戸田奈津子、独占の構造
前から疑問に思ってるのですが、戸田奈津子さんって、なぜ字幕業界で独占的地位を築けてらっしゃるんでしょうか。どうも、経済学的な説明がうまく思い浮かびません。映画や英語が好きで あの仕事をやりたい人は星の数ほどいるわけで、潜在的にはすごい競争市場なはずです。
字幕の限られたスペースに適切な日本語を割り当てるという作業は、単に英語ができればいいというもんでないことはわかります。しかし、そうした技術が独占や寡占を形成できるほどの参入障壁になっているとも思えないんですけどねえ。
ハリウッドみたいに組合があるというわけでも、大資本が必要なわけでも、「戸田奈津子の字幕だと観客動員数が違う」という業績リンクでもなさそうですし、「お色気」とかを使ってるという感じもしない(失礼)んですが。
結局、マーケットが非常に小さいので、ギョーカイの人間関係が固定化しちゃってるからなんですかね?
銀河皇帝より絶対的地位におられるような。:-)
(ではまた)
コメント
単純に、完璧にこなせる人材が居ないだけではないでしょうか?
感情をうまく汲み取るのが上手いとか?人脈もかなりのものなので、
そこら辺で逆指名なのかもしれませんが。
Posted by: 匿名R : June 28, 2005 | 7:58 PM
以前、何かで戸田さん批判の記事を読みました。
格調高い文学作品はともかく、スラング連発映画の誤訳が酷すぎる。との内容。
戸田さんを敬遠し、他の訳者に依頼したある配給元には彼女から猛クレームが付き、
結局、戸田さんを使った…との内容もありました。
どうやら、古くからの徒弟制度みたいな部分が業界慣習としてあり、
戸田さんのクレジットになっていても実は本人はほとんどやっていないという記述もありました。実際2時間半の訳を、2日ぐらいで粗訳して、社内試写に間に合わせてくるそうです。
とても、一人では無理だとある配給の方は匿名条件で暴露していました。
Posted by: itaro : June 28, 2005 | 10:38 PM
「戸田奈津子」というのは、個人名じゃなくてプロダクション名または翻訳家集団のブランド名みたいなもんてことなんでしょうかね。
先日、ホイチョイのマンガでも、ネットで流れている海賊版の方が翻訳がうまい、というネタがありましたが。
Posted by: Tetsuya Isozaki : June 28, 2005 | 11:23 PM
こんなサイトもありますね。
http://goddesses.info/jimaku/
Posted by: durian : June 29, 2005 | 12:04 AM
なっちゃんはダンピングして安く取った仕事を下請けに回すブローカーで、
あまりに安いので、他の人は生活が成り立たず、諦めるか弟子という名の下請けになるしかなく
そして本人も、安いのでたくさん受注しないと生活が成り立たない、
といったことを知り合いから聞いたことがありますです。
Posted by: 7743 : June 29, 2005 | 1:20 AM
たまたま、今日「HITCH」(邦題:最後の恋のはじめ方)を見てきたのですが、(字幕は当然戸田さん)、CPAは「経理屋」、 accountantは「計理士」と訳しておられました。
「経理屋」は文脈的にありだったのですが、「計理士」ってどうよ・・・と思った次第。
Posted by: KOH : June 29, 2005 | 2:06 AM
そういえば、何作目かのバットマンでバットマンの敵役が「こうもりを倒せ」と部下に命じるのは言いとして、ヒロインがバットマンのことを
「ねぇ、あなたのこと、『こうもり』と呼んでいい?」とか、
敵にさらわれるヒロインが、
「助けて〜。『こうもり〜』」
って叫ぶシーンって???
そんな呼ばれ方したら助ける気がなくなるような・・・。
Posted by: TaO-LoG : June 29, 2005 | 5:47 AM
指輪物語(あえてそう呼びたい)の翻訳でも一騒動も二騒動もありましたね。
あまりに問題が多かったので、さすがに途中から批判を受け入れざる
をえなくなったわけですが、やっぱり手分けしてやっつけでやっているという
ことだったんですかね・・・。
Posted by: ぬえ : June 29, 2005 | 7:26 AM
多分ハリウッドの配給会社や俳優にとって、訳者が誰であろうが、どんな翻訳であろうが、映画興行には関係ないとおもっており、訳者の間違いに気付いていない、あるいは気付いていても具体的なマイナスが働いていない、マイナスが働いていたとしても訳を変えるリスクほど大きくないからではないでしょうか?
