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January 18, 2006

ライブドアの財務分析(第9期)

これも、昨日のエントリと同じく、昨年の3月末ごろに(仕事で)行ったライブドアの財務分析から一部抜粋、加筆修正したもの、です。
それ以降の期の開示資料等を見ていないので、その点はご容赦いただければ幸いです。

なお、いつものことですが、本記事もライブドアさんや関係する企業・個人等のバッシングを目的にするものでも擁護を目的にするものでもありません。また、第9期(平成16年9月期)の有価証券報告書やプレスリリースをベースに昨年3月に行った分析であり、第10期の有価証券報告書の内容は反映させておりませんし、ざっくりした分析であって、完全性や正確性を保証するものでもございません。(念のため。)


金融関連事業が売上や利益の大半
第9期有価証券報告書(平成15年10月1日〜平成16年9月30日)の「事業の種類別セグメント情報」を見ると、下図のとおり、売上の53.4%、営業利益の62.7%がファイナンス関連の売上となってます。(青色部分に注目。)

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ライブドアさんというと「ネット」「IT」が本業と理解されがちですが、少なくともこの時点では、例えば、コマースの売上は10億円未満であり、営業利益段階で赤字(-58,871千円)であって、いわゆる「IT」の寄与度は非常に小さかったことがわかります。

第8期から第9期で見ても、ファイナンスの伸びが著しくなってます。

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「ファイナンス」の中身は何か
要するに、買収した日本グローバル証券(現ライブドア証券)と、株の売買事業が、第9期の現状かと思われます。
ネット企業が金融もやっている、というよりは、証券会社がネット「も」やっているという方が実態に近いかも知れません。

一般に開示されているのは、ライブドア単体の他は、ライブドア証券、バリュークリックジャパンの2社。

バリュークリックジャパン、大量分割で、一時期時価総額3000億円?くらい(当時の10倍以上)までいったが、(当時の)実態は、売上たった10億円未満の赤字の会社にすぎませんでした。


売上の内訳

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上述の通り、ライブドアは売上も利益も「イーファイナンス事業」が中心。
ただし、上記のように、ライブドア本体では「イーファイナンス事業」は全く営まれていません。

平成16年3月に日本グローバル証券をTOBしましたので、この売上が大きいはずですが、同社の有価証券報告書の売上を足しても、イーファイナンス事業の売上には大きく足りません。
残りは何なんでしょうか?

同じくイーファイナンス事業に計上されていると考えられるビットキャッシュ株式会社の当時の規模は、

(1)売上高 4,093百万円
(2)経常利益48
(3)当期純利益 46
(4)純資産額 △85
(5)総資産額1,921

となっており、売上は約41億円とデカいが利益は4千万円程度しかない。しかも純資産額はマイナス(債務超過)。
「イーファイナンス事業」には5.5億円も「セグメント間の内部売上高又は振替」が計上されているので、ビットキャッシュにも「利益補填」が行われて、決算上の数値を良く見せている可能性もあるかと。

ウエッブキャッシング・ドットコム株式会社、ライブドアファクタリング、ライブドアクレジット等については、信用情報にも開示されてない模様。

この、最大の売上・利益を上げているファイナンス事業の中身が、まったくよくわからないようになっている(または、意図的にそうしている)、とも考えられます。


「IT系企業はみな同じようなことをやっている」か?
「ライブドア・ショック」で、当面、株式市場には混乱が続く可能性がありますし、特に「IT関連企業」は連想から下げが続くかも知れません。

しかーし。他の企業も全部ライブドアさん並の「不自然な」取引をしているのかというと、そうではないですし、前述の通り、ライブドアさんというのは、「IT系」でもないし、ITの事業で成功しているとも(少なくとも第9期までは)言えないと思います。

ちなみに、(おだてるわけじゃありませんが)、楽天さんの同時期、第7期・第8期の売上と、その構成比は以下の通り。


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確かに金融も延びていますが、「本業」のECが売上に貢献してますし(省略してますが利益の寄与度も高い)、全体がバランスよく成長してるんじゃないかと思います。

某新聞社さんに、「ライブドアショックでIT系企業は今後どうなるか?」というコメントを求められたんですが、「他も全部同じということはないし、実力をつけてきているしキャッシュフローなど実態がしっかりしてきている企業も多い。少なくとも2000年のITバブル崩壊より格段には早い回復をするんじゃないか。(することを願います。)」という感じです。

(以上)

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