社内ベンチャー(三菱商事さん新社屋完成記念)

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弊事務所のある郵船ビルのお隣に、三菱商事さんの新社屋が完成(まだ業務は開始してない?)したので、完成を祝して。
−−−
過去、「社内ベンチャー」の相談を何度か受けたことがありますが、日本の大企業がやる社内ベンチャーで成功した例って、ほとんど聞いたことがないですよね。
なぜか?というのを前から常々考えているのですが、

  • その企業の社内資源を使って確実に儲かりそうなら、その会社自身でやればいい話だし、
  • 確実かどうかがよくわからなければ、「何でそんなことやるんだ」という話になりがち
  • ベンチャーというのは、ある意味、今までと違った発想が必要なので、「サラリーマン的でない」「(いい意味で)変わった」人がやる必要があるわけですが、大組織の中で「変わった人」が何かやろうとすると、「なんであいつが」ということになりがち。
  • ずっと会社にいると、「あいつ、新人の時、部長に叱られてトイレで泣いてたぜ」みたいな、よけいな情報付きでしか、発案者のことを見られないんでしょうね。キリストですら、故郷ではウケがイマイチだったくらいで、
  • この人は、大工ではないか。マリアの息子で、ヤコブ、ヨセ、ユダ、シモンの兄弟ではないか。姉妹たちは、ここで我々と一緒に住んでいるではないか。(新共同訳マルコ6)

    いわんや、常人が昔からいる組織の中で全く新しいことをはじめようというのは至難の業だと思うわけです。

  • 発案者と会社でvaluationに大きく差を付けようなんてことを稟議で通すのは、「会社の資源使って仕事するのに、なんであいつだけ?」というケチくさいことになりがち。(発案者にとって十分なインセンティブを持たせられるか?)
  • 結局、ホントにその発案者が「こりゃいける」と思えば、自分で出資者を捜して、会社を作っちゃった方が早いことも多いはず。(わざわざ、会社に儲けさせてやる必要なし。)
  • ということで、「三菱商事初の社内ベンチャー」で、日本の社内ベンチャーでも希有な成功例が、Soup Stock Tokyoではないかと思います。
    そのfounderで会長の遠山正道氏の著書
    Soup_de_ikimasu.jpg
    スープで、いきます
    商社マンがSoup Stock Tokyoを作る

    が、隣の丸ビル地下のSoup Stock Tokyoの店頭にかざってあったので、スープを注文する時に「この本もください」と言ったら、「あ、それはここでは売ってないんです」ですと。テナント契約で本は売っちゃいけないことになってるんでしょうか。(売ればいいのにね。)
    本書のプロフィールを読むと、遠山氏は「コンランショップのパッケージデザインやイデーの家具デザインなどを手がけ、ニューヨークや青山などで個展を開いている」とのことで、「サラリーマン的でない」度は十分のようですし、
    ネット系ベンチャーなどと違って、外食はそこそこ最初から設備投資もかかるし、いい立地でテナント契約する際に信用も必要でしょうから、三菱商事さんの出資でやるメリットも大きかったのかもしれません。
    とにかく、Soup Stock Tokyoは、私が好きな外食の一つで、よく利用させていただいておりまして・・・、成功してよかったです。
    (ではまた。)

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    社内ベンチャー(三菱商事さん新社屋完成記念)” への5件のコメント

    1. いつも、楽しみにしています。
      「社内ベンチャー」ってどういう定義ですかね。
       ソニーコンピュータエンターテイメント(SCE)とか、NTTドコモは、「社内ベンチャー」とは言わないんでしょうか。
      では。

    2. >「社内ベンチャー」ってどういう定義ですかね。
      少なくとも、
      (1) 会社の社員が、
      (2) 自らの発案で事業を立ち上げて、
      (3) その発案者が(多少なりとも)同事業の株式を保有していること、
      が要件じゃないでしょうか。
      SCEは上からの命令で始めたかどうか経緯はよく存じませんが、久夛良木さんが確か数%株を持っていたと思いますから、もしかしたら該当するのかも知れませんけど、少なくともドコモさんは、自動車電話やポケベルからの流れでNTTグループの事業として当然やるべきだった話なので、(これも経緯はよく存じませんが)、たとえ、初期に経営陣が株を持っていたとしても、「ベンチャー」ではない気がします。
      (ではまた。)

    3. レスありがとうございました。
      なるほど、定義はクリアになりました。SCEは、大賀さん以外は、全員反対だったので、「上から」の命令だったかは微妙なところですね。
       ただ、(3)を除けば、成功例は、結構あるんじゃないですかね。よく日本は、ベンチャー不毛の地とか言われますが「社内ベンチャー」の定義を広めにとれば、様々な事業が出てきているように思います。
       むしろ、出てきすぎですかね。先日、中小企業の社長さんに話を聞きました。アメリカの大企業は、小さな事業まで手を出さないのだが、日本の大企業は、どんな小さなことまでもやってくるんだそうです(笑)。大企業が、「社内ベンチャー」をたくさんやりすぎて、ベンチャー企業と競合しているのであれば、日本の企業社会を見る眼も変わってくるのではないでしょうか。
      では。
       

    4. >(3)を除けば、成功例は、結構あるんじゃないですかね。
      (3)を除いちゃうと、単なる「企業の新規事業」じゃないかと思います。それは成功例がたくさんあってあたりまえ、ですよね?(新規事業しなけりゃ、会社全体が衰退していっちゃいます。)