不動産バブルと情報通信と所得税

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東京の都心の商業地の地価がバブってますね。
バブルの頃は、午前中100億円で買ったビルが、午後には120億円で売れていたりしましたが、最近でも、先週100億円で仕入れたビルを今週120億円で売ってくれ、みたいな話はポツポツ聞くようになりました。
なぜ、土地がバブっているかの分析はまた別の機会にさせていただくとして、本日は、もうちょっとモーソー&クーソー系の話をさせていただきたいと思います。
遠未来の仕事のやり方
我々今こうやってインターネットを当たり前のように使ってますが、先日ふと、インターネットが商用化されて、まだほんの10年しか経ってないことに気づいて、改めてびっくり。ドッグイヤーとはよく言ったもんで、この10年の間にホント70年分くらいのいろんなことが起こった気がします。
この調子で、あと40年も50年も経つと、必ずや、不動産と情報通信も、経済的な代替関係に入ってくるはず。
レンタルビデオ屋にビデオを返しに行くなんてことを誰もしなくなるのはあたりまえとして、企業における会議にしても、実際に集まって開催するなんて(不合理な)ことはほとんど無くなるんじゃないでしょうか。
エヴァンゲリオンの「ゼーレ」みたいにホログラムによる会議が普及する、とは思いませんが、ネット内でバーチャルに「集まる」もっと安価な方法はいくらでもあります。
そうしたことは技術的には今すぐにでもできるわけですが、みんなでやる仕事となると「ネットワーク外部性」が働きますので、機器の普及や、制度・慣習・常識(「実際に会いに行かないと失礼にあたる」とか「議事録に(朱肉で)印鑑を押す」という)が変化する時間が必要。しかしそれらを含めても30年くらい後には、「仕事をする場所としての土地」の価値は、ほんの一部の交通の便のいい場所等を除いて、かなり下がっている気もします。
反対に、「住むのにいい場所」の土地の価格はもうちょっと上がってもいいような気もします。ロンドンでもアメリカでも住宅バブルが発生してますが、オフィスビルと違って良質な住宅地というのは一朝一夕には供給されないので、投資資金がそこに流れ込むと、住宅地の方がバブりやすい気がするんですが。日本では(マンションの開発ラッシュのせいか)、住宅の値段が上がらないですねえ。
特に、知識集約型で高所得な仕事ほど、ネットで片づくようになるはず。とすると、行き着くのは、「最も暮らしやすくて税金の安い場所で仕事をする」というワークスタイルではないでしょうか。もし可能なら、みなさん、ジメジメした梅雨の日本じゃなくて、ハワイとかで仕事したいですよね?
住所と租税
先日、某所で「租税法における居住者住所の意義」という判例研究会に参加してきて、これがなかなかおもしろかったです。
F1の片山右京選手は、モナコ(所得税率が異常に低い)のマンションに住んで、そこを拠点にF1を転戦していたそうですが、F1はヨーロッパが中心なので、飛行機で2〜3時間飛べばそれぞれの国に行けるとか。
ウォーキングエクササイズのデューク更家さんもお家がモナコだそうですが、どこの「居住者」になってらっしゃる(/またはどこの国の居住者にもなってらっしゃらない)んでしょうか。(日本まで3時間というわけにはいかないので。)
他に、同研究会では、武富士前会長の長男が、香港に「居住」して、武富士株を(オランダ法人の持分で包装して)贈与するスキーム(今年3月4日日経新聞朝刊参照)や、昭和63年7月15日の最高裁判例(源泉所得税納税告知処分等取消請求上告事件)、昭和29年の水戸地裁等の判例(基本選挙人名簿異議決定取消請求事件)等も取り上げられました。
その他、「非永住者」というのは、戦後の米国から赴任する人のためにできた規定で、「居住者」「非居住者」以外のステイタスを置いている国はめずらしい、とか。
「住所とは何か」ということを考えさせられて、非常に参考になりました。
将来、南の島で仕事をするときの参考にさせていただきます。:-)
(以下、条文メモ。法人税法関連は省略。)


■所得税法
(定義)
第二条
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 国内 この法律の施行地をいう。
