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April 24, 2008

祝!島耕作氏社長ご就任

最近、私専用で使えるDVDプレーヤーとテレビを手に入れたので、海外連続ドラマ(「HEROS」とか「4400」とか「BONES」とか「LOST」)にハマって見続けておりまして、(仕事もそこそこ忙しいので)ブログの更新をさぼっております磯崎です。

さて、本日発売の週刊モーニングの「専務 島耕作」ですが。作者の弘兼憲史氏が、欄外の近況コメントで、最近見た映画を「突っ込みどころが満載」と評されてますが、本編の島耕作の方も今までの中でも最も突っ込みどころ満載じゃあないかと思います。
(以下、ネタバレあり。)

冒頭、TOB合戦を経た後にゲットした五洋と初芝の統合を発表する記者会見のシーンから始まるのですが、司会者の人が

ただ今より初芝五洋ホールディングス設立の記者会見をいたします
つきましては当社代表取締役社長の島耕作から挨拶がございます

と挨拶し、島耕作氏が、

初芝五洋ホールディングスの初代社長として皆様にひと言ご挨拶申し上げます
ご案内のように初芝電産は先日、韓国企業の敵対的M&Aに対抗してTOBを実施し、五洋電機と経営統合をいたしました

と切り出しています。


ナゾその1:もう社長気分
これらの発言をそのまま理解すると、「初芝五洋ホールディングス」なる法人はすでに設立されているということでしょうか?

時は流れて、あのTOB合戦からすでに何ヶ月もが過ぎ、両社の株主総会で株式交換とか株式移転の承認が行われた後の記者会見かとも思ったのですが、島耕作氏は「先日、TOBを実施し」とか「来週の初芝電産の株主総会の時に」とも言っているので、総会での承認はこれからだと思われます。


ナゾその2:どういったスキームで統合?
「初芝五洋ホールディングス」が存在するとしたら、現在の株主は誰なのでしょうか?
TOB直後で「五洋電機」の株のほぼ100%は初芝電産がすでに取得しているので、「経営統合をいたしました」というところまではいいと思います。


HGHD1.gif
 

ところが両者の間には、持株会社を作ってその下に初芝・五洋両社を(直接)ぶらさげようという合意ができていると思われますので、


HGHD2.gif
 

初芝電産の100%子会社として「初芝五洋ホールディングス」をとりあえず設立しておいて、それを株式交換で持株会社に昇格させる、といったスキームなんでしょうか?


HGHD3.gif
 

(初芝は兆円単位の時価総額のはずだから)たぶん上場は維持すると思いますので、島耕作氏たちが個人で出資した会社でMBOしますよ、ということでもないはずですが。


HGHD4.gif
 

上場維持についての証券取引所さんとの相談とか、適格企業組織再編になるかどうかの検討とか、いろいろ検討しないといけないことも多いかと思いますが、すでにロゴマークまでデザインし終わっている!

さすが初芝のスタッフ。仕事が速いなあ。(・・・っていうか、ちょっと実際には無理でしょ?)


ナゾその3:ホールディングスの取締役はまだ決まっていない?
やはり島耕作氏の発言で、

なおホールディングスの取締役は、来週の初芝電産の株主総会の時に発表し承認を得た上で改めて記者発表いたします

とありますので、ホールディングスの取締役は島氏と万亀会長以外は決まっていないということですね。

もしこの会社が株式会社だとしたら、商法時代なら3名取締役が必要だったわけですが、とりあえずコンパクトに、取締役2名(取締役会非設置会社)として設立したのかも知れません。

しかし、初芝電産の株主総会でホールディングスの取締役について承認するということは、株式移転など新設型の再編で新設計画の承認が必要な場合ということであって、すでにホールディングスが設立されているんだったら、ホールディングスの取締役については初芝電産の株主総会での必須の承認事項にはならないと思います。

また、株式交換契約書などに任意で記載されているのだとしても、そもそも来週の総会でその契約を承認するなら、そのときに発表じゃなくて、この記者発表の時点ですでに招集通知に記載されて発送されていたり、本店に契約を備え置いたりしていてしかるべきかと思います。
(ホールディングスが設立されているにせよいないにせよ、不思議な話。)


ナゾその4:なぜまだ「専務」島耕作?
社長になったのに、なぜまだ表紙に「“専務編” ラスト2回!」大書してあるのでしょうか?


・・・とまあ、いろいろナゾは付きませんが、ともかく、社長ご就任おめでとうございます。

いくら「運も実力のうち」とはいえ、「こんな、エ○チの相手の女性のツテで運よく快進撃を続けてきたような人がもし将来社長になったりしたら、はたして従業員が付いていくのかしらん?」と、かねがねワクワクしながら見ておりましたが、「事業会社の社長を兼務しない持株会社の社長」というのは、工場や販売店などの現場からは一線は引かれているわけで、島耕作氏の落ち着きどころとしては、なかなかうまいことになったなあ、と思いました。

「課長島耕作」が始まった1983年にはまだ純粋持株会社は禁止されていたわけで、はじめからこの落としどころをイメージして書き始めたわけではまったくなかったと思いますが、つくづく、時代の流れは島耕作氏に味方してるんだなあ、とも思いました。

それにしても、島耕作氏、どう見ても40代にしか見えませんが、もう60歳なんですね。(若い!)

