事業承継税制—「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案」をながめてみる

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中小企業の経営に非常に大きな影響を及ぼすと予想される「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案」がおととい経済産業省さんから公表されましたので、この中身について検討してみたいと思います。
(かなり、長文です。)


(なお、本エントリは、事業承継税制にケチを付けようというのが目的ではなく、非常に興味深い法律なので、自分自身の勉強と頭の体操をかねて書いてみたものです。さっと見ただけなので、考え違い等があったらご指摘いただけるとありがたいです。)
プレスリリースはこちら。
http://www.meti.go.jp/press/20080205003/20080205003.html
当ブログの以前の関連記事はこちら。
事業承継税制の「拡充」 (その2)
http://www.tez.com/blog/archives/001082.html
事業承継税制の「拡充」は、日本の競争力を下げる(・・・のではないか)
http://www.tez.com/blog/archives/001081.html
具体的な相続税の定義は、まだ先
さて、結論からすると、この法律では附則の第二条で、

第二条 政府は、平成二十年度中に、中小企業における代表者の死亡等に起因する経営の承継に伴い、その事業活動の継続に支障が生じることを防止するため、相続税の課税について必要な措置を講ずるものとする。

と書いてあるだけなので、具体的な相続税法上の措置がどうなるのかは、完全にはよくわかりません。ただし、この法律の第二条の「定義」と第二章「遺留分に関する民法の特例」で、相続税法上の措置が行われる中小企業のイメージがある程度推測できると思われます。
「中小企業」の定義
中小企業の定義は、報道のとおり、中小企業基本法の定義と同様のようです。
chusho_kigyo_teigi.gif
条文上、「個人」も中小企業の定義に含まれるんですが、株式の価値を問題にしているので、「個人」という定義がどっかで効いてくるんでしょうか??(→追記:「第2章」にはないが、第3章第12条には個人である中小企業者への支援として載ってます。)
「特例中小企業者」の定義

この章において「特例中小企業者」とは、中小企業者のうち、一定期間以上継続して事業を行っているものとして経済産業省令で定める要件に該当する会社(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式又は同法第六十七条の十一第一項の店頭売買有価証券登録原簿に登録されている株式を発行している株式会社を除く。)をいう。

具体的には経済産業省令が出てみないとわかりませんが、「一定期間以上」継続していることが必要で、上場企業はダメ。「一定期間以上継続して事業を行っているものとして経済産業省令で定める」という語感からすると、「国民経済の発展に寄与するものと認められる中小企業者」といった、恣意性の入りうる(「この業種はダメ」といった)判断というよりは、形式基準中心で認められる、という感じでしょうか。
「旧代表者」「推定相続人」の定義(甥っ子はなぜダメなの?)

2 この章において「旧代表者」とは、特例中小企業者の代表者であった者(代表者である者を含む。)であって、その推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者のうち被相続人の兄弟姉妹及びこれらの者の子以外のものに限る。以下同じ。)のうち少なくとも一人に対して当該特例中小企業者の株式等(株式(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式を除く。)又は持分をいう。以下同じ。)の贈与をしたものをいう。