二 国外 この法律の施行地外の地域をいう。
三 居住者 国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて一年以上居所を有する個人をいう。
四 非永住者 居住者のうち、国内に永住する意思がなく、かつ、現在まで引き続いて五年以下の期間国内に住所又は居所を有する個人をいう。
五 非居住者 居住者以外の個人をいう。
六 内国法人 国内に本店又は主たる事務所を有する法人をいう。
七 外国法人 内国法人以外の法人をいう。
八 人格のない社団等 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものをいう。
(居住者及び非居住者等の区分)
第三条
<平成18年1月1日 施行分> (法律第十五号 平成14年3月31日 公布)
 国家公務員又は地方公務員(これらのうち日本の国籍を有しない者その他政令で定める者を除く。)は、国内に住所を有しない期間についても国内に住所を有するものとみなして、この法律(第九条の二(障害者等の郵便貯金の利子所得の非課税)、第十条(障害者等の少額預金の利子所得等の非課税)、第十五条(納税地)及び第十六条(納税地の特例)を除く。)の規定を適用する。
 2 前項に定めるもののほか、居住者及び非居住者並びに非永住者及び非永住者以外の居住者の区分に関し、個人が国内に住所を有するかどうか又は居住者が国内に永住する意思があるかどうかの判定について必要な事項は、政令で定める。
■所得税法施行令
第十四条
 国内に居住することとなつた個人が次の各号のいずれかに該当する場合には、その者は、国内に住所を有する者と推定する。
 一 その者が国内において、継続して一年以上居住することを通常必要とする職業を有すること。
 二 その者が日本の国籍を有し、かつ、その者が国内において生計を一にする配偶者その他の親族を有することその他国内におけるその者の職業及び資産の有無等の状況に照らし、その者が国内において継続して一年以上居住するものと推測するに足りる事実があること。
 2 前項の規定により国内に住所を有する者と推定される個人と生計を一にする配偶者その他その者の扶養する親族が国内に居住する場合には、これらの者も国内に住所を有する者と推定する。
(国内に住所を有しない者と推定する場合)
第十五条
 国外に居住することとなつた個人が次の各号のいずれかに該当する場合には、その者は、国内に住所を有しない者と推定する。
 一 その者が国外において、継続して一年以上居住することを通常必要とする職業を有すること。
 二 その者が外国の国籍を有し又は外国の法令によりその外国に永住する許可を受けており、かつ、その者が国内において生計を一にする配偶者その他の親族を有しないことその他国内におけるその者の職業及び資産の有無等の状況に照らし、その者が再び国内に帰り、主として国内に居住するものと推測するに足りる事実がないこと。
 2 前項の規定により国内に住所を有しない者と推定される個人と生計を一にする配偶者その他その者の扶養する親族が国外に居住する場合には、これらの者も国内に住所を有しない者と推定する。
(国内に永住する意思がないものと推定する場合)
第十六条
 国内に居住することとなつた個人が次の各号のいずれかに該当する場合には、その者は、国内に永住する意思がないものと推定する。
 一 その者が日本の国籍を有しないこと。
 二 その者が日本の国籍のほか外国の国籍を有し、かつ、その納税地の所轄税務署長に対し、国内に永住する意思がない旨を表明したこと。
■所得税法
(人格のない社団等に対するこの法律の適用)
第四条
 人格のない社団等は、法人とみなして、この法律(別表第一を除く。)の規定を適用する。
(納税義務者)
第五条
 居住者は、この法律により、所得税を納める義務がある。
 2 非居住者は、第百六十一条(国内源泉所得)に規定する国内源泉所得(以下この条において「国内源泉所得」という。)を有するときは、この法律により、所得税を納める義務がある。
 3 内国法人は、国内において第百七十四条各号(内国法人に係る所得税の課税標準)に掲げる利子等、配当等、給付補てん金、利息、利益、差益、利益の分配又は賞金の支払を受けるときは、この法律により、所得税を納める義務がある。
