Patagoniaの経営

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昨日は、奥さんの買い物につきあって「パタゴニア」に行ったんですが、奥さんが買い物している間ヒマなので、店舗に並べてある本をパラパラとながめておりました。
ちなみに、並んでいたのは下記のような「環境」っぽい本。
P101.jpg
この中で、特に興味深かったのは、パタゴニアの創業者イヴォン・シュイナード氏が書いた「社員をサーフィンに行かせよう—パタゴニア創業者の経営論」

社員をサーフィンに行かせよう—パタゴニア創業者の経営論
イヴォン・シュイナード
東洋経済新報社
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パタゴニアでは、従業員は好きな時にサーフィンに出かけていいそうで、事前に計画して休暇の予定を提出することも不要。(なぜなら「いい波」がいつ来るかは、事前には予測不能だから。)そのかわり、各自が責任をもって自分に与えられた仕事をこなせるよう、ちゃんと考えろ、ということ。
このためアメリカの本社もそうですが、日本の支社もすぐにサーフィンに行けるように鎌倉にあるとのことであります。
本にも書いてありますが、シュイナード氏は若い頃から世界各地を放浪したり、貨物列車に勝手に乗り込んで逮捕されたり、と、日本で考えられている一般的な経営者像からはかなり乖離した方のようで。
1章の冒頭から、企業家であるということを打ち明ける心苦しさは、「「アルコール依存症」や「弁護士」であると告白する人の心情に似ている。」と宣わっておられまして、あまり弁護士もお好きではなさそう。
「有限責任制が現代社会の諸悪の根源である」といった説を紹介するなど、財務や人事などについてもいろいろ自説を展開されてらっしゃいます。
パタゴニアは上場しておらず、ウェブサイトをさらっと拝見しただけでは財務情報も開示されていないようなので、こうした方針でどういった経営状況が達成できるのかは客観的にはわかりませんが、売上の1%を寄付に回す、「1% for the Planet」という運動に参加していて、
http://www.patagonia.com/jpn/patagonia.go?assetid=6495

1985年以来、パタゴニアは自然環境の保護/回復のために売上の1%を利用することを誓約し、これまでに総額3,300万ドル相当の寄付を、米国内外のそれぞれの地域で活躍する草の根環境保護団体に行ってきました。

とあるので、23年で割ると、年間平均143億円程度の売上は上げてきたということのようです。
日本版Wikipediaを見ても、環境保護団体グリーンピース・ジャパン、シーシェパードとの関係といった項目の表記をめぐって「(環境)テロリスト支援企業としての側面、といった表記はもっと中立的な表記にすべきじゃないか」、といった議論があって「半保護」になってますし、前述のAmazonのリンクのカスタマーレビュー欄でも、賛否両論になってます。
(不思議というか、なるほどというか、アメリカのWikipediaの同社のページではこういう議論はないんですね。)
さて、うちの奥さんの買い物が終わって店から出てから「なんか高いような気がする」というのでレシートと値札を付き合わせてみたら、まったく値段が合ってない。(15,000円くらい値段が違っていた。)
店に戻って訊ねてみると、「前の人のレシートと間違えてました。」とのこと。
「私も一応、ずいぶん会計が早いなあと思って確認したんだけど、『画面にタッチするだけなので』言われたので、おかしいなあと思ってたんだけど。」という奥さんの弁。
「商品点数(4点)が前のお客さんと同じだったので」とのことですが、うーん、あまり聞いたことのない間違いですね・・・。(苦笑)
前のお客さんというのは、いったい何の金額を払ったんでしょうか。
「社員が好きな時にサーフィンに行ける」というのは、普通の経営感覚のオルタナティブとしては非常に面白いし、「いい」環境保護に売上が使われるというのも大変結構なんですが、
製品も(作りがいいとも言えますが)よく見るとそれなりに結構いいお値段がするので、環境保護に回るのが1%だけだとしたら、顧客の支払った金のそこそこの部分は「効率の悪い従業員」に回っているといったことにはなっていないんでしょうか。
いしたにさんにしていただいた、こちらのインタビューでも話してますけど、
私の(ある意味)理想の企業像は、「週刊モーニング」に連載されている『誰も寝てはならぬ』というマンガに出て来る「オフィス寺」というデザイン事務所なんですが、現実的なことを考えるとなかなかその理想を実現するのは難しそうだなあ、と思っていたので、「社員をサーフィンに行かせよう」というのは、大変刺激的。
1冊買ってじっくり読んでみたいと思います。
(ではまた。)

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