この条文を見ると、「代表者である者を含む。」とあるので、オーナー社長が生きているうちに事業承継対策をすることも想定してるわけですね。社長が死んでからから短期間の間にバタバタと専門家を探したり法律を調べたりするよりも、対策はかなり打ちやすそうです。
一方、株式の贈与を受ける人(「推定相続人」のうち少なくとも一人)の定義は、「被相続人の兄弟姉妹及びこれらの者の子以外のものに限る。」とあります。つまり、(社長の親、ということは実際にはあまり無いと思いますので)、基本的には社長の子供(孫)、妻でないとダメ、ということですね。
ここの経済的観点からの意義がよくわからない。
(相続税法上の措置がどうなるかはまだわかりませんが、もし仮にこの定義のままいくとすると)、
例えば、優秀な番頭格の人がいたら、その人に事業を承継させてあげたほうが、経営能力の無い息子国民経済のためになると思うんですが。
兄弟や甥などへの相続が発生するということは、子供や奥さんがいない場合でしょう。
「釣りバカ日誌」の鈴木建設の多胡専務は甥っ子だから対象にならないんでしょうね。
(鈴木建設はかなりの大企業だし、確か上場企業だったと思うので、もともと適用除外でしょうけど、仮に中小企業だったとして。また、鈴木社長の奥さんも存命。多胡専務のご両親はあまりマンガに出てこないので、ご存命なのかどうかはわかりませんが、ご存命なら、今のところ多胡専務が「推定相続人」の定義に当てはまることはなさそうです。)
血のつながりの無い番頭格の人が養子になれば、この件に該当すると思いますが、「被相続人の兄弟姉妹及びこれらの者の子以外のものに限る。」という定義からして、ヘタに甥っ子だったりすると、養子であっても(特別養子縁組でもないかぎり)「兄弟姉妹の子」にも該当してしまうので、適用外ということになるんでしょうね。(なぜそうする必要が?)
直系の相続人でないと、なにかと親類間のトラブルになるんじゃないかという、法律のおせっかいなんでしょうか?
もちろん、株式を持ってないと経営ができないわけじゃないですが、小さな企業で、所有と経営がズレているというのは、それなりにストレスも溜まるし、リーダーシップも取りにくいことが多いんじゃないかと思います。
働いても、配当は全部他人に行ってしまうんでは、インセンティブもわかないかも。
「後継者」の定義

3 この章において「後継者」とは、旧代表者の推定相続人のうち、当該旧代表者から当該特例中小企業者の株式等の贈与を受けた者又は当該贈与を受けた者から当該株式等を相続、遺贈若しくは贈与により取得した者であって、当該特例中小企業者の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。以下同じ。)又は総社員の議決権の過半数を有し、かつ、当該特例中小企業者の代表者であるものをいう。

新しい代表者が議決権の過半数を持っていないといけないので、そうでない場合には、他の株主からの買い集めをするなど、形を整える必要がありますね。
また、「旧代表者」が引退しないといけない、とは書いてないので、「お父さんが代表取締役会長、息子が社長」という平行run期間もあり、ということかと思います。
「合意」のやり方(valuationも必要なの!?)

(後継者が取得した株式等に関する遺留分の算定に係る合意等)
第四条 旧代表者の推定相続人は、そのうちの一人が後継者である場合には、その全員の合意をもって、書面により、次に掲げる内容の定めをすることができる。ただし、当該後継者が所有する当該特例中小企業者の株式等のうち当該定めに係るものを除いたものに係る議決権の数が総株主又は総社員の議決権の百分の五十を超える数となる場合は、この限りでない。
一 当該後継者が当該旧代表者からの贈与又は当該贈与を受けた旧代表者の推定相続人からの相続、遺贈若しくは贈与により取得した当該特例中小企業者の株式等の全部又は一部について、その価額を遺留分を算定するための財産の価額に算入しないこと。
二 前号に規定する株式等の全部又は一部について、遺留分を算定するための財産の価額に算入すべき価額を当該合意の時における価額(弁護士、弁護士法人、公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士を含む。)、監査法人、税理士又は税理士法人がその時における相当な価額として証明をしたものに限る。)とすること。
2 次に掲げる者は、前項第二号に規定する証明をすることができない。(略)
3 旧代表者の推定相続人は、第一項の規定による合意をする際に、併せて、その全員の合意をもって、書面により、次に掲げる場合に後継者以外の推定相続人がとることができる措置に関する定めをしなければならない。
一 当該後継者が第一項の規定による合意の対象とした株式等を処分する行為をした場合
二 旧代表者の生存中に当該後継者が当該特例中小企業者の代表者として経営に従事しなくなった場合

