「恋」と買収防衛策

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昨日つらつらモノを考えていて、企業のM&Aを「恋」や「結婚」に例えると、いろいろ示唆があるなあ、と思いました。
昨日の日経新聞の朝刊、「広がる買収防衛策(中)」でも、「買収提案後に両社長が直接交渉したのは一回だけで、事実上の門前払いだ。」てなことが書いてあって、あたかも門前払いするほうが悪いようにも読めます。


この会社さん(買収防衛策に記載した手順を会社側が遵守しているのか?等)の個別の事例は存じませんので、一般論としてですが、
「あの、えと、僕とつきあってくれませんか。」
「・・・あなた、私のタイプじゃないから。・・・ごめんなさい。」
と言われて、
「おい、あの娘の件、どうなった?」
「オレのこと、タイプじゃないっていうから、あきらめた。」
・・・てなことを言ってるやつがいたら、・・・おいおい、それで終わりかい!・・・とツッコミの一つも入れたくなるというもんです。
一度振られたからってそれであきらめちゃうというのは、「イマドキの男は、自分が傷つくのを恐れてあきらめが早いなあ」という感想になっちゃいますね。振られたってくじけずに、食事や映画に誘ってみたり、家が金持ちなことをほのめかしたり、第三者からとりなしてもらったり、「あの手この手」のラテン系な感じで攻めればいいんじゃないかと思うんですが。

株価指数も上がんないし、買収防衛策を導入する企業がけしからん。(ROE低いくせに。)

という論調は、

少子化問題は、女性が結婚相手の男性に求めるハードルを上げ過ぎてるのが原因だ。(30越してるくせに。)

という議論と同じで、一方的で短絡的な印象を非常に強く受けます。
「少子化」というのは、いろいろな要因が複合的にからみあっている問題なのに、「女性がハードルを上げたこと」だけが諸悪の根源というのもおかしいし、「買収防衛策」があるから投資家側は何も出来ません、というのもいかがなものかと。
取引所さんと事前相談もしているはずだから、少なくとも形式上は「dead-hand」な防衛策にはなっておらず、必ずどこかに「隙」は残してあるはず。
買収防衛策があって単純にTOBするというわけにいかなくても、世間に熱く自分の正当性を主張したり、委任状闘争でも法廷闘争でもすればいいわけで。
「経営者が紛争を嫌って買収防衛策を導入する」のが批判されますが、日本では、投資家のほうも紛争や訴訟によって問題を解決するのがイヤなんじゃないでしょうか。
(昨日の「広がる買収防衛策(中)」も、最後のところは同趣旨かと思います。)

独身女性は、オートロック付マンションになんか住んでないで、平安時代みたいな家に住むようにすれば、夜這いがやりやすくなって、少子化問題も解決される。

・・・って、そりゃそうかも知れないけど、女性の人権(企業価値)ってものも考えられて女性もそれを意識する時代になったのに、そんな時代を逆行するような話、無理ざんしょ、ということであります。
ちなみに、昨日の「盤側」氏の「大機小機」で、

不出来な防衛策の最後の一枚をはがせという主張に、無批判に同調する日本人が多いのは全く不思議な現象だ。

とおっしゃるのは、「そーだそーだ!」という感じではありますが、最後の、

ルールの整備が急がれる。

というところは、「『ルール』じゃないんじゃないの?」とも思います。
もうルールはもう一通りそろっていてみんなおなかいっぱいなんだから、いつまでも、「親」(国)に、「最近の女の子はみんな気が強くてボクのこと相手にしてくれないんだけど・・・」とかヌカしてないで、自分の頭で考えてガンガン アタックしてみんしゃい、という感じであります。
証券自由化からもう10年経ちます。
「市場経済」というのは「自分たちの力で利害を調整できる」という経済であって、(基本的ルールさえないならまだしも)、いつまでもお上の力を借りないと何もできない「市場」というのは、「市場」じゃないんじゃないでしょうか
(ではまた。)

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