 4 外国法人は、国内源泉所得のうち第百六十一条第一号の二から第七号まで又は第九号から第十二号までに掲げるものの支払を受けるときは、この法律により、所得税を納める義務がある。
(源泉徴収義務者)
第六条
 第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等の支払をする者その他第四編第一章から第六章まで(源泉徴収)に規定する支払をする者は、この法律により、その支払に係る金額につき源泉徴収をする義務がある。
(課税所得の範囲)
第七条
 所得税は、次の各号に掲げる者の区分に応じ当該各号に定める所得について課する。
 一 非永住者以外の居住者 すべての所得
 二 非永住者 第百六十一条(国内源泉所得)に規定する国内源泉所得(以下この条において「国内源泉所得」という。)及びこれ以外の所得で国内において支払われ、又は国外から送金されたもの
 三 非居住者 第百六十四条第一項各号(非居住者に対する課税の方法)に掲げる非居住者の区分に応じそれぞれ同項各号及び同条第二項各号に掲げる国内源泉所得
 四 内国法人 国内において支払われる第百七十四条各号(内国法人に係る所得税の課税標準)に掲げる利子等、配当等、給付補てん金、利息、利益、差益、利益の分配及び賞金
 五 外国法人 国内源泉所得のうち第百六十一条第一号の二から第七号まで及び第九号から第十二号までに掲げるもの(法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第百四十一条第四号(国内に恒久的施設を有しない外国法人)に掲げる外国法人については、第百六十一条第一号の二に掲げるものを除く。)
 2 前項第二号に掲げる所得の範囲に関し必要な事項は、政令で定める。
(国内源泉所得)
第百六十一条
この編において「国内源泉所得」とは、次に掲げるものをいう。
一 国内において行う事業から生じ、又は国内にある資産の運用、保有若しくは譲渡により生ずる所得(次号から第十二号までに該当するものを除く。)その他その源泉が国内にある所得として政令で定めるもの
一の二 国内において民法第六百六十七条第一項(組合契約)に規定する組合契約(これに類するものとして政令で定める契約を含む。以下この号において同じ。)に基づいて行う事業から生ずる利益で当該組合契約に基づいて配分を受けるもののうち政令で定めるもの
一の三 国内にある土地若しくは土地の上に存する権利又は建物及びその附属設備若しくは構築物の譲渡による対価(政令で定めるものを除く。)
二 国内において人的役務の提供を主たる内容とする事業で政令で定めるものを行う者が受ける当該人的役務の提供に係る対価
三 国内にある不動産、国内にある不動産の上に存する権利若しくは採石法(昭和二十五年法律第二百九十一号)の規定による採石権の貸付け(地上権又は採石権の設定その他他人に不動産、不動産の上に存する権利又は採石権を使用させる一切の行為を含む。)、鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)の規定による租鉱権の設定又は居住者若しくは内国法人に対する船舶若しくは航空機の貸付けによる対価
四 第二十三条第一項(利子所得)に規定する利子等のうち次に掲げるもの
イ 公社債のうち日本国の国債若しくは地方債又は内国法人の発行する債券の利子
ロ 国内にある営業所、事務所その他これらに準ずるもの(以下この編において「営業所」という。)に預け入れられた預貯金の利子
ハ 国内にある営業所に信託された合同運用信託、公社債投資信託又は公募公社債等運用投資信託の収益の分配
五 第二十四条第一項(配当所得)に規定する配当等のうち次に掲げるもの
イ 内国法人から受ける利益の配当、剰余金の分配(出資に係るものに限る。)又は基金利息(保険業法第五十五条第一項(基金利息の支払等の制限)に規定する基金利息をいう。)
ロ 国内にある営業所に信託された投資信託(公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託を除く。)又は特定目的信託の収益の分配
六 国内において業務を行う者に対する貸付金(これに準ずるものを含む。)で当該業務に係るものの利子(政令で定める利子を除く。)