ということで、民法上の遺留分についての合意(「お母さんは株はいらないから、太郎、あなたがお父さんの後を継ぎなさい。」みたいな。)をする、ということですね。
また、この中小企業の株式には、会計士、税理士等のvaluationの証明資料が必要になります。(会社法の現物出資でも、あまり使うケースがなくなったのに・・・。)
これは相続税法(財産評価基本通達)的な評価だけでなく、DCF法などの評価との折衷法もアリということでしょうか?相続に関わる株式の評価なのに、わざわざDCF法なんか使うケースはあまりないのではないかと思いますし、財産評価基本通達に従って評価するだけなら、何も高いフィーを会計士や税理士に払って株価算定する必要もないと思うんですが・・・。
「遺留分を算定するための財産の価額に算入すべき価額を当該合意の時における価額とすること。」というのが入っている趣旨も、いまいちよくわかりませんね。(この合意後に増資等のファイナンスがあるといずれにせよややこしいですが)、例えば、普通であれば、事業承継の親族間の合意は、「発行済み10,000株のうち、お父さんが持っている7,000株は、太郎、おまえが持ちなさい。われわれはいらないから。」といった取り決めになると思うんですね。会社が成長中で、1株5万円だったものが10万円になりました、という場合には、付加された3億5千万円分は、遺留分の算定に入っちゃう、ということですね。ちょくちょく合意しなおせばいいわけでしょうけど、面倒ですし、コストもかかりますね。「毎年1回くらいはvaluationをやりなおしましょう!」という会計士・税理士業界のキャンペーンの成果・・・ということではなくて、
(追記:>krpさんにコメント欄でご指摘いただきましたが、先に贈与しちゃうスキームなので、後継者が持っている株式の価値上昇は、相続の対象になりませんね。失礼いたしました。)
後の第7条での「経済産業大臣の確認」や第8条「家庭裁判所の許可」で、赤の他人が、「こいつら、ほんとにこの株の価値をわかって合意したのかしらん?」というところを判断するためには、独立性のある専門家の算定書が必要、ということなんでしょうね。
株式以外の資産等

(後継者が取得した株式等以外の財産に関する遺留分の算定に係る合意等)
第五条 旧代表者の推定相続人は、前条第一項の規定による合意をする際に、併せて、その全員の合意をもって、書面により、後継者が当該旧代表者からの贈与又は当該贈与を受けた旧代表者の推定相続人からの相続、遺贈若しくは贈与により取得した財産(当該特例中小企業者の株式等を除く。)の全部又は一部について、その価額を遺留分を算定するための財産の価額に算入しない旨の定めをすることができる。

例えば、土地とか特許権とかは、会社でなく旧代表者が個人で持っている、といった場合にも、取り決めておける、ということですね。
(こちらは、valuationしなくていいの??)

第六条 旧代表者の推定相続人が、第四条第一項の規定による合意をする際に、併せて、その全員の合意をもって、当該推定相続人間の衡平を図るための措置に関する定めをする場合においては、当該定めは、書面によってしなければならない。
2 旧代表者の推定相続人は、前項の規定による合意として、後継者以外の推定相続人が当該旧代表者からの贈与又は当該贈与を受けた旧代表者の推定相続人からの相続、遺贈若しくは贈与により取得した財産の全部又は一部について、その価額を遺留分を算定するための財産の価額に算入しない旨の定めをすることができる。

