Death Note完結&証券犯罪の厳罰化

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Death Note最終12巻を買って即日読了。
−−−
さて、みなさんは、証券市場にも「キラ」がいて、極悪人はすべて(社会的に)抹殺されるような世界と、そうでない世界のどちらをお望みでしょうか?
私は、厳罰化はいいと思うんですが、「いいか悪いか明確じゃなかった領域」に厳罰が下ると、過度に証券市場が萎縮しちゃうんじゃないかと心配しております、というのは、これまでのエントリで述べさせていただいたとおり。
ただ、本日、某米国在住の方とランチをしてたときに伺ったところによると、ワールドコムのケースでも昨日突然死したエンロンのケネス・レイ元会長のケースでも、一生ムショから出てこられないような判決を受け、被告は奥さんといっしょに泣き崩れていたとのこと。
執行猶予が付く可能性もある日本のライブドア事件や村上ファンド事件を考えると、日本のおしおき度も、まだまだ軽いスねー、という気もいたします。
日本の識者の方々でも、「暴力団とのつながりでも出てくるのかと思ったら、東京地検ともあろうものが、捜査して粉飾程度の罪しか発見できなかった。大山鳴動してネズミ一匹。」的認識の方も多いようなんですが。
あのー、えーと、粉飾って「極悪」なことなんじゃないですかね?
「迷惑度」で量刑が決まるわけじゃ無いでしょうけど、報道によると村上ファンドの「インサイダー取引」による利益は30億円程度で、しかも一般投資家に与えた影響は、「もし知ってたらもっと儲かったのにー」という「機会損失」のお話。まだ大量買付けをやるという蓋然性があったとはとても言えない状況だったということを考えれば、そんな情報知ってて売らなかった人がどれほどいたかもようわかりまへん。
これに対して、ライブドア事件の場合には、粉飾を信じて株式を購入した人の資産が結果として7000億円(ホリエモン分も含みます)も失われたわけです。「ライブドア・ショック」によって失われた他の株式の価値減少も組み合わせれば、10兆円単位の「迷惑」を社会に対してかけたことになるのではないかと思います。
私、個人的には、堀江氏が「投資組合を通じて自己株を売却した場合に会計基準上、売上に計上していいのかどうか?」、というような認識があったかというと、ほとんど無かったのが実際だったんじゃないかと想像してます。(・・・というか、理解してたらすごい。)
しかし、「わからなかったんですー」というエンロン会長の「idiot defense」は打破され、一生ムショ暮らしの罪が言い渡されました。
ライブドアにおいても、ネットではさほど売上が立っていないにも関わらず、投資家に「IT企業としてガンガン儲かっている」というような誤った認識を与えないような開示をするため、取締役として内部統制やコーポレートガバナンスの構築義務があったのは間違いないところでしょう。
一方で、アメリカのこうした「ホワイトカラー的犯罪」のムショ暮らしというのは、非常に待遇がいいようですね。
以前、テレビの特集で、大和銀行事件の井口氏が刑務所で暮らしているところのを見たのですが、刑務所には塀すらなく、庭には芝生が広がり、(確か)部屋のドアには鍵もかかっておらず、本棚まであって回顧録も執筆できる、というような、かなり「いい生活」だったご様子。
ちなみに、みなさんは、そういう「いい環境」の米国の刑務所に一生いるのと、数年間だけ、鉄格子の中で自分の意思で数十センチ動くことも許されないような日本の刑務所で生活するのと、選ばなきゃいけないとしたら、どっちを選びます?
(ではまた。)

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Death Note完結&証券犯罪の厳罰化” への8件のコメント

  1. アメリカの刑務所を選びますね…
    ってマトモな回答をしてしまった…(汗)
    私も粉飾に対する日本の捉え方って甘いと思います。
    アメリカだと粉飾はそれこそ一般家庭を直撃する悪質な経済犯罪という認識が強くあるでしょう。
    日本だと投資信託買ってる人から見ても
    「livedoorは関係ない」
    というスタンスが多い気がします。
    もちろん影響の爆風ぐらいは食らっちゃってるはずなのですが、
    「風が吹けば桶屋が儲かる」
    的な影響は自分には関係ないという人が多いかと。
    関係あるのは
    「風が吹いて目を痛める人(マスコミで報道されるようなデイトレーダーや富裕層の方々)」
    で、密接に自分と関係のある犯罪という認識は薄いのでしょうね。
    正直、厳罰化されて良い事ない自分の職種ですが、
    一投資家としては厳罰化して欲しいと黒いノートに毎日書き留めております(違)