七 国内において業務を行う者から受ける次に掲げる使用料又は対価で当該業務に係るもの
イ 工業所有権その他の技術に関する権利、特別の技術による生産方式若しくはこれらに準ずるものの使用料又はその譲渡による対価
ロ 著作権(出版権及び著作隣接権その他これに準ずるものを含む。)の使用料又はその譲渡による対価
ハ 機械、装置その他政令で定める用具の使用料
八 次に掲げる給与、報酬又は年金
イ 俸給、給料、賃金、歳費、賞与又はこれらの性質を有する給与その他人的役務の提供に対する報酬のうち、国内において行う勤務その他の人的役務の提供(内国法人の役員として国外において行う勤務その他の政令で定める人的役務の提供を含む。)に基因するもの
ロ 第三十五条第三項(公的年金等の定義)に規定する公的年金等(政令で定めるものを除く。)
ハ 第三十条第一項(退職所得)に規定する退職手当等のうちその支払を受ける者が居住者であつた期間に行つた勤務その他の人的役務の提供(内国法人の役員として非居住者であつた期間に行つた勤務その他の政令で定める人的役務の提供を含む。)に基因するもの
九 国内において行う事業の広告宣伝のための賞金として政令で定めるもの
十 国内にある営業所又は国内において契約の締結の代理をする者を通じて締結した生命保険契約、損害保険契約その他の年金に係る契約で政令で定めるものに基づいて受ける年金で第八号ロに該当するもの以外のもの(年金の支払の開始の日以後に当該年金に係る契約に基づき分配を受ける剰余金又は割戻しを受ける割戻金及び当該契約に基づき年金に代えて支給される一時金を含む。)
十一 次に掲げる給付補てん金、利息、利益又は差益
イ 第百七十四条第三号(内国法人に係る所得税の課税標準)に掲げる給付補てん金のうち国内にある営業所が受け入れた定期積金に係るもの
ロ 第百七十四条第四号に掲げる給付補てん金のうち国内にある営業所が受け入れた同号に規定する掛金に係るもの
ハ 第百七十四条第五号に掲げる利息のうち国内にある営業所を通じて締結された同号に規定する契約に係るもの
ニ 第百七十四条第六号に掲げる利益のうち国内にある営業所を通じて締結された同号に規定する契約に係るもの
ホ 第百七十四条第七号に掲げる差益のうち国内にある営業所が受け入れた預貯金に係るもの
ヘ 第百七十四条第八号に掲げる差益のうち国内にある営業所又は国内において契約の締結の代理をする者を通じて締結された同号に規定する契約に係るもの
十二 国内において事業を行う者に対する出資につき、匿名組合契約(これに準ずる契約として政令で定めるものを含む。)に基づいて受ける利益の分配
(納税義務者の区分が異動した場合の課税所得の範囲)
第八条
 その年において、個人が非永住者以外の居住者、非永住者又は第百六十四条第一項各号(非居住者に対する課税の方法)に掲げる非居住者の区分のうち二以上のものに該当した場合には、その者がその年において非永住者以外の居住者、非永住者又は当該各号に掲げる非居住者であつた期間に応じ、それぞれの期間内に生じた前条第一項第一号から第三号までに掲げる所得に対し、所得税を課する。
(住所の意義)
2-1 法に規定する住所とは各人の生活の本拠をいい、生活の本拠であるかどうかは客観的事実によって判定する。
(注) 国の内外にわたって居住地が異動する者の住所が国内にあるかどうかの判定に当たっては、令第14条《国内に住所を有する者と推定する場合》及び第15条《国内に住所を有しない者と推定する場合》の規定があることに留意する。
(再入国した場合の居住期間)
2-2 国内に居所を有していた者が国外に赴き再び入国した場合において、国外に赴いていた期間(以下この項において「在外期間」という。)中、国内に、配偶者その他生計を一にする親族を残し、再入国後起居する予定の家屋若しくはホテルの一室等を保有し、又は生活用動産を預託している事実があるなど、明らかにその国外に赴いた目的が一時的なものであると認められるときは、当該在外期間中も引き続き国内に居所を有するものとして、法第2条第1項第3号及び第4号の規定を適用する。
(国内に永住する意思を有しない者の非居住者、非永住者等の区分)
2-3 国内に居住する者で国内に永住する意思を有しないものについては、その者が国内に住所を有するかどうかの区分に応じ、それぞれ次により非居住者、非永住者等の区分を行うことに留意する。