経済産業大臣の確認

第七条 第四条第一項の規定による合意(前二条の規定による合意をした場合にあっては、同項及び前二条の規定による合意。以下この条において同じ。)をした後継者は、次の各号のいずれにも該当することについて、経済産業大臣の確認を受けることができる。
一当該合意が当該特例中小企業者の経営の承継の円滑化を図るためにされたものであること。
二申請をした者が当該合意をした日において後継者であったこと。
三当該合意をした日において、当該後継者が所有する当該特例中小企業者の株式等のうち当該合意の対象とした株式等を除いたものに係る議決権の数が総株主又は総社員の議決権の百分の五十以下の数であったこと。
四第四条第三項の規定による合意をしていること。
2 前項の確認の申請は、経済産業省令で定めるところにより、第四条第一項の規定による合意をした日から一月以内に、次に掲げる書類を添付した申請書を経済産業大臣に提出してしなければならない。
一当該合意の当事者の全員の署名又は記名押印のある次に掲げる書面
イ当該合意に関する書面
ロ当該合意の当事者の全員が当該特例中小企業者の経営の承継の円滑化を図るために当該合意をした旨の記載がある書面
二第四条第一項第二号に掲げる内容の定めをした場合においては、同号に規定する証明を記載した書面三前二号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める書類
3 第四条第一項の規定による合意をした後継者が死亡したときは、その相続人は、第一項の確認を受けることができない。
4 経済産業大臣は、第一項の確認を受けた者について、偽りその他不正の手段によりその確認を受けたことが判明したときは、その確認を取り消すことができる。

ここが大きなポイントですね。
ほとんどは形式的な要件ですが、特に「当該合意が当該特例中小企業者の経営の承継の円滑化を図るためにされたものであること。」というところの確認がどのように行われるのか。
「本件合意は、当該特例中小企業者の経営の承継の円滑化を図るために行われたものである。」
といったことが提出書面に書いてあることは必須としても、「円滑化」というのはどの程度、そのままだと円滑でないということであれば認められるんでしょうか?「社長に株が集中していた方が、中小企業は運営しやすい」というだけでいいのかどうか。
以前のエントリでも述べたように、明らかに「困っていそう」といったオーラが漂う案件はいいですよね。
例えば、
「当社が経営する旅館は、自然に囲まれた眺望が顧客の皆様より愛されており、相続税支払いのために例えば離れだけを売却して隣にマンションが立つ、といったわけにもまいりません。狭くなる分の雇用もカットせざるを得なくなります。」
といったケースは、切実感が漂ってます。
一方、例えば、換金性の高い資産を法人格にパックして、申し訳程度に従業員もくっついています、というケースも考えられます。
「当社は、ビジネスホテルを10ヶ所で運営しておりますが、相続税支払いのために何箇所かを売却すると、従業員の雇用も確保されるかどうかわからなくなります。」
といった申請書が来た場合でも、その実態が、あちこちの高速のインターを降りてすぐの準工業地帯に建てられているいわゆるラブホテルであって、周りもラブホテルだらけなので そんなところが取り壊されてマンションになるわけもないし、キャッシュフローも潤沢に出ているのであれば、相続税を払うために5棟売却しても、購入した人が倉庫などに転用するわけもなく、ラブホテルとして運用し続けた方が得なので、雇用が失われる危険もないわけです。
これで節税ができるなら、現金を大量に持っているのではなく、ラブホテル運営会社の株式を買ってきて資産運用した方が得、ということになります。(ラブホテルでなくても、キャッシュフローが安定していて換金性の高い事業、というのはいくらでもあると思います。)
一方、「伝統和風旅館」ならOKで、「よくカップルが出入りするビジネスホテル」はダメということになると、行政の線引きのさじ加減一つで、相続税額が大きく変わってきちゃうということにもなり、なかなか難しいですね。
家庭裁判所の許可

第八条 第四条第一項の規定による合意(第五条又は第六条第二項の規定による合意をした場合にあっては、第四条第一項及び第五条又は第六条第二項の規定による合意)は、前条第一項の確認を受けた者が当該確認を受けた日から一月以内にした申立てにより、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。
2 家庭裁判所は、前項に規定する合意が当事者の全員の真意に出たものであるとの心証を得なければ、これを許可することができない。
3 前条第一項の確認を受けた者が死亡したときは、その相続人は、第一項の許可を受けることができない。

