あらあら(消費者金融3社、大幅赤字に)

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消費者金融3社、大幅赤字に=中間期予想を下方修正−灰色金利、返還で引当金(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061030-00000096-jij-bus_all

消費者金融大手のアコム、アイフル、プロミスの3社は30日、2006年9月中間期の連結最終損益予想を下方修正し、従来の黒字見通しからそろって大幅な赤字に転落すると発表した。赤字額は、最大のアコムで2821億円。中間期の赤字転落は、3社とも株式上場後初めて。利息制限法の上限(年15〜20%)を超える「灰色金利」の返還に備えて引当金を積み増すため、巨額の特別損失を計上する。

ここしばらく、ノンバンクの経営関係のみなさんと話すと、どなたも「いやーもー、たいへんですわ」的な反応だったので、おぼろげながら予想された事態ではありましたが。
「グレーゾーン(=原則無効)」であっても収益に計上していた部分について、任意弁済の基準が厳しくなったから引当金計上、ということでありましょうが・・・さて、ここで一つ疑問が。
この場合の引当金の計上額算定の方針として正しいものは、次のうちどちらでしょうか。
(1) 法的に返還義務があると認められるグレーゾーン金利の額全額について引当金を計上する。
(2) 法的に返還義務があると認められるグレーゾーン金利の額のうち、実際に返還することになる可能性が高いと合理的に見積もられる金額のみを引当金に計上する。
(1)だと、引当金の計上基準(企業会計原則注解18)からして「過度に保守的(注解4後段)」じゃないか(つまりGAAPに添っていない)という気もしますし、(2)だと、「請求されなきゃ返さない気?この期に及んで、まだ反省が足らん!」と、社会からまたまたバッシングを受けそうであります。
合理的に見積もるといっても、過去に例もないので、どう見積もればいいのか。見積もれないから、結局、法的な返還義務がある部分全額を計上することになるのか?
それとも、過去に任意弁済した人を草の根を分けてでも探し出して、全額返金するんでしょうか?(それも、非現実的。)
各社さん、考え方は同じなのかしらん?日本公認会計士協会等から、何か通達とか出てましたっけ?
(とりあえず、備忘メモまで。)
■追記(31日13:00):
やべっちさんより、コメント欄で、「リサーチ・センター審理情報〔�24〕「「貸金業の規制等に関する法律」のみなし弁済規定の適用に係る最高裁判決を踏まえた消費者金融会社等における監査上の留意事項について」の公表について」に載ってますよ、と教えていただきました。
ありがとうございます。
やっぱ、(2)ということになりますよね。(要するに、法的な観点からは、「グレーな膿」を完全に出し切ったすっきりした状態にはならないが、経済的には「ま、こんなもんかな」ということですね。)
問題の見積もり方法ですが、

過去の返還実績を踏まえ、かつ最近の返還状況を考慮する等により返還額を合理的に見積もり、

とありますが、やっぱり、ここが一番難しいところで、どういうロジックにするかで、各社の対応も分かれているのかも知れません。
(ご参照:http://db.jicpa.or.jp/visitor/search_detail.php?id=514
ただし、「一般の方」という方をクリックしていくと、「このファイルは会員の方のみダウンロードできます」と、ふざけたメッセージが出てきて、会員でない方はご覧になれません。あしからず。
業種別委員会報告第37号
消費者金融会社等の利息返還請求による損失に係る引当金の計上に関する監査上の取扱い
http://db.jicpa.or.jp/member/documents/toshin_dl.php?id=3505

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あらあら(消費者金融3社、大幅赤字に)” への5件のコメント

  1.  2006年3月15日にリサーチ・センター審理情報〔�24〕「「貸金業の規制等に関する法律」のみなし弁済規定の適用に係る最高裁判決を踏まえた消費者金融会社等における監査上の留意事項について」の公表について
     というのが公表されておりまして、そこでは、(2) の方法で計上すべきものとなっています。

  2.  すみません。10月13日に、下記のリリースが出てました。
    業種別委員会報告第37号「消費者金融会社等の利息返還請求による損失に係る引当金の計上に関する監査上の取扱い」
     基本的な考え方は変わっていません。
    http://db.jicpa.or.jp/visitor/search_detail.php?id=758

  3. 業種別委員会報告第37号「消費者金融会社等の利息返還請求による損失に係る引当金の計上に関する監査上の取扱い」に従って引当金を計上したと言うことのみと思います。既に返済を受けている過払い利息の返還の評価で会社により若干の差はあると思いますが。
    私の分析は自分のブログ
    http://urenaiconsul.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_c350.html
    に記載しました。(トラックバックを試みたのですが、成功しませんでした。)

  4. やべっちさん、疑問者さん、どうもありがとうございます。
    トラックバック、うまく動いてないで、すみません。(直そうと思いつつ、バタバタしてまして、早数ヶ月経ってしまってます・・・。申し訳ないです。)
    さて、疑問者さんによると、「業種別委員会報告第37号に従って引当金を計上したということのみ」、とのことですが、最高裁の判決が立て続けに出た結果、請求されれば返還しなければならない額は客観的に確実に高まったわけですから、引当金を積み増さなければならないのは、その委員会報告が出なくても当然のことかと思います。
    報告書の内容は基本的には、疑問者さんも書かれている引当金の計上要件から一歩も出る話ではないですが、本文にも書きましたとおり、本件については、「会計上の理論だけでない力」が働いているので、改めて「公式見解」を出すのは意味があることだったんじゃないかと思います。
    各社の数値分析をしてらっしゃいますが、返還しなければならない額は、過去に「収益」に計上されてしまった過払い金の額(のうち時効になっていないもの)を含んでおり、基本的に期末の貸付金の額に比例するものではないと思います。
    (ではまた。)