僕はあんまり映画見ないのですが、見たところで「訳がちがうからこの映画見ない!」ということにはならないと思うんですよね。また、戸田さんよりも英語ができる方がわざわざ「彼女の訳は誤訳よ」なんて映画会社や俳優に指摘するインセンティブがないとおもうのです。なぜなら「訳が間違っているから、もうこの訳者の映画は見ない!」とか配給会社に映画ファンが言いだす状況を私は寡聞にして知らないからです。。そうなると「訳」の「質」で訳者を決めるのではなく、「価格」で決まるのではないでしょうか?(しかしそこであえて価格破壊を起こして、ブローカー業に徹しているとしたら、戸田さんはかなりのやり手)
ただ興味があるのは、戸田さんにも、「ビギナー」の時期はあったとおもいます。そのころ他の訳者のひとたちはどうしたのでしょうか?また初期のころには、圧倒的に戸田さんの訳の「質」が高かったのでしょうか?疑問です。
Posted by: godfather2005 : June 29, 2005 | 8:21 AM
昔、バベル翻訳出版(?)というところから「翻訳の世界」という雑誌が出ていて翻訳家の清水俊二さんが字幕の件についてはいろいろ書いておられた記憶があります。清水さんはチャンドラーを訳していたり、非常に作品も多い翻訳家だったわけですが、外国映画の字幕のお仕事もやっていたらしく、それでよく書いておられたのではないかと思います。
記憶によれば、やっぱり、一行の字数が決まっていてその中に観客がすんなりと頭の中に入っていく日本語を考えていくと翻訳ものがあるときのその訳語とは違った言葉を入れざるを得ないときがあり、普通の文章の「意訳」とはまた違った「意訳」の作業が必要である・・・旨を書いておられたと思います。その意味では相当「職人芸」を必要とする世界で、「翻訳」の仕事ともまた別の世界なのではないかと思います。100パーセントの「正しい逐語訳」ではなく、そういう「きちっとした世界の方々」からすると60点ぐらいの文章かもしれないけど映画を見ながらだと意味がすんなり入ってくるという文章を作るのがお仕事と考えておられるのではないですかね。いきおい、人材は限られてくると思います。いい意味で「抜き」ができる人でないとこれ無理だと思いますもの。
Posted by: ろじゃあ : June 30, 2005 | 2:41 AM
>godfather2005さん
スタンリー・キューブリックは「フルメタル・ジャケット」の時
日本語の字幕を英語に再翻訳させてチェックして、
翻訳が甘いということで、担当を変えてやり直させたそうですよ。
このとき降ろされたのがやっぱりなっちゃんでした。
Posted by: 7743 : June 30, 2005 | 12:42 PM
>7743さん
コメントありがとうございます。先に書きましたように、私ほっとんど映画みないので、フルメタルジャケットって本当に知らないのですけど、やっぱりそういうチェックする人がいるんですね。いま封切りされる映画のどれぐらいが、そのような再翻訳チェックがかかっているのでしょうかねぇ。もし高い確率(翻訳チェックあり)でも、「なっちゃん」が続いているとしたら、私が書いた事以外になにか「なっちゃん」の魅力があるのでしょう。・・・お色気?めがねの奥に潜む知性?良好な人間関係でしょうか?
Posted by: godfather2005 : June 30, 2005 | 7:15 PM
『フルメタルジャケット』は軍隊のブートキャンプで新兵たちが教官にありとあらゆる罵倒をされるシーンが一部に有名な映画で、2chでもAAが作られ色々な場面で応用(?)されてたりします。
極論すると戸田さん(プロダクション?)の苦手なスラングの塊のような映画です。
ちなみに、この映画の字幕が発祥の台詞「アカの手先のおフェラ豚」でぐぐると2,670件ヒットしました。
Posted by: homer : July 1, 2005 | 4:07 PM
恐らくエンドロールで誰よりも大きく、しかも最後に堂々と名前を書いているのは”戸田”さんのはず
。そこにしても自己啓示がみられますよね。
Posted by: しげっつ : July 3, 2005 | 10:28 AM
私は現代アートでベンチャーやってますが、こういった業界はネームバリューと人脈が全てです。
戸田さんも彼女の訳にバリューがあるのではなくて、彼女のもつ人脈、ネットワークでしょうね。
Posted by: 専務 : July 4, 2005 | 8:46 AM
>専務さん
なるほどー、アートの世界ではそうですか。私も知り合いに、キュレーター?のかたがいらっしゃいましたが、やたらとその世界の人たち(画廊とか、雑誌編集者とか)と仲が良かった割には、それ以外の人とは?な感じでした。
ただ、やはり気になるのは、どうやってそれらの「つながり」を構築したかという点です。いきなりネットワークなんて出来ないと思うのです。ネットワークを作り始めたきっかけが、翻訳の質であるのか、人間的な魅力であったのか、ハリウッドとのつながりであったのか・・・だれか「なっちゃん」の初期の動きしりませんかねー。
Posted by: godfather2005 : July 4, 2005 | 5:04 PM