上乗せする目的」で「資金調達まで」しちゃえば、証券取引法第172条1項(重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集等への課徴金)に該当するとみなされてもしょうがない・・・かと思います。

作られた議事録や要項が実際に作成された日時を特定するのは非常に難しいので、今回の件が「不正」とみなされたかどうかの分水嶺は、まさに「これらの一連のメール」のみだったということになるかと思います。


ベルシステム24への投資(第II部第1章第1節 P21〜)
ベルシステム24の価値をどう見るか、ですが。
少なくとも市場価格やTOB価格がベルシステムの公正な価値を反映していると考えれば、実際に当該9月中間期末で「含み」は出ていたわけです。(これも、含みが出ていたから利益出していい、というわけではありません。)

コメント欄や他のブログでも「ライブドアとはどこが違うのか」という議論が行われていますが、微妙なところをあえて説明を試みるとすれば;

ライブドアは投資組合を使った取引の全貌が判明すれば、おそらくほとんどの会計士が「それは資本取引でしょ」と言うであろう取引を隠蔽して利益(売上)として計上していたのに対し、日興のケースでは、取引の全貌(ただし、ドキュメンテーションのタイミングは期末までずれこんだ)はすべて会計士にはオープンになっていたし、将来、ベルシステムを他社に(その値段以上で)売却すれば会計上もちゃんと実現する取引が、前倒しで利益として認識されるかどうかの問題だった。(永久に資本取引になる取引を損益取引として認識したものではない。)(また、仮装の可能性もなくはないが、実際に第三者にその価格で一部売却もできている模様)、ということはあるかと思います。

(まあ「目くそ鼻くそ」の話でして、目くそだから鼻くそよりはあまりきたなく無いのでは、と言うのはキビシイですが)、監査法人や弁護士などと検討していたドキュメンテーションがもうちょっと早く固まっていれば、グレーだけど違法ではない、という結論になった可能性もあるところが、違うといえば違うところ、かと。

「TOBで、意図的に価格を吊り上げたんじゃないか?」という疑念もぶつけてますが、直前の株価とプレミアムや、経済産業省への問い合わせからして、必ずしもそういう意図でTOBが行われたとは言えない、としています。(むしろ、少数株主の利益を考えるなら、TOBするべき。)


会計処理のセカンドオピニオンについて
また、ライブドアとの違いをもう一つ言えば、ライブドアの場合、社内でも投資組合を使った自社株売却のスキームの全貌が完全に伏せられていたのに対し、日興のケースは(ドキュメンテーションが遅れた部分以外は)社内ではオープンになっており、国税出身者や大手法律事務所のパートナー弁護士などのビッグネームの方々も含めて社内で何度も何度も繰り返し専門的で真面目な検討が行われてきたし、CFO等にも何度も確認したり交渉したりしていた(報告書参照)、という違いはあるかと思います。

また、今回、改めて認識したんですが、「会計処理については意見書が取れない」という恐ろしいリスクが存在するんですね。
法律や税務については、取締役が判断がつかない専門的な話については弁護士や税理士から意見書を取るということで善管注意義務を果たすことが可能かと思いますが、報告書には、会計処理の適切さについて他の会計士や日本公認会計士協会に相談しても、意見書を書くことについてはすべてネガティブな反応が返ってきたという生々しいやりとりが掲載されています。

つまり、監査・監督をする取締役や監査役の立場からすると、自分たちだけでは判断できないこうした専門的な会計上の「ややこしい話」に出くわしてしまったら、いくら真面目に検討しようとしても、「お手上げ」だ、ということであります。

会社法(商法)上、監査委員会や監査役に求められているのは「会計監査の相当性(≒監査法人が明らかにダメな監査をやってるわけではない)」のチェックまででしかないので、それでいいじゃん(だからこそ「相当性」なんだから)、という考え方もあるかと思いますが、ブラックボックスである監査法人にすべてを投げて、その監査法人も「相当かどうか」しかチェックしないとしたら、投資家からみると、恐ろしいことこの上ないかも知れません。
逆に言えば、ビジネス上合理的な範囲でチェック機能を構築しようとしたら、一般にはその程度が限界かも知れません。「死ぬ気」でやれば、もちろんそれ以上のことができないわけではないと思いますが・・・(それは「ビジネス」を超えた領域かも。)


