買収防衛策は世間に受け入れられつつあるのではないか?(その3)

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エープリール・フールですが、フツウにまいりたいと思います。
(クイズ付き)
kabuさんからまたお返事いただきましたので、それに関連いたしまして。

ブルドックの件など、有事に入れると高コスト、平時に入れると低コストというのは納得がいきました。確かにそうですね。ただ、(これは世間でも言われていた話ですが)8割以上の賛同を受けた防衛策なのだとしたら(そしてそれが司法の判断のベースになってるのだとしたら)高コスト弁護士などをやとって総会決議までして赤字転落するような方策をとるより、TOBに身を任せてもよかったのではないかと思います。いや、もちろん、本当に売られてしまうのが怖いのですが、8割の賛同ということはTOBは成立しなかったわけで、同じ事を違う方策をとることによって、猛烈なコストをかけてしまったように外からは見えます。

まず、(これもよく言われることですが)、株主総会というのは基準日時点での株主(のうち、委任状も含めた出席者)によって決議されるもので、株主総会(またはTOB)当日の株主全員によって決議されるものではなく、両者は違うものです。それは無視できる違いかも知れないし、無視できない違いかも知れない。(個々の企業や、その時の状況によって異なるはず。)
次に、安定株主比率の低い会社においては、事前に株主の意向を合理的に予測することは難しいわけで、株主総会で決議して8割賛同が得られることが最初からわかっていれば苦労はない。
それではここで第1問
事前に株主総会での合理的な予測が出来ず、会社の経営に重大な影響を与える可能性がある場合に、何の根拠も無く「ま、大丈夫でしょ」と行動する経営者というのは、はたして取締役としての善管注意義務を十分に果たしていると言える(又は、「いい経営者」と言える)でしょうか?

小生はやはり、「濫用的」なら取締役会決議で有事に導入・発動して戦えばいいじゃないかと思います。

私もそれができるのが一番いいと思います。が、ご紹介した3月31日の「法務インサイド」の記事にも、

一年ほど前、江頭憲治郎早大教授は独立委員会や取締役会限りで発動するタイプの防衛策は裁判所が否定的で、経営者の「気休めにすぎない」と指摘した。その後に出たブルドック最高裁決定も「株主の意思」を重視した。

とあるとおり、裁判で止められてしまう防衛策は、(タマが出ない鉄砲みたいなもんで)意味がないです。(「保身」に使えないだけでなく、「交渉の武器」としても使えない。)
そして、取締役会がフェアな判断をできるようにと体制を構築しているのに株主の意思確認を行っていないという形式面だけを見て裁判所がそれを否定するのだとしたら、後述のとおり、株主がより高く株式を売る機会を失わせることにつながる可能性があると思います。

最後に米国の取締役の姿勢ですが、最近の日本企業→米国企業のケースやマイクロソフトの件でも見られていますが、「無抵抗主義」ではもちろんないですよね。でも反対・議論の根幹をなすのが「価格」であるというのが重要です。(一般事業会社の敵対的買収の場合ですが。)米国の経営陣は「当社の本来の価値に対して、提案価格が低すぎる・ひどい」と反抗します。もちろん心の底では憎くてしょうがないんでしょうが、そこは抑えて、「株主に十分な条件が提示されていない」ことを主張するわけです。その条件が「一定の」レベルを超えたら、無抵抗主義になるかどうかは分かりませんが、Flat NOはできませんので、提案に甘んじるかホワイトナイトを連れてくるか、(無理だと思いますが)自社買収するか、といった方策をとるのだと思います。

私も、そのように「高く売る」方向で交渉すべき話だと思っているわけです。
しかしなんで日本中、アホの一つ覚えのように「買収防衛策=保身に注意」という話ばかりで、「買収防衛策が無いと高くも売れないよ」という議論が無いんでしょうか。