(1) 入国後1年を経過する日まで住所を有しない場合  入国後1年を経過する日までの間は非居住者、1年を経過する日の翌日以後4年を経過する日までの間は非永住者、その翌日以後は非永住者以外の居住者
(2) 入国直後には国内に住所がなく、入国後1年を経過する日までの間に住所を有することとなった場合  住所を有することとなった日の前日までの間は非居住者、住所を有することとなった日から入国後5年を経過する日までの間は非永住者、その翌日以後は非永住者以外の居住者
(3) 入国直後に国内に住所を有する場合  入国後5年を経過する日までの間は非永住者、その翌日以後は非永住者以外の居住者
(居住期間の計算の起算日)
2-4 法第2条第1項第3号又は第4号に規定する「1年以上」又は「5年以下」の期間の計算の起算日は、入国の日の翌日となることに留意する。
■相続税法
(相続税の納税義務者)
第一条の三
次の各号のいずれかに掲げる者は、この法律により、相続税を納める義務がある。
一 相続又は遺贈(贈与をした者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。以下同じ。)により財産を取得した個人で当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有するもの
二 相続又は遺贈により財産を取得した日本国籍を有する個人で当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有しないもの(当該個人又は当該相続若しくは遺贈に係る被相続人(遺贈をした者を含む。以下同じ。)が当該相続又は遺贈に係る相続の開始前五年以内のいずれかの時においてこの法律の施行地に住所を有していたことがある場合に限る。)
三 相続又は遺贈によりこの法律の施行地にある財産を取得した個人で当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有しないもの(前号に掲げる者を除く。)
四 贈与(贈与をした者の死亡により効力を生ずる贈与を除く。以下同じ。)により第二十一条の九第三項の規定の適用を受ける財産を取得した個人(前三号に掲げる者を除く。)
(相続時精算課税の選択)
第二十一条の九
贈与により財産を取得した者がその贈与をした者の推定相続人(その贈与をした者の直系卑属である者のうちその年一月一日において二十歳以上であるものに限る。)であり、かつ、その贈与をした者が同日において六十五歳以上の者である場合には、その贈与により財産を取得した者は、その贈与に係る財産について、この節の規定の適用を受けることができる。
2 前項の規定の適用を受けようとする者は、政令で定めるところにより、第二十八条第一項の期間内に前項に規定する贈与をした者からのその年中における贈与により取得した財産について同項の規定の適用を受けようとする旨その他財務省令で定める事項を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
3 前項の届出書に係る贈与をした者からの贈与により取得する財産については、当該届出書に係る年分以後、前節及びこの節の規定により、贈与税額を計算する。
4 その年一月一日において二十歳以上の者が同日において六十五歳以上の者からの贈与により財産を取得した場合にその年の中途においてその者の養子となつたことその他の事由によりその者の推定相続人となつたとき(配偶者となつたときを除く。)には、推定相続人となつた時前にその者からの贈与により取得した財産については、第一項の規定の適用はないものとする。
5 第二項の届出書を提出した者(以下「相続時精算課税適用者」という。)が、その届出書に係る第一項の贈与をした者(以下「特定贈与者」という。)の推定相続人でなくなつた場合においても、当該特定贈与者からの贈与により取得した財産については、第三項の規定の適用があるものとする。
6 相続時精算課税適用者は、第二項の届出書を撤回することができない。
(贈与税の納税義務者)
第一条の四
次の各号のいずれかに掲げる者は、この法律により、贈与税を納める義務がある。
