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September 11, 2007

商事法務の「ビックリ論文」

ビジネス法務の部屋で、

大杉先生のブログで「9月5日号の旬刊商事法務にビックリ論文がありますよ」といった予告が出ておりましたので、期待しておりましたところ、ホンマ、これは「監査役制度改造論」以来のビックリ論文ですね。

と紹介されておられましたので、遅ればせながら9月5日号の「ブルドックソース事件の法的検討(上)」(田中 亘 成蹊大学准教授)を拝見いたしました。

 
以前出席させていただいた岩倉弁護士によるブルドックソース買収防衛策の解説の会でで田中先生がおっしゃっていたことと同趣旨だと思いますが、東京高裁がスティールを「濫用的買収者」としたのはおかしい、という内容であります。

法律の論文について私が論評するのも分不相応ですが、toshiさんもおっしゃるとおり、「論旨が明解でわかりやすい」ですし、特にファイナンスをやってらっしゃる方などにとっては、頭にスーッと入ってくる内容ではないかと。
逆に言うと、これが「ビックリ論文」になってしまう法律専門家の方々の世界は、大変だなあ、という気がいたしました。

ブログ界隈でも、ちょっと前に「スティールは濫用的買収者とは言えない。」というネタが非常に盛り上がってましたが。(わたしは、「あまりにもあたりまえな議論。」と思ったので、ほとんど参加しなかったんですが。)

先日イタリアに行ってきて、現在頭がメディチ家の時代のファイナンスというか、興味の対象が「経済的行為における”罪”の概念が歴史上どう変化してきたか」になってまして、15世紀あたりの教会法による「金利を取ることは悪であるか。」という議論は、現代の「企業買収は悪であるか。」といった議論の流れと、非常に似ているなあというか。

現代のイスラム金融を見てもわかるとおり、「金利を取ることは問題ない。」という認識は、世界の全員に浸透しているわけではないですが、それでも60億人の半分くらいの人のコンセンサスにはなっているんじゃないでしょうか。
500年をかけて、金利に対する考え方は、「高利貸事業」がノーベル平和賞を取るところまで、変化してきたと言えます。

日本の企業買収に対する考え方は、今後、どのくらいのスピードで、どう変わっていくんでしょうか。興味津々であります。


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(ではまた。)

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コメント

こんにちは。
法曹界でも、元日弁連会長の久保井さんあたりは、ファイナンス理論からというよりも、会社法のオーソドックスな解釈論からしても「最高裁決定の理由はおかしい、ましてや東京高裁決定が『濫用的買収者』と評価するのは行き過ぎである、と主張しておられますので(金融法務事情1813号オピニオン)、「ビックリ」よりも「ナットク」論文と受け止められた方もいらっしゃったかもしれません。

岩倉先生の解説会、私も聞きたかったです。。。

実は、内容を知っていて「ビックリ」といったわけではなくて、業界随一の切れ者が書くというだけできっとビックリ論文になるだろう、と思って書いただけでした。

で、私もドキドキして拝読したのですが、素晴らしい内容でしたね。

他方で、現場の実務家にとっては政策論は無意味で、法的確実性がすべてだといわれてしまうと(商事法務最新号のスクランブル)、学者を辞めたくなります・・

toshi様、おおすぎ様、
コメントありがとうございます。

本日の日経新聞さん主催のセミナーも、なかなかよかったです。

>他方で、現場の実務家にとっては政策論は無意味で、法的確実性がすべてだといわれてしまうと(商事法務最新号のスクランブル)、学者を辞めたくなります・・

(ほんとは本文としてエントリを立てたいテーマなんですが、取り急ぎコメントさせていただきますと)、まじめな話、今こそ学者が必要な時代だと思ってます。

(ではまた。)

個人的には、ちっともびっくりではなく、ごく当たり前のことが書いてあると思いました。最高裁の調査官と同じ発想かなと感じました。

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