日本でも、少なくとも一般的事業会社のやりとりであれば、このようなかたちがあるべき姿のように思っております。

そうですか。
それではここで第2問
時価総額が1000億円の会社A社が、一般事業会社B社(時価総額5兆円)から買収の提案を受けており、A社経営陣も両社が経営統合することは事業上のメリットがあると考え、前向きに検討しています。
A社が保有している技術や営業網はB社の事業と非常にシナジーが高いので、それらをもし活用できれば、B社は自社の企業価値を3000億円向上させることが可能であり、統合後のリスクを考えて将来キャッシュフローをかなり堅めに見積もっても、2000億円までの買収金額であれば、十分に元が取れると判断しています。
B社が財務アドバイザーであるC証券会社に相談したところ、A社の株価の推移、株主構成や浮動株比率を勘案した結果、20%のプレミアムを付ければ(つまり1200億円の評価を行えば)、公開買付けによって80%以上の株式を取得できる可能性が高い、という回答を得ました。
A社の技術とB社の事業は極めて親和性が高いのでこれだけのシナジーが出ますが、当該マーケットにはB社以外に同様のシナジーを得られる会社はなく(つまり第三者が大量取得しても、B社以外へのexitストーリーが描きにくく)、ホワイトナイトが登場する可能性も低いと考えられます。B社がA社の反対を押し切ってTOBをかけたとしても、A社の事業の性質上、従業員のモラルダウンや大量退職等でA社事業の実質的な価値が損なわれるとは考えにくいとします。また、A社は買収防衛策を導入していません。
以上のような前提の場合に、B社がA社を1800億円で買収することは可能でしょうか?
B社経営者に対する代表訴訟が提起される可能性等の法的観点のみからでなく、投資家からの批判の影響、その他の経営学的な観点等からも考察しなさい。

第3問:
第2問と同様の前提ですが、A社が買収防衛策を導入しているとします
B社からの提案に対し、A社からは、「現在は相場全体の要因等で株価が下落しているが、当社の企業価値(株主資本価値)は1800億円は下らない。1200億円では話にならない。1800億円なら買収に応じる。」とのカウンター・プロポーザルがありました。
このような前提の場合に、B社がA社を1800億円で買収することは可能でしょうか?

もし仮に、第2問(買収防衛策を導入していない場合に高く買えるか?)への答えが「NO」であり、第3問(買収防衛策を導入している場合に高く買えるか?)への答えが「YES」なのであれば、買収防衛策は、会社を高く売るために有効に働きうるし、A社の株主のためになりうると言えるのではないかと思います。
(そして、ビジネスの世界は「一人勝ち性」をますます強めているので、「売るとしたらオンリーワン企業であるB社しかない」というこのA社、B社的なケースというのは、決して例外的なケースとはいえないと思います。)
買収防衛策以外にも、潜在的に企業の役職員と株主間で利益相反が発生する可能性のあることはいくらでもあります。(役員報酬や従業員の給与、ストックオプション、授権枠等。)
しかし、それらの場合には、それらによって役職員の士気があがったり機動的な経営が行えるといったメリットと、利益相反のリスクの可能性のバランスで検討が行われているわけです。
ストックオプションの発行決議を行った企業の株主総会では必ずといっていいほど、「ストックオプションを発行したら、既存株主の持分が希薄化するじゃないか!」といった質問が出ます。
そこの議論だけを見たら、「ストックオプションは利益相反性がある。」「ストックオプションは、投資家からの批判が強い。」といった認識になりえますが、ストックオプションを導入した企業の株価のパフォーマンスが悪いのか?といったら、どうなんでしょうか。
「アホなストックオプションの使い方をした企業のパフォーマンスは悪いし、うまい使い方をした企業のパフォーマンスはいい」、というだけの話じゃないでしょうか。
同様に、買収防衛策に対する議論だけを見ていると、「買収防衛策=保身に注意」「買収防衛策は投資家に評判が悪い」ということにも思えちゃうかも知れませんが、経営者が株主の利益のためになると信念を持って導入して、コストもさほどかからず、株価にもニュートラルなのであれば、導入して何も悪いことはないはず。
「市場」はちゃんとそうした利益相反のリスクとメリットをバランスよく考えて判断しているんじゃないでしょうか。(取締役報酬枠拡大やストックオプション発行の場合と同様。)
(ではまた。)

