「法と経済学のお勧めの教科書を紹介していただけないでしょうか」

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先日のエントリ「法と経済学を司法試験科目に」に大賛成!に、「受験生」さんからコメントいただきました。

お手数おかけしますが,法と経済学のお勧めの教科書を紹介していただけないでしょうか。なお,当方はローの学生です。よろしくお願いします。

それ、私もぜひ聞きたい質問であります。
(私はちょっと古い本しか存じないんですが)、みなさん、オススメの本がありましたら、コメント、トラックバック等でぜひ教えていただければ幸いです。
(アメリカではいい本がたくさん出ていると思いますのでそれもご推薦いただきたいのですが、ロースクールの学生さんをはじめとする当ブログの読者さん一般のことを考えると、日本語で読めるいい本をご紹介いただけるとありがたいです。)
「司法試験科目に、に大賛成!」と申し上げたのも、(受験生のみなさんがローエコを学ぶということもさることながら)、ローエコが司法試験科目になることで、日本語で読める良質なローエコの本が増え、学部や大学院での授業のコマ数が増え、ローエコで食っていける「マーケット」が拡大することで、ますます日本語で読める良質なローエコの本も出版されるようになり、立法や行政や司法や実務界など、各方面に非常に大きな波及効果があるのではないかと思ったからです。
「市場メカニズム」を「法化社会」によって実現するためには、法律を作る方も、それを運用する方も、その法律や法解釈が、社会全体に経済的にどのような影響を与えるのかということを考えて行動していただかないとまずいんじゃないかと思っております。
(考えていただけない世界は、想像するに、たぶん市場経済とは名ばかりの、限りなく地獄に近い世界になると思いますです。)
(よろしくお願いいたします。)

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「法と経済学のお勧めの教科書を紹介していただけないでしょうか」” への5件のコメント

  1. 1.ジョセフ・E・スティグリッツ(藪下史郎他 訳)『スティグリッツ教授の経済教室—グローバル経済のトピックスを読み解く』(ダイヤモンド社、2007)
    →実証的根拠を欠いた、いい加減な言説がいかに世の中にはびこっているかを、現代経済学界最高の権威が、非常にわかりやすく解説。経済学の思考法を知りたい人向け。
    2.ポール・クルーグマン、 ロビン・ウェルス(大山道広訳)『クルーグマンミクロ経済学』(東洋経済新報社、2007)
    →「法と経済学」にいきなり入るよりは、その基礎となるミクロ経済学を正確に理解した方が、食い散らかしの我流経済学となる危険が減るのでお薦め。気鋭の若手経済学者による、わかりやすいミクロ経済学の道標。
    【法と経済学】
    3.ロバート・D・クーター、 トーマス・S・ユーレン(太田勝造訳)『法と経済学(新版)』(商事法務研究会、1997年)
    4.Miceli, T.J., The Economic Approach to Law, (Stanford University Press,2004)
    5.Steven Shavell, Foundations of Economic Analysis of Law (Belknap Press, 2004)
    【会社法と経済学】
    6.Frank H. Easterbrook and Daniel R. Fischel, The Economic Structure of Corporate Law(Harvard University Press ,1991)
    7.宍戸善一、常木淳『法と経済学—企業関連法のミクロ経済学的考察(有斐閣、2004)
    なお、日本企業を研究対象に、法学・経済学・経営学の見地から、日本を代表する研究者が執筆した書籍に、伊丹敬之、藤本隆宏、岡崎哲二、伊藤秀史、沼上幹 編
    『リーディングス日本の企業システム第�期』(有斐閣)がある。
    お世辞にも、あまり勉強しているとは言えない日本の実務家の中で、このレベルで物事を議論している人はほとんどいないが、第2巻
    (http://www.yuhikaku.co.jp/bookhtml/012/012646.html)は特にお薦めである。

  2. “Economics of Law”を「法と経済学」と称する時点で、日本における法学者特有の排他性を感じますね。例えば田中成明『法理学講義』に典型的な閉鎖性や昨今の法と経済学会の惨状を見ても、この国でEconomics of Lawが根付くのは当分先でしょう。残念ながら。

  3. アメリカでも、”Law and Economics”と呼ぶのが普通です。これは学派としては30年以上前からあります。その元祖ポズナーの本がなぜか挙がっていないので、補足しておきます:
    Posner, “Economic Analysis of Law”, Aspen, 2007
    これは第7版で、初版は1973年。米国法を網羅しているので大部ですが、やさしく書かれており、これを読まないで「法と経済学」を語るのはもぐりです。他にもポズナーはたくさん本を書いていますが、みんなおすすめです。ついでにブログも:
    http://www.becker-posner-blog.com

  4. 今や伝説となってしまった47thこと中山先生のブログ「ふぉーりん・あとにーの憂鬱」に影響されて、私もローエコ関連の本を買い込みました。最近では以下の本はどうでしょうか。
    『ケースからはじめよう法と経済学—法の隠れた機能を知る』 (福井秀夫)
    『法と経済学—市場の質と日本経済法と経済学—市場の質と日本経済』(矢野 誠)
    『脱格差社会と雇用法制—法と経済学で考える』(福井秀夫 大竹文雄)
    『法と企業行動の経済分析』(柳川 範之)

  5. 森田果准教授が伊藤靖史准教授のブログで、経済学の本を読んだほうが良い旨の指摘をされていた記憶があります。法と経済学も広い意味での応用経済学ですから、納得の指摘です。ミクロ、情報・不確実性、ゲーム、統計、計量経済、必要な数学を勉強して(これらでお勧めは経セミ2004年4月号が参考になると思います。)、興味のある論文を読んでいけばいいのではないでしょうか。
    なお、10年近く前の話で恐縮ですが、良い日本語の法と経済学の教科書は、小林秀之・神田秀樹『「法と経済学」入門』(1986)弘文堂 くらいといわれていました。