内部監査部門の責任は?
読んでいて一つ気づいたのは、「内部監査部門」について報告書では一言も触れられていない、ということ。
ただ、通常の企業の内部監査部門は、弁護士や公認会計士またはそれに準じた知識を持つ内部監査部員がいるところというのは少ないでしょうから、こういったややこしい(従来型の処理からはずれる)取引について内部監査しようと思っても、ほとんどの場合、かなり難しいかも知れません。
「削除されたメールも可能な限り復元」てなところまでやろうとしたら、コンピュータに対する知識も相当に必要でしょうし、50万件ものメールから特定の条件のものを抽出するにはコンピュータの知識だけじゃなく、前述のように、何が問題なのかを認識して当たりをつける能力も必要だと考えられるわけでして。
日興さんクラスであれば、コスト的にはそういう態勢が構築できないこともないとは思いますが、そういう態勢を構築していなかったからダメだったとまで言えるかどうか。

ただし、(SESC等に発見される前に)社内でこれを発見できるとしたら、外部のプロジェクトチームを組織して権限を与えるというような通常よほどのことがないととらない方法以外には、内部通報制度か内部監査部門の調査くらいしかありません。

前述のように、法令違反をしようという「悪気」があったとは必ずしも言えない事例ではあるかも知れませんが、上場が維持できるからには、同様のことが発生したときには対処できることが重要なはずで(改善報告書の提出も求められているので)、どうするんでしょうか?どこまでの態勢を構築すれば許してもらえるのか、非常に興味あります。)

「何かあったらメールを全件スクリーニングされる」というのが決まっていたらいたで、「ホントに悪いヤツ」はそういうメールは証拠として残さないようにするでしょうから、今回のようにメールを検索して何かが発見できる可能性は減るのでは?(いたちごっこ。)


調査委員会の結論(第II部第2章 P85〜)
マスコミやブログなどでは、「報告書でもトップや組織的関与を認めている」と書かれたりしていますが、本報告書を読んだ私の感想としては、それは子会社であるNPIのトップまでを指していて、日興コーディアルグループのトップまでを含めた隠蔽が行われていたということは必ずしもいえないというのが結論ではないのか、と思います。

金子元会長、有村元社長については、(もちろん監督責任はあったわけですが)内容はよく理解されてなかったことが伺われますし、監査委員会メンバーについても「(真面目に検討して)少なくとも開示は認めさせており、本件につき非難を加えることは難しい」としています。

NPIの平野社長は「張本人」ではあり子会社のトップではあるものの、開示企業であるNCCの経営陣ではありません。

一番の鍵はおそらく山本CFOで、調査委員会は、「これを知りながら黙認した疑いが強い」「積極的な関与の疑いも否定できない」としてますが、メール等をスクリーニングした限りでは、山本CFOが積極的に関与しているエビデンスは発見できなかった、ということでしょう。
しかし、他の重要なメールが(無邪気にも)残っていたことを考えれば、山本CFOにcc:がついた決定的なメールだけが意図的に削除されたのかなあ?という気もします。
(「あの人、どうせメール読んでないから」とか「細かいメールでCCをつけると嫌がられるから」ということで、CC:が付けられない方だったのかも知れませんけど。)

ということで、もし今回、この山本CFOの関与を示す決定的な証拠があれば、「グループの経営陣までが関与」ということで上場廃止の可能性はグンと高まったのではないかとも思いますが、自ら非を認めた宮内氏が財務の責任者だったライブドアと、ここ(「企業ぐるみ」「経営陣主導」とまで言えるかどうか)もちょっと違うところかと思います。


上場維持で重要なのは内部統制レベル(のはず)
それはそれはキビシイ金融庁やSESC、証券取引所、証券業協会等の検査が年中入っている日興さんであれば、内部統制のレベルは全上場企業の中でも上位数%に入る程度にはちゃんとしていたということは十分、推測されます。
今回は、(監査委員会等が以前からそれなりに時間をかけて真面目に検討したにも関わらず)、日興の内部統制システム自身では不正を発見することができなかったわけですが、だからといって1万人を超える従業員を抱えるグループ全体の内部統制状況が全否定されるものでもないのかな、とも思います。

この点、ライブドアの場合には、社外取締役もおらず、東京地検が入るまでは港陽監査法人しか外部の目が入ってなかった(その後の訂正報告書の数を見ても、監査法人の監査が付いてないことからも)、ライブドアの開示資料の正確さに大きな疑問が残るのはやむをえないところで、「日興は上場維持なのに、ライブドアは上場廃止というのはアンフェアだ」と同列で判断することは、必ずしも適当ではないかも知れません。