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買収防衛策は世間に受け入れられつつあるのではないか?(その3)” への5件のコメント

  1. 第一問:アクティビストによる敵対的買収の成功例が実質ない以上、敵対的買収が成功する可能性は非常に低いという判断は非合理的とは言えないと思います。また、買収防衛策の株価に対する影響について意見が別れている段階においては、必ずしも、買収防衛策の導入が善管注意義務を充分に果たすための絶対条件と言えないように思えます。「ま、大丈夫でしょ」と言っていたら無責任に聞こえますが、実質大丈夫な状況が続いています。
    第二問:仮に「市場」がA社、B社に関する適切な情報を持っていれば、設問のTOBがあり得ると考える投資家はいると考えられます。その場合、1200億円であったとしても、1800億円まで買い進める投資家が出てきても不思議ではなく、結果として、1800億円?近く?で買わざるを得ない可能性があると思います(つまり(良くあるように)ファイナンシャルアドバイザーが間違っている)。実際そのような抵抗を投資家がしたケース(しかもTOBが始まってから)は敵対的買収防衛が成功したケースより多くあります。
    第三問仮にTOB開始時点で株価が同じだとしたら(つまり買収防衛策導入が株価にニュートラルだとしたら)買収防衛策を導入している企業のほうが買収コストがかかると考えるのは自然だと思われます(つまり言い値の1800億円で買わざるを得なく、それは買収防衛策を導入していない場合よりも高い)。まさに磯崎さんのおっしゃるとおりです。
    しかし、この設問の前提に疑問を感じます。そんなに都合よく、買い手と売り手のシナジーの効果に関する意見は一致するものなのでしょうか?ましてや、シナジー効果の3000億円の評価で概ね両者が納得していたとしても、それを買い手側が都合よく1800億円程度で合意するのでしょうか?
    たとえば、問三において、売り手側が2100億円に固執するということはあり得ませんか?そのような売り手による交渉で、唯一の買い手であるB社を失う可能性は、株主にとって悪いことのような気がします。
    敵対的買収により安価に買われてしまう可能性と買収防衛策により株主(株価)にとって良い敵対的買収がなくなる可能性と比べたら、後者のほうが高いように思えます。また、実際の件数としても後者のほうが多いのではないでしょうか。