一 贈与により財産を取得した個人で当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有するもの
二 贈与により財産を取得した日本国籍を有する個人で当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有しないもの(当該個人又は当該贈与をした者が当該贈与前五年以内のいずれかの時においてこの法律の施行地に住所を有していたことがある場合に限る。)
三 贈与によりこの法律の施行地にある財産を取得した個人で当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有しないもの(前号に掲げる者を除く。)
(相続税の課税財産の範囲)
第二条
 第一条の三第一号又は第二号の規定に該当する者については、その者が相続又は遺贈により取得した財産の全部に対し、相続税を課する。
2 第一条の三第三号の規定に該当する者については、その者が相続又は遺贈により取得した財産でこの法律の施行地にあるものに対し、相続税を課する。
(贈与税の課税財産の範囲)
第二条の二
 第一条の四第一号又は第二号の規定に該当する者については、その者が贈与により取得した財産の全部に対し、贈与税を課する。
2 第一条の四第三号の規定に該当する者については、その者が贈与により取得した財産でこの法律の施行地にあるものに対し、贈与税を課する。
■相続税法基本通達
(「個人」の意義)
1の3・1の4共-1 法に規定する「個人」とは、自然人をいうものとする。(平15課資2-1改正)
(個人とみなされるもの)
1の3・1の4共-2 相続税又は贈与税の納税義務者は、相続若しくは遺贈(贈与をした者の死亡により効力を生ずべき贈与(以下「死因贈与」という。)を含む。以下同じ。)又は贈与(死因贈与を除く。以下同じ。)によって財産を取得した個人を原則とするが、次に掲げる場合(その贈与又は遺贈に係る財産の価額が法人税法(昭和40年法律第34号)の規定により社団若しくは財団又は法人の各事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入される場合を除く。)においては、それぞれ次に掲げる人格のない社団若しくは財団又は法人は法第66条の規定により個人とみなされて相続税又は贈与税の納税義務者となるのであるから留意する。(昭42直審(資)5、昭57直資2-177、平15課資2-1改正)
(1) 代表者若しくは管理者の定めのある人格のない社団若しくは財団を設立するために財産の提供があった場合又はその社団若しくは財団に対し財産の遺贈若しくは贈与があった場合
(2) 法人税法第2条第6号に規定する公益法人等その他公益を目的とする事業を行う法人を設立するために財産の提供があった場合又はこれらの法人に対し財産の遺贈若しくは贈与があった場合において、当該財産の提供者、遺贈をした者又は贈与をした者の親族等の相続税又は贈与税の負担が不当に減少する結果となると認められるとき。
(納税義務の範囲)
1の3・1の4共-3 法第1条の3各号又は第1条の4第各号に掲げる者の相続税又は贈与税の納税義務の範囲は、それぞれ次のとおりであるから留意する。(平15課資2-1改正)
(1)  無制限納税義務者 (法第1条の3第1号又は第1条の4第1号に掲げる個人(以下「居住無制限納税義務者」という。)又は第1条の3第2号又は第1条の4第2号に掲げる個人(以下「非居住無制限納税義務者」という。)をいう。以下同じ。)相続若しくは遺贈又は贈与により取得した財産の所在地がどこにあるかにかかわらず当該取得財産の全部に対して相続税又は贈与税の納税義務を負う。
(2)  制限納税義務者 (法第1条の3第3号又は第1条の4第3号に掲げる個人をいう。以下同じ。)相続若しくは遺贈又は贈与により取得した財産のうち法施行地にあるものに対してだけ相続税又は贈与税の納税義務を負う。
(3)  特定納税義務者 (法第1条の3第4号に掲げる個人をいう。以下同じ。)被相続人が法第21条の9第5項に規定する特定贈与者(以下「特定贈与者」という。)であるときの当該被相続人からの贈与により取得した財産で同条第3項の規定(以下「相続時精算課税」という。)の適用を受けるものに対して相続税の納税義務を負う。
