祝、島耕作氏ご昇進

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週刊モーニング連載中の「常務 島耕作」も、本日発売号が(4度目の)最終回。
万亀会長から、(社長を)「引き受けてくれるか?」と言われた某氏、

某氏 私が・・・ですか?
しかし新社長の選任は
取締役会の過半数の賛成がないと・・・

万亀 そうだ 法的にはそういう手段をとるが
今の初芝で 私と勝木(社長)の推薦に異を唱える人間はいない
勝木とも話したんだが
赤松でも楠本でもなく キミだ
キミしか適任はいない

私はこれからキミを推薦する旨を
役員達一人一人伝えて説得する

先日、学習院でのセミナーでご一緒させていただいた、りそなホールディングスの社外取締役の渡邊正太郎氏がおっしゃっていた言葉が非常に印象的だったんですが、

(コンプライアンスも重要だが)、コーポレートガバナンスで最も重要なのは、「社長をいかに変えるか」だ。
社長がしかるべき業績をあげられない人間だったら、代わりの人間を見つけてくる。
また、(当然、急に見つかるわけもないので)、会社の人が推薦する人物が本当に次期社長たりうるか、いかに社長になるための教育をしていくか、社外取締役が時間をかけてじっくり見ていくことが必要だろう。

とのこと。
就任される前に、竹中大臣のところに行って、「りそな は、委員会等設置会社にしなければ、取締役は引き受けられない。」とおっしゃったそうです。
(そういえば、道路公団は、委員会設置会社にならなかったようですが・・・。)
そういう観点からすると、万亀会長、というか、初芝電産、日本有数の大企業のコーポレートガバナンスとしては、「ビミョー」。
しかし、社外の人間が、会社側から出てきた人事案を追認的に承認するだけでなく、能動的に人事にかかわるというのは、実際には大変でしょうね。
特に、初芝電産のように大所帯の家電メーカーなどだと、事業構造も複雑で、なかなか社外の人間が(積極的に関与して)決めた人事に納得性があるかというと・・・・まだ、日本だと厳しいのかも知れません。
「役員人事や取締役の報酬を身内だけで決められるかどうか」というのが、委員会設置会社と監査役設置会社の最大の違いですし、委員会設置会社が、ここまで不人気(たぶん、まだ100社ちょっと)な原因でしょう。
−−−
さて、マンガの後に「常務島耕作 最終回記念対談」として、作者の弘兼憲史氏と、「取締役島耕作、常務島耕作のNo1ブレーンだった」という弁護士法人キャスト糸賀の村尾龍雄 代表弁護士の対談も、なかなか興味深かったです。

村尾「取締役 島耕作」の連載がスタートした2002年頃は、現地法人に総経理として赴任するのは、せいぜい本社の課長や部長クラスというのが普通でした。ところが、最近は、どの企業も当たり前のように取締役を送り込んでくるようになりました。これって、「島耕作」の影響じゃないかと思います。

弘兼 そんなに増えたんですか?

村尾 爆発的ですね。たとえばソニーはウォークマンの開発者でもある副社長が中国常勤なんですよ。資生堂も専務が直接指揮を執っておられます。大手家電メーカー、大手商社は役員が代表として常勤されているところが大半ではないでしょうか。本当に大企業の中国担当者は役職がレベルアップしました。実際にそのうちの相当数が「島耕作」の愛読者なんです。

・・・だそうです。
(ではまた。)

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祝、島耕作氏ご昇進” への2件のコメント

  1. 既報の通り、来週うかがいます(私信)。
    むかし「サルまん」で高齢者向けマンガ雑誌を創刊するの回で、「ビッグ・コミック・ゴールド」という架空の雑誌の表紙が載せてあって、掲載マンガ名として「相談役 島○○」とか笑わせるタイトルに混じって、「ゴルゴ13」だけ捻らずにタイトルが挙がっていたことを、思い出しました。
    某氏の発言は、「サラリーマン 会社法教室」なんでしょうね、きっと。で、マンガそのものは、わりとリアルに。
    ジャック・ウェルチさんの自叙伝で、自分がCEOに選ばれるところや、自分が後継CEOを選ぶときのエピソードが出ていて、少なくとも後者の局面では指名委員会はそこそこに機能していたようです。私は、こういうので選ばれるほうが「カッコイイ」と思うのですが、少数派なんでしょうね。

  2. お待ちしております(私信)。
    今まで指名委員会の実務についてあまり深く考えたことが無かったんですが、改めて読み直してみると、会社法としては、指名委員会がCEOを選ぶ権限や義務に関しては、直接には何も定めてないですね。
    ただ、「コーポレートガバナンス上最も重要」な「CEOを誰にするか」というイメージ抜きで、取締役を選任する議案を作れるはずもないですし、そこで選ばれた取締役(会)が代表執行役を決めることになるので、実質的には指名委員会が社長を選んでいる・・・ということになるんでしょうか。
    弘兼氏の漫画には最近よく法律関係の記述が出てきて、(忙しい入稿スケジュールで、最終的に弁護士の方とかにチェックしてもらうヒマがないのか)、やや「ん?」という表現が散見されるような気がしてたんですが、
    本日発売のビッグコミックオリジナルの「黄昏流星群」も、M&Aで会社を乗っ取られる社長のお話の最終回。
    「商法の規定では・・・」というようなセリフが出てきたので、「ん?商法」と思ったのですが、今回のシリーズのラストシーンで、「3年後・・・」というエピローグがあったので、「ああ、会社法施行前の話だったんだな」、と納得いたしました。(笑)
    ではまた。