  2. お返事いただき恐縮です。(厳しい問題ですね・・・)このような議論が新聞紙上でも建設的に取り扱われるといいですね。以下、小生の考えです。
    第一問 TOBに身を任せるのと、株主総会の決議にかけるのは、両者とも株主の意思を問うという意味では同質であると思います。むしろ、総会決議については、基準日の株主とTOB時の株主の違い、売っておいて総会では防衛策賛成ということもできますから、株主の「真意」はTOBでより明確に現れると思います。しかもご指摘の通り、出席株主だけでなく事実上の全株主の意思です。
    善管注意義務の問題はよく聞きますが、防衛策を入れてないとそれが本当に問題になるのでしょうか?TOBが成立したとすると(下限とかの問題もありますが)基本的に67%以上の株主が売って、残りの株主の一部の方々(または第三者)が「TOBが成功/防衛策がなかったおかげで」「会社に損害を与えた/または自分が損害を受けた」と訴えるってことだと思いますが、本当にそんなことが起こるのでしょうか。可能性はゼロではないでしょうが、では更に考えると、そんな訴えが裁判で通り得るのでしょうか。予想の世界になってしまいますが・・・。防衛策の導入は会社法でも金商法でも取引所規則でも一切義務化されておらず、日本の司法ではレブロン義務さえ確立していないので、「防衛策を入れなかった=善管注意義務違反」というのは、どうもシックリしないところがあります。
    或いは外国(特に防衛策の開発国の米国)の事例で、防衛策がなくてTOBが成立してしまい(=株主の意思としては売却OKだった)、結果として残った株主などが善管注意義務違反で取締役を訴えた/取締役が賠償した・・といったケースがあれば、すごく説得力があります。このようなケースがもしあるとしたら、判例の要点を理解したうえ、日本でもかなり真剣に防衛策には取り組む必要があると思います。(単に自分が知らないだけかも・・です。ご存知の方がいらっしゃいましたら、教えて下さい。)
    第二問・第三問 取締役が買収されること/価格を上げることを真に望んでいるなら、防衛策は交渉材料としてワークする余地もあると思います。でも、現実的には、どちらのケースでも、「1,800億円以上にしない限り取締役会は買収に反対する」と公表してしまえばいいんじゃないでしょうか?真剣に買収されることに抵抗がなく、価格だけが論点であれば、公表するだけで強烈な効果があるはずです。相手は間違いなく相当真剣に考えるはずです。一部の機関投資家・ヘッジファンドや証券会社のアナリストも色んな見解を出すでしょう。(ヘッジファンドなんかはきっと「いや最低1,900だ!」といった世界になると思います。)
    取締役の義務としてはどうでしょう。何もしなければ1,000億円の会社が、買収を成功させれば今の株主の手許に「最低1,200億円」が手に入り(しかも80%の株主が売る/満足と予想されている)、「1,800億円以上じゃないと賛成しない」と公表しています(役会決議を経た見解表明/意見表明報告書でも可)。結果として、買収者は「50%プレミアムの1,500億円が限界、これでTOB」といったシナリオになるかもしれません。株主が同意すれば(=TOBで売却すれば)、株主の手許に「1,500億円」が入る取引の成立です。
    この一連のなかで、取締役の責任が問われるべきところってありますかね。小生は双方の責務は十分に全うされたと感じますし、「1,500億→1,800億」に上げられなかったのは防衛策がなかったからだと判断するのもやや難しいと感じます。まず、買手と売手が想定する事業計画は間違いなく異なります。A社の「2,000億でも元がとれる」というのは、現実にはA社の推定にしか過ぎません。仮に1,800に上げなかったために、1,500/1,200の取引もブレークしてしまったら、それこそA社は株主への責任が問題になります。両社の取締役の株主に対する責任は「なるべく高く売ること」vs.「なるべく安く買うこと」であり、このケースのように、ホワイトナイトもいないなら、両社の様々なバーゲニング・パワーや力学で最終決定される価格がフェア・マーケット・プライスということではないでしょうか。1,200億円に無抵抗に甘んじるのではなく、「1,800億円以上でないと賛成しない」などと言って、取締役の姿勢を打ち出すことが極めて効果的ですし重要だと思います。(ただ、1,800と一度でも数値を示してしまうのは、不可逆性もあるのでかなり注意が必要でしょうが。)
    最初の話に戻ってしまいますが、磯崎さんの「防衛策があれば価格を更に上げられる武器になる」というご意見は、全くもってその通りだと思っています。ただ、残念ながら、日本では「価格を上げるため/交渉力をもつため」に真剣に防衛策を入れている会社はどうしてもマイノリティに思えてなりません。防衛策=完全防衛、買収されること=絶対否、というのが圧倒的マジョリティと強く感じます。だから、こっちのダウンサイドの方が日本という土壌で強い限り(←強いというのは小生の勝手な肌感覚)、いっそ防衛策など使用せずに、上の例で言えば「1,800は諦めて1,500をとれ。1,200さえ無くなってしまうよりヨッポドまし」と感じている次第です。
    英国型みたいに、厳格な全部買付義務もあって、パネルがいて、防衛策が禁止、だったりすると分かりやすいのになーと最近感じます。でもパネルとの折衝ってすごく大変そうですが・・・株価上昇だけを狙った「プレー」だけの敵対的提案とかも無くなりますよね。一方で、「良質な」敵対的案件も守れる余地が広がりそうな気が致します。
    (以上、やや支離滅裂気味で失礼いたしました。)

