ポリバレントな人材

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本日の日経夕刊9面に載っているテルモ経営企画室次長 佐藤 慎次郎氏のコラム「ポリバレントな人材の価値」より。

 最近のサッカー界では、代表選手の選考基準にポリバレントという言葉をよく使う。複数のポジションをこなす能力を指すが、こうした能力をもつ選手の柔軟性と創造性に高い評価がつく。これはサッカーに限らず新しい専門人材のあり方を示唆している。


「ポリバレント」というのは、「polyvalent」という綴りでいいんでしょうか?
化学などで「多価の」「多原子価の」といった意味のようですが、サッカー界でもそんな理系っぽい単語を使うんですね。

 米国にはプロフェッショナルスクールの伝統があって、法律や医学のような領域については大学院で実学的な教育を提供している。このシステムの利点のひとつは、四年制学卒の人材を再教育することで多様性をもった専門人材を供給できる点にある。
 日本でも数年前に米国型のロースクールが導入された。今日の法曹界は専門分化が著しく、法学だけで専門的ニーズをすべて満たすことは不可能に近い。例えば商法や会社法の専門家ならば経済学・経営学の理解が必要になり、特許法の場合には理工系のセンスがものをいう。多様な専門分野の勘所を知る人材が供給される意義は少なくない。(以下略)

最後のパラグラフは、(このブログでも何度も取り上げてますが)、まさにおっしゃるとおりだと思いますし、ぜひ、そういう方向で進んでいただきたいところであります。
ただ、昨日、アカウンティングスクールの講師も務めた会計士の方と話をしていたら、アカウンティングスクールでは、まさに、「一度社会経験を積んだ人が財務や会計の知識を深堀りしようと大学院に入りなおす」というニーズがかなりあるそうなんですが、ロースクールの学生の場合、(私には意外だったんですが)、社会人経験者というのは非常に少数派で、「実学的な教育」というよりも、「司法試験に直結する」勉強を好む人が大半だという気がしてます。
ロースクールのパフォーマンスは、司法試験の合格者数・合格率で冷酷にも計られてしまうので、「実務には非常に役立つが司法試験の合格率は下がる」といった授業を多数盛り込むという選択肢は、学生だけでなくマネジメント側としても事実上取れないんでしょうね。
(ではまた。)

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ポリバレントな人材” への6件のコメント

  1. ポリバレントの綴り、
    polyvalent
    で正しいようです。
    これ、サッカー日本代表監督のオシム氏が使う言葉なのですが、私も最初聞いたとき「何でこんな化学or医学用語を使うんだろう」と思いました。オシム氏自身が理科系の学問を学んでいたようで、その辺から来ているのかもしれません。
    ただ化学でいう「多価」は多様性を意味するものではないので、「多価ワクチン(いろいろな抗原体を複合させたワクチン)」など医学用語の方ががオシム氏のイメージに近いのではないかと思います。

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