これも、ちょっと素人には荷が重いかも。前述のとおり、株式のvaluationが変わったら、その都度合意する必要も出てくるので、大変ですね。
合意の効力、効力の消滅

第九条 前条第一項の許可があった場合には、民法第千二十九条第一項の規定及び同法第千四十四条において準用する同法第九百三条第一項の規定にかかわらず、第四条第一項第一号に掲げる内容の定めに係る株式等並びに第五条及び第六条第二項の規定による合意に係る財産の価額を遺留分を算定するための財産の価額に算入しないものとする。
2 前条第一項の許可があった場合における第四条第一項第二号に掲げる内容の定めに係る株式等について遺留分を算定するための財産の価額に算入すべき価額は、当該定めをした価額とする。
3 前二項の規定にかかわらず、前条第一項に規定する合意は、旧代表者がした遺贈及び贈与について、当該合意の当事者(民法第八百八十七条第二項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により当該旧代表者の相続人となる者(次条第四号において「代襲者」という。)を含む。次条第三号において同じ。)以外の者に対してする減殺に影響を及ぼさない。

とのことです。

(合意の効力の消滅)
第十条第八条第一項に規定する合意は、次に掲げる事由が生じたときは、その効力を失う。
一 第七条第一項の確認が取り消されたこと。
二 旧代表者の生存中に後継者が死亡し、又は後見開始若しくは保佐開始の審判を受けたこと。
三 当該合意の当事者以外の者が新たに旧代表者の推定相続人となったこと。
四 当該合意の当事者の代襲者が旧代表者の養子となったこと。

1号から3号まではわかりますが、4号の「当該合意の当事者の代襲者が旧代表者の養子となったこと。」の意味というのは何でしょう??
旧代表(長男)には息子がいなくて、奥さんと兄弟だけなので、それらの者の間で次の社長は次男だ、という合意をしていたけど、三男が突然死去してその息子が旧代表の養子になることになった、というような場合でしょうか?
(取り分が変わってきちゃうから合意をやりなおしなさいよ、ということでしょうか?)
遺留分というのは、「相続の時は何かとモメがちで、取り分がゼロなんてことになったらキレる可能性大だから」という、民法のやさしいおせっかいなんでしょうから、その合意の前提が変わったときには、一度白紙に戻す、というのがいい、ということなんでしょうね。
こういう規定を知らないで、条件がヒットした場合(例えば、長男がうまく事業承継できるように、家を継がない大手企業の法務部に勤めていて法律に明るい三男が中心になって、親族を説得してこうした手続きをしていたが、三男が突然死んで、そのままになってたところに、親父も死んじゃった、といったケース)の場合、せっかくの努力が水の泡、ですね。(注意しないと。)
(ご参考まで。)

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事業承継税制—「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案」をながめてみる” への10件のコメント

  1. 私も条文をつらつら眺め始めたところですが、これで手間が省けました、ありがとうございます(笑)。
    ただし、第4条1項2号ですが、経産省の説明文は「後継者の貢献による株式評価上昇分が遺留分減殺請求の対象外となるため、経営意欲が阻害されない」となっていますね。多分毎年評価するのではなくて、贈与時に評価して、それを相続時に遺留分を計算する際に使えるということなんでしょう。下がった場合は知りませんが。

  2. krpさん、
    あっそうか。もう先に贈与しちゃってるんですもんね。
    失礼しました&どうもありがとうございます。
    (ではまた。)

  3. この法律の条文を読むことすらできない弁護士さんがどのくらいたくさんいるかと思うと、ちょいと暗澹たる気分ですが。

  4. kawailawさん、コメントありがとうございます。
    >この法律の条文を読むことすらできない弁護士さんがどのくらいたくさんいるかと思うと、
    (ん?)条文を読むことすらできない、ってどういう意味でしょうか?
    よく存じませんが私の勝手なイメージでは、(税に関連する部分はともかく)、相続の民法的な部分というのは、普通の弁護士さんがわりとお得意な分野ではないかという気がしているのですが。
    今後手当てされる税制改正なども考え合わせて、この条文から適切な事業承継プランを導き出せる弁護士さんが少なさそうだ、ということですか???