また、「上場廃止したら投資家の迷惑になるといっていたら、上場廃止にできないじゃないか」というのはそのとおりだと思います。しかし、上場廃止したら投資家全体には(流動性プレミアム分)損失が発生するのは確かだと思いますので、上場廃止するのも、単に「悪いことしたから」とか「ペナルティのため」とかではなく、「今後、不適切な資料を開示する恐れがあるかどうか」を中心に判断すべきじゃないかと思います。

以上、長くなりましたが、私が、「上場維持という東証さんの判断は、『えこひいき』とか『政治力』だけからのものとは言えないのではないか」と印象を持った理由について、特別調査委員会の報告書をもとにコメントしてみました。

(ご参考まで)

ViacomがGoogleとYouTubeを訴訟(10億ドル[!])

(いつもGoogle関係の記事については早い)WSJの記事によると、ViacomがGoogleとYouTubeを訴えることにした模様。


Date: Tue, 13 Mar 2007 09:19:25 -0400 (EDT)
Subject: WSJ TECH ALERT: Viacom Sues YouTube

Viacom sued Google and its YouTube unit, claiming the popular video-sharing site engages in "massive intentional copyright infringement." The suit seeks more than $1 billion in damages, as well as an injunction.(中略)
FOR MORE INFORMATION, see:
http://online.wsj.com/technology?mod=djemalert (←有料)

YouTubeには、16万本もViacom関係のクリップがあるようです。

March 12, 2007

日興コーディアル上場維持決定!

東証・大証・名証、日興コーデの上場を維持・改善報告書の提出要求 http://www.nikkei.co.jp/news/main/im20070312AS3L1205H12032007.html


一言で言ってホッとしました。
日本の資本主義がとんでもない方向に行っちゃう恐怖が少しだけ和らいだので。

(追記:日興の特別調査委員会の報告書へのコメント
http://www.tez.com/blog/archives/000860.html
も書きましたので、テクニカルな話はそちらがご参考になるかも知れません。)


このブログで何度か述べさせていただいているとおり、内部統制とかリスク管理というものは通常、「トレードオフ」の関係にあるもので、コストをかければかけるだけリスクを減らすことはできますが、リスクを「ゼロ」にすることは絶対できないわけです。

たいていの場合リスクというのは「金銭的な損失が発生するもの」であり、それを抑えるためには必要なコストと減らせるリスクのトレードオフを考えればいいわけで、それにより結果として経済学的に正しい資源配分が達成されるはずであります。

ところが、特に昨今の日本では、こと「コンプライアンス」については、この経済学的なトレードオフ関係が成立しないのではないか、という疑問が沸いてました。

つまり、
→「どんな軽微でも法令に触れることをしたら法令違反だ。」
→「法令違反するやつは悪いやつである。」
→「ゆえに、法令違反したやつは死ね。」
という安易な三段論法がまかりとおっているのではないか、ということです。

そういう環境下では、企業は本来経済的にコンプライアンスにかけるべき水準のコストよりはるかに大きなコストを支払わないといけない。

なぜなら、例えば仮に、不誠実な開示によって投資家全体に10億円の損失を与えて会社がその分得をしたとしても、「だから上場廃止だ」ということになると、その企業の企業価値が大きかった場合、投資家全体に数千億円の損失が発生することにもなりうるからです。

もちろん「悪いことは悪い」わけですが、10億円迷惑かけたヤツにはせいぜい50億円程度のペナルティでも与えておけばいいことではないかと。また、それであれば「市場メカニズム」によって、経済的なトレードオフを考えて内部統制にかけるコストを決定できるわけです。
しかしながら、10億円の不正について2000億円の損失が発生する可能性があるということだと、もうそれは経済的に合理的なトレードオフ関係では処理できなくなってしまいます。

例えば、ライブドアは確かに「悪いこと」をしたわけですが、それには、(経営トップ入れ替えや、内部統制の強化の改善策を打ち出す必要があるのは当然としても)、もしかしたら数十億円とか数百億円程度のペナルティを課して上場は継続ということでもよかったのではないか?
利益を水増ししたといえばそのとおりだが、それは資本剰余金に入るか利益剰余金に入るかといった、今だかつて事例の無い判断の難しい問題だったわけですし、過去はともかく最近では経済的な企業活動の実態も出てきていたわけです。その企業価値を根本から否定する必要があったのか?
(追記:後のエントリの内部統制レベルの話を考えてみると、やはりちょっと難しかったかと思います。)

さらに、ライブドア事件による影響はライブドア・グループだけにとどまらず、いわゆる「ライブドア・ショック」による株価の長期的な下落で、上場企業の時価総額の総額を兆円単位で失わせることになったのではないかと思います。
それは「市場にライブドアのような信用ならない開示をするヤツがいる。」という不信感に起因する部分もさることながら、投資家が企業価値がどんな理由で一瞬にして失われるかもわからない恐怖を考えざるを得なくなったからということも、相当程度含んでいるんじゃないでしょうか?