(ではまた。)

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コメント

ども、いつも楽しく拝見しております。
素人考え&マンガを見ずに書くんですが…

初芝電産改め初芝ホールディングスなんじゃないでしょうか?
んで、新初芝的な会社を作って、そっちに事業を移したのちに、初芝→初芝ホ、新初芝→初芝で、上場はそのまま初芝→初芝ホ。

「初芝→初芝ホ」の役員は次の初芝の株主総会で承認を受けて、同時社名変更も承認取る。
現・初芝社長はイコール初代初芝ホの社長でもあるから、冒頭の挨拶はそれ…とか。

なんか詳しくないんで穴がありそうですね…(^_^ゞ
失礼しました…。

コメントどうもありがとうございます。

その「抜殻方式」説(会社分割等で新初芝電産を現初芝電産から切り出す)というスキームは、「ナゾ1」ですでに社長になっている点や、「ナゾ3」で役員について株式総会の承認を得るという点については説得力があると思います。

一方で、

・初芝電産の商号を「初芝五洋ホールディングス」に変更するためには株主総会で定款変更決議が必要であるにもかかわらず、なぜ株主様の承認も得ずに、既にしゃあしゃあと新社名を名乗っているのか?

・法人格が初芝電産から連続しているなら、「初代社長」とはあまり言わないのではないか?(ここは、五洋側に気を使ったという解釈も可能かとも考えましたが、やはり「初芝五洋ホールディングス設立の記者会見をいたします」と言っているところをみると、新設の法人なのではないか。)

・いずれにせよ、「ホールディングスの取締役を来週の初芝電産の株主総会の時に発表し」というところは、初芝=ホールディングスならすでに総会の議案になっているはずで、おかしい。

など、ツッコミの余地は多々残りますね。

どうも、ありがとうございました。

(ではまた。)

祝!久々のエントリー(苦笑)。
思わずこちらで一本エントリーしちゃいいました。
引き続き楽しみにしております。

スキーム案ですが、初芝の単独移転で初芝五洋HDを設立し、初芝から子会社管理業務(株ごと)をHDに分割というのもありえますね。
この場合は、会社設立で、初代代表取締役社長です。加えて、初芝電産の専務は、移転決議の総会で退任するとすれば、まだ「専務」でもありますね。
もっとも、
(1)移転の総会決議がまだなのに、あたかもできたものとしているのはおかしい。株主への召集通知に記載した株式移転計画を説明する場としての記者会見ですが、実質決まりなので、そのように振舞ったということでしょうか。
(2)移転計画(株主総会での承認対象)に完全親会社の設立時取締役名が入るはずですので、「総会で発表」はおかしい。まさか、当初移転計画では取締役会非設置となっているのを、総会で取締役会設置会社にできるとも思えませんし。
なので、完全に突っ込みに対応できる訳ではありませんが...

>スキーム案ですが、初芝の単独移転で初芝五洋HDを設立し、初芝から子会社管理業務(株ごと)をHDに分割というのもありえますね。

税務や上場規則等まで詳細にチェックしたわけではないですが、まあそのあたりがフツウですよねえ・・・。

 ほとんどギャグなのですが、「初芝(による)五洋(の持株会社=)ホールディングス」だったと言うオチはどうでしょう。
 「初芝五洋ホールディングス」と言う名前の初芝の100%子会社を設立、五洋の株式の分社型分割を計画している。五洋の株式は、初芝総資産の5%はあるでしょうから、簡易分割では不可、総会決議が必要であった、と考えれば、今回の疑問点はクリアされているように思えます。「ホールディングスの取締役は、来週の初芝電産の株主総会の時に(総会決議の決議事項でないけど)発表し、(分割の)承認を得た上で改めて記者発表いたします」と考えれば、最大の問題点だったナゾ3もOK。
 「持株会社を作ってその下に初芝・五洋両社を(直接)ぶらさげようという合意」は反故にされているわけで、だまし討ちもいいところですが。

(わはははは。)なあるほど!

たかがマンガにそんな屁理屈をこねてもねぇ・・・。
それより、今日のニュース、H社の決算発表で出てきたFIN48についてご解説願えませんか?

>たかがマンガにそんな屁理屈をこねてもねぇ・・・。

どうもすみません。


>FIN48についてご解説願えませんか?

「FIN48」でググってみると、非常にわかりやすい解説がたくさん出てますので、そちらをご覧いただければ幸いです。

(ではまた。)

>もう60歳なんですね

そのうちズラをカミングアウトしたりして・・

トラックバックさせていただきました。
たかがマンガされどマンガ・・・と思っていたんですが、弘兼氏の漫画を読んで、たかがマンガでもたかがマンガ・・・。
ルール破りは弘兼氏は、知っててやっているのでしょうが、読者は一気に醒めるのでは。

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