  5. まあ最近の立法はこういう書き方ですよね。
    が、司法試験で問われる法律っていうは、憲法、民法、刑法、両訴訟法、といったところで、これらはいずれも非常に伝統的な書き方で法文が書かれていますので、会社法以外は、今風の法文の書き方をしていない訳です。で、まず法文そのものを読めない訳です。
    税法とか、会計分野の法制度は、どれもこれも今どきの法文ですから、会計の専門家の皆さんからすると信じられないような話でしょうが。まあ実際多いのですよ。
    つまり、適切な事業承継プランを導くとか何とかいうよりもはるかに以前のレベルの話なのです。
    そういう人は、別の弁護士さんが書いたハウツー本を読んで、法文に当たっていくのですが、おっかなびっくりな訳です。その顔をクライアントに見せるかどうかは、別論ですが。で、最後まで、法文を読めないまま、ハウツー本の知識を恰も自ら法文を読んでいる者の知識であるかのようなふりをして見せかけて仕事にあたる訳です。
    まとめますと。
    伝統的な法文の書き方。
    一見シンプルで、読みやすい。が、解釈の余地が広く、解釈論を勉強しないと法律の意味するところが理解できない。そういう法文の書き方をする。
    今どきの法文の書き方。
    カッコ書きやら定義やら限定やらやたらとあって、一文もひどく長くて、日本語としては非常に悪文で読みづらい。が、極力解釈の余地がないように、法文自体の明確さを重視して書いてある。が、その分野の専門家でないと法律家ですら法文を読めなかったりする。
    この、今どき法文の苦手な弁護士さんが過半を占めているのがこの国の蜂巣の姿なのです。(良貨は悪貨を駆逐するでしょうか?)

  6. そうなんですか・・・
    なるほどー、と思う反面、ちょっとにわかには信じられないような・・・。「会計の専門家の皆さん」が条文を読めるのか、読んでいるのか、ということもさておき。
    どうもありがとうございます。
    ではまた。

  7. [日記・コラム・つぶやき]中国新聞は「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案」を社説で支持表明

    ブログ担当者さん、こんばんは。お元気でしょうか? 2月になって一つも記事がエントリーされていないので、仕方なく 2008-01-26 の記事にコメントし…

  8.  3条の定義から兄弟姉妹甥っ子姪っ子が除かれているのは、元々兄弟姉妹や甥っ子姪っ子には遺留分がない(民法1028)からではないでしょうか?
     3条は「この章」つまり遺留分の特例に関する特例の「第2章」の定義としていて、2条のように「この法律」における定義とせず区別しているように思うのですが。
     また、養子となれば、法律上「子」の身分も併せ持つこととなりますので、3条の推定相続人に含まれるようなると思います。
     もちろん、まだ相続税制の特例がどのようになるかわかりませんが。

  9. コメントありがとうございます。
    ひっかかってますのが、3項で「後継者」は「推定相続人(甥や姪を含まない)」という定義になっているので、この定義で相続税も決まってくるとしたら、やっぱり、甥っ子に継がせるには養子になってもらうしかないのかなあ、ということです。
    必要なのは、優秀な経営者が過度な負担なく会社のコントロール権を取得する、ということであって、それと戸籍をからませないといけない、というとナニだなあ、と。
    おっしゃるように、相続税制がどうなるかはまだナゾなのですが。
    (ではまた。)

  10. [中小企業]中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律

    以前から言い続けていることだけど、税制で中小企業の後継者問題は解決しない。たんなる金持ち優遇である。それにもかかわらず、何度も相続税の優遇をしてきた。で…