現代社会のような複雑な経済をうまく機能させるためには、「市場メカニズム」を経済の中核に据える必要がある。
→そのためには、裁量行政ではなく「ルール」に基づく経済運営が必要。
→だからコンプライアンスの徹底が必要。
→それゆえ、コンプライアンスをナメたやつには「重い」ペナルティが必要。

というところまでは、まったく異存ございませんが、

→だから、監督官庁や自主規制機関の判断ひとつで非常に大きな経済的価値が失われる。

というところまで行ってしまうと、本来の目標であった「市場メカニズム中心の社会」と180度違う話になってしまいます。

ハンムラビ法典で「目には目を」と定められているのは、一部で理解されているように「やられたらやり返せ」ということを言いたいからではなく、「目を潰されたから、殺してやる。」といった過剰な報復を禁ずる目的だったと言われます。
世論を自由放任にまかせておくと、
「法律を犯したやつは悪い」→「だから死ね」
という論調に陥ってしまうし、やった本人がいくら自分で弁解しても、「悪いやつ」の言ってることだから、まったく説得力を持たない。だから、結果として「目をつぶしたやつ」は「なぶり殺される」ことになる。
しかし、過失によって人に危害を加えてしまったような場合にも殺されかねないような社会は、結局、経済的に発展することにはならない。 日本国憲法第37条をはじめ先進諸国の法律で弁護人をつける権利が認められているのも、そういういうことを人類が身をもって経験してきたからではないかと思います。

ここのところのいろいろな事件を見ていると、日本は、上述のような法が整備される前の「リンチ的」な原始社会と同じような資本主義になっていくのではないかと危惧をせざるを得ない状況になってきていたので、今回の日興コーディアルさんの件では、「良識」がうまく働いたのではないかと、ちょっと安心した次第であります。

(ではまた。)

March 11, 2007

今週の華麗なる一族(法廷編)

(前回「総勘定元帳が決定的な証拠になるか?編」の続き。)
前回は、いろいろコメントいただきありがとうございました。

父親でメインバンク神戸銀行の頭取大介(北大路 欣也)を鉄平(キムタク)が背任で訴えた裁判の第一回公判。
阪神特殊製鋼に預金の出納の記録(昭和40年代に企業の預金の記録がどんな感じになってたかよく存じませんが、通帳等?)、があるのは阪神銀行側にもわかっているはずなので、やはり、資金を戻した時期が「決定的な証拠」になるなんてことはなかった・・・という気もします。

(しかし、裁判史上最も豪華な顔ぶれの傍聴席だったんじゃないでしょうか。(笑)
大手都銀の頭取が裁判を自ら傍聴しに来るなんてことはあるんでしょうか?原作もそうなってるのかしらん?)

ところで、昭和40年代の大手企業の月次決算体制というのは、どんな感じになってたんでしょうか?

今なら、コンピュータでぱっと出るので遅くとも2週間もあれば試算表くらいは報告できそうなところですが、月次の試算表というのは15日程度では締まらなかったんでしょうか?締まってはいたけど取締役会に報告される習慣がなかったのか。
それとも、銭高常務は財務諸表を偽造(取引発生のタイミングをずらして計上)していた、ということなんでしょうか?(ドラマではよくそこがわからなかったのですが。)

もし、意図的に隠蔽されたのではなく、取締役会がチェックを怠っていたり、チェックしたけどバランスシート上あるべきはずのキャッシュが20億円存在しないことに気づかないで高炉建設にGOを出していたとしたら、鉄平(キムタク)取締役も重大な注意義務違反に問われるような気もしますが、どうなんでしょ?

