さくらインターネット債務超過の件

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某インターネット系企業の社長さんから、「さくらインターネットが債務超過らしいけど、あれってどーなの?」と聞かれました。
あまり新聞等では話題になってないですが、さくらインターネットでレンタルサーバーやホスティングをされてる個人や法人の方々も結構いらっしゃるでしょうし、心配されてる方も多いかも知れませんので、ちょっと資料を見てみました。


まず、11月22日に、「特別損失の発生及び業績予想の修正に関するお知らせ」で債務超過になる旨を公表し、同時に「ノンコア事業である」アクセス部門を3億円で持分法適用会社である株式会社DOMIRUに売却するという「インターネット接続事業の一部譲渡に関するお知らせ」を出してます。
昨日発表された中間決算短信を見ると、オンラインゲームのソフトウエア等に関わる減損4億円や投資有価証券の評価損の計上などもあり、中間で6億円の純損失を計上し、株主資本合計が5千万円ほどマイナス(つまり、債務超過)になってます。
同時に社長も笹田氏から田中副社長に交代
昨年度の有価証券報告書のセグメント情報を見ると、オンラインゲーム等のセグメントが3億円のド赤字ではありますが、データセンター事業は3億円の営業黒字です。
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リリースによると、今回売却するアクセス事業の年間の粗利が1.6億円程度だとのことなので、(販売管理費の額が書いてありませんので堅めに見て)オンラインゲームさえうまくリストラできれば、1.5億円程度の安定した純利益をあげられる会社かも知れません。
今後の建て直しの巧拙にもよりますが、「サーバをすぐ他に移さないとヤバい」というほどではないのでは、と思います。
また、本日現在の時価総額が約16億円で実質のPER10倍程度(割安)なので、MBOてなことも考えてらっしゃるのかも。
もともと、データセンター事業は安定した収益は上げられるけど今後あまり成長は望めないのではないかと思いますので、いっちょオンラインゲームで一発当てて・・・と考えたのかも知れませんが、畑違いの領域に出るのはそう甘くなかった、ということかも知れません。
データセンターに絞るのであれば(今後の上場維持コスト、買収防衛コスト等を考えれば)、非公開化向きの会社という気もしますが、たくさんいる利用者からしてみると、(へたな事業に手を出さなければですが)、一定のガバナンスも働くので公開していた方が安心できるという気もします。
昨年度末時点では、笹田元社長と田中新社長が、それぞれ20.45%ずつ保有されてましたが、退任される笹田元社長が株式売却意向があるのであれば、どっかのファンドと組んでMBOしてターンアラウンド、という必要が出てくるかも知れません。
(ユーザーにとっては逆に不安かも知れませんが。)
「他のデータセンター会社さん」による買収、ということも考えられますね。
sakura_shareH.jpg
ちなみに、大株主には元社長と同姓の「笹田さくら」さん(2.6%)という方もいらっしゃいます。奥様でしょうか。もしかして「さくらインターネット」の「さくら」というのは奥さんの名前なんスかね。(だとしたら、愛妻家でらっしゃるんでしょうねー。わしゃ、ようやらん・・・。)
他の大株主のお名前をネットで検索したところ、鷲北氏が技術部部長、公開時の目論見書で見ると菅氏、萩原氏も従業員、遠江氏、川端氏は公開時にすでに株主でしたが、従業員等である旨の注はついてないですね。
(新旧社長を含め、大株主のみなさん、公開前からほとんど株を売却してないんですね・・・。公開時は今より8倍くらい株価が高かったようですが。ロイヤリティが高いのか、株価がずっと右下がり基調だったので、売り時を探っているうちに売り損なってしまったのか・・・。)
(ではまた。)

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さくらインターネット債務超過の件” への9件のコメント

  1. 「さくらインターネット」の「さくら」というのは奥さんの名前が由来のようですよ。

  2. さくらインターネットの社名の由来は奥さんの名前ではありません。
    田中社長がつけた社名で、合併したときにたまたま一緒だったと聞きました。

  3. オンラインゲームって、そんなに儲からないのでしょうか?!
    オンラインゲームの固定費でデータセンター費用は大きな項目だと思うので、
    さくらインターネットが運営するのは、うまいこと考えたなぁと思っていたのですが。

  4. 「さくらインターネット」は、たぶん、持ちこたえると信じています。
     なぜって? だって大阪の会社だもん。こんなことぐらいでこけるわけ絶対にない!
     500キロ彼方から応援しまぁす♪
     

  5. さくらの問題は、多くの利用者(ホスティングやドメイン取得者)だけでなく、地域ISPにも暗い影を落とす気配です。利益率の悪い、BtoB部分。対ISPに対してのホールセール販売部分を、他社に譲渡する可能性が高い状況です。これは、平成電電の際にも生じた状況と似ていますが、今回は少し内容が違うようです。特定の大手へ業務移管の打診を進めているようですが、その打診額は、回収を求めた高額な金額のため、今後、地域ISPユーザに提供される、接続アカウント料金に大きく影響が出ることが懸念されます。地域ISPと大手ISPの価格、格差はすでに行き着くところまで来ていますが、さらに地域ISPが仕入で厳しい状況に追い込まれる事も予測されます。常々、地域ISPは、ISPビジネスの世界で、担う部分(役割)があると考えておりますので、個性的な地域ISPには、残り続けて欲しいと願っています。余談ですが、私も同じく、地域ISPに向けてホールセールを提供しているビジネスを続けていますので、地域ISP支援プログラムを準備し、少しでもお役にたてれば良いと考えています。

  6. シナリオとしては、「今は売られすぎ、買いまくっとけば数ヶ月で大儲け」だと面白いし、期待したいのですが…
    このセグメント情報では、利益のセグメント間の「消去」が素人目に気になります…データセンタ事業は輝いているという外観を作るのに使われている、なんてことがあって嵌められるということにならないか心配です。

  7. さくらインターネット、双日への第三者割り当て増資のニュースのインサイダー?で大きく上げてますね。
    今から見るとやっぱり買いまくりでしたね。2ヶ月で倍になりました…

  8. >>んがさん
    双日の件は12月末に発表してましたよ。
    http://www.sakura.ad.jp/ir/news/archives/20071227-001.news – 12/27
    とりあえず1月末の発表では、10億円調達することができたようなので一安心です。
    あとは、本業の利益を積み上げていくだけですね。
    ちなみに、1月の国内株式値上がり率ランキングで3位だったようです。いくらなんでも、極端に上がりすぎな気もしますが・・。

  9. もう一年も経つのですね。
    累積損失も無くなり、短期借入も完済。黒字化に加えて上方修正も成し遂げ、ドキドキ心配していた株主としてはほっと一安心です。
    やっと膿も出し切り、田中新社長や双日のもとで更なる飛躍を期待しております。
    ただ、騒動で辞めた笹田元社長と奥様がまだ大株主として居座っており、今後おかしな行動をしないことを祈ります。