  2. こんばんは。
    最後の問いが意味するところがよく分かりません。アメリカの事例は「絶対」ではないので、そんなものを参考にする必要はまったくないと思います。私は、罪人(その人は一定の手続きを経て罪人と判断された人でしょうから)が税金でよい境遇にあるのは単純に間違っていて、改善すべきだと思います。罪を犯したなら、それはどんな形であれ法が定めるところにしたがい償わなければなりません。税金で救済すべき人はほかにたくさんいます。

  3. 私は日本ですね…。
    どれほど待遇がよかろうが、「自由がない状態」には耐えられません。
    数年我慢するだけでよいならそちらを選びます。
    まあ、与太話ってことで。

  4. 推測ですがこういった例の受刑者は「差額ベッド料金」を取られているんじゃないでしょうか。一般受刑者の待遇はかなり悪いようですし、そっちを放置して特別待遇者に税金投入、ってのはちょっと考えられないと思います。
    日本でも、現代法学のタテマエからすると刑罰とは教育なんだそうで、苦痛を味あわせるのは趣旨に反するんだそうです。まさに空理空論ですが、VIP刑務所はこの法理からは認められるものでありましょう。
    本題ですが、私は数倍刑期が長い程度でしたらアメリカを選びますが、一生っていうのはさすがにちょっと遠慮しておきます。

  5. 連投すみません。
    日本で粉飾に対する考えが甘いのは、粉飾決算というものが、ニッチもサッチも行かなくなってやむにやまれず行われるケースが多数を占めていたからでしょう。それも多くの場合はサラリーマン経営者が経営を引き継いだ時には既にどうしょうもなくなっていたりすることが多いですし。はたから見ていると厳罰に処すべしとは思えないケースがほとんどです。
    一方で欧米の経営者は従業員とは帰属組織も報酬も違うわけですので、粉飾に対しては厳罰も順当と思えます。
    堀江氏の例は前者のような日本の伝統的粉飾とはかけ離れているというのも事実でしょう。ただ、粉飾などに関する経営者への罰を堀江氏のケースを基準に設定するのであれば、今の待遇では日本の経営者へのマトモななり手がいなくなるんじゃないかと思います。

  6. みなさん、コメントありがとうございます。
    shitaiさん、
    >最後の問いが意味するところがよく分かりません。
    「日本と米国と、どっちが『厳罰』だとみなさんがお考えですか?」という問いです。
    よろしくお願いいたします。

  7. 資財を吐き出す必要がないのであればセキュリティー万全の快適なシェルターで「外に出れない」制約に服する方のが厳罰だと思いますけど、あえてこちらを選ぶ方もおられるのではなかろうかと。
    ほとんどお金に不自由しないレクター博士(『羊達の沈黙』参照)でしょうが。
    ろじゃあは・・・どちらも嫌ですけど、どちらも可能性すらございません・・・というのが悲しい(TT)。
    ココログの48時間耐久メンテナンスが解除されたら書くつもりですが、「DEATH NOTE」第12巻は色々な意味で面白かったっす。
    最後の長い長いモノローグ(というか演説)は、ろじゃあに三原順さまの「はみ出しっ子」最終巻におけるグレアムの長い長いモノローグを想起させたのでございました。
    方向性は全然別なんですけどね。
    法律を勉強する人間には、この二人の「正義」と「法」についての考えにどういう立場をとるのかという問いを投げかけてみたい気がします。
    「正義」というのはわかりやすすぎてもやはり問題なのですよねえ。
    愚かな民主制と有能な指導者による帝政のどちらが実質的に望ましいのか・・・正義というのはつくづく難しいと思います。

  8. お答えいただきありがとうございます。
    > 「日本と米国と、どっちが『厳罰』だとみなさんがお考えですか?」という問いです。
    もちろん、上記のことは私なりに理解しておりましたが、私にはその問いが底が抜けているように思えただけです。また、あなた様はあなた様なりの答えをあらかじめ用意されているようにお見受けいたします。
    再確認になりますが、私なりの感想は、どちらが厳罰かは分からないが米国の事例は何かが間違っているように思えるし、そういうものと日本の事例を比較する意味がよく分からない、というものです。
    たび重なる非礼を深くお詫び申し上げます。