次回は、いよいよ最終回。

(ではまた。)

March 10, 2007

LOST シーズン2

いろんな方から、「LOST、どこまで行っても何もナゾは解決しないよ」と忠告を受けていながら、うちの奥さんが借りてきてしまったもので、やむなくシーズン2に突入中、であります。

(取り急ぎ。)

March 8, 2007

Stand-up economist

小飼さんのブログで見つけて、(特に追加コメントもないんですが)、何度見てもあまりに面白いので、リンクを貼り付けておきます。

(↓音でますので、ご注意。)

このYoram Bauman, Ph.D という方、「The world's first and only stand-up economist」とありますが、この芸だけで食ってるんでしょうか?
こういう話を聞きに来る客層でビジネスが成立するというのもすごいなあ。

(ちなみに、私は、「The world's first stand-up financial consultant」とかやる技量は、ちょっと無いです。会場がドッカンドッカン受ける、というのにあこがれはありますが。[笑])

この、字幕.in というサイトも今回はじめて見ましたが、web2.0的に字幕をつけてしまおうという発想は結構面白い。
前述と同様の理由で、「ビジネスボリューム的にうまく機能するか?」という問題はあるかと思いますが、(単純に動画を置くだけで「Youtubeに比してどこに優位性があるんじゃい?」というサービスが多い中)、日本語の「壁」の存在を逆に利用したモデルで、ひねりも効いているかと思います。

(ではまた。)

March 7, 2007

ICPFシンポジウム「参加型メディアの可能性」のパネラーやります

(ちょっと遅い告知ですが)、
情報通信政策フォーラムさんの第4回ICPFシンポジウム「参加型メディアの可能性」のパネラーとして出演させていただく予定。

私以外の出演者はかなり豪華でして、Wikipedia創始者のJimmy Wales氏が西和彦氏と第一部でしゃべられるほか、私がパネラーを勤めさせていただく第二部では、小飼弾さん(404 Blog Not Found)、佐々木俊尚氏(「グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する」著者)などもご出席。

その第二部のテーマは、「日本のブログはこれでいいのか」、なんですが、、、

 

「これでいいのか?」と聞かれましても、「じゃあ、こうすれば?」という対案もあまりないので、池田信夫さんにお誘いいただいた際に、
「出させていただくのはやぶさかではございませんが、私、テキトーなことを書いてたら たまたまそこそこのアクセスをいただいているというだけの しがないブロガーでございまして・・・」
的な感じで遠まわしに「私、適任なんでしょうか?・・・」というニュアンスをお伝えしたんですが、

「ありがとうございます。場所その他、細かいことは事務局からお伝えします。」

と、きっぱりお返事をいただきまして(苦笑)、ちょっとニュアンスが伝わっているかどうか心配ではありますが、、、

・・・ということで、私についてはともかく、他の方々の鋭いご意見をお聞きいただければ大変勉強になるんじゃないかと思います。


(先着順、とのことなので、すでに満席だったらすみません。)

−−−

以下、情報通信政策フォーラムさんの告知ページ。
http://www.icpf.jp/archives/2007-02-28-1631.html

Web2.0と呼ばれるユーザー参加型のメディアが隆盛をみせていますが、その質については賛否両論があります。特に日本では、「2ちゃんねる」に代表される匿名メディアの影響で、ネット上の言論の質が低下しているとの批判も聞かれます。

他方、こうしたメディアとしてもっとも成功したWikipediaも、経営的に曲がり角にあるともいわれます。今回のシンポジウムでは、 Wikipediaの創立者、Jimmy Wales氏の来日を機に、こうしたメディアの可能性と問題点、既存メディアとの関係、あるいはその「日本的」特質などを考えます。

日時:3月23日(金)13:30-17:30

場所:NHK千代田放送会館
 東京都千代田区紀尾井町1-1
 電話:03-3238-7401

開場:13:00

第1部:13:30-15:20
 Jimmy Wales「Wikipediaの未来」
 コメント:西和彦(ICPF代表)
  (通訳つき)

第2部:15:30-17:30
 ブロガー討論会「日本のブログはこれでいいのか」
  磯崎哲也(磯崎哲也事務所 代表)
  小飼弾(オープンソース・プログラマー)
  佐々木俊尚(ジャーナリスト)
  原淳二郎(ICPF理事)
  司会:池田信夫(ICPF事務局長)

入場料:5000円(学生2500円)
    ICPF会員は無料(会場で入会できます)

申し込みはinfo@icpf.jpまで電子メールで氏名・所属を明記して
(先着順で締め切ります)

March 6, 2007

先週の「華麗なる一族」(総勘定元帳が「決定的な証拠」になるか?編)

(追記あり。19:10)

遅ればせながら、先週の「華麗なる一族」を録画で拝見。

父親でメインバンク神戸銀行の頭取大介(北大路 欣也)を背任(大介は阪神特殊製鋼の非常勤取締役を兼務)で訴えると息巻く鉄平(キムタク)に、友人の弁護士(萩原聖人)が「財務内容を徹底的に洗いなおせ」とアドバイス。