  3. >日本中、アホの一つ覚えのように「買収防衛策=保身に注意」という話ばかりで、「買収防衛策が無いと高くも売れないよ」という議論が無いんでしょうか。
    そういう議論があって初めて、「受け入れられつつある」という蓋然性があるのであって、
    >アホの一つ覚えのように「買収防衛策=保身に注意」
    と貴殿自身がおっしゃっているような状況であれば、「受け入れられつつある」というロジックはおかしいと思います。
    Kabuさんもおっしゃるとおり、残念ながら、日本では「価格を上げるため/交渉力をもつため」に真剣に防衛策を入れている会社はどうしてもマイノリティに思えてなりません。防衛策=完全防衛、買収されること=絶対否、というのが圧倒的マジョリティと強く感じます。
    という意見のほうが、多数説でしょう。
    貴殿ご主張のように運用できるような仕組みを強化する時期にあるのでしょう。

  4. >「受け入れられつつある」というロジックはおかしいと思います。
    「議論」をしているのは、主にかなり「頭のよさそうな」人たちで、「世間」というのは、文字通り市場全体のことです。
    例に出させていただいたように、株主総会での「議論」だけ見ているとストックオプションは受入れられていないのでは?とも思えますが、実際には「市場」には受入れられているように思えます。
    過去に「ストックオプションは悪か善か」といった大論争があったようにも思えません。
    >貴殿ご主張のように運用できるような仕組みを強化する時期にあるのでしょう。
    今必要なのは「仕組み」なんでしょうか?
    買収防衛策は、だいたいもうデファクトスタンダード的な「ひな形」ができつつあるように思えますし、なんらかの形で株主総会決議を経るようにしている会社が大半ですから、保身しそうな取締役がいる会社の防衛策は否決すればいいだけの話ではないかと思います。
    (働きもしないで給料上げろと言ってるだけの取締役だと思ったら、取締役の報酬枠の拡大の決議を否決するのと同様。)
    否決される企業もあるけど、だいたいは可決されているので、そういう意味でも「受入れられて」きているというのは、あながち間違いではないのではないかと思ってます。
    株式会社の基本は、資本と経営を分離して、信頼できる取締役に経営をまかせることなんだから、株主のために働かなさそうな取締役に経営を任せているとしたら、それがそもそもおかしいのではないでしょうか?(その場合、買収防衛策が悪いのではなく、取締役が悪いのではないでしょうか?)
    今まで善良だった取締役が、買収防衛策という魔性のツールを手にしたとたんに悪に変貌する、という理解はおかしいのではないかと思います。
    「いい取締役」が入れる買収防衛策はいいし、「悪い取締役が入れる買収防衛策」は悪い、というだけではないでしょうか。
    (ではまた。)

  5. 質問させて下さい。
    第1問 …取締役としての善管注意義務を十分に果たしていると言える(又は、「いい経営者」と言える)でしょうか?
    という設定ですが、その前提として、取締役の善管注意義務は誰に対するものでしょうか。日本の会社法では、「会社」に対する善管注意義務であり、株主に対するものではなかったと記憶しています。
     そうだとすると、買収防衛策が「買付価額の交渉を行う武器」という目的で導入されるというのであれば、防衛策の有無で(株主の財産に特別な影響は生じるでしょうが)会社財産に特別な影響が生じる訳ではなく、善管注意義務の問題にならないのではないでしょうか。
     また、解体型買収への対抗策であるとすれば、将来の会社財産の散逸による会社の価値下落防止という善管注意義務の履行という考え方もあり得ますが、解体行為が善管注意義務違反であって解体行為を行った取締役に対して責任追及をすること認められそうですが、解体する可能性がある買収者(普通は簡単に認定できないのですが。)を株主として承認した取締役が善管注意義務違反として裁判で敗訴する可能性は少ないような気がします。いかがでしょうか。