(注) 特定納税義務者とは、被相続人から相続又は遺贈により財産を取得しなかった者のうち、法第21条の16第1項の規定により相続時精算課税の適用を受ける財産を当該被相続人から相続又は遺贈により取得したものとみなされるものをいう。
(居住無制限納税義務者の判定)
1の3・1の4共-4 相続税又は贈与税の納税義務者が居住無制限納税義務者であるかどうかの判定は、その者が相続若しくは遺贈又は贈与により財産を取得した時において、法施行地に住所を有するかどうかによるのであつて、被相続人(遺贈をした者を含む。以下同じ。 )又は贈与をした者の住所が法施行地にあるかどうかは問わないのであるから留意する。
したがつて、相続若しくは遺贈又は贈与により法施行地にある財産を取得した者で当該財産を取得した時において法施行地に住所を有しないものは、たとえ、当該財産を取得した時において法施行地に居所を有していても、居住無制限納税義務者には該当しないのであるから留意する。(昭57直資2-177、平15課資2-1改正)
(「住所」の意義)
1の3・1の4共-5 法に規定する「住所」とは、各人の生活の本拠をいうのであるが、その生活の本拠であるかどうかは、客観的事実によって判定するものとする。この場合において、同一人について同時に法施行地に2箇所以上の住所はないものとする。(平15課資2-1改正)
(国外勤務者等の住所の判定)
1の3・1の4共-6 日本の国籍を有している者又は出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)別表第二に掲げる永住者については、その者が相続若しくは遺贈又は贈与により財産を取得した時において法施行地を離れている場合であっても、その者が次に掲げる者に該当する場合(1の3・1の4共-5によりその者の住所が明らかに法施行地外にあると認められる場合を除く。)は、その者の住所は、法施行地にあるものとして取り扱うものとする。(昭57直資2-177追加、平2直資2-136、平15課資2-1改正)
(1)  学術、技芸の習得のため留学している者で法施行地にいる者の扶養親族となっている者
(2)  国外において勤務その他の人的役務の提供をする者で国外における当該人的役務の提供が短期間(おおむね1年以内である場合をいうものとする。)であると見込まれる者(その者の配偶者その他生計を一にする親族でその者と同居している者を含む。)
(注) その者が相続若しくは遺贈又は贈与により財産を取得した時において法施行地を離れている場合であっても、国外出張、国外興行等により一時的に法施行地を離れているにすぎない者については、その者の住所は法施行地にあることとなるのであるから留意する。
(日本国籍と外国国籍とを併有する者がいる場合)
1の3・1の4共-7 法第1条の3第2号又は第1条の4第2号に規定する「日本国籍を有する個人」には、日本国籍と外国国籍とを併有する重国籍者も含まれるのであるから留意する。(平15課資2-1追加)
(財産取得の時期の原則)
1の3・1の4共-8 相続若しくは遺贈又は贈与による財産取得の時期は、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次によるものとする。(昭38直審(資)4、昭57直資2-177、平15課資2-1改正)
(1)  相続又は遺贈の場合 相続の開始の時(失そうの宣告を相続開始原因とする相続については、民法第31条に規定する期間満了の時又は危難の去りたる時)
(2)  贈与の場合 書面によるものについてはその契約の効力の発生した時、書面によらないものについてはその履行の時
(下線部、筆者メモ)

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不動産バブルと情報通信と所得税” への5件のコメント

  1. 住所と租税といえば、「税金を払わない終身旅行者−究極の節税法PT」、という本を思い出しました。身勝手なカネ持ちどもの「節税ノウハウ書」と切って捨てるのもヨシ、個人と国家の関わり方について重要な示唆を与えてくれる「警世の書」とみるも、またヨシ。

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