夜を徹して資料を洗いなおす鉄平が、ダンボールの底に隠れていた長期借入金の総勘定元帳を見つけて、「ついに決定的な証拠を見つけたぞ!」と言うんですが、その総勘定元帳の記載は、

1月上旬に20億円の長期借入金の増加((父親の)阪神銀行分)
その後、20億円の長期借入金(協調融資の大同銀行分)増加
1月下旬に20億円の長期借入金減少(阪神銀行分)

というもの。

これは、大介が公に主張している、「高炉の突貫工事の無謀さに驚いて20億円の融資は撤回させてもらった」ということそのままで、背任の決定的な証拠になるんでしょうか?というのが素朴な疑問。

そもそも、大介(&鉄平)に対する個人的な好き嫌いを除いてフェアに考えれば、電炉会社が高炉に進出するという計画を見て20億円融資撤回するというのは、「business judgement」の範囲内、という気もします。

「一時的に返してくれ」といって20億円を引き上げて戻さない、というのは(どっかで聞いたような話ですが)、詐欺的行為な気もする一方、「返してもらっている間に銀行としての判断が変わった」と言われると、これも大変ビミョーであります。


教訓:
(銀行借入も増資もそうですが)ファイナンスにおいては、(たとえ契約が存在しても)、手元に資金が実在するのをちゃんと確認するまでは実行されたと思っちゃあきまへん。


(原作を読んでないんですが、次回の展開に期待。)


(追記。19:10)
コメントおよびトラックバックで、やましたさん及び小林雅さんから、

「高炉建設の決定が2月なのに、1月中に融資を撤回してるからじゃないか?」

とご指摘いただきました。ありがとうございます。

ただ、コメント欄でも書かせていただいたんですが、
「1月末に事情で仮に返済してもらったが、2月から突貫工事を始めたので、状況を見て判断を変更した」と言われたら、なかなか違法行為だという立証は難しい気がします。
(萩原聖人弁護士も「難しいぞ」とはおっしゃってましたが・・・。)

当時の銀行業務のプロセスの想像もつきませんが、1月末にいったん返済を受ける際には、融資契約を1度事情により合意解約した、という形を取っているんではないでしょうか。
(毎日、必ず1円単位まであわせる銀行業務の体質からして、エビデンスが何も無いのに返済が発生したりするのかなあ?ということで。)

March 5, 2007

カブドットコム証券株式に対するTOB

基本的に当ブログでは私が関わっている会社についてのコメントはしない方針ですが、

カブドットコム証券株式会社
当社株式に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ
http://www.kabu.com/company/pressrelease/2007/20070305_2.asp

https://www.release.tdnet.info/inbs/33050810_20070305.pdf(リンク切れ)


「実質的に支配権が移動する一部買付けの場合に、企業価値や買付価格についてどのように考えたらいいか。」
「特別委員会の設置と利益相反等の可能性の検討。」
「TOBされる企業自身がTOBの復代理人。(恐らく過去に前例無し。)」

など、一部の方にはご興味あるかも知れない論点がいろいろ入っておりますので、ご参考まで。

March 4, 2007

春ですねぇ(+「LOST」)

いや、すっかり春めいてきまして。
陽気はいいけど何か忘れてると思ったら、ブログを書くのを忘れておりました。

おまけに、うちの奥さんが近所で「これおもしろいらしい」と、LOST



を借りてきたので、ちょっとまたブログを書く暇がなくなるかも・・・。

この「LOST」、南海の孤島に飛行機が墜落した生存者達の話なので、ジャングルの中を黙って歩いているシーンなども多く、全体のセリフ量も「24(twenty-four)」などに比べると少なめで、英語も基本的には日常会話的で文脈から推測してわかる単語ばかりだと思いますが、主人公が医者ということもあり、医学用語がやや多い。

全12巻で、現在vol.5まで見終えましたが、つい単語を引いてしまったものを以下に列挙しておきます。


(一生使わなそうな単語も多いですが。予習してから見るのも手かも知れません。)

antibiotic(そのまんまですね。)
myocardial infarction
hallucination
鷹撃長空鷹山長空([笑] googleで引いても該当なし)
diazepam(日本では売ってない?)
stash
dislocated(肩が)
claustrophobic
asthma
peroxide
inhaler
artery
hypochondriasishypohondriasis
OB-GYNOB-GYM(英辞郎には載ってません)
sedative
blurry
inhale
exhale

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